ようこそ俺のゲームアプリの世界へ 作:ヘルテンペスト
※本作はR15です。ヒロインとのイチャラブ・濃厚な触れ合い描写が含まれます。
※一線の描写(本番)は表現を濁すかスキップします。
「ん、ん、ん、ちゅうっ……んんんっ……」
照明を落とした室内。窓から差し込む青白い月明かりの下で、濃密な深い口づけを交わす。
互いの口内に舌を絡め合うディープなそれに、頭の芯がじんじんと痺れていく。
「んんっ……ぷはぁ、はあ、はあ、はあ……んふふふ♪」
一度呼吸を整えるために唇を離すと、荒い息を吐き出しながら彼女が嬉しそうに微笑んだ。
重なる吐息の熱さと、唇から零れた涎(よだれ)の筋が、俺の首筋をゆっくりと伝って落ちていく。
「ふふっ、垂れてる……んっ、んちゅうっ」
「ん……っ!?」
彼女は俺の首筋にしゃぶりつき、流れた涎を丁寧にすくい取っていく。
柔らかい唇の感触と、首元を舐め上げる温かい舌の刺激。あまりの心地よさに膝の力が抜け、そのまま後ろへ倒れそうになるのを必死で耐える。
「んふふふ、我慢しなくて良いのに……」
そう耳元で囁くと、女子にしては少し大きめでしなやかな身体で、俺を優しくベッドへ押し倒した。
見上げれば、薄い下着姿の彼女――長谷部波瑠加が、俺を見下ろしながら愛おしそうに微笑んでいる。
彼女が上から覆いかぶさると、まるで液体でも入っているのかと思えるほど柔らかく豊満な胸が、俺の胸板にずっしりと乗せられた。硬い胸板に押し当てられたその巨乳は、まるで水の入った風船のように形を変えて広がっていく。
「可愛い……」
俺をぎゅっと抱きしめてくる波瑠加。
目に優しい綺麗な青い髪と、興奮のせいか少し赤みが透けている綺麗な白い肌。
あまりの愛おしさに耐えきれなくなり、俺は彼女の首元へ顔を寄せ、そっと舌を這わせた。
「んふふっ♪ 気持ち良い……あんっ」
何度も首元を舐め回すと、波瑠加は甘い声を漏らしながら嬉しそうに微笑む。
その声の可愛さに、胸の中で何かがキュンとときめいた――その瞬間。
脳内に聞き覚えのある電子音がピロンと響き渡った。
【長谷部波瑠加:貴方への感情ステータス】
好感度: 95 ➔ 125
性欲度: 100 ➔ 145
依存度: 65 ➔ 95
あ…上がった…
脳内に浮かんだ数値を冷静に分析する。
このアプリの仕様上、感情値が『100前後』を超えると理性の歯止めが効かなくなり、突発的な行動を起こすようになる。
今回、初日から波瑠加がここまで情熱的なアプローチを仕掛けてきたのも、最初から性欲度が100に達していたからだ。
ちなみに上限(カンスト)は『300』に設定してある。……待て、100超えでこの暴走っぷりなのに、300になったら俺の命(と理性)保つのか……?
依存度がまだ95と相対的に低めなのが唯一の救いか。だからこそ、今の彼女は「理性が吹き飛んで攻めてきている」と同時に、「包容力のあるお姉さんとして優しくリードしてくれる余裕」を残しているのだろう。
「ねえ……どこ見てるの? 私だけ見て……っ」
思考を巡らせる俺の頬を、波瑠加の柔らかい手が優しく包み込み、再び甘い唇が重なった――。
◇ ◇ ◇
――突然だが。
俺、水影玲花は転生者だ。
『ようこそ実力至上主義の教室へ』の世界に転生し、知識やチートを使って苦労しながら女の子たちを落としていく……よくある転生もの、だと思うだろう?
