妖怪バスター村上 〜御三家侵攻編〜   作:黒影時空

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第22話「妖怪、海を越える。」

「――人間界の防衛インフラと学園の戦闘体制は整いました。ですが、ここで決定的な問題が一つ残っています」 妖怪達の勢力が整い、大江山ホールディングス統括本部と化した大広間。村上はホワイトボードに日本地図を描き、その上から大きく赤ペンで巨大な『×』印を書きつけた。 「破道閻魔、および『件』の現在地(ロケーション)の特定です。白沢さん、国内の霊脈監視ネットワークおよびデータベースの照会結果は?」 「……全滅ですね、残念なことに例年通りです」 白沢がバインダーを抱え、重苦しい表情で首を振った。 「酒呑組の広報網、百鬼夜行の潜入調査、さらには退魔師協会の衛星霊波レーダーに至るまで、日本全国どこを探しても彼らの霊気反応(フットプリント)は一切検知されません。完全に国内から消息を絶っています。いくら早期の輪廻転生と転生先の指定ができるとはいえ、これほど完璧に潜伏できるものなのでしょうか……」 「ええ、不自然です」 村上は眼鏡のブリッジを押し上げ、冷ややかに言い放った。 「どれほど隠蔽工作が巧妙であろうと、日本国内で『人間界の認知を書き換える』ほどの巨大なサーバー処理を行えば、必ず何らかの霊的ノイズや排熱(ログ)が発生する。それが一切観測されないということは、理由は一つしかありません。……奴らは最初から、日本国内に居ない」 大広間にどよめきが広がった。 「日本にいない……!? 海外へ逃亡したというのか、妖怪にそんな芸当が出来るわけが……いや、確かに奴は人間に近いか、そうなれば日本から出られない俺達が掴めないはずだ……」 八岐大蛇が驚愕の声を上げ、八尺様も白い帽子の下で眉をひそめる。 「ちょっと待ちな、妖怪や退魔師ってのは土地の信仰や霊脈に縛られるもんだろ? 日本で有名な閻魔が、海外に逃げて一体何になるってんだ?」 「八尺様、それは彼らを『日本の妖怪』というローカルな枠組みで捉えているからです、まあそちらにケンタウロスとかメリーさんとかいるのに何を今更って感じはしますがそこは置いといて」 村上はホワイトボードの日本地図を消しゴムで雑に拭い去ると、マーカーで世界地図の概略を描き始めた。 「破道閻魔という一族の目的は何か。それは自分たちを『真なる閻魔大王』という絶対的なシステムへ昇格させることです。ならば、彼らのような妄執に憑りつかれた連中が、システムの根限(ルート権限)を得るためにどこへ向かうか……彼らのブランド理念と原点(ルーツ)を考えれば、答えは自ずと導き出されます」 村上はペン先で、ユーラシア大陸の南側――南アジアの広大な大地を強く叩いた。 白沢もすぐに気づく。 「閻魔大王という概念は、最初から日本固有の神ではありません。仏教と共に中国を経由して日本に渡来したものですが、そのさらに根本的な起源(オリジン)を辿れば……古代インドのヴェーダ神話、およびヒンドゥー教における人類最初の死者にして死者の国の王、『ヤマ(Yama)』――すなわちヤマラージャにまで遡ります」 「ヤ……ヤマ……!まさかと思っていたがそこまで行けるほどの道力を既に持ち合わせていたとは……」 白沢が目を見開く。ぬらりひょんがキセルをトントンと叩き、薄い目を細めた。 「ほっほっほ……そこにあるのが。地獄の審判者たる『閻魔』のオリジナル、本家の総本社というわけか」 「そうです」 村上はマーカーのキャップをカチリと鳴らした。 「破道閻魔は、日本というローカルサーバーで偽物の閻魔を気取る程度で満足するような生ぬるい連中ではない。