Q.ビスタについてどう思いますか?
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エレン・イェーガー、
ミカサ・アッカーマン、
アルミン・アルレルトの場合。
「正直よく分からん。でも、あいつと調査兵団に入るのは楽しみだな」
「私は彼と話した記憶があまり無いから、よく分からない……けど、しぶとい人だと思う」
「うーん……変わった人だと思うよ。あっ、わ、悪い意味じゃなくてね。なんて言うか、考え方とか……」
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ジャン・キルシュタイン、
マルコ・ボットの場合。
「あぁ?あんなのただのイカレ野郎だろ。巨人に食われてみたいとか言ってんだぞ?」
「まぁ……俺達とは考え方が違うなとは思うかな。でも、いてくれて良かったとも思うよ」
「マルコォ、お前あいつと長くい過ぎて頭やられたのか?」
「ジャンこそ、なんでそこまでビスタと距離を取るんだよ」
「あぁ?決まってんだろ。あいつ───」
○○○○○
ライナー・ブラウン、
ベルトルト・フーバーの場合。
「少し変わってるが、良い奴だと思うぞ」
「僕は……凄い人だと思う」
「あぁ……それに関しては俺も同感だ。あとやたらとしぶとい。雪山でも生き残ってたしな」
「確かに。僕もビスタが死ぬところは想像できないかな……」
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コニー・スプリンガー、
サシャ・ブラウスの場合。
「あいつはライバルだな!俺より馬鹿かもしれねぇし、負けられねぇ!」
「食べるか食べられるか……油断できない相手です!」
「あとめちゃくちゃ手癖が悪い!聞いてくれよこの間さぁ、あいつ俺の───」
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アニ・レオンハートの場合。
「特に何も。強いて言えば怖い」
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クリスタ・レンズ、
ユミルの場合。
「うーん……優しい、かな?」
「馬鹿」
「ユ、ユミル!」
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ダズ、
サムエル、
フランツ、
トーマスの場合。
「やべー奴だよ、どう考えても」
「そう思ってるのはお前だけじゃないか?俺は頼もしい奴だと思う」
「良い奴だよ。俺とハンナの事も笑顔で応援してくれてるし」
「そうだなぁ……基本的には皆の事が好きなイメージがあるかな」
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キース・シャーディスの場合。
「欠点は指の数では足りないが、美点を言うなら判断の早さだ」
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本来、対巨人に秀でているのは調査兵団である。
壁外調査という地獄を乗り越えている兵士達は、まさに人類の希望と言える戦闘力を持っていた。
しかし今、その調査兵団は壁外調査に行ってしまっている。
故に現状壁内にいない調査兵団と内地で過ごす憲兵団を除いた、駐屯兵団と訓練兵団の兵士達しか戦える者がいなかった。
○○○○○
「ビスタ、建物の間も注意して見てくれ」
「おう」
屋根の上で、敵を警戒する2人。
ガスも刃もそれなりに使い、消耗している状態である。
「(しゃがんでるタイプも小型も無し、ね……どっちかっつーと───)」
ビスタは建物の間に潜む巨人を警戒しつつ、町を歩く巨人も横目で確認する。
建物を優に越える体高の個体が多く出現しており、戦い慣れていない兵士達からすればかなり絶望的な状況。
巨人達はビスタとライナーに気づいていない様で、町をうろついていた。
「デケーのが多いって訳か」
瞬間。
「お?」
巨人と、目が合う。
「───次はおめーか」
2人はすかさず戦闘体勢に入った。
「ビスタ、油断せずいくぞ!」
2人を視界に入れた途端、近づいてくる1体の巨人。
完全に獲物として狙われた訳だが、ライナーとビスタの間に恐怖は無い。
「おうよ!おめーは上、俺は下だ!」
巨人がこちらに向かって歩こうと足を上げた瞬間を狙って、ビスタは地に付いている方の足にアンカーを刺した。
そしてワイヤーを巻き取り、その勢いのまま斬撃を繰り出す。
「───っし、やっちまえライナー!」
ビスタが足の腱の肉を削ぎ落とすと、巨人は勢いのままに倒れ込み、弱点であるうなじが晒された。
直後、ライナーの射出したアンカーが巨人の首に刺さる。
「うおおおおっ!!」
そして持ち前のパワーで肉を深く削り取れば、巨人の体は蒸気と共に消え去っていった。
討伐が完了したのだ。
「よし!ビスタ!屋根まで上ってこい!」
「そのつもりだっつーの!」
