【完結済み】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~ 作:黴男
二日後。
Ve’zの主張する領土の、全ての辺境の領域で活動が確認された。
自然発生すしたワームホールを利用して、エミドの艦隊が拠点を構築し始めたのだ。
『恐らく、こちらの戦力を見て、旗艦級のみで通常艦船はほぼいないと判断したのでしょう』
「そうだな」
それに、今回の戦いからは僕の考案した船も参戦する。
手すきのカサンドラや、指揮能力を持て余しているケルビスのために用意した。
「ねぇ、私思うんだけど......ちょっと気持ち悪くないかしら?」
「そうだろうか....」
戦闘機をイメージしてデザインしたが、過去の例とケルビスのダメ出しの末に今のデザインとなった。
流線型だが、継ぎ目が一切なく、採掘した希少金属で固めている為素の防御力も測り知れない。
その名は、エリスから名を取って「ラエリス=クイスティラス」となった。
普段は同時に新造した「アータス=ノクティラノス」に収納されている。
「さあ、防衛の時間だ――――それから、カサンドラ」
『如何いたしましたか?』
「主都はまだ復興の途中だが、集中した戦力を首都周辺の復興に回せ。徐々に復興を拡大させて、防衛体制を構築する」
『分かりました、直ちに開始いたします』
このままだと終わらないイタチごっこになる。
向こうは永遠に攻めてくるわけであるから、領有地帯の復興を少しずつ進めて、内部に入り込めないようにする必要がある。
そのうえで、攻めるか守るか決める。
僕は出撃していくノクティラノス艦隊を横目で見つつ、今後について考えるのであった。
ジェキドは、ヴェリアノス包囲陣が完成しつつあるのをその目で見守っていた。
今回はエミドの再編された主力艦隊を複数に分割したうえでの行軍であり、戦力を複数に分けることでVe’zの反撃戦力を低下させる目論見であった。
前回の敗戦は、彼には大した失敗には映っていない。
「キシナよ、もう10時間経つが、まだ見ているのか?」
「はい、戦況の把握は重要ですから」
「....そうか。少しはましな答えが出来るようになったではないか」
「精進いたします」
キシナは深々とお辞儀すると、再び画面に視線を戻す。
それと同時に、画面上での全ての点が赤色に染まった。
「....これは!?」
「防衛艦隊の御出座しという訳だ。だが、そんな小さな雑兵ごときで我がエミドの主力艦隊に勝てるかな?」
ジェキドはそう言うと、自分もまた画面を注視するのであった。
Ve’zを侮る事が、常に自分の敗因とも知らずに。