Cyvival / サイバイバル   作:R.C.S.

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01:Welcome to Cyvival

 2016年9月26日(月)ローマ14時15分 / 東京21時15分

 

[ダーリン]: エリオ、「サイバイバル/Cyvival」とはどんなゲームなのかな?

[邦雄]: 僕にそんなこと聞かれても...。

[ハニー]: 私、このゲーム触ってないけど、エリオなら何かわかるかもよ。

[邦雄]: ただのソーシャルゲーム(Gioco di social network)かなと思って少しだけ触れたことある。暇つぶし程度の内容だったような。

[ハニー]: ふーん。つまんないって感じ。

[邦雄]: 来月に入ると面白いことが起きるに違いない。それまでにゆっくりしていこう。

[ダーリン]: ...10月。つまり、月末までが締切...。やっぱ考えとくよ。

 

 2016年6月25日より事前登録を開始した謎のゲーム「サイバイバル/Cyvival」の存在が同月30日より「レベッカ」を名乗る人物を通して知れ渡った。サービス開始日時は9月1日とのことで、「近藤エリオ(日本名:近藤邦雄)」は同月3日21時28分に参加したらしい。

 

[邦雄]: テレビの前の君たち、自己紹介はまだだったな。僕は邦雄。日本名でいうと「近藤邦雄/こんどう くにお」。インターナショナルでは一貫して「近藤エリオ/Elio Condo」って呼ばれている。「ピアネータ・スクオーラ・ギァッポネーゼ/Pianeta Scuole Giapponesi」の在学生(クラブ組の生徒)であって、親玉「鵲マイケル」が営む組織「スート団」の幹部でもある。根は心優しく、人のために尽くすも哀愁漂ってしまうのがタマにキズ。

 

NAME:近藤邦雄/Elio Condo[邦雄]

Sex:Male

Height:166

Age:16

Birthday:14 February 2000

Blood type:O

 

 実は彼が参加することをカップル2人は7月末あたりから知っていたらしい。その回想を見てみよう。

 

 2016年7月31日(日)ローマ4時49分 / 東京11時49分 回想・夜明けでのオンラインゲーム

 

[ダーリン]: マデリーンから聞いた。人気者になったはいいが結局誰も構ってくれなかったのは本当だったんだ。僕たちの出る幕はなかったんだ。

[ハニー]: ここから先はエリートガードの仕事なんだし、雪郎が対処してくれるらしいよ。

[ダーリン]: ...聞いて聞いて、エリオは噂に聞く「サイバイバル/Cyvival」に参加するらしいんだって。

[ハニー]: エリオはこう見えて心優しい彼だよね。でも、時々「アンドロイド山田」のように哀愁漂うんだよね。

[ダーリン]: あのゲームの参加にあたる重要なことを伝えておかないと。他人との交流は無理だって。自分ひとりで頑張れって...眠い。

 

 ローマ4時30分、着信音鳴らすほど「マデリーン」に叩き起こされたんだ。無理はない。

 

 一方、「セレーネ・プロメテウス(本名:セリア・アトラス)」は同月10日20時18分に参加したものの、不思議なことに他の参加者(8割が日本人)に叩かれて気を落としているらしい。

 

 同日(月)ニューヨーク8時15分 / 東京21時15分

[ラファエル]: セレーネよ、気落ちして、どうしたんだ?

[セレーネ]: ......。

[ハイペリオン]: 御主人様、なにやら日本製ソシャネゲー(Social-network game)をやってるらしいですよ。タブレットをよーく見てごらん。

[ラファエル]: ...ったく、わが従妹(カズン)を虐げる輩がいるものだ。だが気にすることはない。コンブリオにこの件を相談して、策としてセレーネを守る味方2人を用意してくれるそうだ。

[ダイアナ]: ラファ兄...このことについてなんだけど、諸般の事情で出せなくなったらしい。

[ラファエル]: What!?あの2人が出場できないだと!?なぜなのか説明しなさい!!

[ダイアナ]: 参加準備、参加手続きに間に合わないらしい。コロ助とソーマは不参加ということで本当にごめん。...その代わりと言ってなんだけど、レベッカにお願いしてみたの。

[ラファエル]: レベッカって...あのレベッカのことか?...いいのか?やつに頭を下げてまでお願いして。

[ダイアナ]: セレーネを守るためには、そうするしかなかったの。信頼できるレベッカならセレーネを守れるし。

[ラファエル]: ...まあいいか。レベッカのことだ。信頼性のあるやつを信じるしかあるまい。セレーネよ、来月以降、君を守ってくれるレベッカに従いなさい。

[セレーネ]: ...うん。

[ダイス]: 騒がしいね、何の話をしてるの?

