【完結済み】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~   作:黴男

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120-動き始めた世界

一週間後。

僕らは、リゾートを満喫して、最後の日の花火を見ていた。

 

「権力者の知り合いができるっていい事ね〜...」

「そうだな」

 

普通はいち観光客のために花火など上げてくれない。

だが、今回はティニアが国中から花火をかき集めて、打ち上げ大会をやってくれたのだ。

僕たち二人のためだけの花火大会を。

 

「まさか、こんな結果になるとは.....」

「どうしたの?」

「何でもない」

 

今回、Ve’zは二つの国と友好関係を結ぶ事が出来た。

一つは、クロペル共和国。

もう一つは、オルダモン連邦。

だが、キロマイア皇国とは完全に関係が破断してしまった。

主席級を二人も失ったオルダモン連邦は、僕らにの下部組織として働くことを条件に、防衛戦力のみを配備してくれるように頼みこんできた。

あまりに態度が大きいので、キレたメッティーラが首都にあの巨大な乗艦で乗り込み、下部組織ではなく奴隷として動けと命令したので、オルダモン連邦とは別に、SOV(サーヴァント・オブ・ヴェズ)という組織が出来て、そこに精鋭を集めることとなった。

 

「それよりも、エリス」

「何かしら?」

「僕たちは、いつでもここに遊びに来れるようになった」

「えっ!? 本当!?」

「ああ。クロペル共和国が僕らの身分を証明してくれる」

 

ティニアは真っ赤になりながら帰った。

思えば、あの間ずっと全裸だったのだから、その恥ずかしさが今になって蘇ってきたのだろう。

 

「だが.......中々、厄介なことに変わりはないな」

 

ついに、TRINITY.が動いた。

その名をThe Reinforced Investigate Nation Initiative Team of Yalvena.略してTRINITY.とする、この世界における国際警察のようなものだ。

エミドとは違った意味で抑止力・調停者として動く者たちで、かつてエリスが所属していた諜報機関にも、TRINITY.からの監査役がいたはずだ。

そして、それだけではない。

キロマイア皇国・オーベルン神聖連合・ジスティカ王国・ヘルティエット王国がTRINITY.と共同戦線を張り、僕たちに宣戦布告してきたのだ。

 

「.......エリス、こんな時で悪いが...いいか?」

「? ええ、いいわ」

 

僕は覚悟を決めて、TRINITY.との戦争の事を告げる。

また、死体の山を積み上げる事になるのだと。

 

「......でも、TRINITY.は結局、腐敗組織なのよね」

「そうなのか?」

「アトゥを見たでしょ? あの組織は、末端になればなるほどまともになるのよ。上に行けば行くほど、腐っていく。だから――――攻撃してくるなら、ぶっ飛ばせばいいのよ!」

 

その時、花火が上がった。

花火は空で炸裂し、星形に広がった。

 

「......じゃあ、そうする事にしよう」

「それがいいわ!」

 

その時、僕の耳に扉が開くような音が届いた。

そして、僕たちがいる砂浜に、誰かが駆けてくる音がした。

 

「エリアス! こんばんはっ!」

「ティニア!」

「えっ!? モニカじゃないの!?」

 

そうか、エリスはまだ知らなかったか。

 

「.....ごめんなさい、エリスさん。私はモニカじゃなくて、ティニアって言うの。一応、この国の女王だから....」

「世を忍ぶ仮の姿....って事ね!」

「そう!」

 

どうやら納得してくれたようで良かった。

仲が悪くなるようなことがあれば、僕は申し訳なく感じるから。

 

「スペース仮面みたいな感じね」

「そう、スペース仮面みたいな感じ!」

 

二人は僕を無視して話し始めてしまう。

それを横目に見ながら、僕も勢いを増し始めた花火を観察するのだった。

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