リセットプログラムを起動
お憑かれSummer!
ミツマタノヅチの時になった無機質な音声と共にのぼせトンマンは消滅する。どうやらあの時と同じように話すことはできないようだ。
元のお湯に戻った湯船にあるものが浮かぶ。チョーシ堂の店主が愛用する勝負下着だ。オレはそれを拾い上げ、皆にお疲れと声をかける。そうしてジバニャンとウィスパー、コマさんとコマじろうという妖怪がここに残り、他は帰っていった。
「コマさんとコマじろうだっけ?ありがとう!おかげであいつに勝てたよ!」
「オレっちも他の妖怪達もおんなじ気持ちニャン!」
「えへへ……
「兄ちゃんが目を覚ましたときには、助けてくれた人間がもうどっかに行ってたズラからね。」
どうやらフミちゃんがこの2人を助けていたらしい。ウィスパーがフミちゃんの味方をしているところを見ていたからついてきたという事だろう。
『ケータく~ん、見つかった~?』
どうやらフミちゃんがこっちに来たらしい。オレはコマ兄弟に恩人に会えるよと伝えて、銭湯を後にしたのだった。
◇◆◇
「オラはコマさんっていうズラ。団地の時助けてくれてありがとうズラ!」
「弟のコマじろうズラ!あの化物を引き受けてくれたおかげで兄ちゃんは元気になったズラ!」
「元気そうでよかった!改めてワタシは木霊文花、よろしくね!ケータくんを助けてくれてありがとう!」
ワタシたちは銭湯から出たあとチョーシ堂へ向かうなか自己紹介している。ケータくんとウィスパーから経緯を聞いて、トモダチになりたいと思ったからだ。それはケータくんも同じようでワタシの後に続く。
「オレは天野景太。正直にいうと2人が居なかったからオレたちは死んでた。命の恩人だよ。本当にありがとう!」
「オレっちジバニャン!巡り巡った縁がこの光景を生んでいることに感動しているニャン。」
「天野景太くんと木霊文花さんの妖怪執事であるウィスパーと申します。今は文花さんの都合上文花さんのお家に住まわせてもらっています。」
「「皆よろズラ~♪」」
『よろしく~♪』
ツチノコの神秘的で大自然を連想させる癒しとは別ベクトルの、のどかな田舎からでる純朴でほんわかとした癒し!ステキだな~!
しかも兄弟で別の妖怪って珍しいよね。バクがいるけどあれは同じ種の妖怪だし。
阿吽の狛犬が元ネタだからかな?阿と吽て別の意味を持つからそこから種の力が別けられてもおかしくないしね。
「ところでおまえたちはどうしてこんな暗い時間に外にいるズラか?良い子は寝る時間ズラよ。」
コマさんがそう言うとケータくんが説明する。
妖怪ウォッチのランクを上げる為に夜の銭湯に大切な物を取りに来たこと。
そこにのぼせトンマンという妖怪が居て、その妖怪がウォッチのランクを上げてくれる人の大切な物を身に付けていたこと。
それを返してもらおうとしたら戦闘になって、命の危険に及んだ激戦になったこと。ケータくんの説明を終えるとコマ兄弟がその情報におののいていた。
「もんげ~~……。都会の妖怪はおっかないズラ……。」
「この前住宅街の方でどえらい騒ぎが起きたズラ。きっとオラたちは結構マズいタイミングで来てしまったようズラね……。」
どうやらコマ兄弟はどこか別の場所からさくらニュータウンに来たようだ。さしずめ都会にやって来た田舎少年というところだろうか。少年といえる妖怪の年齢じゃないかも知れないけどね。
そう話しているとチョーシ堂につく。ジバニャンとコマ兄弟はウォッチランクを上げるのを見たいと言った。店主のお爺さんに聞かないとねと言ってワタシたちは中に入る。
「おまえ達無事か!?」
店主のお爺さんは鬼気迫る表情でこちらを見る。まぁあの妖気を気に留めないほどお爺さんは穏やかじゃない。銭湯と団々坂中が戦闘区域になったようなものだからお爺さんは気が気じゃなかっただろう。
ワタシたちは団々坂で起きた戦闘について話し、勝負下着を渡す。その時勝負下着をのぼせトンマンが身に付けていた事を話さなかった。おっさんの妖怪が身に付けていた事は知らない方がいいと判断したからね。
「がはは!ワシの想像を超える大冒険をしたそうだ!そんなスゴいことをしたなら更におまけしたいが、慣れというのは肝心だ。ワンランクアップで我慢してくれ。」
「いきなり大きな力を持たされてもどこかで持て余すからオレたちは構わないよ。」
「今でさえ大変なのにいきなりズドーンと来てもね。こういうのはコツコツとだよ。」
