コードギアス 騒動のルルーシュ 〜 Lelouch of ToLOVE Ru 作:elimin
雰囲気もキャラの年齢設定も全然違うのに声優さん同じってやっぱりすごい…( * . .)"
「それでは、私はこちらで失礼するわ」
「うん、古手川さん、気をつけてね! 結城くん、ララさん、ルルーシュ君もまた明日!」
途中で古手川唯や西連寺春菜と別れ、ルルーシュはリトたちと共に結城家へと帰宅した。
自室に戻ったルルーシュは、結城家の地下ラボ(あるいは隠蔽された保管場所)に佇む己の愛機──『蜃気楼』のコクピットへと乗り込んだ。
メインコンソールを立ち上げ、ガウェインから引き継いだ絶対守護領域の出力パラメーターや、地球環境におけるエネルギー効率の微調整を行っていく。その驚異的な処理能力を発揮する傍ら、片手には彩南高校で出された宿題のプリントが開かれていた。
(……フッ、高校の学習課題など、アンチフレイヤシステムの理論構築に比べれば雑作もない)
左手で複雑な計算式の並ぶプリントを淀みなく埋めつつ、右手で蜃気楼のOSアップデートを完遂させる。
ほんの十数分で全ての作業を終えたルルーシュは、コンソールの電源を落とすと、息抜きがてら夕暮れの街へ散歩に出かけることにした。デビルーク星人という宇宙規模の存在を改めて知った今、少し頭を冷やす時間が必要だったのだ。
橙色から群青色へと移り変わりつつある夕暮れの彩南町。
川沿いの公園のベンチの近くを通りかかったルルーシュは、ふと足を止めた。
ベンチには、風にたなびく長い金髪を持った、小柄な少女がポツンと腰掛けていた。
無表情な顔立ち、黒を基調とした衣服。そしてその手には、湯気を立てる焼きたての「たい焼き」が握られており、それを小さな口で粛々と頬張っていた。
だが──ルルーシュの鋭い洞察力が、彼女の全身から漂う「異常な殺気」と「洗練された気配」を見逃さなかった。
(……ただ者ではないな。隙がない)
ルルーシュが視線を向けると、少女もまたたい焼きを咥えたまま、ゆっくりと首を巡らせてルルーシュを見つめ返した。
その真っ直ぐで透明な赤い瞳が、ルルーシュの顔──特にその左目を射抜いた瞬間。
「……」
金髪の少女はたい焼きを一口噛みちぎり、静かに呟いた。
「……貴方の目には、何か禍々しいものが宿っていますね」
「……!」
ルルーシュの心臓が一瞬、跳ね上がった。
ギアスの存在。それを、この初対面の少女が一目見ただけで見破りかけたのだ。
これまで数々の修羅場をくぐり抜けてきた元皇帝の脳裏に、緊張の走る回路が瞬時に組み上がる。
(……気づいたのか? いや……ギアスの詳細を知っているわけではない。だが、この左目に潜む『異質な波長』を感じ取ったというのか……!?)
