「と言うのが今の君の実家の現状だ」
家に帰り着き家族に無事を涙ながらに祝われたヒロは自室に戻るとタビノと電話していた。
『そっか、ありがとうヒロちゃん、ノゾミが元気なら良かったよ』
「そういう君は大丈夫なのか?今からでも私の家に…………」
『大丈夫だって!!心配し過ぎ、オカンか!!取り敢えず暫くはネカフェに寝泊まりしてそっからはアリサちゃん家に行って後は着の身着のままって感じかな?』
「アリサの家?」
タビノの予定に引っかかりを覚えたヒロは思わず疑問を声に出す。
『何か実家帰るつもりらしいんだけど1人じゃ怖いから着いてきてだって、お礼に1千万くれるって言うから了承した』
「君は相変わらずの様だな、しかし1千万か、政府からの褒賞とは言え良くそんな大金軽々しく渡すものだな」
『何かアリサちゃん家って裕福らしいよ、大富豪って程じゃないけど小富豪位はあるらしい、家出する前はバレエやってたらしいし、あ、玉の方じゃ無くて踊る方ね』
「アリサがバレエも以外だが君達がそこまで仲良くなったのも以外だな」
『別に聞きたくて聞いたわけじゃないけど、他の子達はそれぞれ家に帰るから忙しいだろうから家に帰るつもりも無いフラフラしてる私は暇だろうから私に話持ってきたらしいよ』
「間違ってはいないだろう?」
『間違っては無いね』
タビノの言葉にヒロがそう返すとタビノも肯定しそれから牢屋敷の近況も報告した後2人は電話を終えた。
それから数日はヒロに言った通りネカフェに寝泊まりしのんびり過ごしているとアリサから電話があり2日後に帰るから迎えに来て欲しいと連絡がありその場所に向かう。
既にそこにはキャリーケースを持ったアリサが立っておりタビノは手を振りながらアリサに近付いていくと向こうも気づきキャリーケースを引きながら近付いてくる。
「お待たせ〜、ちょっと遅くなっちゃった」
「お前外でもその恰好なのかよ」
「うん、楽だから良いでしょ別に、ほぼ部屋着みたいな衣装で私としては楽だったよ、それより早く行こう、私友達の家に行くの初めてなんだ〜、友達いたこと無かったから」
「オメェは相変わらずだな」
アリサは普段通りのタビノを見ながらそう言いバスと電車を乗り継ぎ駅から歩いていく。
5分程歩いた所でアリサの足が止まりそこにある表札を見ると【紫藤】の文字があった。
「ここがアリサちゃん家?」
「…………ああ、ここだ」
そう言うアリサの声は若干震えておりインターホンを押そうとする指が直前で止まる。
「…………ハァ…………スゥ〜」
「何?緊張してるの?」
「たりめぇだろ、ずっと帰ってなかったのにいきなり現れて友達とか言う奴連れてきて、なんて思われるか、それで叱られるならそれで良いんだ、でもそれで許されたらウチは……………」
「アリサちゃんの考えは良く分からないけど許されるなら良いんじゃない?私なんてもう許される事も出来ないんだから」
その言葉にアリサはタビノを見る。アリサもタビノの事情は理解している為その言葉の重みがどれほどの物か理解している。
「叱られたい時に叱ってくれる、褒めて欲しい時に褒めてくれるなんてのは贅沢な考えだよ。実際は反応貰えるだけマシってもんさ」
「……………………………………」
「って事でポチー」
「あ!!テメ!!」
タビノの言葉に珍しく関心していたアリサは隙を突かれタビノにインターホンを押されてしまう。
玄関扉が開かれ現れたアリサの両親は一瞬事態を理解出来ないのか数秒硬直する。
「あ、えっと、その」
アリサが言い淀んでいると直ぐにアリサに走り寄り力強く抱き締めた。
「無事で良かった」
アリサの両親はアリサの無事を喜び涙を流しそれに釣られる様にアリサも涙を流した。