牢屋敷生活4日目
その日からタビノは目に見えて人の目を避ける様になった、顔にこそ出ないものの唯でさえ引きこもりがちだった生活習慣は更に引きこもり生活になり酷い時は食事を採らない時さえあり眠れていないのか目の下に隈が出来ている。
いくら愛想が悪いタビノと言えど生活を共にする少女達の中に心配しない薄情者は居ない。
しかしそれから少女達の間に何か進展があった訳でもなくただただ時間だけが流れた。
そんなある日の事、牢屋の前でココの悲鳴が響く。悲鳴に誘われ少女達が集まるとそこには謎の剣に胸を貫かれたメルルの姿があった。
それから直ぐにゴクチョーからメッセージが少女達に送られる。
「ハァ……報せが入りました。痛ましい殺人事件が発生したようですね、今すぐラウンジに集合して下さい。従わなければ看守が連行しちゃうので」
ゴクチョーの命令通り少女達はラウンジに集められる。その中にはタビノも居るが人目を避ける様に隅っこの方で小さくなっており明らかに初日と人が変わってしまっている。
少女達が戦々恐々とする中ゴクチョーの羽ばたきが聞こえ自然と少女達の目はゴクチョーに集まる。
「ハァ……殺人事件……起きちゃいましたね。今夜、【魔女裁判】を開廷します。今いる囚人の中から必ず殺人犯を特定して下さい、その者は【魔女】として処刑するので、また囚人全員への通達ですが、殺人犯を特定出来なかった場合全員処刑とします」
ゴクチョーの言葉に少女達は少なからず抗議の声を上げるがゴクチョー自身もため息を吐く。
「私は主に従って決められた事をお伝えしているだけですので、ただ、その当人である主が殺されてしまい、私もどうしたものかと驚いています」
ゴクチョーの言葉に少女達はざわめく、その中で代表する様に黒部ナノカがゴクチョーに一歩前に出て問い掛ける。
「つまり、【黒幕】の【魔女】は氷上メルルだった、ということ?」
「そういう事になりますかね」
「そう、そうだったの」
「まぁ元々私が主導で運営してましたし、折角ですから前から導入しようと思っていた制度を試してみますか、え〜これより【事前投票】を行います」
「事前投票?」
「はい、現在最も怪しいと思う人物を事前に投票しその人物を【魔女裁判】まで拘束します」
ゴクチョーの説明に焦ったのはヒロだった、現状最も怪しい人物、それはメルルの近くで意識を失っていた所を発見されたヒロだからだ。
そして投票の結果は当然と言うべきか圧倒的最多票でヒロが選ばれた。
「では、二階堂ヒロを【魔女裁判】が始まるまでの間拘束します」
ゴクチョーがそう言うと看守が動き出しヒロをラウンジから運び出す。
「では皆さん、程々に頑張って下さい」
ゴクチョーはそう言うと再び何処かに飛んでいき少女達は捜査を始める。その背中をタビノは死んだ瞳で見送った。
明日と明後日はお休みします