[ラファエル]: こちらの話だ。気にしないでくれ。

 

[セレーネ]: あ、あたしはセレーネ。「セレーネ・プロメテウス」。ラファ兄とディア姉が設立した「シティデベロップメント・シンクロ高校(CDS)/City Development Synchro High School」の第一生徒になったばかり。ラファ兄の助言でこの名前で参加することになったの。身内以外の人に本名を名乗らないようにって。...ラファ兄の頑張りのおかげか、今でも財力も富も権力もある。エドガーの「北極星(ポーラスター)おでん」は文字通り凍らせた料理で、あたしの好物でもあるの。ビート先輩の勧めでこのゲームに触れてみたけど、いけ好かない日本人プレイヤーからのブーイング爆撃を受けてしまい、今でも落ち込んでいるの。そんなあたしを守ってくれる味方、いるのかな...。

 

NAME:セレーネ・プロメテウス/Selene Prometheus[セレーネ]

Sex:Female

Height:151

Age:15

Birthday:10 January 2001

Blood type:O

 

 同日(月)東京21時15分

 

 「レベッカ」を名乗る人物は「ダイアナ」の依頼で「サイバイバル/Cyvival」に参加することになった。諸般の都合で参加できなくなった2人「石原コロ助」「ソーマ」に代わって単独で参加。

 

[レベッカを名乗る女]: 全て私が受け止める。命に代えてでも。

 

 この女「レベッカを名乗る女」は、ネットでもリアルでも誰もが知っている「レベッカ」と瓜二つ。「レベッカ」の姿じゃない彼女単体の経歴は謎のままだ。ただ、ひとつわかったのは今や行方知れずの「レベッカ」の代理人ということか。

 

[レベッカを名乗る女]: 私は...とりあえずテレビの前のみんなの前では「インポスター」とでも名乗っておこう。現実およびゲーム内では「レベッカ」の名を使っている。いくらニセモノとわかってはいても、私は「レベッカ」と瓜二つ。性格はオリジナルになるべく似せるようにしている。男勝りかつ男口調が混じりがち。なにより心が広く、怒ると怖い。「レベッカ」とは怒らせてはならない女だ。オリジナルに負けず劣らず、どんな相手でも対処できる戦闘力を持つ。2年前に人知れず姿をくらました今、あの人の事情を知る者から聞いた。レベッカの言葉「君たちを巻き込むわけにはいかない。いかなる場合も、自分の幸せは自分で守れ。」と。考えられるのは、ありとあらゆる外の危険から絶対安全に身を守るという現実逃避者が使いそうな意識ダイブ型ソーシャルゲーム「サイバイバル/Cyvival」に逃げ込んだことか。「ダイアナ」の依頼を兼ねて、「レベッカの隠れ家であるソシャゲに逃げ込んだ。」という噂通りにしてやった。あの人の栄光を取り戻すための戦いになるだろうが、乗り切ってみせる。

 

NAME:レベッカを名乗る女[インポスター]

Sex:Female

Height:166

Age:23

Birthday:4 December 1992

Blood type:A

 

 そして翌月...と言いたいところだが、本編開始前夜に、アプリのチャットルームを通して「邦雄」に会う。

 

[邦雄]: 君は確か...。

[セレーネ]: ......。

[邦雄]: ...そういえば、僕も周りの日本人に叩かれたな。君を守る護衛はいるかな?

[インポスター]: 私だ。

[邦雄]: ほう、君が噂の...。

[インポスター]: レベッカとでも呼んでおこうか。まもなくイベントやらが始まるというのに、揃いも揃って他の参加者に叩かれるとは。だが私が来たからには、君を守ってみせよう。依頼人との約束だからね。

[セレーネ]: ......。

[邦雄]: 僕の場合は問題ない...かな。とりあえず、彼女をよろしく。

[インポスター]: 私は君たちの助っ人だ。命に代えても守ってみせる。彼女だけに限らず、君もだ。

[邦雄]: ...間もなく始まるみたい。

 

 間もなく翌月10月を迎えるようだ。チャットルームを退室しようとしたその時。

 

 2016年9月30日(金)ニューヨーク11時 / ローマ17時 / 10月1日(土)東京0時

 