自らが閻魔大王へ成り代わるためのドメイン権限を勝ち取るため、概念の起源(オリジン)である本国……即ち、神話の原点へアクセスしようとしている」 村上は世界地図上のインドのエリアを、赤いマーカーで力強く囲んだ。 「インド……奴は恐らく、インドまで行っている」 「イ、インド!!」 大広間に集まった大妖怪たちが一斉にズッコケた。ドラゴンが長机の上で短足をジタバタさせながら叫ぶ。 「おいおいおい! 妖怪VS退魔師の日本戦争だろこれ!? なんで急にガンジス川を越えてグローバル展開してんだよ!! パスポートはどうすんだパスポートは!?」 「ひとまずパスポートなら、酒呑組のフロント企業を通じて全員分の公的ビザおよび霊力渡航証明書を緊急発行させます。コストと手続きはすべて大江山ホールディングスの事業経費として計上しますので問題ありません……あ、でも乗り物はあとで考えないと……」「しかし簡単にインドと言っても……土地的にもそこそこ大きい国ですよ?インドのどこに行けば……」「それもある程度は目星がつきます」 村上は一切の動揺を見せず、淡々とプレゼン資料を繰った。 「奴らの狙いは明確です。ヤマ神話の起源となる霊的スポット……恐らくは聖なる大河や古代の霊場を利用し、『件』の認知上書きシステムを地球規模のルートサーバーへ直結させるつもりでしょう。一度オリジン側のデータベースが書き換えられれば、日本国内の人間だけでなく、全世界の認知が『破道閻魔=絶対の死神・閻魔大王』として固定化される。そうなれば、こちらの差し押さえは不可能です」 「……どこまでも身も蓋もないが、筋は通っておる」 ぬらりひょんがカラカラと喉を鳴らして笑った。 「日本の妖怪退魔劇の裏で、ヤマの総本山へ殴り込みとはのう。閻魔もどきの妄執もそこまで極まれば大したものじゃが……村上、向こうはアウェイだぞ? 日本で通用したとして、インドの神々やら現地の怪異ども、日本の妖怪や高校生を素直に通すと思うか?向こうにいけばお前さんも『お山の大将』と化すぞ?」 「懸念には及びません。それについても既に『海外進出・現地アライアンス戦略』を策定しています」 村上はバインダーを叩いた。 「現地における宗教的・霊的勢力とのコンフリクトを避けるため、俺たちは『敵対的侵略者』としてではなく、『外資系ソリューション企業』として進出します。山本五郎左衛門の遺骨から精製した『霊力ダイヤモンド』を現地のアライアンス企業や霊的機関にサンプル提供し、クリーンなエネルギー資源としての市場参入を提示。同時に、破道閻魔による勝手な神聖領域のハッキング行為を『不法占有および著作権侵害(ドメイン不法占拠)』として現地当局に告発・連携します」 「怪異のルーツ争いを著作権侵害で訴える気かよ……こいつ、妖怪じゃなくてよかった……いや、今が妖怪なんだったコイツ……」 ドラゴンが頭を抱えた。 「現地法人『大江山ホールディングス・インディア』の設立手続を急いでください。渡航費用、現地のロジスティクス、並びに現地の怪異・神話勢力への挨拶代わりのポートフォリオ……すべて完ぺキに準備します」 村上は腰に差した妖刀『正大』の柄に、静かに、しかし壊れるほどの力で指を掛けた。人を辞め、『村正』となった男の眼光が、絶対零度の冷気と激しい憤怒を込めて光る。 「紅院君……君の幼い頃の夢はきっと『友達とラーメンを食べに行きたい』みたいな、どこにでもあるささやかなものだった。だが奴らは、そんな君の純粋な人生も、奪われた魂の未来も、自分たちの身勝手な神話ごっこのための『使い捨てのハックツール』として消費した」 大広間の空気が、ピキピキと音を立てて凍りついていく。「何が閻魔大王だ。何が輪廻転生だ。他人の人生を粉飾決算で奪い取り、海外の起源(ルーツ)に逃げ込めば逃げ切れると思ったら大間違いだ。