【完結済み】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~ 作:黴男
ディレンズ星系では、大混乱が発生していた。
それは当然だ、なぜならば――――
『艦長がいなくなった!』
『艦内に化け物がいる! 仲間がみんな食われたんだ! 助け――――うわぁあああ!!』
『未知の減少により艦隊の半数を喪失!』
『艦内で幻聴が――――』
『船の位置が分からない! 誘導ビーコンを要請する!』
ジスティカ王国旗艦艦隊に流れてくるのは、そんな通信の数々だった。
だが、ジスティカ王国側もそれどころではなかった。
「キロマイア皇国の艦隊はどこへ行ったんだ?」
「分かりません、一瞬で消失しました!」
さっきまで居たはずの艦隊が完全に消えていたのである。
当然、艦隊は大混乱に陥った。
『困りますな、勝手に逃げられては』
『これは責任問題では?』
『我々は何も知らない! 旗艦と連絡がつかんのだ!』
消えたキロマイア皇国艦隊を逃げたと判断した司令官たちは、生き残りを叱責していた。
『ハグネス司令官も何か言ったらどうですか?』
『――――』
『司令官?』
その時。
彼らは、TRINITY.艦隊の姿がない事に気が付いた。
オーベルン神聖連合艦隊の司令を務めるバスカディン司祭は、通信に応じるように何度も呼び掛けたが、返事はなかった。
「周囲をスキャンせよ」
画面に目を向けたまま、司祭は部下に命じる。
だが、返事が返ってこない。
「返事はどうした!」
しかし、それでも声は返ってこなかった。
何が起きたのかと、バスカディンは顔を上げ――――そして、見た。
ブリッジから人が消えていたのだ。
「なっ、何が――――大変ですぞ、我々の艦に異常が起きました!」
急いでバスカディン司祭は、報告を挙げる。
だが、返ってきたのは不気味なほど無機質な声だった。
『ナニモモンダイハアリマセンヨ』
『ナニモモンダイハアリマセンヨ』
『ナニモモンダイハアリマセンヨ』
『ナニモモンダイハアリマセンヨ』
「ひぃっ!?」
『ナニモモンダイハアリマセンヨ』
『ナニモモンダイハアリ――――』
その時、ブリッジの電気が消えた。
司祭の顔が引きつったその直後、全ての計器が赤い光を放ち、警報の代わりに人の悲鳴が響き始めた。
男とも女ともつかない悲鳴の中で、司祭は発狂した。
「う、わぁああああああああああああ!!」
そして。
全ての悲鳴が唐突に止んだ。
「あぁあああああああ.....え?」
そして。
上から、逆さまになった部下の死体が墜ちてきた。
司祭はその絶望に歪んだ顔と目が合って――――気絶した。
『うわぁあああああああ――――』
『やめろ、俺は仲間だ!!』
『こちらB-441! 仲間の死体が襲ってくる!』
Ve’z艦隊と戦うはずだった連合艦隊は、唐突なホラー展開に襲われ――――
消滅、発狂、自殺、フレンドリーファイアでその数を減らしていくのだった。
企画:ケルビス 実行:ポラノル 撮影:隠密カメラドローン
『静寂の艦隊』XX月XX日発売!
「......何、このB級映画みたいな....」
「お姉さま、私がこれが見たいです!」
「アタシも興味あるな」
「私も!」