ルルーシュは内心の驚愕を完璧に覆い隠し、不敵で優雅な笑みを口元に浮かべて見せた。
「……ほう。目を見るだけで人の本性を見抜くとは、大した観察眼だな。……君こそ、ただの女性には見えないが?」
お互いに名前すら名乗っていない。しかし、すれ違った瞬間に互いの「裏の顔」を察知し合うような、張り詰めた静寂。
その時だった。
「あ、ヤミさん! こんなところで何してるの?」
夕飯の足りない食材を買い足しに出ていた美柑が、袋を手に持ちながらパタパタと走り寄ってきた。
緊迫していた空気が、美柑の登場によって一瞬で霧散する。
「美柑……」
金髪の少女──ヤミは、先ほどまでの冷徹な気配をすっと消し去り、いつもの無表情に戻って美柑を見つめた。
「たい焼きを食べていました」
「ふふ、やっぱりたい焼き好きなんだね。……あれ? ルルーシュさんも一緒だったの?」
不思議そうに首をかしげる美柑に対し、ルルーシュは洗練された動作で肩をすくめて見せた。
「いや、たまたま通りかかっただけだよ。……美柑、彼女は君の知り合いなのか?」
「うん! 私のお友達の『ヤミさん』だよ。……ヤミさん、こちらは最近からうちで一緒に暮らすことになったルルーシュさん」
美柑の紹介を聞いたヤミは、ほんの少しだけ驚いたように可憐な眉を動かした。
「美柑と……知り合いだったんですか…」
「ああ、結城家には大変世話になっている。……そうか、君は美柑の友人だったのか……」
「…改めて、「金色の闇」です。あくまでコードネームです。皆からは「ヤミちゃん」と呼ばれています」
「申し遅れたな、ルルーシュ・ランペルージ…呼びやすい言い方で構わない」
「ではよろしくです、ルルーシュ」
「…なら俺はヤミと呼ばせてもらおう」
ルルーシュは穏やかな笑みを貼り直し、ヤミを見つめた。
(暗殺者……あるいは極上の戦闘能力を持つ者。だが、美柑の前ではただの友人として振る舞っている、か)
ヤミもまた、ルルーシュの瞳の奥にある深遠な影を感じ取りつつも、美柑の安心しきった笑顔を見て、それ以上追求するのをやめた。
「……美柑の知り合いなら、危害を加えるつもりはありません。……ですが、えっちぃ真似をしたら斬り刻みます」
「ハハ……肝に銘じておこう」
宇宙最強の殺し屋『金色の闇』と、世界を統べた絶対遵守の男『ルルーシュ・ランペルージ』。
夕暮れの公園で、二人の異質なる存在が、結城美柑という小さな少女を介して、静かに巡り会ったのだった。
ヤミと別れ、夕闇が濃くなり始めた小道を、ルルーシュは美柑の少し後ろに並んで歩いていた。
買い出し袋を軽く手伝って持ちながら、涼しい夜風に髪を揺らす。
「ふぅ……ヤミさん、相変わらずたい焼きが大好きなんだから」
美柑がふふっと可愛らしく笑いながら、隣のルルーシュを見上げる。
「ルルーシュさん、びっくりしたでしょ? ヤミさん、最初はちょっと怖そうに見えるかもしれないけど、本当はすごく優しくて素直な子なんだよ」
「……いや、魅力的な少女だということは伝わってきたよ。少し独特な雰囲気を纏ってはいるが……君が全幅の信頼を寄せているのがよく分かる」
ルルーシュは穏やかな笑みを浮かべつつ、内心でそっと息を吐く。
(……『金色の闇』。あの佇まい、身体の軸のブレのなさ、そして俺の左目の違和感を一瞬で見抜いた観察眼……。間違いなく超一流の実力者だ。だが──)
チラリと隣を歩く小さな少女を見やる。
買い物袋を嬉しそうに揺らしながら歩く美柑の姿。そして、その美柑の前で見せたヤミの、どこか柔らかい瞳。
(あの少女も、美柑の前ではただの『お友達』でいたいのだろうな。フッ……この街の住人は、誰もかれもが日常の温もりに惹き寄せられているらしい)
「ねえ、ルルーシュさん?」
「ん? なんだい、美柑」
「学校、どうだった? ララさんやリト、ちゃんと迷惑かけてなかった?」
心配そうに首をかしげる美柑に、ルルーシュはふっと可笑しそうに目を細めた。
