無心少女ノ魔女裁判   作:寝心地

24 / 26
危険人物

ココが配信を終えた後、食事の時間となりヒロが我先に食堂に向かい点呼を取っていた。

 

「日渡タビノと城ヶ崎ノアはどうした?」

 

「あ、城ヶ崎ノアちゃんはご飯いらないって」

 

「アイツはさっきまでうたた寝してたからその内来るんじゃね〜、時間までに起きるなら」

 

「……………………そうか」

 

ヒロはそう言うと少女達は食事を取りそれぞれ好きな様にグループを作り食事を始める。

 

ヒロの周りにもレイア・ナノカが集まり食事を終えるとノアとタビノの元に食事を持って行く。

 

ノアに食事を運んだ後タビノに食事を持っていくとタビノは起きており携帯ゲームをしながらアイスを咥え寝転んでいた。

 

「起きていたなら食事を取りに来るべきだ、それに寝転びながらアイスを咥えてゲームなんて行儀が悪い、正しくない………………………………アイス?」

 

そこまで言ってヒロはタビノの口にアイスが咥えられている事に疑問を持つ。

 

「ん?えっと……………………誰だっけ?」

 

「二階堂ヒロだ、数時間前に自己紹介したはずだが?」

 

「ごめんごめん、あんまり興味無いから忘れちった、んでなに?なんか用?」

 

「食事を持ってきた、きちんと食べるんだ」

 

そう言って差し出された食事は見るも無残な姿をしておりタビノはスプーンで適当な料理を掬い上げるとドロドロボロボロと形を変えていった、試しに一口食べるとこの世の物とは思えない味でタビノは思わず舌を出す。吐き出さなかっただけマシだろう。

 

「ウゲッ…………えっと、これは?」

 

「知らない、食堂にはそう言った物しか無かった」

 

「んじゃ要らね、自分で何とかするから食事は大丈夫」

 

タビノはそう言うとアイスの最後の一口を棒から引き抜き棒をゴミ箱に投げ捨てる。

 

「折角用意してくれた物だ、不味いからと言って取らないのは正しくない」

 

そんなヒロの言葉を聞きながらタビノはベットに飛び込み【収納】の中から愛用の抱き枕を引っ張り出す。

 

「正しくないねぇ〜、それがヒロちゃんのこだわり?」

 

ベットに寝っ転がりながらタビノはヒロにそう尋ねる。

 

「さぁな、好きに思ってくれて良い、それよりきちんと食事を取るんだ」

 

「やだね〜」

 

「ッ!!良い加減に」

 

「こんな所にいたのね」

 

ヒロがタビノに掴み掛かろうとした時、背後から声が聞こえそちらを見るとそこには黒部ナノカが立っていた。

 

「貴女に見てもらいたい物があったの、着いてきて」

 

「お、おい!!」

 

ナノカは無理矢理ヒロの手を引くと部屋の外に出ていき鉄格子の向こうに消える。

 

「ふぁ~」

 

そんな光景を見ながらタビノは欠伸をし眠りに付いた。

 

一方ヒロとナノカはと言うとナノカが人のいない事を確認しとある廊下で足をとめる。

 

「何のつもりだナノカ」

 

「彼女には関わらない方が良いわ、貴女あのまま彼女に言い寄っていたら身体の一部を失っていたわ」

 

「何?どういう事だ?」

 

そう問うヒロにナノカは少し躊躇った後説明する。

 

「私の魔法は【幻視】相手か相手の想いの詰まった物に触れるとその人の過去や未来が見える。最初にラウンジから戻る時彼女とぶつかって見えたの、【日渡タビノが貴女を害する瞬間】を」

 

「それは彼女が殺人衝動に呑まれてと言うことか?」

 

「いいえ、貴女が彼女の邪魔をしようとしたからよ」

 

「どういう事だ?」

 

ヒロは理解が出来ずナノカに更なる説明を求める。

 

「彼女の行動原理は単純よ、彼女に利益を齎すか損失を齎すか、彼女の得になるのか害になるのか、彼女がやりたいかやりたくないか、たったそれだけ、そして貴女は今さっき彼女がやりたくない事を強要した、彼女にとっての害」

 

「そんな、たったそれだけの為に私を殺そうとしたのか?」

 

「それは彼女にとっての害よ、多分手足の1本でも奪って2度と自分に近付きたくないと思わせたかったんでしょうね、そうすれば殺した訳でも無く貴女を遠ざけられる」

 

ナノカの言葉にヒロは絶句し今まで歩いて来た道を見る、その先にいるタビノを見る様に。

 

(日渡タビノ、だらけた雰囲気に騙された、自身の得の為なら他人を害する事も厭わない、殺せば魔女裁判で処刑されるかも知れないから殺さないだけ、きっと彼女に心など存在しない、とんでもない危険人物で怪物だ)

 

ヒロの手帳の中にタビノに対する危険性がこれでもかと記録された。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。