[ゲームマスターCy]: あなたたちはこのゲームに選ばれし者。今から私の掲示するミッションをこなしてもらいたい。

 

 突然のメッセージ。それは「ゲームマスターCy」からの依頼であった。

 

[邦雄]: 退室しようと思ったのに、いきなりの依頼か。

[セレーネ]: ミッションをこなしてもらいたいって言われても...。

[インポスター]: 私と君たち2人の周りに13人のプレイヤーがいるようだが。さっきまで私たちを睨んでいたがゲームマスターやらからのメッセージが届いた途端、自分の端末を見ている。

[ゲームマスターCy]: ミッション内容は「手形認証」。まず手始めに、あなたたちプレイヤーにはこの方法で自身を登録してもらう。現実世界の地図にスポットを記しておいた。指定されたスポット周辺に私の部下がいるはずだから、スタンプのインクをつけて、私の部下が持っている紙に手形を押すだけ。そうすれば、あなたたちプレイヤーの情報は登録され、ミッション達成となる。期限は10月23日23時59分まで達成せよ。では、幸運を祈る。

 

 プレイヤーにミッション内容を伝えたのち、即刻ミッション開始したっぽい。期限は23日までということで、達成しなかった場合はどうなるのか、今の時点ではわからない。

 

[邦雄]: 僕らにミッションをこなせってことか。上等だ。地図の位置は...。

[インポスター]: よし、私たち3人でミッションをこなそう。名前は確か、セレーネ...だったな。依頼人の頼みごとだ、私とともにゲームマスターの部下を探そうじゃないか。

[邦雄]: とりあえず、お互いそれぞれ指定されたスポットへ向かおう。話はそれからだ。

 

 この台詞をもって3人はチャットルームを退室。今から指定されたスポットへ向かうべく動き出す。「邦雄」は徒歩で「マンジャの塔/Torre del Mangia」。「セレーネ」は15歳なのでモーター機能が使えないので、足漕ぎペダルで未完成のモーターサイクルを動かし、「スタチューオブリバティ/Statue of Liberty」。「インポスター」は周囲の近くに指定されたスポットがあるので、割とすぐに。それぞれ指定されたスポットまで到着した時、アプリ内にゲームマスターの部下がいることを確認。そのアイコンにタップすると、画面から大きな手が出てきて、3人はその大きな手に引きずりこまれてしまう。

 

 気がつくと、ここは見知らぬ繁華街に似た街。周囲を見てみると、チャットルームの12人(もう1人は来ていないようだが)はもちろん、合計90人以上いるようだが。

 

[セレーネ]: な...なに、この世界......。 

[邦雄]: さっきまで僕はトッレ・デル・マンジャ前に立っていたはずが、見知らぬ繁華街に飛ばされたというのか?

[インポスター]: ...なるほど、そういうことか。アプリの世界でゲームマスターの部下を探し出し、ミッション達成しろと。それにこの繁華街、人の気配はプレイヤー達だけで、それ以外のやつはいないってことか。ならば2人とも、私についてこい。3人でミッションをこなそう。

 

 3人で行動するところで悪いが、「インポスター」の端末に「ゲームマスターCy」の「秘書」らしきの人物からメッセージが来た。

 

[秘書]: あなたたち3人での行動に関する事項ですが、3人中誰がメインなのかマスターCy様の目から見て判断できません。そのため、三位一体での行動は認められません。ミッション不達成とみなす場合がございますので、必ず1人ずつ行動するようお願いいたします。

 

 「秘書」のメッセージに対する「インポスター」の対応は。

 

[インポスター]: ...わるい、ここは私一人で動く。ともに行動できなくて、わるいな。

[邦雄]: そんなこと気にしなくていい。バラバラになっても、ミッション達成したらまた集まればいい。さて僕はどこかに潜んでいるスタンプロイドを1人で探すことにする。

[セレーネ]: あ、あの...!!

[邦雄]: ...できれば君を助けてやりたいが、このゲームの運営に従わなければ達成できない。不安だろうが自力で乗り切るしかない。...3年ぶりの再会なのに、今度こそ一緒にしてやれなくて申し訳ない。

[インポスター]: お互い幸運を祈る。

 

 そして3人は別行動することになった。たくさんのプレイヤーからのブーイングを受けまくっていた「セレーネ」は心細いと痛感しているのであった。

 

[セレーネ]: あたしにもこの課題、やりこなせるのかな......。

 

 これは、降りかかるであろう理不尽な運命に抗う少女の物語。

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