……どんな世界の果てであろうと、俺が身も蓋もない現実(ロジック)で破産通告を突きつけてやる」 村上はホワイトボードのインドの文字の横に、巨大な『強制執行(差押)』の文字を叩きつけた。 「全軍、渡航準備を開始。これより……『大江山ホールディングス・インド出張編』を開始します」 「「「おーっ!!(???)」」」 大妖怪たちの困惑と戦慄が混ざり合った歓声が、大江山のアジトに虚しく、しかし力強く響き渡った。「で、おれは別にバイクすっ飛ばせば海でも越えられるんだがどうやってこいつら引き連れて日本出るの?」 八尺様の最もな発言が空気を元の流れに変える。「証明書だのなんだの作るのはいいけど、これだけの人外をどうやって日本列島から離すんだ?大体お前もその刀、金属探知機とか色々引っかかるだろ」 ここに来て現実的な問題が村上一同にもふりかかる、 まさかあっという間に空を超えるとか都合よくワープとか、そんなことができるわけがない。 インドに行こうにもこれだけの数、それも妖怪という未知の存在を海外まで運ぶ方法なんて現実的な手段で思いつかない。 それだけじゃない、恐らくこの妖怪達は海外のことを詳しくないだろう……なにせ、知識の神とされる白沢ですらこのレベルだ。「もしかして妖怪って日本から出たことないんですか?」「我々妖怪が封印前に活動していた頃はまだ江戸幕府が鎖国していた時期なので……」「儂ら百鬼夜行は黒船来航や第一次世界大戦を観て人間も難儀やのうと思ったわ、金にもならんしな」「ううん……それに対して破道閻魔はほぼ人間、人間と同じ利点を何の問題もなく扱えるというメリットが強い……俺妖怪になったの早まったかな……」 現在、勢力合わせてもおよそ千以上の妖怪によってこのホールディングスは構成されている。 妖怪とはいったものの、人間に迫害された動物の怨霊等も含まれるだろうと考えるとやはり、単純な船舶輸送では不安が多い。しかも密航と言う形になると、彼らの特性を鑑みると船内でのトラブルも多いだろう。妖怪だからこそ、この千を超える超常的存在を一度に安全かつ迅速に運べる手段が必要なのだ。航空輸送を選択すれば安全性は確保されるが、搭乗人数と貨物スペースの制約がある。それに加えて、妖怪が人間に見つからないように移動することは容易ではない。村上が悩む中、パンドラ箱に詰まったままの村正が一言助言を投げかける。「今の時代なら……海外も行き来出来るあの道具が使えそうか」その言葉に、村上はあるヒントが浮かんでくる。そう、現代技術を駆使すれば密航は比較的容易なのだ。そこで閃いたアイデアが――AIロボットである。AIを活用したロボットは様々な業務で大活躍している。そして海外輸出入の物流を担う無人自律配送トラックがそれを可能にしてくれる。それに似たものを使えば……。「AI車両を用いれば可能性は……」「なるほど……腐っても今は2076年、我々の思う以上に文明は進んでいるわけですが」「2030年あたりで進歩は止まったけどね、それでも頼るとするなら人間の神をも超えた文明の利器だと思う」「人間の突飛した技術は魔法と大差ない……というやつか、それでAI車両っていうのはどんな乗り物だ?」「う~ん、簡単に言えば頭が良い馬車?車両だけどどんな道も通れるタイプ」「ほうほう、妖しに馬車……これぞまさに大馬車か、よかろうそいつを儂が呼んできてやろう。村正、この日本で最も優秀な馬車の特徴を教えてくれ」ぬらりひょんは少し考えた後、ふらりと立ち上がり、無造作に呟いた。「『日本の最新鋭、AI無人物流トラックを依頼する』――『百鬼夜行・おもてなし』」空間がぐにゃりと歪み、畳の上に巨大な丸太がぽとりと落ちた。