ナノカの失明事件から更に数日、少女達は気球を使った脱獄計画の準備を終え希望に満ち溢れていた。
「ん?何か皆元気そうじゃん、なんかあった?」
そこに蚊帳の外のタビノが声を掛け少女達は少なからず警戒し少しの間口を噤む。
「ぼ、僕達明日脱獄するんだ」
「ふ~ん、上手くいくと良いね」
「それでその、良かったらタビノちゃんも一緒に行かない?」
「面倒いから良い、寧ろ私としてはなんで皆して外に出たいのか理解出来ないね」
「そ、それは皆会いたい人が居るからだよ!!友達と笑いたいし家族と一緒に過ごしたい!!それがそんなにおかしい事なの!?」
脱獄前と言う事もあったのかエマは今までにない程興奮しておりタビノの言葉にそう語気を強める。
「そんなん私に聞かれても、でも皆がそれで幸せなら良いんじゃない?」
「タビノちゃん…………」
タビノの言葉にエマの表情が若干柔らかくなる。
「でもそれは私の幸せじゃない、だから着いていかない、それだけ、大体外の世界なんて面倒な事ばっかりじゃん、やれ勉強だ〜、仕事だ〜、生活だ〜、その点ここは良いよね〜規則さえ守ってれば食っちゃ寝し放題!!家賃も取られないしインフラはネット以外は付いてるしこんな天国手放すなんて私には理解出来ないわ〜」
タビノはそう言いながらその場を後にし自身の牢屋のベットで眠りに付いた。
「ベットがちょっと柔らか過ぎるのが欠点かな?私ベット硬い派なんだよね〜」
そんな独り言を言いながら。
翌朝
バタバタと誰かが走り回る音にタビノは目を覚ます。
「ふわ~、バタバタうるさいな〜何時だと思ってんの〜?」
牢屋からひょっこり頭だけを出すとどうやらエマとシェリーそしてハンナの3人が慌てて何処かに向かっている様子だった。
「???」
寝ぼけ眼の目を擦りながら何となくその後を着いていく、辿り着いたのは塀の近く、その周辺には生き残っている全ての少女が集まっていた。
「おはよ〜、皆旅立ちの日なのに何浮かない顔してんの?」
「タビノちゃん、それが」
そう言ってエマが体を避けるとそこには無惨に惨殺された少女達お手製の気球があった。
「あ~、顔どころか気球も浮かなくなっちゃったか、こりゃあ脱獄は無理だね」
「おいテメェ!!まさかテメェがやったんじゃねぇだろうな」
そう言って怒鳴りつけ襟首を掴んできたのはアリサ。
「私が?なんで?」
「テメェはここに残りたがってた、それにテメェ自分で言ってたよな!?メリットがあるなら何でもやるって、実際黒部の両目を潰したんだ、黒幕かゴクチョー辺りに【優遇してやるから脱獄させるな】とか言われれば喜んでやる様な奴だろお前は!!」
「う〜ん、まぁそう提案されたならやるかもだけど、でも私は気球の場所なんて知らないんだよ?んで提案なんて受けてない、じゃあこの場合一番怪しいのってさ」
タビノはゆっくりと怪しい人物の方を向いた、佐伯ミリアの方へと。
「ナノカちゃんを信じる訳じゃないけど、状況的に怪しいのは彼女でしょ」
その言葉にアリサも釣られる様にミリアの方見る。
「あとさ」
「アリサちゃん!!」
「あ?」
ガツン!!と凄まじい衝撃がアリサを襲い視界が揺れる。
「何時まで掴んでんの、苦しい」
そう言うタビノの手には血に塗れた角材が握られていた。
負傷したアリサに最初に近付いたのはミリアだった。
「アリサちゃん!!大丈夫!?血が出てるよ!?」
「大した事ねぇいてぇだけだ、それより本当におっさんがやったのか?」
「………………………………」
アリサの問いにミリアは答えられずその答えはやって来たゴクチョーから伝えられた。
「え〜、昨夜佐伯ミリアさんの外出禁止時間の出歩きが確認されました。規則を破った佐伯ミリアさんには懲罰房に入ってもらいます」
こうして少女達の脱獄計画は始まる前から失敗に終わった。
タビノちゃんをイメージしてチャットGPTに描いてもらいました。私は絵心無いので棒人間が出来ちゃうから