【完結済み】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~   作:黴男

64 / 68
064-アンケート結果-前編

というわけで、AIたちの「食べてみたいもの」リストが完成した。

ここに辿り着くまでの経緯を、順を追って説明しよう。

カサンドラから話を聞いた僕は、次にメッティーラの元へと赴いた。

 

『エリアス様、ご機嫌いかがですか?』

「大丈夫だ、それより...」

『はい、私は...その、シティロスという料理が食べてみたいのです』

 

書架にアクセスし、データベースを漁る。

すると、ノースアルダ星系の伝統的な料理が見つかる。

見た目は少し悪趣味だが、実際はエビ料理に近いようだ。

 

「ああ、これなら大丈夫だろう」

 

メッティーラの事なので、今度は鉄分を効率的に摂取するため金属が食べたいなどと言い出す可能性があった。

しかし、僕に注意されたカサンドラが警告を飛ばしたようで、全員がちゃんとした完成品を求めるようになったのだろう。

 

『本当ですか? ありがとうございます!』

 

メッティーラは嬉しそうだった。

僕が考えを改めた事で、Ve‘zにも人間の文化が入って来ている。

AI達は自分たちの確立した自己と照らし合わせて、自分が求めている味を探求しているようだ。

次に僕は、ケルビスの元へ向かう。

だが、ケルビスは真剣な様子でデータベースと向き合っており、珍しく僕の呼び掛けに答えなかった。

 

「...そうか」

 

僕は踵を返す。

これはエリアスの記憶にも例の無い、イレギュラーな事態だ。

身の内からの困惑を感じつつ、次はシーシャの元へ。

 

「シーシャ、決まったか?」

『ええ、私は既に。ピロエットルを食べてみたいですね、広義的にはガゼラーク語で「肉」という意味ですが』

「...そのガゼラークは、先日消えたのだが、どうする気だ?」

 

もうその星々は無い。

僕の過ちで吹き飛んだからだ。

そこに根ざしていた文化も、歴史も、人もみんな消えてしまった。

 

『二年前で不正確な情報ですが、ジスト星系に店が出ているようです』

「ジスト星系か...」

 

試しに行ってみる事にする。

かえって傷をえぐる結果になれば嫌だが、エリスにも買って帰ろう。

僕はシーシャにより正確な情報の取得を命じてから、次はジェネラスの元へ。

ジェネラスは、僕が来るとすぐに鍛錬を打ち切って向かって来た。

 

「食べたいものは決まったか?」

『はい、エリアス様』

 

ジェネラスは僕の前に画像を出してくる。

それは、どこからどう見てもお握りであった。

海苔すらない。

 

「これは...」

『ジェリンでございます、エリアス様。一般的に流通しているので、輸送は他より遥かに楽かと存じます』

「考えておこう」

『ありがたき幸せ』

 

ジェネラスは頭を下げて感謝を表明したのだった。

ちなみに、お握りに似てはいるものの、成分としては全くの別物だった。

植物自体の生息域はホーエンティアにあるキスカ星系。

広範的には農業星系だが、一般人でも普通に入ることができるようなので問題ないようだ。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。