【完結済み】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~   作:黴男

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053-危機感と平和の温度差

「…逆に、こちらの領土が奪われただと」

 

ジェキドは呆然としていた。

確かにVe‘z側に侵攻していたのは事実だが、Ve’zが積極的に排除行動に出るのは珍しい事だったのだ。

 

「ワームホールの回廊も破壊されており、救助艦隊を送り込むことができません」

「救助など不要だが、このままクライアレンを拠点にされれば、他の異星系への侵略の足掛りにされてしまうだろう」

 

ジェキドの焦りはそこであった。

防戦しかできない相手だと踏んでいたからこそ、一方的に仕掛けられていた。

しかしこのままより深く噛み付かれれば、いずれは喉笛を食い千切られる羽目になるだろう。

 

「キシナ、あの異星系から接続可能な異星系をリスト化するのだ」

「はい」

 

震える声で飛んだ指示。

ジェキドは、広大な領土から、いくつかの異星系がリストアップされるのを見ていた。

 

「このままでは終わらせん、我がエミドの領内に踏み込んだのであれば、全力を持って相手しようではないか」

「どうされますか?」

「手始めに、我らが誇る四十二大星國船団から艦隊を引き抜き、リスト化した異星系に配備する。」

 

四十二大星國船団とは、今のキシナのように、抑制レベルを大幅に下げられたエミド名誉市民が率いる大船団である。

四十二人の指揮官が率いるエリート部隊の集まりであり、命令に従うだけの木偶の坊とは違う。

 

「侵略の方は、ケリオシド星系に船団を三つ派遣し、城砦を四つ建造して侵略拠点とする、良いな?」

 

ケリオシド星系は、エミドの現宇宙支配地域であるハスグータに概算地理的に近い場所であり、ここからならワームホールを使わなくともエミド側から支援ができる。

 

「お任せください」

「よし」

 

ジェキドは機嫌を良くした。

キシナが、胸を張って言ったからだ。

抑制レベルが下がり、人間らしい反応を見せるようになった。

だが下げすぎてもいけない、洗脳前の人格が出る恐れがあるからだ。

 

「これくらいがちょうど良いのだな」

 

ジェキドはそう呟くと、歪んだ笑みを浮かべたのであった。

 

 

 

 

 

 

「なかなかうまく行かないな」

 

僕は腕組みをして呟く。

伝達がうまく行かないのだ。

 

「そうでしょうか? 私個人の感想としては、非常に精巧な仕上がりと見えますが」

 

僕とケルビスは、夏を迎えつつある農業惑星にいた。

麵になりそうな植物もあるので、夏の風物詩をやろうとしたのだが....

竹の代わりにしようと思った植物が、結構水漏れが酷かった。

先人たちは、どうしていたのだろうか?

 

「仕方ない、木を加工して削ろう。来年も使うだろうからな」

「分かりました、丁度良さそうな木材を探してきましょう」

 

ままならないものだ。

しかしながら、この農業惑星では、儘ならないことを楽しむ場である。

エクスティラノス達に人気なのも、それが理由だ。

創意工夫で不可能を可能程度に持っていくのが、ケルビスはとても楽しそうだ。

 

「麺自体は悪くないからな」

 

流しそうめんの文化自体は、Ve’zの大書庫に似たようなものが記録されていたので、説明が楽だった。

やはり、麺の文化があると、こういうことをやりたくなるのだろうか?

 

「それにしても、ジェネラスが麺打ちに意欲的とは驚いた」

「やってみると、楽しいものでした、エリアス様」

 

さっさと完成させて、エリスと流しそうめんをしよう。

 

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