妖怪バスター村上 〜御三家侵攻編〜   作:黒影時空

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第4話「退魔師ブートキャンプ」

「ようやく見つけたよ紅院君」

 

 その日、本格的な登山衣装を身に着けて村上はとある山のふもとまで来ていた。それはもちろん、紅院に会うためだ。

 ゴオオオオ、と地響きのような音を立てて水飛沫を上げる巨大な滝。その根元で、薄着のまま座禅を組み、打たれ続けている可憐な少年──紅院の姿があった。村上にとっては、もはやここで彼と会うのも慣れた光景になりつつある。

 

「あ、村上君! 来てくれたんだね!」

 

 滝の重圧を全身に受けながら、紅院は平然と振り返って爽やかに手を振った。

 修行して山を下り、また登るのを繰り返す。村上のような一般人からすれば、万全の準備を整えて向かったとしても富士山を知識ゼロで登頂するレベルの過酷な道のりだ。

 だが、腐っても退魔師として訓練を重ねてきた紅院は、滝に打たれながらでも全く声のトーンを変えずに会話を続けていた。

 

 村上が酒呑組を手中に収め、実質的なトップになってしまった今、今後は他の妖怪派閥による壮絶な陣取り合戦にも対抗していかなければならない。

 鎌鼬や枕返しとの戦いを経て、自分がまだ本格的な抗争で戦うにはあまりに未熟だと痛感している紅院は、強くなるために決まってこの山へと足を運んでいたのだった。

 

「見ていてね村上君。今後、酒呑組絡みで何か妖怪のトラブルが起きても対応できるように、僕はもっと強くなるから!」

 

「それは別にいいんだけどさ、紅院君。今更聞くことになるけど、この山で具体的にどんな修行つけてるの?」

 

「え? 退魔師学校の授業とは別で、僕がこの山でやってる独自の日課かい?」

 

 紅院は一度滝から上がり、タオルで髪を拭きながら自慢げにスケジュールを語り始めた。

 

「まず朝の空気が冷えるうちに2時間滝行。その後1時間かけて山全体を走り込み、3時間かけて霊符の書き取りをするんだ。昼食を済ませたあとは休憩代わりに瞑想を2時間。最後に5時間きっちり模擬戦を行って、夕食と水浴びを済ませたら8時間睡眠をとるよ!」

 

「ハードなブラック企業のシフトみたいだね……」

 

「違うよ、大自然と一体化する効率的なメニューだよ! 食事もこの山で採れた山菜のみを摂って体の中からデトックスしてる。退魔師ネットに繋がるスマホは機能を全部シャットアウトして、現代的な物は持ち込まない! 精神を研ぎ澄ますには文明の毒を断つのが一番だからね!」

 

 紅院としては、ストイックに修行に打ち込んでいるつもりらしい。そして、実際にある程度の結果を結んでいることは村上にも分かっていた。

 ……分かってはいたのだが、この流れにはどうしても見過ごせない致命的な違和感があった。

 

「紅院君……言いにくいんだけど、やってることは凄いけどほぼ体だけが鍛えられてて、霊力が伸びてるかは微妙じゃない?」

 

「……えっ?」

 

「いやさ、山から帰ってくるたびに君の筋力、確実に上がってるんだよ。服の上からじゃ目立たないから見た目こそ可憐なままだよ? でも内面の肉体スペックだけがどんどん跳ね上がってる。このままだと霊力が鍛えられる前に、物理で妖怪を叩き潰す野生のゴリラに近づいていかない?」

 

「どうしてもっと早く言ってくれなかったの!?」

 

「一応体力がついて結果は出てるし、真剣にやってる紅院君に悪いと思って……」

 

「僕知らない間に退魔師じゃなくてマウンテンゴリラになりかけてたの!?」

 

 自身の『理想の退魔師像』が『山奥の筋肉モリモリゴリラ』にすり替わりかけていた事実を知り、紅院は頭を抱えてその場に崩れ落ちた。

 

