「レイアちゃんだっけ?貴女が犯人じゃないならアリバイ位教えてくれても良いよね?嘘じゃない本当のアリバイを」
「それは、無いね、私は3人で配信するまで誰にも会わなかったんだ、アリバイの証明は不可能だよ」
「でしょうね、じゃあ次の質問ね……………………ノアちゃんってどうやって死んだんだっけ?」
その言葉に全員がすっ転びハンナが声を上げる。
「貴女本当に聞いてなかったのですね、ノアさんはボウガンの矢で殺されていますわ、ただしボウガンで撃ったのでは無く槍の様にして、ここに傷があるでしょう?これは槍が壊れた時に付けた傷だと思われますわ」
「じゃあレイアちゃんにはそのレイピア見せてもらおうかな、塗料付いてるかも…………と言いたい所だけど、こんなに時間が経ってちゃ拭き取られてるか、ココちゃん、レイアちゃん配信で何してたの?」
「はぁ?何って普通に雑談して、曲芸してもらって…………」
「曲芸?ジャグリングでもさせたの?」
「いやそんな難しい事じゃないよ、ただレイピアで林檎を刺してもらっただけで…………」
「…………その林檎残ってる?」
「う、うん、後で食べようと思ってポケットの中に…………」
「見せて」
タビノはミリアから林檎を受け取るとグルっと一周林檎を見回すとそこには小さな穴とその周囲に少し付着する白い塗料があった。
「まだ私の害でありたい?」
「………………………………いや、もう十分だよ、あ~あ、バレちゃった」
レイアは犯行を認め1時間が経過し魔女を示す投票は当然レイアが選ばれた。
「なんで、なんでノアちゃんを殺したの?ノアちゃんは何も悪い事はしていなかったじゃないか、なんで!!」
エマはレイアに悲痛な声でそう問い掛ける、するとレイアは僅かに笑みを浮かべる。
「同室のアンアン君が倒れただろう?それで彼女を守らなければと思ってしまった」
(私には分からない考えだね)
自身の身の潔白が証明され再び興味を失ったタビノは話半分に聞き流しそう思う。
「あ、お話終わりました?時間も押してますし、そろそろ進行したいんですが」
ゴクチョーがそう言うと同時にスマホが振動し何かの画面が現れる。
「各自のスマホにボタンが表情されていると思うので、全員がそれを押したら処刑執行スタートします。ぐーっと長く押して頂けますと」
ゴクチョーがそう言うとタビノはさっさとボタンを押すとその場に座り込みスマホを放り出し周囲を見回す。
「まだ〜?私眠い〜」
「うっせぇな、ちょっと黙ってろよ」
催促するタビノにアリサは悪態をつきながら意を決してボタンを押す。
他の少女達も次々とボタンを押していく。
「はい!!ではこれより、魔女の処刑を行います」
ゴクチョーが言うと部屋の真ん中の台座が沈み何かの歯車が回転する音と共に別の台座が上がってくる。現れたのは巨大な天使像
「蓮見レイアさんには、この中に入ってもらいます」
ゴクチョーがそう言うと天使像が真ん中から割れ中にある無数の針を見せる。
これには流石にレイアも顔を青くするが看守は構わずレイアを引きずっていく。
「ま、待ってくれ!!この中には入りたくない!!そうだ!!裁判のやり直しを要求する!!」
「何度やっても同じだし私はもう寝たいから無理」
再びいつの間にか取り出した漫画本を読みながらレイアの言葉にそう返す。
「嫌だ!!お願い!!お願いします!!これを閉めないで!!やだぁあ!!」
レイアの叫びに何人かの少女は目を逸らす。
「他の処刑方法にしよう!!これは駄目だ、だって、だって皆に見えないじゃないか!!」
その言葉に違和感を覚え思わずタビノはレイアの方を見る。
「やっぱね、皆を守りたいなんてうそばっか、ノアを殺した本当の理由、分かっちゃった」
「成る程、【バルーン】の方が動機でしたか、自分が一番目立たない状況が許せなかったんですね」
ココは邪悪な笑みを浮かべそう言うと同時にシェリーが納得した様に手を叩く。
「バルーンって何?風船?」
「貴女一体何なら知ってるんですの!?ノアさんは世界的に有名なアーティスト【バルーン】ですわよ!!」
「知らね、まぁ兎に角ノアちゃんはその風船見たいな名前の画家さんでレイアちゃんはそれに嫉妬して殺したってことね、りょーかい」
「…………ああそうだよ!!私は目立ちたかった!!1番目立たないといけなかった!!城ヶ崎ノアに舞台の主役を奪われて、アイツを殺さないといけないと思ったんだよ!!アイツが邪魔だったんだよ!!もっと私を見てよ!!私だけを見てよ!!」
最後にレイアは自分の心情を吐露し魔女になりながら天使像の中に消えた。
「な~んだ、結局自分の為に生きてる人間なんて居ないじゃん、やっぱり私は普通だね」
タビノの言葉は残念ながらレイアの叫びに掻き消され誰かの耳に届く事は無かった。