丸太には苔が生え、古びた木札が括り付けられている。「『最新鋭AI無人物流トラック』だとぉ? ……なるほど、こんな丸太をなあ…村上。写真か何かないか?」ドラゴンが尻尾をピンと立てて警戒しながら問いかける。「ああ……これでいい?」すると、次の瞬間。ぼこん。丸太の側面が大きく裂け、蜘蛛の脚のような金属パイプがニョキニョキと生えてきた。さらに上部からは複眼カメラユニットがせり出し、いかにもハイブリットなトラックに変換されていった。 ぬらりひょんのような古参妖怪が得意とする『憑依』や『化かし』の力による企業専用の乗り物のようだ。「会社なら乗り物くらいないと示しもないじゃろうて」「まあなんにしてもこれで移動手段はなんとかなったか、車検とか色々調整して……荷物を用意したらインドまで発進しよう」  ぬらりひょんの『化かし』と最新鋭AI無人物流トラックの融合によって誕生した超法規的移動手段「百鬼夜行・おもてなし」。その無機質な金属脚と複眼カメラがハイブリッドな走行音を響かせ、千を超す妖怪たちを乗せたコンテナ群を牽引しながら、夜のハイウェイを爆走していく。 向かう先は日本国外——南アジアの大地、インド。 破道閻魔と「件」が閻魔大王の起源たる『ヤマ』のドメイン権限を強奪し、全世界の認知を書き換えようとしている聖地へ向け、大江山ホールディングスの海外進出が今まさに始まったのだ。  だが、自動運転の滑らかな振動が揺れる車内で、白沢は緊張の面持ちのままタブレットを操作していた。 「村上様、渡航ルートおよび国際水域・海外領域における霊的危険性のスクリーニング結果が出ました。……非常に厳しいと言わざるを得ません」 「どのようなリスク要素(ボトルネック)がありますか?」  村上はバインダーをめくりながら、淡々とした声で尋ねた。 「我々日本の妖怪は、古来より土地の信仰や人々の『畏怖』というローカルな文化体系に守られ、同時に縛られてきました。ですが、日本列島の領海および霊脈の境界線(EEZ)を越えた先は、まったく異なる不条理が支配する外洋圏です」  白沢が画面を妖怪たちに見せる。そこに映し出されていたのは、不気味に歪んだ画像や、解像度の低い不審な映像ファイル、そして幾重にも暗号化されたテキストデータ群だった。 「そうだね、海外……特に現代のデジタルネットワークを通じて世界規模で拡散された怪異群。いわゆる『Creepypasta(クリーピーパスタ)』と呼ばれる領域の脅威は想定している」 「クリーピー……パスタ? 食べ物かよ?」  ドラゴンが翼をすぼめながら眉をひそめた。 「違います、ドラゴンさん。ネット上で自然発生し、都市伝説のようにコピー&ペースト(Copy&Paste)で拡散されて不気味(Creepy)に定着したデジタル怪異の総称です、八尺様みたいなものが海外にもいるということですよ」  白沢は眼鏡の奥の目を光らせた。 「日本の妖怪は『怪異のルール』や『因果関係』が存在することが多く、言葉や道理が通用する余地がありました。ですが、海外のCreepypastaたちは性質が異なり、極めて暴力的かつ不条理。人間に直接的な肉体危害を加えたり、精神を不可逆的に破壊してくるような、害意の塊のような存在が多数潜んでいます」 「なるほど……身も蓋もない侵略的マルウェアのような存在……確か俺も『スレンダーマン』とか『ジェフ・ザ・キラー』は聞いたことがあるよ」  村上は微動だにせず、冷静に要約した。 「ええ、まさにそれです! 異常に背が高く顔のない異形、街中に不気味なノイズと警報音を撒き散らす巨大なスピーカ状の頭部を持つ怪獣、あるいは一度迷い込んだら二度と出られない無限のオフィス空間……そうした野放しの怪異どもが、国境を越えようとする我々のAIトラックを『異物』として検知し、襲いかかってくる可能性は極めて高い……」 「おいおい……! 