俺だけ使える成長システムで湘北を全国制覇に導きたい 作:should
先輩たちが引退してから、チームの得点力不足が目立つようになった。
それまでは、三井たちにディフェンスが集まることで、俺自身は比較的余裕を持ってプレーできていた。パスで味方のチャンスを作り、フリーになった選手へボールを届ける。そうしたゲームメイクを中心に鍛えてきたこともあり、味方を生かすプレーには手応えがあった。
しかし、先輩たちが抜けると、これまでのようにはいかなくなった。
チャンスを作ってもシュートが決まらない。相手の守備を崩してフリーの選手を生み出しても、得点につながらない場面が増えていく。
もちろん、チーム全体の得点力を俺一人で補えるわけではない。それでも、自分自身が得点を奪えるようになれば、状況を変えるきっかけにはなるはずだ。
パスを出すだけではなく、自分でシュートを打つ。ドライブでゴールへ向かい、最後まで決めきる。
そのために、先輩たちの引退後はシュートとフィニッシュの練習に力を入れてきた。
まず見直したのは、シュートフォームだ。
これまでの俺は、比較的ゆったりとしたフォームでシュートを打っていた。
三井たちにディフェンスが集まれば、俺への警戒は薄くなる。パスを受けてからしっかりフォームをセットしても、シュートを打つ時間は十分にあった。
だが、自分でドリブルから得点を作ろうとするなら、そのフォームでは時間がかかりすぎる。
ドリブルで相手を抜いた直後や、わずかな隙間が生まれた瞬間にシュートを打つには、もっとコンパクトな動作が必要になる。
そこで、ボールを構えてからシュートを打つまでの動きを見直した。
ドリブルからシュートまでを途切れさせず、流れるようにリリースへつなげる。余計な動作を減らし、相手に反応する時間を与えないフォームを目指した。
もっとも、動作を速くすれば、それだけでシュートが入るようになるわけではない。
フォームを変えた直後はリリースの感覚も変わり、これまでのように安定して狙った場所へ飛ばせないこともあった。急いで打とうとすれば、わずかなズレが軌道に表れる。
だからこそ、フォームの改造と並行して、安定性を高める練習も続けた。
止まった状態からのシュートだけでなく、ドリブルからのプルアップ、左右への切り返しからのシュート、パスを受けてすぐに打つキャッチ・アンド・シュート。それぞれの動作を繰り返し、コンパクトなフォームでも正確に打てるようにしていく。
シュートの種類も増やしていった。
ミドルシュートとスリーポイントを磨くのはもちろん、ドリブルから自分でシュートチャンスを作る練習にも取り組む。
さらに、将来的な身長が198cmになることを考えれば、ポストアップからの得点も身につけておきたい。
相手を背負ってゴールに近い位置を確保し、ターンからシュートを打つ。相手がゴール下への侵入を警戒していれば、少し距離を取ってミドルシュートを狙う。反対に、シュートを警戒して前に出てきたなら、ドライブで抜く選択肢もある。
ただし、身長が高いだけでポストプレーができるようになるわけではない。ボールを失わずに相手を背負う技術や、足の運び、ターンの使い分けも必要になる。
そのあたりも含めて、少しずつ練習に取り入れていった。
フィニッシュの強化にも力を入れた。
左右のレイアップを安定して決められるようにするのは基本だ。しかし、ゴール下で待ち構えるディフェンダーを相手にするなら、普通のレイアップだけでは対応しきれない。
そこで、ティアドロップの練習を始めた。
ゴール下に相手がいる状況で、ブロックされる前に高い弧を描くシュートを放つ。相手の手が届きにくい位置からボールを落とすことで、正面からのブロックを避ける技術だ。
プロレイアップのように、ボールを持つ位置や体の向きを変えながら、ディフェンダーの手が届きにくい場所へボールを運ぶ技術も身につけていく。
さらに、空中でシュートの動作を変えるダブルクラッチや、左右のステップで相手の進路をずらすユーロステップにも取り組んだ。
単純に跳んでシュートを打つだけではなく、相手の位置や反応に合わせてフィニッシュの方法を変える。
正面を固められたならステップでかわす。ゴール下に大きな選手が待っているならティアドロップで頭上を越える。ブロックに飛び込んでくる相手には、タイミングをずらしてシュートを放つ。
そうした選択肢を増やしていけば、ドライブから得点できる可能性も高まるはずだ。
もちろん、どの技術もすぐに使いこなせるわけではない。
それぞれの動きには適した距離や角度があり、相手の守り方によっても有効な選択は変わる。技術の形を覚えるだけではなく、どんな場面で使うべきなのかまで理解しなければならない。
そのため、基礎練習を繰り返しながら、実際のプレーを想定した練習も重ねていった。
そうして季節は移り変わり、春を迎えた。
新しい一年が始まっても、俺のやることは変わらない。
シュートフォームはまだ改善の余地がある。コンパクトな動作でも安定して決められるように、引き続き反復練習を続ける必要がある。
フィニッシュについても同じだ。左右のレイアップを土台に、ティアドロップやプロレイアップ、ダブルクラッチ、ユーロステップといった技術を磨き、相手の守備に応じて使い分けられるようにならなければならない。
ポストアップからのミドルシュートも、まだ身につけている途中だ。
練習する技術を増やすだけではなく、それぞれを試合で使える水準まで引き上げる。そのためには、まだまだ時間が必要になる。
育成画面を開き、現在の能力を確認する。
パスやボールハンドリングを中心に鍛えてきたこともあり、ゲームメイクには自信がある。一方で、自分自身が得点を奪うための技術は、まだ伸ばしていかなければならない。
まずはオフェンスを重点的に鍛える。
シュートの精度とフォームの安定性を高め、ドリブルからでも素早く打てるようにする。フィニッシュの選択肢を増やし、ゴール下で相手に対応されても得点を狙えるようにする。さらに、ポストアップからのシュートも身につけ、身長を生かした攻め方を増やしていく。
そして、オフェンスが一定の水準まで成長したら、次はディフェンスを重点的に鍛えるつもりだ。
一対一で簡単に抜かれないフットワーク、相手の進路を制限するポジショニング、パスコースを読む判断力。そうした技術を磨き、守備から速攻へつなげられる選手を目指す。
もちろん、それまではディフェンスを放置するわけではない。基本練習を続けながら、パスやボールハンドリング、リバウンド、フィジカルの強化にも取り組んでいく。
俺が目指しているのは、一つの役割だけに秀でた選手ではない。
チームに足りないものを見極め、その穴を埋められる選手だ。
自分で得点を奪う力を身につければ、相手は俺自身を警戒せざるを得なくなる。そうなれば、パスも今まで以上に生きてくる。
得点を取る力を伸ばすことは、ゲームメイクを捨てることではない。
自分で決める選択肢を持つからこそ、味方を生かす選択肢も増える。
春からの一年も、やるべきことは多い。
まずはオフェンスを磨き上げる。そこからさらにディフェンスを鍛え、チームに必要な役割を果たせる選手へと成長していこう。
【ステータス:中学3年生・春】
■フィニッシュ
クローズショット:72
ドライビングレイアップ:76
ドライビングダンク:25
スタンディングダンク:25
ポストコントロール:60
■シューティング
ミドルレンジ:74
スリーポイント:70
フリースロー:78
■プレイメイク
パス精度:84
ボールハンドル:86
ボール保持スピード:82