100億人に一人の才能 作:キモいよ
第三次試験、鳥に襲われるロッククライマーを助けようと飛び降りたカミィ。鳥との戦いで傷つき、落下。見よう見まねで振を使用して着地するも全身に酷い骨折を負う。綺麗に着地したシルフの看病を受けるも試験の継続は諦めて失格。
第四次試験、シルフの狙いであるギタラクルの狙いがモルナであったため、両陣営で激しい戦闘が発生。ギタラクルはシルフとの戦闘を避け雑魚受験生から3点を奪う。シルフもギタラクルを諦めて雑魚受験生から3点を奪う。ドッグマンも同じ。それらの点が足りなくなってポックルとレオリオとポドロが失格。
残すは最終試験のみとなる。飛行船で最後の試験会場に移動しながら、ネテロは受験生と面接を行う。その間、試験官達が今年の有望株について話し合う。
「今年のルーキーは生きがいいよね。44番と365番なんてすぐにでもプロでやっていけるよ」
「彼等は闇の住人でしょうなあ。彼等もいいですが私が注目しているのは99番と410番です」
「はのほのも? ひいへどはだはだがひはなひ! あたひははへだへどふぅきぅよふはんはひいひほほふほほねー!(あの子供? いいけどまだまだガキじゃない! あたしはハゲだけど294番がいいと思うのよねー!)」
巨体のブハラ、紳士のサトツ、顔面アンパンマンと化したメンチが楽しそうに語り合う。
「でもさ、本当に一番よかったのは400番の……」
「はふは、はたひにへんはふっへんほ……?(あんた、あたしにケンカ売ってんの?)」
だが、ブハラが400番と言った瞬間、顔面アンパンマンとなったメンチが殺意に満ちたオーラを溢れさせた。
「ご、ごめん……。悪気はなかったんだよ」
「はのはひ、はたひはひほひはへほうはふはへたはほ? はほひほほひふひ! ゆふへはひ!(あのガキ、あたしは1人だけ合格させたのよ? なのにこの仕打ち! 許せない!)」
メンチの目に怒りの炎がメラメラと燃え上がる。彼女は試験が終わり次第クチナシとアザラシにお礼参りに出かける気でいた。
そんなこんなでネテロから最終試験が発表される。最終試験の内容は一対一による戦いの負け上がりトーナメントだった。それも、優勝した一名のみが失格。他、全員合格という変わったルール。参ったと言った方が負け、殺しても負け、と言うルールも癖のあるものだった。
山1
1 ゴン-ハンゾー
2 1敗者-キルア
3 2敗者-ドッグマン
4 3敗者-ギタラクル
山2
5 クラピカ-ヒソカ
6 5敗者-モルナ
7 6敗者-シルフ
決勝
4敗者-7敗者
第一試合、最初から長期戦となった。試合自体は一方的なものだったが、ゴンがいつまで経っても参ったと言わなかったためだ。最終的にハンゾーが負けを認め、それを認めなかったゴンを殴り飛ばして気絶させた。
第二試合、ヒソカがクラピカを圧倒するかと思われたが、ヒソカは本気を出さず、クラピカの成長を促し、耳元で何かを言ったと思うと、最後には自分から参ったと言って勝負を降りた。なお、肺の損傷などからヒソカの言葉は非常に聞き取りづらくなっており、ヒソカが舞台から降りたその行動を見て審判は失格と判断した。クラピカはヒソカに耳元でぶつぶつ言われたがその意味を理解することは難しかった。
第三試合、キルアはようやく骨のある相手と戦えると息巻いてハンゾーと戦う。ハンゾーは相手が殺しを納めている子供だと見てある程度本気を出した。結果、キルアは防戦一方。急激に恐怖心が高まったいき、錯乱状態に陥る。そして参ったと告げた。
第四試合、ヒソカ対モルナ。モルナが開始直後に参ったと言ってヒソカの勝ち。
第五試合、キルア対ドッグマン。キルアは一般人の中では強いであろうプロレスラーを内心で舐めていた。たかが競技者。本物の戦いは知らない相手。兄やヒソカのような重圧も感じない。
そう、思っていたのだが。鳩尾を殴ってもノーダメージ。顎を揺らしてもケロッとしている。お面が邪魔で鼻は折れない目は突けない。必殺の心臓突きも筋肉で止められる。などなど。とにかくタフだった。最後には殺したくて溜まらない状態となったのだが、いつまで経っても死なず、逆にスタミナが切れたキルアにドッグマンのラリアットやジャーマンが当たり始める。もちろんドッグマンはプロレスの流儀を知っている。子供をイジメたり怪我させたりはしない。キルアにいい感じにダメージがたまってきた所で、初めてオーラをキルアに浴びせる。キルアは恐怖に支配され参ったと言わされた。
第六試合、モルナ対シルフ。シルフが参ったと言ってモルナの勝ち。