ビスタは立体機動装置の力で飛び上がり、安全圏たる高所、建物の屋根の上へ着地する。
「ビスタ、今ので何体目だ?」
「8だな」
ビスタとライナーは2人がかりでの確実な討伐を狙っている。
両者共に今のところ、大した怪我もなく戦えていた。
「巨人8体殺して俺らは無傷。普通に考えりゃ上々のはずなんだけどな……」
「……あぁ」
先導してくれていた駐屯兵団の先輩と、班員の犠牲に目をつむれば。
「見た感じ、どこも無傷って訳じゃなさそーだな」
ビスタが辺りを見回せば、明らかに数の少ない班や、1人で飛び回っている兵士も少なからず目に入る。
「ま、そりゃそうだよな。何してくるかわかんねー奴らもいるし……」
ビスタが思い浮かべるのはとある奇行種。
他の巨人達が手で掴もうとしてくる中、その個体は奇怪な素早い動きで顔面から突っ込んでビスタ達の班員を2人捕食している。
最後はライナーとビスタの2人によってを刎ね飛ばされて討伐されたものの、その犠牲は決して軽くなかった。
「できる事なら他の奴らと合流してーな」
今ライナーとビスタは近くの巨人を粗方片付け終え、一先ず山を越えた状況ではあるものの、少し離れた場所には巨人はまだまだいる。
ビスタはどんどん犠牲が増えていく現状、人数の少なくなった班が食い潰されるよりは自分達と合流した方が利になると判断した。
「ビスタ。俺達の任務が防衛である以上、ここを離れるのはダメだ」
ライナーの言う事は尤もである。
仲間を助けようにもここをガラ空きにしてしまえば、気づかぬ間に巨人を通過させてしまう事になる。
「何故皆が戦っているか、分からないお前じゃないだろ?」
この場にいる自分達が巨人を逃してしまうという事は、後衛で避難をしようとしている民間人を危険に晒すという事。
兵士として、論外の行い。
「まーな。けど……」
なので今まさに捕食されようとしている仲間達も、兵士としての責務を果たす為にはこの場から動けない以上、見殺しにする他ないのだ。
「黙って見てるってのは有り得ねーわ」
ビスタはブレードを一旦しまい、深呼吸する。
そして息を大きく吸い込み。
「───ベルトルトォオオオオッ!!!!」
巨人の咆哮かと思う様な迫力で叫んだ。
「っ、何を……!?」
ライナーが思わず耳を塞ぐ程の声量。
少し離れた場所の兵士達も何事かと目を向ける。
「ライナー、おめーはここにいてくれ」
気づけばビスタは、他の班の元へ向かっていた。
「おい、ビスタ!」
ライナーの静止も虚しく、とても生き抜く事が困難な現状の中で、残り少ないガスを惜しげも無く使いながら。
「ライナー!」
「───!ベルトルト……お前、班の奴らは……?」
「……もう、僕1人だけだ」
「そうか……」
「ライナー、さっきのビスタの声は、まさか……」
「あぁ……どうやらビスタは他の奴らを助けに行くみたいだ……1人でな」
ライナーは苦しげな声で言った。
ベルトルトは目を見開く。
しかしそれは、想定外故ではない。
「……やっぱり、ビスタはそうすると思ったよ」
想定していたからこそ、実行した事に対して驚いたのだ。
無謀な挑戦である事は2人も分かっていた。
「ベルトルト、俺らも───」
ライナーは焦っていた。
今仲間が死地に向かおうとしているという事を考えれば、穏やかでない胸中も当然と言える。
「僕らはここにいよう」
しかし、ベルトルトはそう言い切った。
「なっ……」
思いもよらぬ言葉にライナーの思考が一瞬止まる。
「お前、ビスタが死ぬかもしれねぇんだぞ!?」
動揺して少し声を荒らげるライナーだが、ベルトルトはあくまで冷静なままである。
「ビスタが何故僕を呼んだのか、分からない君じゃないだろ?」
「!」
ベルトルトは見事に、ビスタの意思を汲んでいた。
「この場で君を1人にしてしまうのはあまりにリスクが高い。だけど僕と君の2人なら───」
実際にライナーを1人にしてしまうという事は、最低でも負担を倍増させるという事になる。
「ここも、お互いの命も守れる。そう判断したんだ」
だがベルトルトという優秀な男と2人でなら、希望も見えてくるというもの。
「彼がわざわざ前衛の方へ突っ込んで行った理由は簡単だよ。仲間を助ける為と、後ろにいる僕らの戦う巨人の数を少しでも減らす為」
自分が仲間を助けに行く代わりにライナーを危険に晒す、そんな事はビスタ自身が許容しないのだ。
「ビスタは……どんなルールに逆らっても僕らを死なせたくないって思ってるから、君をここに残したんだ」
戦力を考えれば、ライナーやベルトルトと共に巨人を殲滅した方が効率が良いにも拘わらず。
「……分かってる。分かってるんだよ、そんな事」
その事は、今しゃがみ込んでいるライナー自身も理解していた。
「けど、俺達は……」
だからこそ今、苦悩している。
「っ……」
「ライナー、考えてる事は僕も同じだ」
歯を食いしばるライナーの傍らで、ベルトルトはどこかへ行ってしまったビスタへ思いを馳せる。
「───僕らの事なんて、心配しなくていいのにね」
それはどこか、悲しそうな声だった。