残り少なくなった少女達が裁判所に集められゴクチョーからの開廷の合図と共に話し合いが始まる。
しかし今まで進行を担っていたレイアが殺された事で上手いこと話し合いが始らずタビノが単刀直入に斬り出す。
「犯人はハンナちゃんかシェリーちゃん、多分ハンナちゃん」
「なっ!?」
「タビノちゃん!!」
名指しされたハンナは驚きの声を上げミリアは咎める様にタビノに声を掛ける。
「まどろっこしいのは時間の無駄だし面倒臭いからさっさと進める。ミリアちゃんに話聞いた、皆は交代で地下室に入ってたけどヒロちゃんは死体発見まで地下室から1度も出なかった、合ってる?」
「ああ、間違い無い」
「私も相違ありません!!ヒロさんは確かに地下室に入ってから死体発見まで1度も上がってきませんでした!!」
「って事でヒロちゃんには殺したとしてもエレベーターの上にレイアちゃんの死体を隠す時間が無い、だからヒロちゃんは犯人じゃない」
ヒロとシェリーの後押しを受けタビノはヒロに殺人が不可能な事実を突きつける。
「次にエレベーターの過重の件、地下室に行くエレベーターは2人乗りで皆が上がってくる時はレイアちゃんの死体があったから1人ずつ上がってきた、そしてヒロちゃんが上がってくる時に乗ったエレベーターにはエマちゃんの死体があった」
「ああ、その通りだ」
「やはり犯人はヒロさんですわ!!地下室でエマさんを殺しエレベーターで上がってきた!!そうでなければ地下室で1度エマさんを殺してその死体を隠してエレベーターに乗せてあたかも自分が発見した様に見せかけたんですわ!!そうに違いありません!!」
「残念ながらそうじゃない、今回の事件、幾つか疑問に思ってた事がある。【どうしてエマちゃんは舞台衣装を着ていたのか】【どうしてエマちゃんには刺し傷が2つあったのか】【レイアちゃんを殺した凶器は何か】」
「それは確かに、おじさんも気になってた」
ハンナの言葉に否定を示しタビノは自身が疑問に思っていた事を口にするとミリアもそれに賛同する。
「差し傷が2つ?」
「うん、まずはそこからだね、これは単純に偽装だろうね、普段の服の上からレイピアで刺しちゃったけど着替えさせたら衣装には傷があるのに血が付いてるから不審に思われるでしょ?」
「でも、仮にハンナさんが犯人だとしてどうしてわざわざ舞台衣装を着せたんですか?」
「そうですわ!!その理由を言ってみなさい!!」
「それがこの事件のトリックの鍵だよ、ハンナちゃん、君の魔法は【浮遊】だよね?」
「そうですわ、でも受けるのは10cm程で時間は1分程度、トリック使える様な代物じゃねぇですわ」
悔しそうにハンナがそう言うがタビノはチッチッチと舌を鳴らす。
「それはここに来た時の話でしょ?あれから事件とか諸々でストレスを受けた今その力は増してるはず、なら【服に縫い付けた自分の髪を浮かせる】なんて芸当も出来るんじゃないかな?」
「ッ!!」
「まぁ、他にも色々証拠を取り揃えてるよ、どんな言い訳でも並べると良い、全て私が叩き潰すから」
「わ、わたくしは…………」
ハンナはガタガタと震えながら口を開く。
「こ、殺すつもりは無かったんですの、あの時、レイアさんがあんな事を言わなければ、エマさんが通り掛からなければ」
「うわ~、その台詞言う人本当に居るんだ、良い機会だから聞くんだけどさ、殺すつもりは無かったって言うけどさぁ、死んで欲しいっては思ったの?」
「そ、そんな訳ありませんわ!!わ、わたくしはただ……」
「ただ何よ?怪我すれば良い?不幸になれば良い?ねぇどんな事を思ったの?ねぇ教えてよwww」
タビノはハンナを嘲笑う様に尋ねハンナは顔を青くする。
「おい止めとけ、ゴクチョー、犯人は分かった、さっさと投票させろ」
アリサがタビノを制止しゴクチョーに投票に移る様に促し時間を惜しんだゴクチョーも投票に移りハンナは処刑台に運ばれる。
現れた処刑台は巨大な砂時計の様になっておりその下部分に扉があり看守はそこにハンナを入れる。少女達が処刑ボタンを押すと砂時計の真ん中の蓋が開きハンナに上の物が降り掛かってくる。それは砂ではなく巨大な岩だった。
「こんな事を言う資格が無い事は分かっています、でもわたくし魔女になりたくありませんの!!わたくしを化物にしないで!!人間のまま死なせて下さい!!」
そう言うハンナは凄まじい勢いで魔女化していき段々と化物になっていく。
「分かりました!!」
その時、シェリーがそう言いハンナの元へ走って行こうとする、それをタビノは止める。
「死ぬよ?」
「そうですね、でも私達は友達ですから!!」
シェリーはそう言うとタビノの手を振り払い看守の妨害を掻い潜りハンナの元へ向かう。こうして2人の少女は息絶え静寂だけが広がる中タビノはため息をついた。
「まぁ私はこれで安眠出来るし、本人達が良いなら良っか」
そうしてタビノは欠伸をしながら自室に戻って行った。