酷い食事を終えた後、タビノは牢屋に戻り眠りに着く。
それから翌朝になり再び酷い食事を終え自由時間、タビノは外に出る事はせず牢屋のベットでゴロゴロしながらスマホを眺める。
「う〜ん、動画は…………まぁ外の動画配信サイトのは見れないか、何かゲーム…………も出来ないの?このスマホスペック高い癖に出来る事少な過ぎ」
文句を言いながらタビノはスマホを放り投げる。
「………………………………そう言えば図書室があるんだっけ?漫画とか無いかな〜無いよな〜」
そんな事を言いながらタビノは図書室に向かう。
「わぁ~、季節外れだしとんでもない所に生えてるな………」
図書室の中央には1本小さな桜の木が生えており花びらが散っている。
「風情があるって言うのかな?」
「そうね、散った花びらもある程度以外は消えるから掃除の必要も無いみたいだし」
何処からか声が聞こえそちらを見るとそこには宝生マーゴが立っていた。
「マーゴちゃんだっけ?何か用?」
「いいえ、声が聞こえたから様子を見に来たのよ」
「ふぅ~ん、ここって漫画ある?小説でも良いけど」
タビノの言葉にマーゴは静かに首を横に振る。
「そもそも書いてある文字すら読めないわ」
「何だ、まぁスマホがあんな感じだから期待して無かったけど」
そんな話をしていると入口の扉が開く音が聞こえ2人してそちらを見る。
「どんな本が置いてあるのかな?」
そう声を上げ入ってきたのは桜羽エマと橘シェリーだった。
「あ、マーゴちゃんとタビノちゃん、いたんだ」
「ええ、最も彼女がここに来たのはついさっきだけど」
「何か面白い本でもあるかと期待したんだけど、な~んにも無いから帰る所」
「私は今からこれをする所よ」
そう言ってマーゴが指した先には小さなテーブルとその上に並べられたタロットカードがあった。
「マーゴさんはもしかしてタロットカードで魔法を使うんですか!?」
「いいえ、どうしてそんな事を聞くのかしら?」
シェリーの問いにマーゴはそう返し逆にシェリーに問いかける。
「私、皆さんがどんな魔法を使うのか気になっちゃって気になっちゃって!!」
「フフ、可愛いわね」
シェリーの反応にマーゴはそう言い首を横に振る。
「でもごめんなさい、どんな魔法が使えるか教えたくないわ、この牢屋敷でこれから殺人事件が起こるとしたら、手持ちのカードを晒すのは愚かだと思わない?」
「殺人事件なんて、起こるはず無いよ」
マーゴの言葉にエマは一瞬ムッとした表情を見せそう言うとマーゴはカードの中から1枚を2人に見せる。
「【塔】の正位置、近い未来、誰か死ぬわ」
「うわ~、胡散くさ」
「フフ、でも気を付けて、誰が殺意を抱いているか分からないもの」
「それは確かに」
「タビノさんはどんな魔法を使うんですか!?」
不穏な空気を察したシェリーの気遣いか、シェリーは話題をタビノの魔法に移すと3人の視線がタビノに集まる。
「私はこれ」
そう言うとタビノが手を前に出すとその先に直径1m程の円形の穴が開く。
「これは…………」
シェリーの言葉を無視しタビノは穴の中に手を突っ込むと中からピーナッツの袋が出て来てタビノはその封を破り中身を食べる。
「これが私の魔法【収納】、ゲームとか漫画に良くある【アイテムボックス】とか【インベントリ】みたいな物だよ」
「凄く便利な魔法ですね!!」
「うん、買い物の時とか役に立ちそう」
「まぁね、でもゲームみたいに何を入れてるか分かるわけじゃないから中身を忘れちゃったら終わりだから、んじゃ私はそろそろ行くから」
タビノはそう言いピーナッツの袋片手に図書室を後にした。
【収納】
指定の空間に穴を開けそこから異空間に繋がっている収納スペース内に物を出し入れすることができるゲームや漫画で言う【アイテムボックス】や【インベントリ】に似た魔法。
しかしその中身を確認する方法が無いため入れたものを記憶しておくしかない、実際タビノ自身も「こんなの入れてたっけ?」となる品が何点もある、その数は不明
整頓しようと思えば出来るがそれはタビノの気分次第