新キャラクター登場
『お二人とも!悲しいことはお止めください!!』
突如響いた言葉とともに、酒場の入り口の扉が勢いよく開かれた。
『ありゃあ、白豚だ!・・・おい酔っ払い!悪いことは言わねえ、触らぬ豚にたたり無し だ。』
酒場の客たちが騒ぎ出す。
スモトリのような立派な体躯。真っ白な肌。
頭には赤いバンダナ。顔には眼鏡。
身に着けたTシャツには下水色苦労婆と印字されている。腰にはサムライソード。
下半身は、色の褪せたジーンズ。
『争いは憎しみと悲しみを生み出し、不幸も作り出します。どうか寛容な心、相手に慈悲と理解を。そうすれば世界はより美しくなることでしょう!』
彼こそはならず者には白豚(CV山下大輝)
と呼ばれ、所属する自警団からはホワイトナイトと呼ばれる、高潔な志をもつ男だ。
『・・・なんだぁ?』
アンジェは首を傾げた。
『おいおい、どこから来たんだよ?この豚野郎は!?白豚だぁ?家畜にビビってたら人間様やってらんねえっての。・・・それに見てみろよ、あのTシャツ!今時、ママだってあんなの買ってこねえよ、こいつは傑作だぜ!!』
酔った男は悪態をついた。
それを言い終わるか否かの刹那に、白豚は音もなく酔った男の眼前に稲妻のような速さで迫った。
『・・・・・・今の御言葉を訂正しては頂けませんか?』
悲しげに白豚は酔った男に尋ねた。
『・・・・・・っ。なんだってんだよ、この豚野郎め!』
驚いた男はアヤを放してしまい、一瞬息を呑みながらも必死に悪態をついた。
『そこのお嬢さん、こちらへ・・・』
白豚はアヤを安全な方へと逃がす。
『こいつが避けれるか!?』
人質を失い焦った男は、矢継ぎ早に弾丸を放った。
『悲しいことは為さるものではありません』
人知を超えた動きで白豚は弾丸を躱す。まるで弾丸が自ら彼を避けるかのように。
カチッ!カチ、カチカチ!
それは弾の切れた拳銃が鳴らす音なのか。はたまた弾丸をすべて躱された男が鳴らす恐怖の歯噛みか。
『・・・わけわかんねえよ!こいつ・・・・・・人間じゃねえ!!』
『おい!ジェット!こいつを使えよ!!』
男の仲間と思しき者がマシンガンを投げてよこす。
『こいつは良いもんだ!・・・臭うぜ、汗をかいたろ?・・・・・・シャワーを浴びな!!』
酔った男はマシンガンを手に叫ぶ。
『何と愚かな!そのようなことをなさるとは・・・・・!!』
酔った男は白豚を殺そうとするあまり、他の客を巻き込むのも辞さない。
『いい気分だぜぇ~~!!』
(酔った)男は引き金に手をかけ、激しいスタッカートとマズルフラッシュを引き起こす。
『・・・・・・絶刀!!』
気合と共に一声放つと、白豚はサムライソードを抜き放った。それと同時に弾丸が刀に吸い込まれるように向かう。向かってきた弾丸を凄まじい速さで切断しながら、マシンガンを撃ち続ける男にゆっくりと歩み寄っていく。
『悲しみを生んではなりません。相手を受け入れ許容する、そこから始まるのです。』
穏やかな諭すような口調で白豚は尚も滲みよる。
『ひぃ!来るな!来るんじゃねえ!!化け物め!』
酔った男は喚き散らしながら弾を撃ち続ける。
やがて弾が切れ、空薬莢が地を叩く乾いた音が鳴り響く。
『貴方のようなお方は、誠に残念でなりませんが・・・真のモノノフではございませんね・・・・・・』
うつむきながら白豚はサムライソードの切っ先を酔った男の股間にあてがい、悲しげに囁いた。
『あ、あ、ああ、あぁぁぁ~!』
酔った男は口から泡を吹き散らし、股間からは水が滲み小便が地面を叩いた。
『貴方は謝らなければなりません。一つは私のTシャツに描かれたシンボルに。二つ目は貴方が害を為そうとした、ここにいる善良な皆さんに』
『ひぃ!イノチは、命だけは~!!・・・謝る、謝るからよ!!』
男は惨めに股間を気にしつつ首をガクガクと上下に振り、必死に答えた。
『よろしいでしょう・・・それでは、心からの謝罪をお願いいたします』
白豚はスッとサムライソードの切っ先を放すと男に言った。
『す、すまねえ!・・・とにかくすまなかった!!』
『お~いジェット~、置いてくなってぇ~』
そういうと男は仲間と共に、脱兎のごとく酒場を去っていった。
『皆さんの楽しいひと時をお邪魔してしまい、申し訳ありません』
白豚は丁寧に他の客たちに頭を深々と下げた。その所作は麗しき貴人の一礼そのものである。
『てめえは何者なんだ?見ねえ顔だが、中々ご機嫌なことをするじゃねえか』
『争いなど、悲しみでしかありませんよ・・・』
首を振りうつむきながら白豚は答えた。
『目には目を!暴力には暴力を!・・・昔偉大な王様が言ってたぜ?』
『暴力・・・・・・悲しいことです』
白豚は刀を鞘に戻した。
『それにしても、貴方には何か特別な力があるのか?』
ナッシュが話に入ってきた。
『特別な力など、何もありませんよ。・・・ただ強いて申し上げるならば、この刀は少々特別なものでして。神剣ヤタガラスといいます。』
『へえ、いわゆる御神刀ってやつか!・・・さぞタケエんだろうなあ、いくらするんだ?』
『値段など私には見当もつきません。私の生まれたヒノモトという国の迫害されている少数民族のナタクに代々伝わるモノと聞いております』
(ナタク=ヲタク)
『ヒノモトっていや、あの極東の島国だろ?あの島の女ってエレェ神秘的な美人がいるっていう話じゃねえか!』
『お前は、本当に女に目がないな』
飽きれたようにナッシュが呟いた。
『人生って言ったら食い物と酒、そして女!これがRock`n‘ Roll
ってやつだろ!・・・国では女待たせてんだろ?白豚さんよ』
『生憎、現世の女性との交際は、わが民族の戒律で禁じられております。神に仕える身ですから・・・』
『はあ?んじゃあ何か?お前は、その年で女とヤッタこともねえってのかよ!?・・・おいおい!男たるもの突っ込んでなんぼだろがよ!』
『そういうルールなんだ。察してやれ』
『じゃあ、神様ってのはヤラセテくれるってのかよ?信じる者にはこの身をささげましょう!ってわけかよ。それなら信者は全員、穴兄弟!一心同体ってわけだ!傑作だぜ!』
『神の御身はこの目には見えなくとも常におそばにおられます。私の信仰心が揺らがぬ限り、神はそこにあられます。この胸にも』
『やっぱ、坊主にはお帽子がお似合いだな!神様が見えたら教えてくれや!ショチシツに送ってやるよw』
『なんと畏れ多い事を・・・・・慈悲深き神よ、哀れで無知なこの者をお許しください。代わりに七難八苦を我に与え給え・・・』
白豚は神に祈りを捧げた。白豚のMPが3ポイント回復した!
『始まったよ!おい!オッぱじまったわw』
アンジェは腹を抱えて笑い出した。
『品のないお前らしいな』
ナッシュは帽子を顔に斜めに被せ、ため息をついた。
これ以上浮かばない 断筆中・・・・