全てを救いに
怪物となってからの私の生活は一変した。
好きな時に寝て好きな時に好きな物を食べ好きな事をした。
気に入らない事は何もせず気に入らない相手は徹底的に無視し歯向かってくるなら叩き潰した。
そんな日々を送っていれば当然家族は良い顔をしなくなる。
母からは罵詈雑言の嵐、祖母は私の事を忘れ妹は多分私を恨んでいるだろう。
居場所が無くなった家に帰る必要も無いとネカフェに寝泊まりする様になり家に帰らなくなった。
家族がどうなったかは分からない、知ろうとも思わないけど。
ああでも1つだけ、最後に私はあの家族に手を差し伸べた、大叔母から祖母の通帳を奪い返してやった。
私が家族の世話を止めた途端電話してきて散々罵ってきて気に入らなかったからその意趣返しのついでに。
警察沙汰になったが私に罵詈雑言を浴びせる録音を聞かせてちょっと泣き真似したら警察はコロッと此方の味方をした。
でも何より気に入らなかったのは周りの人間の反応、『真面目だったのに』『やれご家族が可哀想』『妹さんに全て押し付けて』
助けてくれなかったくせに何を偉そうに、お前らは自分の好きな事が出来るのに私がするのはいけないのか、そんなの不公平だ、でもそこで気付いた、不公平に感じるのは関係性を持つからだと、私の今までを知られるから今の私を理不尽に評価する。
なら関係性を無くせばいい、無い物は評価出来ないしされない、そこに不公平な判断も理不尽な言われようも無い、何よりそれらが重りになる事は無い、だから私は他人との関係を絶ったんだ。
気が付くとそこは長い間使われていない様な薄汚い牢屋の中だった。
「……………………何処、ここ?」
ポリポリと頭を掻きながら周りを見回す、何度見ても自室ではなく誰がどう見ても汚い牢屋の中。
少女達の悲鳴が聞こえその中には苦しんでいる様な慟哭の様な声も混じっている。
モニターに映る梟の案内でラウンジに集まる時2m近い化物とは違う人間に似た化物が牢屋から出てきた時は驚いたもんだが敵意は感じなかったので無視しておいた、相部屋の子は…………と言うか基本皆ビビって逃げて行ったけど。
「貴女何をしていますの!?後ろに化け物がいますのよ!?」
「そうだよ!!早く逃げよう!!」
お嬢様系の子とギャルっぽい子がそう言って来る。
「いや〜、でも別に敵意は無さそうだし、閉じ込められてたって事は状況は多分私達と同じでしょ?なら別に逃げる必要は無いかなって」
タビノの言葉に他の少女達は信じられないと言った顔を浮かべるがタビノはそれらを無視しラウンジに向かった。