TS転生して合法ロリになったので、ヒロイヴHappyEndのために頑張ります! 作:青いカンテラ
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「それじゃあ、ジイちゃん。この筐体好きに使わせてもらうね」
「おう。GPDはもう終わったからな。オメェの好きに使え」
「あんがと」
ELダイバー、リリアを発見した翌日。オレは店の裏の倉庫に運び込んでいたGPDの筐体を前にして、作業着姿で立っていた。
無事(?)にイヴ以外のELダイバをー見つけられたから、早速次の段階だ。それはイヴの本格的なサルベージを前にして、その下準備を整えていこうというものである。
アニメでは色々な人たちの協力の元に、第二次有志連合戦後に初めてELダイバーのサルベージが試みられ、サラがリアルにやって来た初めてのELダイバーとして、その最初の一歩を踏み出した。
オレとしてはそこまで待っている余裕はないというか、そこまで待っているとイヴがGBNに発生したバグを取り込みすぎて自身の消滅を選んでしまうので、そうなる前にELダイバーのサルベージができるようにしたい。
ただ、本格的なサルベージをするために必要なビルドデカールは完成する目途すら立ってないんだよな……。リリアとの出会いで少しは進展するだろうが、それもいつになるやらである。
そこで、プランBだ。すぐにサルベージができないなら、人格データだけでも一時的に別の場所へ避難させておこう作戦だ。そのために目を付けたのが、GPDの筐体である。
これならガンプラバトル用のフィールド形成に使う膨大な演算リソースもあるし、ELダイバーの人格データを一時保管しておくために使えば、ELダイバーの一人や二人くらいは余裕で避難させておけるだろう。
ELダイバーはGBNにとってイレギュラーな存在だ。GBN内に存在しているだけでもその人格データがシステムに負荷を掛ける。最初は小さな影響だとしても、成長につれて人格データが膨大になっていけば、それはやがてGBNのメインシステム自体を破壊しかねない。
それにバグの問題もある。オンラインゲームは大なり小なりバグが発生するものだ……そんなバグを、イヴがやっていたように取り込んでしまうとやがて耐えられなくなって崩壊する恐れもある……。
そうならないためにシステムへの負荷軽減と、ELダイバーの人格データ保護のためにも別の場所に一時避難させる必要があるわけだ。
「……と、こんなものかね」
カチャカチャと機械を弄りまわして、ひとまずの改造を終えた筐体を見る。正面に向かい合っている操作台の片方には今、ダイバーギアとゴーグルが取り付けられている。
これはGBNとGPDを繋げるための中継点の役割をしてもらうものだ。もちろんそのままGBNからELダイバーのデータを引き上げることはできないからもう一工夫するのだが……。
「さて、上手くいくといいけどな……」
GPDに繋げた改造ダイバーギアにグレイズを置く。これには試作中のデカールを張り付けてある。上手くいけば、これにELダイバーのデータを移して、そこからGPDの筐体を一時避難先として保管することができる……はずだ。
何せ初めての試みだからな。ビルドデカールのように人格データをマテリアルボディに定着させて動かせるようにする、なんてことはさすがに出来ないが、ELダイバーの受け皿には十分なってくれると思いたい。
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「……というわけで、乗って?」
「いや、いきなりでわけわかんないんだけど」
セントラルロビーから少し離れた展望台にいたリリアを、最初に会った森へと連れてきたオレは、呼び出したグレイズを指さす。
こいつは筐体に繋げてある方のダイバーギアから持ってきたものだ。中に乗り込むと張り付けた特殊デカールによってダイバーデータのスキャンが行われ、組み込んであるナノICチップに一時保管される。
それで、ログアウトをするとそのまま筐体にデータがアップロードされる……というものだ。正直に言えばバレたら怒られるなんてものではない。だがそれでも、最終的にはイヴを助けるためには必要なこと……。
「いいからいいから。乗ってくれたらセントラルロビーにあるG-Cafeのケーキ奢ってあげるから」
「ケーキ! わかった、この子に乗ればいいんだね!」
目をキラキラさせながらグレイズに乗り込んでいくリリア。チョロいな……。なんとなくだが、リリアは「食」が好きそうなELダイバーっぽい。
ELダイバーが飲食系アイテムを食べることで栄養が取れるかは分からないが、もし栄養があるのだとしたら、リリアのそれが行きつくところは胸だろうな。
