【完結済み】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~   作:黴男

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シーズン6-Ve’z同盟軍対TRINITY.連合軍戦線
121-大戦争の幕開け


TRINITY.合同会議。

そこには、錚々たる面々が集まっていた。

キロマイア皇国デルジャ・イシネン皇帝。

オーベルン神聖連合イラサ・ファルトシゲン法皇。

ジスティカ王国リューギリス・エルライン国王。

ヘルティエット王国ハニカ・リーシャイ国王。

そして、TRINITY.総裁エルドリヒ・オーンスタイン。

彼等の議題に挙がっているのは、目に余るVe‘zの暴虐である。

遥か過去にあった脅威が、今自分たちの眼前に突き出されては、四カ国の指導者たちも、重い腰を上げなければいけないと理解しているのだ。

 

「......しかし、どうされるおつもりですか?」

 

ハニカ国王が、重々しく口にする。

彼女はビージアイナやクロペルと同じ女性指導者であり、この場の沈黙を破るように慎重に口にする。

 

「奴らの末端の艦は、囲んで叩けば落とせる。とにかく、我らが結束すれば、痛手を負わせられるのだと示さなければならぬ」

「若干の私怨も入っているのかね、デルジャ殿」

「......くだらん」

 

デルジャ・イシネンは、Ve’zとの共闘で支持率の低下した父ハルト・イシネンを無理やり退位させ、即位した皇帝である。

そのことをリューギリスに指摘され、顔を赤くして一蹴した。

 

「静粛に! この場は言い争う場ではありませんぞ」

 

そして、エルドリヒがそれを仲裁した。

二者はそれで矛を収めた。

TRINITY.に表立って反抗するのは得策ではないと、二人も分かっているのだ。

TRINITY.との関係が悪くなれば、送られてくる警官の質もまた低下し、結果犯罪者と結託して国内の治安を悪化させるという前例が無数にあるからだ。

 

「ここは一つ、それぞれが出せる戦力から話し合ってみるのはどうでしょうか?」

 

その時、イラサ法皇がそう口にした。

その言葉だけで、流れは完全に戦力開示の方向へ移動した。

 

「キロマイアは先のオルダモン侵攻で痛手を負った。しかし、主力艦なら五隻、通常戦力であれば二十万出せる」

「私達のオーベルンは、異教徒と共に戦う事をあまりよくは思っていません、ですので、主力艦は二隻、通常戦力は三十万とさせて頂きたい」

「ジスティカのメンツに賭けて、ここは主力艦を十五隻、戦力は八十万出そう」

「ヘルティエットの軍部は連座制ですが、恐らく主力艦なら二隻、戦力は五十万程度出せる筈です」

「TRINITY.からは主力艦を四十五隻、通常戦力を二百万動員いたしましょう、宇宙の脅威を見逃すわけには参りませんからな」

 

こうして、戦力の開示が行われる。

国家間の戦争や駆け引きもある以上、出し渋るのは仕方がないことではあるが、大盤振る舞いをしているのはTRINITY.だけとなった。

TRINITY.がもっとも多く損をし、最も多くの支持を勝ち取る形となったのであった。

 

 

 

 

 

 

「という訳で、TRINITY.連合軍が攻めてくるという訳だ」

 

僕は円卓に座り、その場にいる全員に説明する。

その場にいるのは、クロペル共和国女王のティニアと、オルダモン連邦「サーヴァント・オブ・ヴェズ」の首魁ディオナ・エンズクレイの二人である。

 

「あんたらの超越的な強さなら、わざわざ話し合う事でもないだろう?」

「ディオナ殿、こうして集められたからには理由があると思います」

 

ディオナは、所謂危険な女性といった雰囲気の仕事人だ。

Ve’zとの交渉や派遣戦闘などを行うサーヴァント・オブ・ヴェズの首魁であるから、そこは弁えているのだが。

 

「僕たちは誓約により、Ve’z艦隊自体に攻撃された場合にのみ手を出すことが許されている。だから、もし敵がVe’z艦隊を回避した場合、防御戦はVe’z艦隊到着までそちらで行ってもらう必要がある」

「構いません、助けに来てくださるのならば...」

「構わないよ、もとより犠牲なしで守ってもらうだけ...というのも忍びない」

 

オルダモン連邦は仕方なしに協力している面もあるが、クロペル共和国に対して敵対的な世論を流布していたイワノフ主席はもういない。

国民の陥った狂気も、いずれ元に戻っていくそうだ。

 

「それにね、アタシらは....その、強い存在に憧れるのさ。元の歴史がアレだからさ、強い奴に従って、強い奴の背を見るのが好きなんだよ」

 

オルダモン連邦はもともと、アンデュラス合衆国の属国であるオルダーティアという国家だった。

エミドの侵攻によりアンデュラス合衆国が完全に消滅してからというもの、オルダーティアは完全に単独で生きていくのを強いられた。

資源が豊富で広大な国土を持っていたオルダーティアの民たちは、強い指導者を求め、結果として初代主席ザルスク・ヴィネードが就任、国の名前をオルダーの決起――――オルダモン連邦という名前に改めた。

Ve’zの記録ではそうなっている。

 

「まあいい。弱いものは狙われる――――それを把握して、防衛計画を練ってほしい」

「善処いたします」

「ああ」

 

僕の言葉に、二人は頷いたのだった。

激動の時代が始まる。

 

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