だが、現実は違った。
この世界は、前世で俺が試作用として作っていた『自作のよう実アプリゲーム』そのものだったのだ。
このアプリの仕様は実に単純で、そして都合がいい。
【主人公のステータス設定】
初心者向けに『レベル100(綾小路清隆超え)』から『レベル1(ごく普通)』まで自由に選択可能。なお、主人公の容姿は強制的に「超絶美形」で固定される。
【ヒロイン選択と過去改変機能(※ここが真骨頂)】
1人から複数人まで好きなヒロインを自由に選択可能。
選ばれたヒロインは『過去に主人公と出会っており、初めから主人公をめちゃくちゃ好きになっている状態』という激重な過去設定が自動的に付与されてスタートする。
当時、生前の俺は「よし、とりあえず複数人ヒロインを選んで試運転してみるか」と軽いノリで設定をいじっていた。全員を選ぶのは流石に無理だったが、推しキャラを中心にかなりの人数をヒロインに指定。ステータスはもちろん『レベル100(綾小路超え)』を選択した。
……そして、完成したアプリをデバッグしようとしたまさにその瞬間。
気づいた時には、俺は高度育成高等学校・Dクラスの教室に座っていたのだ。
教壇では厳格な表情の茶柱先生が「Sシステム」についての説明を淡々と進めている。それを見た瞬間、俺はすべてを理解した。
だが、何よりもおかしかったのは――俺の周りの座席配置だった。
俺の席は教室の一番後ろ。そこまではいい。
問題は、その周りを固めるメンツだった。
【前の席】 背中越しでもわかる、あざとく可愛い後姿――櫛田桔梗。
【右隣の席】 サバサバした雰囲気を漂わせる青髪の美少女――長谷部波瑠加。
【左隣の席】 おどおどと周囲を気にしている控えめな少女――佐倉愛里。
【斜め右前の席】 クールに爪を整えている隠れハイスペック――松下千秋。
……いやいや、席替えでもこんな奇跡起きないだろ!?
どう見ても、俺の周りだけ「俺がアプリでヒロイン指定したキャラ」で埋め尽くされている。席のバランスが露骨すぎるくらいにおかしかった。
そしてこの直後、俺は知ることになるのだ。
アプリで適当に設定した「激重な過去改変」のせいで、彼女たちが初日から狂わんばかりの愛意を向けてくるという、恐ろしすぎる現実を――。
◇ ◇ ◇
教壇でSシステムの説明を続ける茶柱先生は、なぜか説明の途中で何度もチラチラとこちらに視線を送ってきていた。
実は、茶柱先生もアプリのヒロイン枠に選択していた人物だ。
さすがに生徒と教師という年齢差があるため「幼少期の過去ねつ造」までは適用されなかったようだが、その代わりにアプリのシステムが勝手に動き、『茶柱先生の超絶ド真ん中な好みのルックス』として俺の容姿が再構築されたらしい。
ちなみに今の俺の見た目は、爽やかで親しみやすい明るい印象の超絶イケメン男子高校生だ。
説明を終え、教室を去ろうとした茶柱先生が最後に一瞬だけこちらを振り返り、小さく息を吐いた。その直後、頭の中に電子音が響く。
【茶柱佐枝:貴方への感情ステータス】
好感度: 45
性欲度: 100
依存度: 20
(おい……なんだこの極端なステータスは!?)
文字通り「顔と雰囲気がめちゃくちゃタイプ」なだけの男に対する数値じゃないか!
とはいえ、まだ会話すらしていない初日だ。設定が設定だし、最初ならこんなものかと自分を納得させる。
茶柱先生が教室を出て行った直後――前の席の櫛田桔梗が、くるりとこちらへ振り返った。
「また会えたねっ。……今度は勝手に転校しないでね?」
花が咲くような満面の笑みで、けれどどこか逃がさないと言わんばかりの含みを持たせて囁いてくる。斜め前に座る松下千秋も、爪を弄るフリをしながら横目でじっとこちらを観察していた。
脳内に再びアナウンスが流れ込む。
【櫛田桔梗:貴方への感情ステータス】
好感度: 60
性欲度: 95
依存度: 75
【松下千秋:貴方への感情ステータス】
好感度: 75
性欲度: 95
依存度: 35
(一体俺は過去の彼女たちに何をどうやったら、初日からこんな重いステータスになるんだよ……)
過去の自分が適当に設定した激重過去の代償に頭を抱えていると、教室の前方で平田洋介による自己紹介の時間が始まった。
順番が回り、おどおどした様子の井の頭が自己紹介で言葉を詰まらせている。
原作の知識があれば、ここで天使のような櫛田が優しくフォローに入る場面だ。
……しかし、今回は違った。
桔梗は井の頭のピンチなど露ほども気にしていない様子で、どころか前の席から自分の椅子を俺の机ギリギリまで近づけて横目でこちらを伺っている。
結局、誰からもフォローを受けられなかった井の頭は、自己紹介に失敗して顔を伏せながら座り込んでしまった。可哀想に……。
そして、ついに櫛田の番が巡ってくる。
「櫛田桔梗です! ここにいる皆と仲良くなれたらいいなと思っています。……あ、好きなタイプは『成績が良くて勉強を教えてくれる人』や『常識的な人』です♪ 3年間よろしくお願いします」
(……絶対に原作のセリフと違うだろ!!)
