「タビノ、君は【人の支えになる事】が嫌なんじゃないか?」
「ッ!!」
ヒロの口撃にタビノは初めて目に見える動揺とそして恐怖の色を滲ませたのをヒロは見逃さなかった。
「やはりそうか、君は他人に必要とされるのを恐れている」
「な、何を…………そんな」
「間違い無い、君は他人から必要とされるのを恐れた、だから他人に興味を持たない様にした、興味を持たれて関係を築きある時その相手に必要とされるのが怖かったから」
「ッ!!」
ヒロの追求にタビノの顔が歪む。
(彼女の破片は集め終えた、後はその破片を突き付ける言葉を彼女に叩き付ける、マーゴと同じで今の彼女は冷静な判断が出来ない状態だ、となれば)
「でもここで恐れる必要は無い、それを知った所で私達は君に頼る事は無いから」
「……………………え?」
「だってそうだろう?既に君は我々の支えになってくれているんだから」
「え?……そん……は?…………そんなわけ」
「何だ、気付いていなかったのか?裁判所に来るまでに君は私達を助けてくれたじゃないか、魔女化した私を他の少女達から庇い私から他の少女達から庇い先頭に立っていた、レイアより早くな、そして君のその態度は自然と他の子達にこう思わせただろう、【ああ、この人にお願いすれば大丈夫だ】と」
「ッ!!そ、んな」
タビノは信じられない物を見る目で他の少女達を見る。
「だから言っているじゃないか、君は皆の心の支えにされているんだよ」
「そんな、い、嫌だ、私、もう奴隷になりたくない、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!」
タビノはフラフラとその場を離れようとするがそこに看守が現れタビノを無理矢理証言台の上に戻す。
「嫌だ、また奴隷に戻るのは嫌だ!!お母さんとお婆ちゃんが死ぬまで面倒見て生活費の為に朝から晩まで働いて誰にも感謝されなくて、夜もちゃんと寝られないのにずっと同じ事繰り返して、そんなの嫌だ!!何で私なの!!まだ私やりたい事がいっぱいあるの!!やりたかった事がいっぱいあったの!!ずっと我慢してきたの!!高校だって行きたかったし学校の友達と遊びたかったし恋愛だってしたかった!!やりたかった事全部捨てて家族の為に尽くしてきたのに誰も助けてくれない、なのに皆私が自分の為に生きたら非難するの!?しょうがないじゃん誰も助けてくれなかったんだから!!自分で自分を守って何が悪いってのよ!!自分の人生生きて何が悪いってのよ!!」
そんな事を喚くタビノの爪が徐々に伸びていき顔にヒビが入る。頭からは赤い角が生え両目があった場所に暗い穴ができそこから血涙を流している。
「暗い!!ねぇ!!何で!!誰が電気消したの!!止めてよ!!見えない!!何も見えない!!何で!!ねぇ!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!私が悪かったから!!もうこんな事言いません許して下さい!!お願いします!!」
まるで土下座する様に頭を抱えタビノは蹲る、その痛々しい姿に少女達は憐れみの目を向ける中ヒロがメルルに声を掛ける。
「………………………………メルル、タビノを助けてやってくれ」
「は、はい!!」
ヒロの声で我に返ったメルルが慌ててタビノの側によるがパニックになっているタビノはその手を振り払う。
「誰!?触らないで!!近付かないでよ!!どうせ助ける気なんて無いんでしょ!?」
「大丈夫ですよ、タビノさん、皆貴女の側にいますから」
メルルはそう行ってタビノの心を癒した。
タビノの魔女化
怪物と散々罵られた彼女は怪物の象徴であり魔女と縁深い存在である悪魔に似た姿となった。
人の目は他人や世界を知る為の物でありそれを拒絶する彼女には目は必要ない為魔女化に際して奪われた。