俺だけ使える成長システムで湘北を全国制覇に導きたい 作:should
春が来た。
長かった中学生活が終わり、俺はついに湘北高校へ入学することになった。
この瞬間を、どれだけ待ち望んでいたことか。
赤木剛憲。
三井寿。
宮城リョータ。
流川楓。
桜木花道。
原作の湘北を形作る選手たちと、ようやく同じ舞台に立てる。
もちろん、ただ憧れの選手たちに会いたいわけじゃない。
俺の目標は、このチームを全国制覇に導くことだ。
原作の知識があるからといって、簡単に勝てるとは思っていない。相手だって成長するし、実際の試合は漫画を読んでいるときのように都合よく進むわけじゃない。
だからこそ、ここまで鍛えてきた。
技術を磨き、身体を鍛え、オフェンスとディフェンスの両方を伸ばしてきた。
そして今日からは、これまで積み上げてきたものを高校バスケで試すことになる。
「よし……行くか」
校門をくぐり、校舎へ向かう。
周囲には、同じように入学したばかりの生徒たちがいた。少し緊張した様子で友人を探している者もいれば、すでに知り合い同士で盛り上がっている者もいる。
俺も今日から、その一員だ。
ただ、周囲の様子を眺めながら歩いていると、ふと自分の身体が気になった。
この数か月で、またずいぶんと変わった。
去年の夏、身長がようやく伸び始めたと実感した頃は165cmだった。
それが今では――。
帰宅後に測った数字を思い出す。
身長178cm。
体重70kg。
ウイングスパン190cm。
わずか数か月前とは、見える景色まで違う。
特に身長の伸びは凄まじかった。服のサイズは次々に合わなくなり、少し前まで普通に使えていた場所が窮屈に感じることもある。
ただ、身体が大きくなっただけでは意味がない。
俺は成長に合わせて、フットワークも筋力も鍛えてきた。急激な身体の変化に動きが振り回されないよう、バランスや身体操作の練習にも時間を割いた。
まだ完成形には遠い。
身体設計で設定した最終身長は198cm。ウイングスパンは211cmだ。
つまり、これからも成長する余地がある。
今の身体で何ができるのか。それを理解し、使いこなしていかなければならない。
入学式を終えて帰宅した俺は、再び学校へと向かう。
目指す場所は決まっている。
体育館だ。
体育館へ近づくにつれて、ボールの弾む音が聞こえてきた。
懐かしい音だ。
ミニバスに入ってから、ずっと聞き続けてきた音。何度も繰り返したドリブル、パス、シュート。そのすべてが今の俺を作っている。
扉の前で立ち止まる。
この先に、原作の湘北がある。
俺は息を整え、体育館の扉を開けた。
その瞬間だった。
視界の中央に、見慣れた光が走った。
『ステージが切り替わりました:高校生』
『能力値を再計算します』
『高校生の最大値を100として、能力値を換算しました』
「……来たか」
小さく呟く。
これまでにも経験してきた、ステージの切り替わり。
ミニバスに入ったときも、中学生になったときも、能力値は新しい基準へと再計算された。
当然、高校生になった今も同じらしい。
画面が一斉に書き換わった。
【ステータス:高校1年生・春】
【高校生基準/最大100】
佐藤翔真
身長:178cm
体重:70kg
ウイングスパン:190cm
OVR:74
■フィニッシュ
クローズショット:71
ドライビングレイアップ:78
ドライビングダンク:47
スタンディングダンク:32
ポストコントロール:74
■シューティング
ミドルレンジ:77
スリーポイント:72
フリースロー:80
■プレイメイク
パス精度:79
ボールハンドル:75
ボール保持スピード:76
■ディフェンス
インサイド:68
ペリメーター:77
スティール:68
ブロック:70
ヘルプIQ:75
■リバウンド
オフェンスReb:51
ディフェンスReb:70
■フィジカル
スピード:74
アジリティ:75
パワー:62
ジャンプ力:67
スタミナ:84
「……なるほど。高校生基準か」
中学3年生の冬に確認した能力値と比べると、ほとんどの数字が下がっている。
だが、慌てる必要はない。
これは、積み上げてきた技術が失われたということではない。能力値を評価する基準そのものが、中学生から高校生へと切り替わったのだ。
中学生の中では突出していても、高校生を基準にすれば、まだ伸ばすべき部分がある。
そういうことだろう。
むしろ、今の自分を過大評価せずに済むのはありがたい。
目を引くのは、やはりディフェンスの数値だった。
これまで重点的に取り組んできた守備の練習が、数字に反映されている。
ただ、インサイドやブロック、パワーはまだ高いとは言い切れない。
身長が伸びているとはいえ、身体はまだ成長途中だ。
そして、相変わらず低い数値が2つ。
ドライビングダンクとスタンディングダンク。
「ここは、まだまだだな……」
思わず苦笑した。
シュートもパスも守備も、ある程度の水準に達している。それなのに、ダンクだけは明確な弱点として残っている。
実際にまだダンクはできないしな。
だがこれも身体が成長すれば、自然と状況も変わるはずだ。
それを待つだけでは駄目だろう。ジャンプ力を伸ばし、踏み切りを磨き、空中で身体を扱う技術も身につけていかなければならない。
いずれは、この長いウイングスパンと身体能力を生かしたプレーも武器にしたい。
画面を見つめながら、俺は気持ちを切り替えた。
高校生の基準では、まだ完成していない。
だからこそ、ここから伸ばしていく意味がある。
能力値の確認を終え、改めて体育館を見渡す。
コートには、ボールを持って動く選手たちの姿があった。これから同じチームで戦っていく仲間たちだ。
入部後には、紅白戦がある。
ここで自分の力を見せつけるだけでは意味がない。
チームに何が足りないのか。
誰を生かせば、全体が強くなるのか。
自分はどの役割を担うべきなのか。
それを実戦の中で見極める。
俺はボールの音を聞きながら、ゆっくりと帰り道につく。
原作のIHまで後1年と4か月。
生まれた時からの、俺の夢。
必ず湘北での全国制覇を成し遂げて見せる。
湘北メンバー5人の能力をゲームっぽく分類してみた。
宮城リョータ 2-Way Slashing Playmaker
ジョン・ウォー〇型のスピードと突破力。パスを優先する司令塔。
弱点はシュート力と身長。
三井寿 3PT Specialist
レジー・ミ○ー型のシューター。オフボールで動いて得点機会を作る。
弱点は機動力とフィジカル。
流川楓 Iso Threat
アンソニー・エド〇ーズ型の1対1からの得点力。ドライブもジャンプシュートも自分で作る。
流川のモデルはジョーダンだけど、ジョーダンやエドワーズほどのディフェンス力はない印象。
弱点はあんまりないけど、フィジカルとスタミナかなぁ
桜木花道 Glass Cleaning Finisher
デニス・ロッド〇ン型のリバウンドと、昔のアーロン・ゴー〇ン型の運動能力を生かしたフィニッシュ。
弱点はショットクリエイト能力とプレイメイク能力とシュート力と多め。
ただ、身体能力と身長で弱点以上の貢献ができる感じ。
赤木剛憲 2-Way Interior Threat
パトリック・ユーイン〇型のインサイド攻撃とゴール下の守備。
弱点は機動力とシュート範囲の狭さ。
ちなみに赤木の身長と体重で、その場ジャンプでの両手のダンクができるのって実はめっちゃすごい。多分垂直飛びで70cmくらい飛んでるはず。