途中で露骨に俺(レベル100=学力最高値)を意識した条件を付け足した桔梗の自己紹介を聞いて、池や山内が「勉強できる奴が好きなのかよ……」と露骨にげんなりした声を漏らしていた。
続いて、斜め前で脚を組んでいた松下が立ち上がる。
「松下千秋です。仲良くなりたいタイプは……やっぱり常識があって、あとは『学生の時から将来をしっかり見据えてる人』かな。3年間よろしくね」
自己紹介を終えて席に着く際、松下はこちらを向いてクスッと悪戯っぽく微笑んで見せた。
クールなお姉さん風の彼女に見つめられ、ドキリと胸が跳ね上がる。こんなの男なら誰だって意識してしまうに決まっている。
すると、トントンと軽く肩を叩かれた。
「水影君、次君の番だよっ……♪」
振り返った櫛田が、貼り付けたような完璧なアイドルスマイルで楽しそうに囁いてくる。貼り付けだと分かっていても破壊力抜群の可愛さだ。
俺は息を整え、ゆっくりと立ち上がった。
「水影玲花です。趣味は執筆とトレーニングです。3年間よろしくお願いします」
受けを狙ったつもりは全く無かったので、決して滑ったわけではない。
けれど、あまりにも地味で無難すぎる挨拶にパラパラとした拍手が教室に響く中、俺は静かに席へ腰を下ろした。
すると、左隣の席から控えめな声が聞こえてきた。
「ふふっ……緊張するよね」
チラリと視線を向けると、眼鏡の奥から佐倉が小さく微笑みかけてくれていた。
そして彼女の順番が回ってくると、愛里はゆっくりと立ち上がり、教室全体へ向けて口を開いた。
「佐倉愛里です。あまり元気なタイプじゃないので……物静かな人たちと仲良くなりたいです。よろしくお願いします」
原作のような極度の緊張で噛みまくってしまう姿はどこにもなく、落ち着いた様子で最後までしっかりと自己紹介を終えて見せたのだ。
席に戻ると、彼女は俺の方を向いて、どこかホッとしたように呟いた。
「水影君のおかげで……全然緊張しなかったよ」
その温かい言葉と同時に、頭の中で電子音が鳴り響く。
【佐倉愛里:貴方への感情ステータス】
好感度: 95
性欲度: 90
依存度: 80
うん……やっぱり佐倉はめちゃくちゃ良い子だな……
ステータスの数値を眺めながら、思わず心の中で頷いてしまう。
好感度・性欲度・依存度がすべて90前後にまとまっており、全体的にバランスよく高い。他の面々の尖りすぎたステータス(性欲特化の先生や、二面性の激しい桔梗たち)を見てきた後だと、この素直な高数値がなんだか無性に癒やされる。
あまり飾らない俺の自己紹介を見たから緊張がほぐれたのだろうか?
