【リメイク】僕はげきからマホイップと世界を巡る 作:三笠みくら
お菓子パーティが終わって、僕はメロコちゃんと一緒にグラウンドで休憩していた。その時、伝えたいことを言っておこうと思ったんだ。
「メロコちゃん、さっきはありがとう」
「え?オレ、なんかやったか?」
「うん。僕の代わりに怒ってくれて。ガラルにいた頃は本当に…諦めてたというか、何やっても無駄だって思ってたから。だから、メロコちゃんが怒ってくれて、やっぱりおかしかったんだって認識できたよ」
「……そうか、なら良かったぜ」
もちろんあの状況がおかしいとは認識してた。でも、改めて第三者であるメロコちゃんからあんなふうにはっきり言ってもらえて嬉しかったんだ。
「パルデアに来て最初に会ったのがメロコちゃんで良かった!」
「……そーかよ」
「何かお返しとかできないかな?」
「お返しぃ?そうだな……あ」
メロコちゃんはカバンから何かを取り出す。それは……スケッチブック?
「実はオレ…美術部に入っててさ。今ちょっと課題の絵で困ってるんだよ」
「課題って?」
「好きなものを自由に描きなさいってやつだ」
「あー……そういうのが1番困るよねえ」
「そうなんだよ。そんで何描こうか迷って散歩してるうちにあのバカどもに絡まれて…」
「なるほど、そう繋がっていたのか」
「名探偵みたいな顔してんじゃねーよボケ」
メロコちゃんにバシッと叩かれる。痛い痛い。でも好きなものを自由に描きなさい、かぁ。僕も自由なレポート書きなさいって言われたから辛いきのみの食感・味の傾向をまとめてレポートにしたら怒られたからね。大人って理不尽だ。
「好きなものっつってもポケモンとかダチはもう描いたしよ……ほんとどうしたもんか」
「でも好きじゃないもの描いてもモチベーションがねぇ」
「そうなんだよ!ほんとどうしたもんか……」
「うーん、悩ましいね。気晴らしにマトマのみスナック食べる?」
「なんだそのオマエしか食べなさそうなやつは。いらねーよ」
メロコちゃんは辛いの苦手なのかぁ、残念。でもこのマトマのみスナックは目が覚める辛さしてるからちょうどいいと思ったんだけどな。ほら、フランもあーん。
「……それだ」
「え?」
「その笑顔!オマエとマホイップ、辛いの食べる時いい顔してるよ!その顔描かせろ!」
「えぇ!?いいけど、題材にされると自然にできるかどうかわかんないよ?」
「いいって!オレのことは考えずに辛いもん食ってればそれでいいから、なっ!!」
「そこまで言うなら、まぁ……」
こうして僕とフランは、メロコちゃんの絵のモデルとして筆を向けられることになりました。し、視線が怖い……!
「よし食え」
「はい……」
それじゃあマトマのみスナックに手持ちのデスソースをかけて……うん、美味しい!この刺激がたまらないんだよね〜。
「美味しいねぇ、フラン」
「ほみ!」
「!!」
少し経って。僕たちはスナックを食べ終えたわけだけど……メロコちゃんめっちゃ集中してるな。声をかけるのも憚られる。
「……できた!!」
「本当?見せて見せて!」
「おう、自信作だぜ!」
画用紙に書かれていたのは…… それは美味しそうに辛いものを食べる僕とフランの姿。特にフランなんか花開くような笑顔に輝くお目目が強調されていてとっても可愛くて愛らしくてああもう食べちゃいたいぎゃわいい……おっと。
「すごいすごい、かわいい、すごいよメロコちゃん!スナックも美味しそうだしフランはかわいいし!天才だよーー!!」
「そうだろ、褒めろ褒めろ」
「これなら誰も文句なしだよ!あ、でも……」
「?どうしたよ」
「僕、訳あってあんまり目立ちたくないから……賞とかには出さないでもらえると嬉しいな」
「ん、わかった。オマエのおかげだしな。…でもスター団のみんなには見せていいか?」
「もちろん!」
スター団のみんなに見せたところ大絶賛してもらえたので、いざ美術室に持って行くと。
「うぼおおいおいおい!!ごれは素晴らしい!!メロコさんらしさ、モデルとなった人物の人柄や笑顔!!全てが如実に表れているっ!!小生は、猛烈に感動しています!!」
「……すごい泣いてるね」
「気にすんな、いつものドラゴン先公だ」
「失礼しました、小生はハッサク。美術の担当教師であり美術部の顧問をしていますですよ」
「(うわぁ急に落ち着くな!!)初めまして、アマネです」
「アマネくん……きみのことは存じ上げております。ガラル地方でげきからフレーバーのマホイップを発見したと」
「あ……知ってらっしゃるんですね」
「もちろん。新種発見となっては世界を跨いだ大騒ぎですから。といっても話題になっているのは名前とマホイップの見た目だけで、きみの外見などは伏せられていますが」
「そうなんですか?」
「ええ。なんでもジムリーダー・ポプラさんが色々手回しをしているとか。」
ポプラさん……さすがだな。あのあとメディアをなんとかするとは言ってくれたけど、本当にそうしてくれたんだ。
「とにかく、話は聞きました。ですがこんな素晴らしい絵を封印しておくのは非常にもったいない!!美術室に飾るだけでもどうでしょうか?」
「うーん、まあそれだけなら…」
「ありがとうございます!!良かったですねメロコくん!」
「あーまあ、はい…」
そう言ってハッサクさんは美術室の壁に僕とフランのイラストを飾ってくれた。なんだか気恥ずかしいけど、メロコちゃんのためと思えばね。
げきからフレーバーマホイップの存在や発見したのが少年というのは知れ渡っていますが、アマネの顔や素性はガラル以外で割れてません。
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