械劫都市のライオット   作:K+#ガソ林

3 / 3
第二話 対決!ラジカル・カラミティ!

『ライオット。』

 

 ルドメイからの通信が入る。

 

『そのバルムンクはお前の使っていたものとは少々異なる。』

 

 紫の破壊エネルギーをバルムンクで切り飛ばす。後方に着弾し大きく熱の影を残した。

 

「どんなのだ?」

 

『バルムンクの翠緑エネルギーは、相手のエネルギーの位相を写し、受け流して自分の力に加える。そのために多大なエネルギーを垂れ流している。手早く言うと、長期戦が効かない。』

 

「俺向きの武器だ。」

 

 二発目の射撃。バルムンクの弾丸を合わせる。翠緑が紫を喰らって突き進む。ラジカル・カラミティは回避する。

 

『…これは決定的だ。私の完璧なラジカル・カラミティが…。ルドメイめ…ッ!』

 

 パイロットのグレイツは眉間に皺を寄せる。

 

『認証開始…完了。コードホワイト。実行する。』

 

 ラジカル・カラミティの装甲が白くなっていく…。

 

「ルドメイ。わかるか?」

 

『わからない。放出エネルギーは向上している。』

 

 ライオットが牽制のために射撃しようとしたが、腕を構えた時に怖気が走った。

 角度を変え、剣を前に構えるとそこに強烈な拳打が飛んできた。ケアレス・ライダーの重量では軽々と吹き飛ばされてしまう。

 

(格闘用形態変化…!?)

 

 吹き飛ばされた視界の中、ライオットは絶望を見る。ラジカル・カラミティはエネルギー砲を構えていた。そして撃った。

 

「ぐああああああッ!!!」

 

 着弾。クッションの役割を果たすため、ケアレス・ライダーが腕を残して爆散する。衝撃を殺しきれずビルに叩きつけられ、そのまま落下、うずくまるライオット。

 ラジカル・カラミティは標的を一瞬見失った。

 

『…ライオットの反応を感知。』

 

 しかし、高性能センサーによって捕捉される。

 

「…ぐ…!」

 

 バルムンクを構えるライオット。砲撃は来ない。砲撃ではバルムンクには勝てない。

 しかし、メカスーツを失ったただの人間相手なら、案山子を相手にするようなものだ。比喩でもなく腕を一捻りしてやればいい。

 ラジカル・カラミティは前進する。

 

『…ライオット。』

 

「ああ?」

 

 相対するライオットとラジカル・カラミティ。

 

『降伏しろ。』

 

「…怖いのか?」

 

 ライオットは、まだ負けていない。

 

『…わかったよ、ライオット。』

 

 再びラジカル・カラミティの体表が白く染まる。念の為格闘モードで念入りにライオットを破壊するつもりだ。

 ライオット、万事休す───。

 

「───コード起動。」

 

『…ラジカル・カラミティ…対象の完全排除を決行する───!』

 

 白き閃光がライオットを───。

 

【 Code approval. "Balmung dominant" 】

 

 再び、吹き飛ばす事はなかった。

 

『…ライオットォ…!』

 

 ルドメイは最後に、ライオットへ言葉を残していた。

 

[ バルムンクにはもう一つ機能がある ]

 

[ 全てのエネルギーを加速度的に燃焼することによって…ジェネレーターの生成エネルギーを4倍にする ]

 

[ 名を、バルムンク・ドミナント。メカスーツ殺しの破壊剣だ。 ]

 

 白き装甲は、バルムンクが放つ翠緑の光によって溶け始めていた。

 

『ライオットォォォォ!!!!』

 

 拳を引き、再び撃ち込む。ラジカル・カラミティの機体制御が促すままに、バックパックのジェットエンジンによる加速力を添えて破壊を叩き込む。

 ライオットの剣は反応する。

 超高速の行動に、生身の人間がついてきている。

 

(異常なる戦闘データ…。)

 

 流れの傭兵、【ライオット】の分析は済んでいた。

 彼は、生身でもメカスーツの戦闘についてくる異常者だ。

 何かカラクリがあるのかもしれないが、言えることはただ一つ。今のこの状況でも、ライオットは依然として脅威であると言うこと。

 

(肉体的損傷は与えている。)

 

 もしライオットが内蔵のインナースーツを着ていたとしたら、あのビルへの叩きつけの時点でそれも壊れていてもおかしくはない。

 

(…だが、ラジカル・カラミティの全ての計器が───奴が生身であることを示している。)

 

 拳は全てバルムンクに防がれている。ならばと蹴りを放つが、寸前で避けられる。足を掴まれ、そのまま引っ張られる。

 ジェットエンジンの推力を利用して逆に引っ張り込もうとしたが、手を離される。

 

 ライオットとラジカル・カラミティに距離ができた。

 

(…バルムンクのエネルギーを浴びすぎて、装甲にガタが来ているな。)

 

 アラートが鳴りっぱなしだ。

 高濃度エネルギー汚染地域すら凌駕する異常放射量。

 メカスーツ殺しの所以。

 ライオットが無事なのは、やはり彼が生身だからだ。

 

『これで最後とする。ライオット…。』

 

「───来いよ。」

 

 笑うライオット。

 再び、装甲が白く染まった。

 

『エネルギー充填───カラミティ・ブレイズ…ッ!』

 

 砲撃。

 同時に、出撃。砲撃を追い越す。

 ライオットは銃撃か、迎撃か。

 

「はぁッ!!」

 

 迎撃を取るライオット。

 ラジカル・カラミティの拳を受け止める。その超反応をギリギリまで引きつける。

 上方推力へ切り替え、ライオットの前から退避。

 

「チッ…!」

 

 ライオットの正面に砲撃が遅れて飛んできた。

 ライオットは砲撃を打ち消す為、銃撃を構える───。

 

(このまま───。)

 

 ラジカル・カラミティは砲撃を避けたわけではない。ライオットの背後に飛んでいた。そのままライオットを羽交い締めにする。

 …すんでの、所で。

 

「終止符だ。」

 

 剣の弧はそのまま円へ。

 選んだのは、銃撃ではなく斬撃。

 エネルギー弾を切り裂いたバルムンクは、そのまま背後のラジカル・カラミティを両断した。

 

『損傷、重大───…ッ機体放棄。』

 

 両断された機体は最後の力で爆散し、パイロットのグレイツを空へ逃す。

 超超高度の為、追跡は不可能だ。

 しかし、ライオットは───ラジカル・カラミティに勝利した。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。