そうかとお爺さんが微笑むと、ワタシはランクを上げている所を見たい妖怪がいると伝える。面白くないぞ?とお爺さんが笑って許可するとウィスパーが扉を開けて3人を招いた。
そうして妖怪ウォッチの強化が始まる。
店内に響くのは数多の時計が針を進める音と外から聞こえる虫の声、そしてワタシたちの息づかいと店主のお爺さんが奏でる器具の音だった。
動作の一つ一つがウォッチに精魂を込めるかのようにその動きは綺麗だった。
この強化で上がるウォッチランクはたったの1つ。まだ高位の妖怪を見つけることはできない。
でもその1つがワタシたちをより大きく羽ばたくための礎となる。
「できたぞ。」
店主のお爺さんが机から上がり、ワタシたちにウォッチを差し出す。ワタシたちはそれを受け取り、身につける。
すると、今までにない重厚な雰囲気が妖怪ウォッチから醸し出された。そうかこれが───────
D
「これで強い妖怪も見つけられるようになりましたね!」
「うん!どんな妖怪に会えるんだろう……!」
「ワクワクするねケータくん!」
その会話を聞いたコマ兄弟がワタシたちに話しかける。
「そげなすんごい冒険、オラ達も混ぜてほしいズラ!」
「オラ達ができることは少ねぇかもしんないけど、お荷物にならないよう頑張るズラ!」
コマ兄弟の言葉にケータくんが反応する。
「コマさん、コマじろう。そう言っててくれてありがとう。でもそうすることはできない。」
「「ズラ!?」」
「おいおいランク上げたのに何を言って……」
「大丈夫。ケータくんの話をよく聞いて。」
「確かに世界にはいろんな妖怪が居るだろうし、町を狙う悪者も居るみたいだから、それを見つけたり何とかするためにいろいろする事はあるよ?でも毎日がそれだったら疲れるんじゃないかな?」
ハッと空気が軽やかになる。ケータくんはそれを感じると話を続けた。
「確かにオレとフミちゃんにとっては普通とは違う冒険かもしれない。でもレンズを通して見るのは妖怪達の普通の日々の一部なんだ。オレたちはその光景を見るために妖怪ウォッチを使っている。だから、冒険とかお荷物とか言われると、ちょっと重たくて参ってしまう。」
ワタシは頷く。ワタシたちが妖怪ウォッチを使うことを選んだのは妖怪達を知るためだ。その為にトモダチとなって協力してほしい思いはあるけど、義務になってはいけない。だから、
「だからオレは、オレたちは、よき隣人として、どんな時でも気がねなく頼れるトモダチとして接したいんだ。ダメかな?」
そういってケータくんは右手を差し出す。ワタシもそれに合わせて右手を出した。
「~!わかったズラ!オラ達が間違っていたズラ!」
「冒険する仲だけがトモダチじゃないズラ!お互いがいい感じに支えあって必要なときに助け合う、トモダチ契約に必要なことを忘れていたズラよ!」
コマ兄弟はジャンプして拳を合わせる。その瞬間4つの手の中心から4枚のメダルが生成された。コマさんのメダルとコマじろうのメダルである。
「オラ達、しばらくはさくらニュータウンを回るズラ!」
「一時はどうなるかと思ったけど、人間のトモダチができたから万々歳ズラ!」
「「今後ともよろズラ~!」」
そう言うとコマ兄弟は去っていった。
新しいトモダチにこれから出会う妖怪達、再度それに想いを馳せながら、ワタシたちはチョーシ堂の店主にお礼をして、帰路につくのだった。
コマさん早期加入!
初代のコマじろうがランクDの竹林のおんぼろ屋敷でトモダチになれるから丁度いいよね!
次回妖怪ウォッチ1第5章……の前に、
たのみごとと5回程度イベント回やります。
ケータくんと一緒に行動するガシャ限Sランク妖怪[1体のみ!]
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オオクワノ神
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犬神
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百鬼姫
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心オバア
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虫歯伯爵
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ふじみ御前