「迷惑どころか、刺激的な一日だったよ。クラスの者たちも皆……温かく迎えてくれた。骨川先生という年配の教師も親切でね。古手川さんという真面目な生徒の隣席になったのだが、実に規律正しく、頼もしい風紀委員だよ」
「あ、古手川さん! 古手川さん、すごくしっかりしてるから安心だね。……でも、ルルーシュさんってすごくかっこいいから、クラスの女の子たち騒がしかったんじゃない?」
悪戯っぽいくすくす笑いを浮かべる美柑。ルルーシュは心外だと言わんばかりに肩をすくめてみせた。
「よせよ。俺はただ普通に過ごしていただけだ。……まあ、少々賑やかすぎるところはあったがね」
「ふふっ、目立ちそうだもん、ルルーシュさん。……あ、今日の晩御飯、何がいい? 買い足した卵があるから、オムライスにしようかと思ってたんだけど」
「オムライスか。美柑の作る料理なら、何であれ楽しみにさせてもらうよ。……手伝えることがあれば何でも言ってくれ。居候として、君一人に家事を押し付けるわけにはいかないからな」
「えっ、本当!? じゃあ後で野菜切るの手伝ってもらおうかな! リトよりルルーシュさんの方が手際良さそうだし!」
パッと表情を輝かせる美柑。
その無邪気で温かい笑顔は、かつてアッシュフォード学園で妹のナナリーが見せてくれた笑顔と、どこか重なって見えた。
(……世界を統べる力も、世界を壊す野望も、ここには必要ない)
夕涼みの心地よい風の中、ルルーシュは美柑と他愛のない雑談を交わしながら、橙色から紫紺へと移り変わる結城家への帰り道を、穏やかな歩調で歩み進めるのだった。
夕食中、ルルーシュは美柑及びリト、ララたちからヤミについての情報を知る。
「つまり…身体の構造を自分の意思で思うがままに変形させ、あらゆる盤面においても対応可能な汎用性と破壊力を誇る究極の生体兵器にして、銀河に名を轟かせる暗殺者…彼女、やはり只者ではないと気づいてはいたが…まさかそこまでとは俺も想定していなかった」
「美柑とは仲良しなんだけど、オレの命は未だに狙ってきてるんだよなー…まあ、度々助けられてるから有耶無耶だけどさ」
「そのハプニングを起こす体質が治らん以上、きっとその気苦労も続くだろうな」
「ってルルーシュ…!まあ…否定できねー……でも驚いた、デビルーク星人の身体能力を目の当たりにしたばかりだってのに、ヤミがトランス兵器であり最強の暗殺者って知ってもルルーシュが驚愕してない!」
「リト、これはある意味諦めに近しいものだ…脳内処理が追いついていないのでただ受け入れることに全力を注いでいるだけにすぎない」
遠い目をしながら、ルルーシュはオムライスのスプーンを持つ手を震わせつつ口にオムライスを放り込んでいた。彼の脳はある意味パンク寸前だが、適応もできつつある。宇宙人由来の常識破りな日常にすぐ適応できている側の方がおかしいといえばおかしいのだが。
美柑の美味しい手作りオムライスを堪能し、賑やかな食卓の片付けも完璧に手伝い終えたルルーシュ。
夜も更け、リビングの熱気が落ち着いた頃合いを見計らって、彼は着替えとタオルを手に脱衣所へと向かった。
(……やれやれ、異世界での一日というのも想像以上に体力を使うな。ゆっくり湯船に浸かって、明日の構想でも練るとしよう)
一日の疲れを癒やそうと、何の疑いもなく脱衣所の扉を静かに開けた──その瞬間。
「あ……」
そこにいたのは──湯上がりの火照った肌を露わにし、バスタオルで身体を拭いていた美柑だった。
脱ぎ捨てられた衣類、湯気とともに漂う石鹸の甘い香り。
そして、水滴を弾くしなやかで真っ白な肌と、年相応に華奢でありながら可憐で、所々女性らしい膨らみが見え始める身体のラインが、誤魔化しようもないほど完璧にルルーシュの視界へと飛び込んできた。
時が完全に止まった。
ルルーシュの超人的な思考回路が、一瞬にして事態を処理する。
(脱衣所の鍵が……かかっていなかった……!? いや、それ以上に──この状況は……!)