「そんな……! 滝に打たれれば精神力がついて霊力が練り上がるって古文書にも書いてあるし修行の定番なのに……!」

 

「そりゃ昔の人は自重トレーニングの手段が重力と水圧くらいしかなかったからでしょ。霊力って感覚的には脳や精神のエネルギーを鍛えるのに、根性論で冷水に打たれるのはただの物理的ストレスじゃないかな」

 

 村上ははぁとため息をつき、登山リュックからノートとペンを取り出した。

 

「しょうがないな……紅院君が上級退魔師になるための、新時代の超効率修行プランを一緒に考えるよ」

 

「し、新時代の修行プラン……!?村上くん素人なのにそんなの分かるの!?」

 

「白沢さんから色々聞くから」

 

「僕、妖怪からレクチャーされることになるの!?」

 

 ガタガタと震える紅院に対し、村上は淡々と指を一本立てながら白沢と通話を始める。

 

「まず第一に【リソースとコネの最大活用】だって」

 

「コネ……?」

 

「俺と君は今、日本最凶レベルの『酒呑組』を味方に引き込める立場にいる。Bランクの鎌鼬も札の中にいるじゃん、今は鎌鼬がいるとはいえ一人で5時間模擬戦やるくらいなら、酒呑組の下っ端妖怪に手加減させたスパーリング相手になってもらえばいい。なんならSランクの白沢さんに家庭教師頼んで、効率的な霊力の練り方を座学で習いなよ」

 

「ええぇっ!? Sランクの大妖怪に家庭教師してもらうの!? というか僕、Fランクにも勝てないからここで修行してるのに酒呑組の妖怪なんていきなりやっても勝てないよ!?」

 

「無料で使える最強のインフラがあるのに放置して、山で一人で素振りしてるのはスパコンがあるのにそろばんで計算してるようなもんだよ。宝の持ち腐れにも程があるじゃない?」

 

「村上くんが特別好きにやらせてもらってるだけで僕の立場は友達の友達だけど大丈夫!?」

 

 身も蓋もない正論を突きつけられながらもハードルの高さを感じさせて、紅院は息を詰まらせた。通話が続きながら村上はさらに二本目の指を立てる。

 

「第二に【業務のIT化とデジタルシフト】だって。霊符の書き取りに3時間もかけてるらしいけど、あれって要は『霊力を乗せた文字や呪印』を紙に定着させる作業なんだよね?」

 

「う、うん。毛筆で集中して書かないと効果が出ないからね……僕以外の人も大体の退魔師がやる基本中の基本みたいな作業だよ」

 

「一回完璧な霊力を込めた原稿を作って、それを高解像度スキャナーで読み込んで、霊力を帯びやすい特殊なインクを入れたプリンターで量産できないか試そう。あと、現代文明をシャットアウトするんじゃなくて、スマホで退魔師ネットのデータベースをスクレイピングして、対対魔師・対妖怪の弱点早見表を単語帳アプリ化して丸暗記するべきだって」

 

「何の何の何!?白沢さん復活して間もないのに意識高くない!?呪術のIT化!? 霊符って印刷で効くのかな……!?」

 

「試す価値はある。手書きで10枚作る時間で1000枚印刷できたら、それだけで弾数が100倍になる。上級退魔師になるには根性じゃなくて生産性の向上だよ」

 

「な、なんか聞いてるとすごそうだけど、伝統的な退魔師のイメージからどんどん遠ざかっている気がする……!」

 

「そして第三に【科学的メンタル・栄養管理】だって」

 

 村上は手に持っていたスポーツドリンクを紅院に手渡した。

 

「山菜だけの食事じゃタンパク質が圧倒的に足りないからプロテインを買い込む。瞑想もただ目を閉じるんじゃなくて、ウェアラブル端末で脳波測定して、α波が出てる時間を可視化する。酒呑童子さんを見て分かったよね? 妖怪も人間もストレス溜め込んだら自滅するんだよ。根性で耐える修行はもう古いよ」