過去改変の影響がどこまで及んでいるのかはよく分からないが、佐倉が笑顔でいられるなら結果オーライだろう。
……と、そんな平和な癒やしタイムに浸っていたのも束の間。
「……あー、綾小路清隆です。えー、これと言って特技とかはありません。えー、皆と仲良くできるよう頑張ります」
教室の反対側から、まるで作られた発声練習のような、どこかボソボソとした抑揚のない声が響いた。
原作の主人公――綾小路清隆の自己紹介だ。
周りの生徒たちが「なんだあいつ……?」と戸惑いの視線を向ける中、俺の周りのヒロインたちは綾小路の挨拶など全く興味がない様子で、相変わらずちらちらとこちらに熱い視線を送ってきていた。
◇ ◇ ◇
放課後、俺は「今日は少し調べたいことがあるんだ」と女の子たちに短く断りを入れ、真っ直ぐ寮へと向かった。
途中、コンビニの入口付近にある無料コーナーに目をやる。棚の隅には『お一人様三点まで』という小さなお知らせの紙が貼られていた。
(……うん、原作の知識通りだな。この辺りの細かいルールも同じだ)
状況が原作の展開と一致していることを心の中で確認しつつ、俺はそのまま寮の自室へと帰還した。
自室のベッドに腰掛け、自分の持っている「能力」について思考を巡らせてみる。
するとその瞬間、まるで頭の中に直接響くかのようなシステムアナウンスが脳内を駆け巡った。
『――【執筆スキル】を認識しました。プロの小説家にも匹敵する極めて高度な執筆力を獲得しています。
本スキルで作成された作品は、高度育成高等学校の「生徒成果物・技術買取申請制度」を利用し、学校側へ提出・査定を受けることが可能です。学校側がその品質を認め、外部出版社への提供や校内リソースとして評価した場合、成果に応じたプライベートポイント(PP)が付与されます。
スキルを発動しますか?』
なるほど、学校に自分の「技術」を売ってポイントに変えるルートがあるというわけか。仕組としては至極シンプルで分かりやすい。
「……使う」
俺は躊躇なくスキルの発動を選択した。
次の瞬間、思考が恐ろしいスピードで回転し始め、指先が勝手に動き出す。頭の中に溢れ出る物語の構想が、淀みなく文字として出力されていった。
キーボードを叩く音だけが部屋に響く。気づけば、もののあっという間に一万字を超える文章が書き上がっていた。
「……すごいな、これだけじゃないのか」
驚いたのは文章だけではない。スキルは挿絵の描画機能までカバーしていたらしく、物語の決定的なシーンを描いた美しいイラストまで同時に完成していた。プロ顔負けの色彩と緻密なデッサン力だ。自分で言うのもなんだが、相当に上手い。
出来上がった原稿の内容に軽く目を通す。
……そこに書かれていたのは、まさにこの学校の「あり得たかもしれないもう一つの可能性」――いわゆるIFルートを描いた物語だった。
十分な手応えを感じながら、俺は次の章へと進むべく、再び静かにPCに向き合い原稿を書き進めていった。
小説執筆によってプライベートポイント(PP)を稼ぐ目途が立ち、満足感と心地よい疲労感を覚えた俺は、部屋の明かりを消して早めにベッドへ入ることにした。
(……ふぅ、初日から色々ありすぎたな。明日から特別試験やポイントの申請方法についても考えなきゃな……)
怒涛の一日を思い返しながら目を閉じると、いつの間にか深い眠りの中へと落ちていっていた。
◇ ◇ ◇
どれくらい時間が経っただろうか。
夜の静寂の中、静まり返った部屋に突如として異音が響いた。
――ガチャリ。
ドアの鍵が、外から静かに解除される金属音。
その微かな音に反応して、俺の意識はフッと覚醒へと引き戻された。
(……え? 鍵が開いた……!?)
身体を起こそうとした瞬間、ベッド脇に気配を感じた。
暗闇の中、誰かがそっと枕元に腰掛け、温かい手で俺の髪を愛おしそうに優しく撫でてくる。
「あ……起きちゃった? ふふっ、寝顔すごく可愛かったよ♪」
「っ……!? 波瑠加……!?」
暗闇に目が慣れてくると、月明かりの下で青い髪を揺らしながら、柔らかく微笑む長谷部波瑠加の姿が浮かび上がった。
驚いて身を引こうとしたが、頭の後ろに伝わるのは枕の感触ではない。
柔らかく、温かく、そして仄かに甘い香りが漂う――波瑠加の太ももの上。俺は知らんうちに、彼女にしっかりと膝枕されていたのだ。
「な、なんで部屋の鍵を……」
困惑する俺の反応を楽しむように、波瑠加はくすくすと嬉しそうに胸を揺らして微笑んだ。
「ふふっ、合鍵作っちゃった♪」
あまりにも当然のように告げられた衝撃の事実に、俺の思考が一瞬フリーズする。
昼間、彼女の性欲度ステータスが『100』を超えていたことを思い出し、背中に甘い悪寒が走った。
「ねえ……昼間は我慢したけど、もう限界なんだ……」
耳元で囁かれる甘く熱い吐息。
月明かりに照らされた波瑠加の目は、どこか危険なほど情熱的な色に染まっていて――。