閻魔大王の偽物だけでも大迷惑だってのに、海を越える途中でそんな得体の知れない海外のバケモノどもに絡まれるのかよ!?それも閻魔の部下じゃねえのに!?」  ドラゴンが叫び、八尺様も帽子の庇を抑えて溜め息をつく。 「海外のヤツらは怖がらせるどころか、最初から殺しにくるってのかい? 風情もへったくれもないな……殺意と恐怖は別物だってのに……」  全軍に一瞬の緊張が走る。だが、村上はペン先でバインダーをトントンと叩くと、心底退屈そうに言い放った。 「言わんとする危険性は理解しまました。……ですが、結論から言えば恐れるに足らない」 「なっ……!? なぜですか村上様! 相手は日本の霊脈のルールすら無視してくる不条理なCreepypastaですよ!?」 「白沢さん。彼らの定義を今一度思い出してください」 村上はポータブルホワイトボードに、黒のマーカーで大きく書き付けた。 『著作権・ライセンスの不明確さ』『一次創作と二次創作の境界の曖昧さ』『オープンソース型都市伝説』 「Creepypastaの本質とは、インターネット上のコミュニティにおいてユーザーたちが有志で設定を継ぎ足し、拡散していった『二次創作型パブリックドメイン怪異』です。つまり彼らは、強力な神話や歴史的裏付けを持つ伝統的怪異と違い、ブランドとしての一次著作権や法的な管理母体(ガバナンス)が存在しない『野良のデジタルコンテンツ』に過ぎない……つまり、八尺様よりも曖昧。」  村上は眼鏡の位置を正すと、冷ややかな瞳で妖怪たちを見渡した。「どれほど不条理な殺傷力や侵食性を持っていようと、管理者が不在で設定がブレまくっている非公式コンテンツなど、法的なコンプライアンスとデジタル著作権(IP管理)の観点から見れば、単なる『未承認の違法アップロード物』です。実体化してこちらの物流(AIトラック)を妨害してくるというなら、不法占有および通行妨害、さらにはサイバーセキュリティ対策ソリューションの導入で身も蓋もなく処理可能だよ」 「不法……占有……? 著作権侵害……?未来の法律かえ 」  ぬらりひょんがキセルを咥えたまま、目を見開く。 「ええ。野良のクリーピーパスタが我々の渡航を阻むというなら、彼らの『設定の矛盾』と『ライセンス侵害』をロジックで突いてコンテンツ自体を差し押さえます。……それに、こちらには山本五郎左衛門の遺骨から精製した『高純度霊力ダイヤモンド』の分散型エネルギーコアがある。火力戦になってもリソースの無駄遣いにはなりません」  村上の冷酷なまでのマジレス分析に、車内の大妖怪たちは呆然と言葉を失った。 だが——その時だった。ガガガガガッ……! AIトラックの車載スピーカーから、突如として耳をつんざくような激しいノイズと、不気味な合成音声の警報音が鳴り響いた。 窓の外、太平洋の夜の海に立ち込める不自然な濃霧の奥から、無数の巨大な影と、現実の物理法則を無視して歪むデジタル・ノイズの空間が迫ってくる。 『警告:未知の広域怪異領域(Creepypastaクラスタ)に突入。通信および位置情報に多数の異常ログを検知』  AIトラックの電子音声が危機を告げる。 「出たああああっ!! さっそく来やがったぞ海外の怪異どもが!!」  ドラゴンが絶叫する。 しかし、村上は腰に差した妖刀『正大』の柄に手を置き、静かに立ち上がった。

 

「全軍、迎撃準備。……海外の野生コンテンツに、日本の現代的なコンプライアンスと身も蓋もない現実(ロジック)を教えてやりましょう」 

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