ユキの力によってこの世から魔法と魔女は消え少女達は元の生活に戻る事が出来る様になった。
ユキの死後政府関係者が早速接触を計って来た為ヒロを中心に帰還を望む少女達の帰還を要求し政府の要人は時間が掛かるが可能であると承諾した。
「ねぇ、それだけ?」
そして要人がいざ帰ろうとした所でタビノがそう言い要人を引き止めた。
どういう意味かと尋ねた要人にタビノは
「いや、人様勝手に拉致っといて用が無くなったからはい解放って、それだけじゃないよね?此方は迷惑被ってる訳だしなんなら人類救ってんだから何かしらあるよね?報酬とか報酬とか報酬とか」
タビノの要求に要人は困り果て上に相談すると言い残し去っていった。
それから更に日にちが空き提案されたのは【1年100万円の終身贈与】だった。流石に金銭に関わる事なので前回よりも更に上の立場の人間が来た。
正直解放されるだけで満足だった少女達は突如降ってきた100万円という大金に嬉しく思いながらも困惑したがタビノは満足しなかった。
「いやいや、私の話聞いてた?此方は勝手に拉致られた挙句人類救ってるわけ、なんなら死ぬ可能性もあった訳よ?それがたった100万ってふざけてんの?最低でも0が後2つは足りないんだけど?」
タビノの要求に要人も少女達も驚くがタビノもそこは譲らず要人は電話して来ると言い残すと一時その場を離れる。
結果、相手はタビノの要求を全て飲む事にし最終的に【1年1億円終身贈与】と言う事になり途方もない金額に少女達は唖然とするばかりだった。
その後は少女達の解放される意思の有無や戸籍の復活、既に死亡扱いになっている地下室から解放された少女達の新たな戸籍作り等世界は裏でバタバタとし漸く今日、一部の少女達の解放がなされる日になった。
ヒロがエマと一時の別れを惜しむ中タビノはさっさとヘリに乗り込もうとする。
「日渡タビノ」
そこに声が掛かり振り返るとそこにはミリアとナノカがいた。
「何?私もう行くよ」
「…………これ、欲しがってたでしょう?貴女にあげるわ、私にはもう必要の無い物だから」
そう行ってナノカは【魔法の銃】をタビノに渡す。この世から魔女と魔法は消えたが魔法によって生み出された物品は現世に形を持って留まっている。ノアが魔法で描いた絵やタビノの手にある魔法の銃や鞄、そして今皆がいる花畑の花等、それ以外にもあるかも知れないがタビノは探す気は無い。
「ありがとう」
それだけ言ってタビノは銃を肩掛け鞄の中に押し込みヘリに乗り込む。次いでヒロが対面の座席に座り扉が閉められると少女達と牢屋敷が遠ざかっていく。
「しかし以外だったな」
牢屋敷が見えなくなった頃ヒロがそう言いタビノが顔を上げる。
「何が?」
「君が外の世界に戻ろうとしている事がだ、最早堅苦しい規則は無い、本当の意味での自由をあの牢屋敷なら謳歌出来ただろうに」
「人が多くなって住みにくくなった、それに折角報酬が貰えたのに牢屋敷じゃ使い道無いでしょ、そう言うヒロちゃんは報酬何に使うの?」
「将来の為に貯めておく、そういう君は?」
「その件でヒロちゃんに1つ相談があってね」
「相談?」
「銀行で用事済ませたら話すよ」
それから数時間ヘリに揺られ本土に到着するとタビノは背伸びして体を解した後銀行で金を下ろすとアタッシュケースを持って出て来るとヒロにアタッシュケースと1封の封筒、そして1枚の紙を突き出す。
「5千万入ってる、此方は100万、この5千万実家に渡してくれない?これ住所」
「何故私が?自分で渡しに行けば良いだろう?」
ヒロの言葉にタビノは首を横に振る。
「私が渡しても受け取ってくれないよ、それに私には帰る勇気が無いし少し時間を置く必要があると思ってる、だからヒロちゃんに任せる。ヒロちゃんなら信用出来るし」
タビノの言葉にヒロは少し間を置いてため息を吐くとアタッシュケースと紙だけを受け取る。
「その封筒は取っておけ、君も1人で生活するなら入り用だろう」
「…………ありがとうヒロちゃん、それじゃあ、またね」
「ああ、また会おう」
2人はそうして別れそれぞれの道を進み始めた。