ぴょんぴょんと跳ねるたびに重そうに揺れる二つのものを見ると、そう思う。別にそれの大小で羨ましいと感じるようなことはないが……大きいと大変だとは聞く。リリアもこれから苦労するのだろうか。ELダイバーが垂れるかどうかは知らないが。
「ユウリちゃーん! 乗ったよー! って、うわ、まぶし! これ何の光!?」
「大丈夫、アナタのダイバーデータをスキャンしているだけだから」
よしよし、ちゃんと特殊デカールは機能しているようだ。後はスキャンが完了してナノICチップにデータを保存次第、自動的にログアウトして筐体へとデータを移すはずだ。
「あ、あれ……? なんだか急に眠く……」
シュゥゥゥン……とグレイズの姿が消えていく。リリアのスキャンが完了して、自動ログアウトしたらしい。
……ここまでは順調だ。後はオレもログアウトして、向こうで筐体にリリアのデータが正常に移っているのかを確認する必要がある。
逸る気持ちを抑えながら、ログアウトボタンを押した。
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結論から言えば、概ね成功した……と見ていいだろう。今、オレの目の前にあるGPDの筐体のドーム状のフィールドには、一人の少女の姿がある。
それは筐体の演算リソースを間借りして姿を再現されている、いわゆる立体映像に近いものだが……GBNから回収されたELダイバーリリアは確かにそこにいた。
ただ、GBNにいた時のように動き回ったりはしていない。ちょこんと座って、目を閉じている。見た感じデータの破損もなく移せているし、GPDでも動けるはずなのだが……。
目覚めるのか……? 目覚めてくれ……。底のない不安が募る。じっとりとしたイヤな汗が出てきたあたりで、リリアの首がかくん、と前に倒れた。
「ふぇっ……? ふぁぁぁ……よく寝た……。あれ? ここどこ?」
「……はぁっ、驚かせるなよ……」
まったくもってひやひやさせてくれるELダイバーである。思えば最初に会った時にも空から落ちてきたというのに安らかな顔で眠っていたな。
よく食べてよく眠る。寝る子は育つというやつか。……まあ、リリアの場合は育つのは一部分になりそうではあるが……。
「目が覚めたか? 寝坊助さん」
「へぇ? わぁ、ユウリちゃんが巨人になってる!」
「そっちが小さいんだよ。言ったろ、ELダイバーは電子生命体だって」
見た感じ不具合とかは無さそうで一安心だ。何もかも初めてなことだったが、上手くいってよかった。細かい調整はしていかないといけないが、とりあえずは一歩前進である。
「それに喋り方も、見た目もなんか違う?」
「そりゃ、こっちがリアルだからな。アバターは多少弄ってあるが、オリジナルはこっち。喋り方も……こっちが素なんだよ。驚いたか?」
「うん、少しだけ。でも、こっちのユウリちゃんもいいと思う!」
「そうかい」
適当に相槌を打ちながら、筐体の設定を弄る。今は使うリソースを最低限にしているからフィールドは真っ白だ。
だが、無事リリアが転送されたからにはそのままというのも味気がない。なので、草原と……それから一軒家を建ててやる。
イメージとしてはシルバニアなファミリーの家だろうか。これならリリアのサイズ感にもピッタリだろう。
「わわ、なんか色々出てきた!」
「フィールドの設定を変えたんだ。真っ白な空間にいるのも退屈だろ。しばらくはその家がリリアの居場所だ」
「わぁ、キレーなお家! ユウリちゃん、ありがとー! あとはお菓子とかパンとかも欲しいなー!」
しれっと食べ物まで要求してくるとは、リリアも案外図太いやつだ。
「食べ物か……。少し待ってろ……。ここの設定をこうすれば……これでどうだ?」
テーブルの上に、出来立てのパンケーキっぽいものが出現する。GPDには食べ物に関するデータは無いが、そこは木や水といったオブジェクトを一部変更してみた。
リリアは「わーい、パンケーキだ!」と飛びついて、早速ナイフとフォークで切り分けて大きく口を開けて頬張る。
「……くそまじぃ……」
食べて一秒後に、物凄い渋い顔をしながらそんな言葉を口にした。それでも一皿分は完食するあたり、やはり「食」に対して拘りというか、どんなものでも食べ物なら粗末にしてはいけない、みたいな思いがあるのだろうか。
「まずい! もう一皿!」
「まずいのになんでお代わり要求してんだ……?」
渋い顔のまま、こっちに空いた皿を突き出してくるリリア。そんな顔してるのにまだ食べるとか、ELダイバーの考えてることはわからねぇなあ……。
―――To Be Continued