タビノの目がシェリーを捉えると同時に他の少女達もシェリーを見る。
「ま、待ってタビノちゃん!!シェリーちゃんはハンナちゃんと友達だったんだよ!?ハンナちゃんを殺す理由なんて」
「それはハンナちゃんを殺した根拠にはならないよ、特に私と同じ【異常者】なら尚更ね」
「そんな!!シェリーちゃんはそんなんじゃ!!」
「じゃあなんで友達が死んだのに涙1つ見せないの?友達の死んだ事件を嬉々として推理出来るの?」
「ッ!!」
タビノの言葉にエマは頭に血が上り言い返そうとしたがタビノの次の言葉で出そうとしていた言葉が口の中で消える。
「多分シェリーちゃんと私は同類だ、人の形をしただけの化物、表面に出ている表現が【喜び】か【無関心】かの違いだけ、正直私としては犯人の最有力候補だと思うよ?」
「なんでだよ、火付けられんのは誰にでも出来んだろ?」
タビノの言葉にアリサはそう尋ねるがタビノは横に首を振る。
「それは手段と考え方の話」
「どういう意味だ?」
「皆が殺人を犯すとして、人を殺した後に現場に火を付けようなんて思わないでしょ?どんな理由で殺したにせよ、大抵が殺した所で満足なり疲労なりでそこまで頭が回らない筈、事前に計画していたとしても必ず何らかのミスや綻びがある、完璧に遂行出来るのは、文字通り【異常者】だけだよ」
「確かに私ならやるかも知れませんね、でもタビノさん、それは私ならやるかも知れないと言うだけで何の証拠にもなりませんよ?」
「…………そうだね、確かに時間の無駄話だった、ついでにもう1つだけ無駄話を、シェリーちゃんの魔法って何だっけ?」
「私の魔法は【怪力】とても力が強いんです!!」
「そっかありがとう、じゃあここからは核心に迫る時間、マーゴちゃん、確認だけどハンナちゃんが殺された筈の時間マーゴちゃんは【火精霊の間】に居たから殺人が起こっている筈がない、合ってる?」
「ええ、間違い無いわ、私は【火精霊の間】に居た、そして私が出ていった後看守が鍵を掛けたのを見ている、だからあの部屋でハンナちゃんが死ぬ事はあり得ないわ」
「んじゃそれを踏まえた上で、じゃ~ん、これな〜んだ」
そう言ってタビノが見せたのはゲストハウスを横から撮った写真。
「それがどうかしたんですか?」
「これ、ここ見て欲しいんだけど、並びがガタガタだよね?」
そう言ってタビノは写真を拡大する、すると確かに3つのゲストハウスの並びが歪んでいる事が分かった。
「確かにそうですね、それが核心なんですか?」
「これだけなら違うね、次に此方を見て、これは【火精霊の間】と【土精霊の間】の周辺の写真、こことかここ分かる?」
差し出された写真に少女達も目を凝らす。
「何か、跡みたいなんがある?」
ココがそう疑問を口にしタビノは頷く。
「そう、これは建物が動かされた跡、ここからは私の考えだけど、シェリーちゃんは【土精霊の間】でハンナちゃんを殺した、そして人が居なくなったのを確認しハンナちゃんを動かした」
「けどだからって【火精霊の間】には鍵が掛かってんだろ?移動させるったってどうやって鍵を開けんだよ」
「鍵を開ける必要は無いよ、建物丸ごと交換すれば良いから」
「はぁ?んなこと出来るわけが」
「普通なら無理だね、けど【怪力】の魔法なら出来るんじゃない?」
「ッ!!」
「ゴクチョー!!ゲストハウスの鍵は全部同じ鍵で開くの!?それとも1つ1つ別の鍵!?」
「セキュリティ上の観点からゲストハウスの鍵は全て別の鍵です」
「じゃあ確認して来て!!ちゃんとそれぞれの鍵で部屋が開くかどうかね、それとももう自白してくれる?シェリーちゃん」
「私としても無駄な仕事はしたく無いのでそうしていただけると大変嬉しいのですが」
ゴクチョーとタビノの追及を受け、シェリーはハンナ殺害を認めた。