 

「うう……村上くんが途端にIT企業の社長みたいに見えてくる……」

 

 村上の提示した『新時代修行プラン』──それは伝統や根性論を一切排し、コネ、テクノロジー、栄養学を駆使して最速で成果を出す、超合理的マネジメントプランだった。

  

「なに?」

 

「それって修行っていうより、スタートアップ企業の業務改善プロセスじゃない……?」

 

「勝てば官軍、効率化こそ正義。上級退魔師に必要なのは筋肉じゃなくて、マーケティングとリソース管理だよ。さあ、ゴリラ化を回避するためにもさっさと下山して、プロテイン買いに行ってアプリをダウンロードしよう」

 

「うぅ……僕のストイックな山ごもり修行が……でも、本当にマウンテンゴリラになるよりはマシなのかな……」

 

 自分の憧れていた退魔師の姿とはどこか違う気がしつつも、村上の圧倒的リアリズムと説得力に流されていく紅院。

 大自然の静寂が包む山奥で繰り広げられたのは、陰陽の術の開眼ではなく、泥臭い根性論を粉砕する現代的イノベーションだった。

 紅院が目指す上級退魔師への道のりは、筋肉ではなく、ITと妖怪のコネによって切り拓かれようとしていた──。

 

——

 

 そうして紅院は村上に言われるがまま途中下山して白沢が合流してくれる、酒呑童子は相変わらず苦労しているのだろうか、それにしてもわざわざ自分のために。

 

「彼から退魔師の教育方針のことは聞きましたが……この時代にもなって文明も進化しているというのに数百年前から進歩もなく……よくもこれで我々妖怪を封じようというのか滑稽に思います」

 

「う……Sランクなら言う権利もあるだけに何とも言えない、それであの……いいんですか?白沢さん達妖怪からすれば退魔師って敵なのに……」

 

「我々も張り合いがなくてはつまらないですし、私としてもあの合戦に1つの嵐を作れるのであれば……それに、私からすればまだ貴方にはそれほどの関心もありませんからね」

 

 そう言って白沢が連れてきた場所は、、次元を超えた先にそびえ立つビルだった。

それは教科書にも載っている酒呑童子の文字通りの総本山、大江山……しかしそこはすっかり見違えた場所になっていた。

 

(鬼の住処で技術革新起きてる…!?)

 

『酒呑組・本部棟』

 

それはかつての古ぼけた洞窟などではない、高層ビルディングだ。内部には最新鋭の機械設備が並び、妖怪が人間社会に溶け込んで生活しているのが分かる。

 

 (ここが酒呑組……! この前は直接あの二人が僕の家に乗り込んで散々な目に遭ったけど、まさか鬼の根城がこんな近代的な本部ビルになっているなんて)

 

村上は後ろでついていきながら普段どおりのマイペースな表情を崩さない。一方の紅院はと言えば上記のことを考えながらも、完全に緊張の糸が切れてしまっているのか、周囲をキョロキョロと見回しながら半分放心状態で白沢の後を追っている。

 

「お待ちしておりました!白沢様!それに村上様!!」

 

受付で待っていたのは、酒呑組の中堅幹部、金熊童子。かつては大江山四天王の一角と呼ばれ酒呑童子の配下として有名な存在が現代では鬼の象徴である角を持ちながら、スーツ姿で礼儀正しい出迎えを見せる姿に、紅院は更なる衝撃を受ける。

 

「本日は白沢様より依頼を受け、酒呑組の総力を挙げて、所属することになった退魔師殿の修行および戦力補強をサポートいたします!」

 

「大江山四天王今こんな風になってるの!?」

 

「妖怪の秩序にもコンプラはありますので……酒呑様は?」

 

「さっきまで判子を押した後にまた酒の瓶を開けていたのですが、村上様が来ると伝えるとまためきめきと働き出したので……」

 

「なるほど……こちらとしても彼を受け入れるだけの価値はあるようですね、ではこちらに」

 