リトから散々聞いていた、そして初日にララとも遭遇した、この結城家(そしてこの世界の彩南町)に渦巻く理不尽なる怪現象────「ラッキースケベ」。
その魔手が、ついに元皇帝ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアにまで襲いかかった瞬間であった。
「……っ!?」
美柑の顔が、みるみるうちに真っ赤に染まっていく。
手に持ったバスタオルをギュッと胸元に押し当て、信じられないものを見るような瞳でルルーシュを見つめた。
普通なら、ここで悲鳴を上げるか、あるいはパニックになって殴りかかるような場面──。
だが、目の前に立つ男は、数々の策略と修羅場をくぐり抜けてきた絶対の参謀であった。
ルルーシュは眉ひとつ動かさず、コンマ一秒の遅れもなく右手をすっと自らの胸元へと当てた。
そして、まるでイギリス王室のパーティで貴婦人に挨拶するかのような、完璧で優雅な所作とともに、深々と一礼してみせた。
「────失敬。鍵がかかっていなかったゆえ、不在かと錯覚した。……大変なご無礼を」
完璧すぎる動作、完璧すぎる紳士的態度。
そして──バタン。
音もなく、けれど迅速かつ断固とした手つきで扉を閉め、脱衣所から完全に退避した。
扉の向こう側で、一人残された美柑。
「……え?」
叫ぶ暇すら与えられないほどの超スピードで、完璧に「紳士」として対応され、あっさりと扉を閉められた美柑は、真っ赤な顔のままバスタオルを抱えて呆然と立ち尽くした。
(な、なに今の……!? 全然嫌な感じもしなかったし……っていうか、スマートすぎて怒るタイミングすら失ったんだけど……っ!?)
一方、脱衣所の外の廊下。
静かに背中を壁に預けたルルーシュは、冷や汗をたらりと額から流しながら、深い、あまりにも深い溜息をついていた。
(……あぶなかった。パニックを起こして醜態を晒すところだった……)
皇帝としてのプライドと理性が、危機一髪のところで「完璧な紳士の演技」を成功させたのだ。
(これが……この世界の法則というやつか。リトが毎日このような理不尽と戦っているのだとしたら……奴の精神力も相当なものだな……)
静かな廊下で天を仰ぎながら、ルルーシュは「この世界の日常」の恐ろしさを、身をもって知るのだった。
数分後──。
髪を乾かし、パステルカラーの可愛らしいパジャマに身を包んだ美柑が、少しぎこちない足取りで脱衣所から出てきた。
その頬はまだお風呂上がり以上の熱を帯びており、ほんのりと赤みが残っている。
廊下で静かに待機していたルルーシュは、美柑の姿を認めると、すっと背筋を伸ばして一歩前へ出た。
「美柑」
「っ……ル、ルルーシュさん……」
ルルーシュは一切の言い訳もせず、真摯で誠実な瞳でまっ直ぐに美柑を見つめ、静かに頭を下げた。
「先ほどは本当に申し訳なかった。脱衣所の確認を怠り、君に不快な思いをさせてしまった。居候の身でありながら、配慮が足りなかったと心から反省している。どんな叱責でも受けるつもりだ」
一切の揺らぎもない、完璧なまでの誠意と紳士的な謝罪。
もしこれがリトであれば、「ち、違うんだ美柑! 悪気はなかったんだってばぁぁっ!」と手をバタバタさせて大パニックを起こし、さらに事故が重なって美柑の激怒を買っていたところだろう。
だが、ルルーシュの対応はあまりにもスマートで、何より美柑という一人の少女の尊厳を最大限に尊重したものであった。
「あ……う、うん……」
美柑はぎゅっとパジャマの裾を指先でつまみ、赤くなった顔を少し背けた。
「い、いいよ……。私の方こそ、ちゃんと鍵を閉めてなかったのが悪かったんだし……。それに、ルルーシュさん、すごく……紳士的に対応してくれたから……」
(というか……あんな風に完璧に謝られたら、怒るに怒れないじゃない……っ!)
