【リメイク】僕はげきからマホイップと世界を巡る 作:三笠みくら
ブラッシータウン ある料理店
「あら、閉まってる……まあいっか」
ガシャン
「アマネ?いるかしら?」
「ちょっと、うち今は閉店中……」
アマネの母が目をやると、鍵は破壊されていた。目の前の少女がやったのだろう。目の前の少女はとても美しかった。人形だと言われても納得できてしまう。けれどその瞳はまるで、ここではないどこかを見ているように虚ろだった。
「あら、初めましてですよね!私はルセ。アマネの運命の相手、かしら?まだそこまでは行っていないけど……」
「……ルセ?」
「知ってるの?やだぁ、アマネったら私の話……」
「あんただね、アマネをいじめてたのは!!ずっとアマネのことを苦しめて!テレビでも平気な顔してたわね、一体どういうつもり、で……」
そう言いかけて、アマネ母は口を噤んだ。否、声を出せなくなったと言う方が正しい。目の前の少女の放つ、異様な空気に呑まれたからだ。
「…………は?」
「今、なんて?私が、アマネを苦しめた?そんなわけないじゃない、私はアマネを愛してるもの。確かにアマネは優しくて臆病なところもあるけど私はそういうところも好きなの。私の気持ちは誰より何より純粋なものだわ。私はアマネのことが大好きだし愛してるの。もちろん強引なところもあるけどそれはアマネのためを思ってやってるのよ?生きるためには強くなきゃいけないでしょ、そのためにバトルを教えたし色々叩き込んだの。いずれ私とアマネは一緒にジムチャレンジに挑むの、そして最後に私が勝ってアマネを抱きしめるのよ。それでこそ私とアマネの関係性じゃない?マホイップの一件でアマネも疲れてるだろうし癒してあげたいなと思ってここに来たんだから。だって私が1番アマネのことを分かってるし愛してるんだから。アマネが私の1番で私がアマネの1番なのそれが絶対なの」
……絶句、だった。彼女は、何を言っているのだろう。常軌を逸している。会話が成立する気がしない。
「だから、ね?アマネに会わせて」
「何度も言ってるでしょ、会わせるわけ…」
刹那。アマージョの鋭い蹴りを、キテルグマが受け止めた。
「へえ……さすが伝説のジムチャレンジャー、反応できるのね」
「……出ていって」
「そうね、ここまでやって出てこないってことはいないんでしょうね。でも」
くるり。彼女は振り向いた。
「アマネは 絶対に 見つけるから」
「痛っ……」
「大丈夫?」
「うん、ちょっと耳が……」
痛んだのは、右耳のピアス穴。それは、彼女に開けられた傷跡。危機を前に、傷が疼いていた。
ルセ
やべーやつ
感想をいただけると大変モチベーションが上がりますので何卒お願いいたします