白沢が連れてきたのはまず大がかりな事務室、そこでは金棒を持った鬼が書類に判子を押し、かと思えば複数人の鬼が集まり会議を行っていた。

 

「まずはコネとインフラの活用です。今は君は酒呑組の構成員になっていますが、ここが一つの会社だと思いましょう、酒呑組と鎌鼬、その中で君が今使える戦力はどれほどだと思いますか?」

「えっと……」

 

紅院はおずおずと酒呑組の資料を眺めつつ答える。鎌鼬も合わせて千人に近い戦力を彼は自由に使えることとなるだろう、しかし彼が示したのは……

 

「500人……って聞いたような」

 

「その通り、私と酒呑様、大江山四天王……少し下には貴方が封印した鎌鼬のようなBランク相当の妖怪、更にその下に数千の人魂がいますが我々から見ても賑やかし程度です」

 

「そういえば紅院君に限らずってなんで人魂とは相手しないの?一応妖怪一派だし……紅院君もそこから練習すればいいのに」

 

「一応は死者があの世を彷徨ってる形で人間だからさ……」

 

「殺人罪適応?」

 

「殺っ…いや、もう死んでるみたいなものとはいえあまり危害を加えるのも……」

 

「でも人魂が妖怪側なら裏切ってることにならない?ある意味では反社の人間……」

 

「では生きたまま酒呑様に気に入られて酒呑組のポストを手にした貴方は、一般的な観点から見て反社の人間ではないのですか?」

 

白沢の鋭い指摘に村上も身から出た錆でこれには何も言えず膝から崩れ落ちる。

 

(まずい……これ僕が本格的にしっかりしないと自業自得という枷で村上君が弱体化する…!いや酒呑組に所属したのは事故みたいなものなんだけど!)

 

ようやく本題に戻り、白沢が紅院強化プランの1つとして挙げた…一回完璧な霊力を込めた原稿を作って、それを高解像度スキャナーで読み込んで、霊力を帯びやすい特殊なインクを入れたプリンターで量産という手法を取ることになる。

 

 まずサンプルとして大江山四天王一番のインテリとされる熊童子の霊力を頂戴した、これだけでもAランク規模の妖怪の霊力が1枚の紙に込められて、コピーされればそれは膨大な資産となるだろう。

そこから数時間が経ち……

 

「こちらがこの現物になります」

 

こうして、まさかの妖怪が妖怪を封印するための道具を高品質で大量に製造するという、矛盾した状況が幕を開けた。熊童子が生成した霊符の効果を確かめるため、金熊童子が配下の低位妖怪数匹を呼び出し、即席でテストを開始する。

 

「では、こちらに一斉に霊符を使用してみて下さい」

 

「は、はい……! じゃあ、行きます……!」

 

紅院は緊張した面持ちで熊童子の霊力を込められた霊符を手に取り、意識を集中させる。

本来の紅院の実力であれば、せいぜいDクラスの妖怪に軽傷を与える程度が限界だが、今回は霊力の核となる部分がすでに埋め込まれたハイグレード品だ。

 

「はっ──!!」

 

ピシッ、と乾いた音を立てて霊符が発動し、眩い光とともに妖怪へと放たれた。狙われた低位妖怪は、きゅうん、と短い悲鳴を上げる暇もなく黒い靄となって封印されていく。

 

「き、効いた……!? たった一枚で……!」

 

「おおー。これがあれば紅院君、一人で百人分くらい働けそうだね。あとは霊力の制御とか精度の問題は残ってるんじゃない?」

 

「ええ、我々としてもその札を片手に鉄砲玉にでもなってもらわないと困りますのでもっと改善は必要かと」

 

紅院はこうして強くなりながらも複雑な心境だった、自分は……村上だけでも守れるように、妖怪に立ち向かうために修行している。

しかし、今のやり方はまさに妖怪の力を頼って己を鍛えずに実力を上げている。

こんなやり方が……退魔師にあっていいのだろうか、しかしこれを提案したのは村上君だ……それくらい今の自分は相応しくない。

 

