一夜明け、朝食を取っていると桜羽エマが突然自由時間に話し合いをしたいと提案した。
自由時間開始と同時に残った殆どの少女が集まったがそこにタビノの姿は無く彼女は牢屋のベットで呑気に昼寝をしていた。
「見事なまでに寝てますね〜」
「呑気なものですわ、きっとこの人にはストレスなんて無いですわね、羨ましい限りですわ」
「そ、そうだね、でも多分、そういう意味ではタビノちゃんが一番魔女化に遠いんだと思う」
その時、パチリとタビノの目が開きノソリノソリと寝返りを打ちエマ達と目が合う。
「ふぁ~、何?うるさくて寝られないんだけど〜」
「ご、ごめんね、その、タビノちゃんにも脱獄計画を手伝って欲しくて…………」
欠伸をしながらエマ達に文句を言うタビノにエマは端的に話をする。
「脱獄〜?私別にここから出たい訳じゃないし〜、仮にここから出られたとして私のメリットって何よ?」
「えっと、それは、美味しいご飯が食べられて好きな時間に外に出歩ける、とか?」
エマがそう言うとタビノはベットから立ちエマに顔を近付ける。
「その1、私は好きな物を何時でも食べられる、その2、私はアウトドアよりインドアが好き、その3、それはメリットとは言わない、分かったらもっと良い条件を考えて、私が思わず手を貸したくなる位の奴を、じゃあ私はもう一眠りするから」
タビノはそう言うと再びベットに潜り込み【収納】の中に入れていたであろう抱き枕を抱きながら寝息を立て始めた。
「タビノさんを仲間にするのは諦めた方が良さそうですね」
「本当に他人に興味を持たない人ですわね、ある意味で貴女とは正反対ですわ」
「ええ〜照れますね〜」
ハンナはそう言いながらシェリーを見るとシェリーは何故か照れながら頭を掻いた。
「褒めてねぇ~ですわ」
ハンナの呟きにエマは苦笑いを浮かべながらその場を後にした。
その翌日の自由時間、タビノは娯楽室に向かうとそこにはミリアがいた。
「あ」
タビノに気付いたミリアはそう声を上げ気不味そうにするがタビノは構わずミリアから離れた所で携帯ゲームを開き遊ぶ。
映画とゲーム音だけが響く空間でミリアはタビノに声を掛ける。
「タビノちゃんはおじさんが居ても気にしないんだね」
「ん〜?うん、別に気にしない」
「おじさんにもそんな強さがあったら良かったんだけどね」
「いや〜、止めといた方が良いよ、これは多分強さじゃないから、やばっ、死にそう死にそうっとと」
「…………ある女の子がね、ネットに卑猥な画像を貼られたの」
「……………………」
「それでどうしたら良いのか分からなくなって、死のうとしてた、そんな時に助けてくれたのが、弁護士のおじさん、おじさんもそんな風になりたいんだ…………ってごめんね、こんな話聞いても面白くないよね」
「まぁ面白い話では無いよね」
「そうだよね、ごめんごめん、でもね、これだけは知ってて欲しいんだ、おじさんもあんまり帰りたくない…………かも知れない」
「ふぅ~ん、じゃあなんで脱獄に手を貸すの?」
「それはやっぱり、エマちゃん達はこんな所に居ない方が良いんじゃないかと思って」
「居なくなって欲しい訳でも無いのにそんな事するなんて、私には分からない考えだね、あ、死んだ」
タビノはそう言うとゲーム機を投げ出しダランとした様子で天井を見上げた。