美柑の胸の奥で、ドクンと小さく鼓動が跳ねる。
いつもはリトのハレンチなドジに呆れたり怒ったりしてばかりの美柑だったが、自分より少し年上の、大人びて洗練された男性からこんな風に誠実かつ優しく扱われた経験などなかった。
「感謝する、美柑。……今後はこのようなことが二度とないよう、必ず確認を徹底するよ」
「う、うん。……お風呂、温かいうちに入ってきてね。私、先に部屋に戻るから……!」
美柑は照れくささを隠すように早口で言うと、パタパタと廊下を駆けて自室へと入っていった。
「……ふう」
パタンと閉まった美柑の部屋の扉を見送り、ルルーシュはそっと胸に手を当てて安堵の息を吐いた。
(なんとか収めてみせたか……。冷や汗をかかせる世界だな、まったく)
戦場での智謀戦や政治的な駆け引きとは全く異なるベクトルでの冷や汗。
けれど、一人の少女を傷つけずに済んだという安堵感に、ルルーシュの口元にはどこか柔らかい苦笑が浮かんでいた。
脱衣所の扉を開け、湯気の立つお風呂へと足を踏み入れる。
温かい湯船に身を沈めると、今日の目まぐるしい出来事──学校での女子たちからの歓声、古手川唯の声、ひったくり犯をデコピン一発で吹っ飛ばしたララの規格外の力、殺し屋の少女・ヤミとの遭遇、先程の美柑とのハプニング──が次々と脳裏を駆け巡った。
(……やれやれ。刺激的すぎる日常だが……悪くない)
湯気を天井へと上らせながら、元皇帝は深々と湯船に浸かり、異世界での二日目の夜をゆっくりと癒やしていくのだった。
自分の部屋に戻り、ベッドの縁に腰を下ろした美柑は、ぎゅっと胸元のパジャマを握りしめた。
トクン、トクン、と高鳴る胸の鼓動。
お風呂上がりの熱のせいだけではない、顔の火照りがなかなか引いてくれない。
「……なによ、もう……っ」
小さく呟き、ベッドにバタンと倒れ込む。
天井を見つめながら、美柑は先ほど脱衣所の前で起きた出来事を思い出していた。
いつもなら、リトが事故で入ってくれば「もうっ! リトサイテー!」と怒鳴り散らすか、呆れてお説教をするところだ。兄の場合は、パニックになって余計に変なコケ方をしたり、変なところを触ってきたりするから余計にタチが悪い。
だけど、ルルーシュは違った。
(……全然、嫌じゃなかった)
一瞬、身体が固まったけれど、彼は慌てて変な言い訳をするでもなく、悲鳴を上げる暇すら与えないくらいの完璧な所作で頭を下げて、すぐにドアを閉めてくれた。
そして、その後の廊下での謝罪。
ごまかそうとせず、美柑の目を真っ直ぐに見つめて、一人の女の子として丁寧に、誠実に謝ってくれた。
(お兄ちゃんとは……全然違う『大人』なんだな……)
思い返せば、今日もお買い物の帰りに荷物を持ってくれたり、夕食の準備を自然に手伝ってくれたりしていた。気取っているように見えて、すごく周りを観察していて、気遣いができて……。
そして、時折見せる、どこか遠くを見つめるような寂しげな目。
(ルルーシュさん……本当は、すごく重いものを一人で抱えてるんじゃないのかな……)
ヤミさんと会った時の雰囲気や、時折見せる大人びた佇まい。
どんな過去があるのかは分からないけれど、彼はこの結城家で過ごす時間を、とても大切にしてくれているように感じられた。
「……『紳士』すぎるのも、困るなぁ……」
美柑は枕に顔を埋め、足をパタパタと揺らした。
怒るどころか、胸がドキドキしてしまっている自分が、なんだか少し恥ずかしい。
「……明日から、脱衣所の鍵……絶対ちゃんとかけなきゃ」
照れくささを消し去るようにポツリと呟き、美柑は静かに目を閉じた。
壁一つ隔てた隣の廊下からは、お風呂から上がってきたルルーシュの静かな足音が聞こえてくる。
ハチャメチャな宇宙人やハレンチな騒動ばかりが起きるこの家で、新しく始まった「不思議で、少し大人な同居人」との日常。
美柑の胸の中に、ほんの小さな、けれど確かな変化の芽が萌芽し始めていた。
さあ早速この世界の洗礼を受けて色々とフラグを立てつつあるルルーシュの明日はいかに
ちなみに一応ToLOVEるでの時系列は原作漫画版で言うところのセリーヌの一件が終わったあとにはなってます(14〜15巻ら辺)が、細かいことはいいんだよ的なメンタルでそれ以前の話にルルーシュをぶっ込むのもアリだとは考えています
日常系、ギャグ時空って便利ね───( ˶˙˙˶)