【リメイク】僕はげきからマホイップと世界を巡る 作:三笠みくら
「アマネくんって食べるの好きなんだね、すっごく美味しそうに食べてたもん」
「うん、家が料理屋さんしててね。お母さんもお父さんもすごく料理上手で…それで食べるのが好きになったかな」
「そうなんだ、いいなー。わたしサンドウィッチ以外作れな…あ、電話」
実際食べること「は」好きなんだよね。ただルセちゃんの料理だけは苦手だ。なーんか拒否反応が出るんだよね。そういえばアオイちゃんのスマホロトムは…何あれ、サンドウィッチ柄のスマホカバー?
「はあ……」
「どうしたの?」
「ううん、ブルーベリー学園のシアノ校長から。ブルベリーグのチャンピオンとして休暇明けたらまた来てって」
「……ブルベリーグのチャンピオン?パルデアでもチャンピオンランクって言ってなかった?」
「うん、そうだよ!ブルーベリー学園ってバトルに力入れててね!学園内でのリーグ…ブルベリーグでもわたしチャンピオンなの」
「そんなに強いんだ……」
「強いよ!わたしと渡り合えるのはネモとスグリくらいだからね!」
尊敬しちゃうなあ。ポケモンバトルを楽しめるって言うのもそうだけど、実際にここまで強くなれちゃうんだから。僕は無理だな、フランがバトルで傷つくとか……あぁ、考えたくない。
「そうだなー、アマネさんになら話してもいいかな」
「?」
「ちょっと秘密の場所行こ。そこなら誰もいないから」
「秘密の場所……?」
アオイちゃんに連れられて、僕はやばげなゲートの前にたどり着いた。なにここ、明らかにSF映画の始まりじゃん。
「ここからワープするんだ、いつもはコライドンに乗って飛び降りるんだけど…」
「絶対イヤ」
「だよね」
アオイちゃんと一緒にワープして外に出ると……そこには自然がいっぱい。なんだか天国みたいだ。白い花のフラベベたちや、アーマーガアたちが平和に暮らしてる。でもなんだか異質な感じ。
「ここはエリアゼロ。パルデアでも危険かつ謎の多い場所って言われててね、基本的には立ち入り禁止なの」
「え?それって入っちゃダメなんじゃ…」
「大丈夫!!わたしチャンピオンだから!!」
「なにも大丈夫じゃない!!」
「まあそれは置いといて……ここなら人は来ないし大丈夫でしょ?」
「ここでしか出来ない話ってなに……?」
おいしいみずをひとくち飲んで、アオイちゃんはぽつぽつ話し始めた。
「わたしね、やりたいことがないの」
「……うん」
「バトルは好きだよ?勝つのも好きだし、負けるのも今度は勝つぞ!って感じで燃えるし。でも今は……なんか違うかなって」
「………」
「他のみんなは目標とか夢に向かって進んでて……でもわたしはそういうのなくって。なんだか1人取り残されてる感じがして……」
「…………」
「ごめんね、こんな話して。会ったばかりの女の子だから、逆に話せるかなって」
「……あの」
「うん」
「やりたいことがないのって……普通じゃない?」
「えっ」
「いや、だってそうでしょ。まだアオイちゃんアカデミーの生徒なんでしょ?それに僕と同い年くらいだし……」
「でも、みんな将来の夢持ってるんだよ?アマネさんも何か……」
「そんなものは、ない!!」
「へぁ」
「僕はそもそもそういうの、考えたこともない!!なぜならそんな余裕もなかったから!!もちろんマホイップへの推し活とかはしてたけど、それ以外に夢や目標があったかと言われればない!!」
「おぉう……」
「それに将来の夢って、ころころ変わるものだと思うんだよね。僕のお母さんも昔はジムチャレンジやってたけど敗退して料理屋さんやってるし。だから無理する必要はないと思う!!」
「……ふふ、そっか。それもそうだね……無理して目標設定しても、辛いだけだもんね」
「そう!特に他人に強制されることほど辛いものはないからね!!」
これ大事。他人の勝手な期待とか視線とかに応えようとすると碌なことにならないのです。そもそも僕のお母さんもジムチャレンジはおじいちゃんに無理やりさせられたものらしいし。僕だってそうだ、やりたくないことを強制させられて今に至るからな。
「なんか、ありがとう。楽になった…気がする」
「それなら良かった……少しは役に立てたかな?」
「うん!それじゃあお礼にサンドウィッチ……」
ドン、ファアアンド!!
なんだこの雄叫び、それにこの地響き……って、ドンファン?でも大きすぎない!?なんか野生味あるし!!
「……イダイナキバ!!」
「何それ!?」
「危険なポケモンの一種!エリアゼロに閉じ込められてるの!」
「やっぱり来ちゃダメなところじゃん!!」
「アマネさんはわたしが守るから!!マスカーニャ!!」
「え、戦うつもり!?」
「大丈夫、わたし最強だから!」
そんなこと言ったって!!大きすぎるだろう、このドンファンもどき!!
「マスカーニャ、トリックフラワー!!」
「!! ファド……」
「一発で倒れないんだ……結構強い子だね」
「ファアアン!!」
「アオイちゃん!!」
僕の体は、勝手に動いていた。怖いとか、死ぬかもとか、そういうのすら考える暇もなく。アオイちゃんの手を引いて、僕の方に引き寄せた。火事場の馬鹿力万歳!!
アオイちゃんのいた場所は、ドンファンもどきの「ストーンエッジ」で見事に抉れていた。もしあそこに立ってたら……考えるのはやめよう。
「ぁ……」
「大丈夫!?」
「う、うん!!マスカーニャ、トリックフラワーもういっかい!!」
「ニャオ!!」
もう一発のトリックフラワーを受けて、ドンファンもどきは倒れた。はあ、危なかった……
「アオイちゃん、大丈夫?怪我ない?」
「うん、大丈夫……ごめんね、守るって言ったのに…」
「何言ってるの!アオイちゃんが無事だったんだからそれ以上は無し!!」
「……うん」
それから僕たちはエリアゼロを出た。2度と入りたくない……
エリアゼロを出て、チャンプルタウンはずれ。
「そういえばアオイちゃん……」
「どうしたの?」
「僕のこと会ったばかりの女の子って言ってたよね」
「え、うん」
「僕、男なんだけど……」
「…………」
「えっ」
アオイちゃんの手持ち
マスカーニャ グレンアルマ イルカマン サーフゴー デカヌチャン オーガポン
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