コネに頼ることは悪いことではない、問題はいつまでスネをかじることになるのか、上級退魔師になった頃にこの酒呑組を超えられるかだ。

村上もきっとこのまま自分が酒呑組の言いなりになることまで望んではいない。

 

「ところでこれ持って帰ってもいい?」

 

「ああ気をつけたほうがいいですよ仮にも霊力の塊なので常人が触れたらただでは……」

 

その瞬間に酒呑組でヒヤリハット発生、原紙に触れた瞬間凄まじい霊力が村上に伝わる!その光景はさながらデーモンコアの臨界状態!

更にこの時扉が開かれる。

 

「白沢ぅ〜今日の分の資料ハンコ押したから私はもう寝…」

 

タイミングがいいのか悪いのかここで酒呑童子が扉を空けて出てきた、まさにそれと同じ瞬間に凄まじい霊力によって登山服が弾け飛んでギャグ漫画みたいに上半身丸出しになる。

 

「あっすみません」

 

別にまあ上くらいなら……と軽く返す村上だったが、酒呑童子は……。

 

「ぬあああああああっ!!!」

 

耐えられなかった、鼻から何か……鼻血ではない、さっきまで呑んでた酒が逆流して鼻から漏れていたのだ。

 

「酒呑様ァー!?」

 

「ああっごめんなさい! どうしよ僕の霊符が……ってそもそも村上君が不用意に触るからだよ! すみません、すぐに治療します!」

 

 酒呑童子は彼の背中に向けて小さく呟く。

 

「お前、いいぞ……本当に、いい身体をしている……」

 

その声は誰にも届かなかったが、次の瞬間には酒呑童子は力なくソファに沈み込み、ぐったりとしてしまった。

 

「この人数百くらい生きてるのに男にこんな反応するんですか?」

 

「彼氏いない歴数百年みたいなものですからね、貴方以外だと知ってる男性なんて源頼光くらいですよ」

 

「酒呑組こんな調子で他の派閥相手に大丈夫なんです?ナメられたら終わりなのは俺の言霊で把握してるんじゃ」

 

「いえ、妖怪相手には手加減無用ですしめっぽうつよいですからナメられたら困るのはそちらの方では?」

 

 「うっ……」

 

 「村上君!なんだかんだランクSは強いよまだ勝てる気がしないから無理しないで!」

 

 「最終的に僕が払えるくらいにまでちゃんと強くなるからお互い喧嘩しないで!」

 

 これはとにもかくにも自分が偉くなって強くならなくては……いつか自分が責任を取って酒吞童子たちを止める為にも。

 ……自分が退魔師になるに至った、あの時のように。

 しかし村上は恰好が凄いことになっているのに紙を離してない。

 

 「どうしました?まさか我々の技術を疑ってるとでも?」

 

 「疑り深くもなるよ、紅院君の為でもあるし……俺、個人的に詐欺が嫌いなんだよね」

 

 村上もコネとして利用しているが、酒吞組を完全に信用なんて出来ない。

 ボスが酒で伸びている横で一瞬即発の空気の中……そんな雰囲気を遮る、文字通り一閃するように鎌鼬が出てくる。

 

「おいどこ行ってたクソガキ、ボーっとしてる暇はねえぞ」

 

「鎌鼬?どうしたの?」

 

 「遂に動いたぜ、ウチが『村上』誘い込んだって噂は既に広まりつつある……酒呑組に他所から果たし状だ!テメェら初仕事だぜクソガキ共!」

 

 そうして鎌鼬は、村上達に一つの手紙を差し出す。

 ここからが本当の妖怪達との戦いの始まりだった……。

 

「今更だけど紅院君に封印されてるのになんで上から目線なの?」

 

「ここじゃ年功序列を弁えろクソガキィ!あいつのしょぼい封印なんかいつでも脱出してやるからな!?」

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