第七試合、キルア対ギタラクル。ギタラクルは実はキルアの兄のイルミが変装した姿だった。イルミはキルアに「友達なんてできない、ゴンが殺されそうになっても見殺しにする」などとキルアを煽る。キルアは兄に立ち向かわずに参ったと言った。
そして第八試合。兄の言葉に錯乱したキルアはシルフの実力を忘れてしまった。開始と共に心臓を貫こうとしたが、ふつうに防がれる。驚く暇もなく睾丸、鳩尾、目玉の順に攻撃される。痛みと恐怖で悶絶するキルア。シルフはキルアを殺さないように気を付けながら、執拗に急所を狙う。やがてイルミがオーラを膨れ上がらせる。そのオーラに呼応するように、キルアは参ったと叫んだ。
キルア、敗北決定。他全員が合格となった。
合格者セミナー。ハンターの特権、禁止事項などが教えられる。
「ん? 見知らぬ少年が紛れ込んでいるが。誰かの子供か?」
クラピカが周りを見渡して言う。
「クチナシ、どうしてここに?」
「なに? クチナシ?」
クチナシの素顔を知っているモルナが話しかける。
「どうしてって、もちろん合格したからだよ」
「合格? 途中でいなくなっていたけど」
「なんか、ネテロ会長からハンターライセンスを盗めば合格っていう特別な試験を受けさせてもらってさ。ほらっ」
クチナシはハンターライセンスをモルナ達に見せつける。そこにはアイザック=ネテロと記されていた。
「えっ、ネテロ会長!? ネテロ会長のライセンスを盗んだの!?」
「うん」
「とことん規格外ね、あなた」
「ま、半分はヒソカのおかげだけどね」
「ガフッ、ゴフッ♦」
ヒソカが分からないという風に首をかしげる。
「ヒソカが会長と戦っている隙に、会長が投げ捨てた上着を拾ったんだよ。ポケットの中に財布があって、財布の中にハンターライセンスが入ってた」
「はるほど♥ ゴフッ♦」
その時、部屋に獰猛なオーラが近づいてきた。
「ここで会ったが100年目! 死に晒せぇええええええ!」
怒りの形相のメンチだった。顔の腫れが引いてアンパンマンからカバオくらいになっている。彼女は包丁を両手に持ちクチナシを切りつける。
「ひゃははははは! 死ね死ね死ねぇえええええ!」
周を使って何度も切りつけるが、ゴムのようにボヨンボヨン弾けるだけで全く切れない。
「ムキィーーーー! どうなってんのよその身体ァ!」
メンチは包丁を仕舞い、クチナシの後ろに回って首をしめつけた。脚も絡めて、胸を押し当て、全力で。ドッグマンなどからするとうらやまけしからない光景だった。
「どうだった? 俺がいない他の試験。楽しかった?」
「三次試験はそれなりに。ゲームみたいでおもしろかったわ。だけど四次試験は生きた心地がしなかったわね。シルフに感謝よ」
「私みたいな一般人でも役立つことができてうれしいわ」
「そのキャラ、いつまで続けるつもり?」
「ちょっと! 何ふつうに喋ってんのよ! 首絞めつけてんのよ! 窒息しなさいよ!」
「いやあ、皮膚呼吸できるんで。肺は飾りみたいなもんで」
「はぁ!? バッカじゃないの!?」
メンチはクチナシの顔面を何度も何度もグーで殴りつける。これもダメージはないようだった。クチナシは重火器程度の速度であれば振を合わせて相殺できるのだ。メンチのパンチは重火器より遅かった。
気絶していたゴンはサトツから事情を聞き、途中からセミナーに参加する。
「ギタラクル!」
キルアの話を聞いたゴンはイルミに怒って腕を思いっきり握りしめた。だが、ハンター同士の争いは禁止。イルミは反撃していいものかどうか悩む。そこで、メンチがクチナシを殺そうといろいろ試しているのが見えた。本気で殺すつもりがないのは分かっているが、事故で死んでもいいという感じの攻撃だ。あれが許されるなら自分もやっていいだろう。
「あっ、手が滑っ……」
などと言いながらゴンの脳天に針を突き刺そうとする。だが、それをトランプが妨害した。ゴンの身体はヒソカへと引き寄せられ、子供を守る母親のように抱きしめられる。
「ヒソカ……。何のつもりだい……?」
「青い果実……ゲボォッ♦」
ヒソカは喋ろうとして吐血した。まだ肺が治り切っていなかった。
イルミにキルアとの友情を否定されたゴン。彼はキルアを連れ戻すためにキルアの実家に向かうことを決心する。1人では危なっかしいのでクラピカも同行を申し出た。レオリオはその場にいなかった。
クチナシはザバン市で待つカミィと合流し、カキンに帰ることにする。アザラシは先にカキンに帰ってしまったという。メンチはアザラシに復讐するためにクチナシに着いてくることになった。