【完結済み】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~   作:黴男

96 / 96
096-お姉さま?

「あっ、お姉様!」

 

そんな声が、庭園に響く。

そして、続いて、

 

「サーシャ、元気かしら?」

「はい!」

 

というエリスの声が響く。

そして、

 

『エリアス様、あれで本当に宜しかったのですか?』

「...彼女が苦しまない方法は、結局あれしかなかったように感じるな」

 

ケルビスの問いに、僕はそう答えた。

エリスと話した後、サーシャは発狂した。

なんとか自傷行為を辞めさせたのだが、結果として壊れてしまった。

エリスをお姉様と呼び慕い、楽しそうに過ごしている。

実際はエリスの方が年下なのだが...

エリスが楽しそうなので、別に構わないとする。

 

「彼女は、自分という存在が実際になかった。あらゆるしがらみが、彼女を構成する重要なパーツだったのだろう」

『そのパーツが矛盾し始めたために、狂うしかなかったというわけですね』

「そうだ」

 

いつか彼女が自我を取り戻すようなら、その時はまた彼女の育った内面が、外側を崩すサポートをしてくれるだろう。

 

「記録を拝見した限りでは、あの女は皇妃としての教育以外何も受けさせられていない。自分を作る環境が無かったのだろう」

『しかし、エリアス様に刃を向けた罪は大変重いですね...』

「そこは、将来の働きに期待しよう」

 

彼女は、エリスがしっかり教育してくれるはず。

 

「ほら、笑える?」

「こうですか!? お姉様!」

「そう。嬉しい時は、そうやって笑うのよ」

「はい!」

 

...若干不安ではあるが。

その後、彼女の副官達にも話を通したのだが、

 

「感謝します」

 

逆に感謝された。

聞けば、柵に囚われて望んでもいない復讐をし続ける皇女に、皆内心傷心していたようであり、それからどんな形であれ解放されて、自分の人生を生きることができるようになった事を喜んでいるようだ。

都合のいい人間達である。

ともあれ彼等は、惑星に降ろしメッティーラの元で餌を与えながら死ぬまで飼い殺しにする予定だ。

 

『それから、エリアス様』

「どうした?」

『もう一つ、気になる動きがございます』

「聞こう」

 

僕は席を立つ。

まだまだこの世界の流動は止まっていない。

今回の件の埋め合わせになればと信じて、僕は歩きだしたのだった。

 

 

 

「あら?」

「どうしたんですか、お姉様!?」

 

エリスは周囲を見渡す。

アロウトの庭園に面したバルコニーに、エリアスが座っていたのだが、いなくなっていることに気がついたのだ。

 

「......確か、今日は予定がなかったはずよね...」

 

予定がないのにいなくなる事は、エリアスに限っては殆どない。

記録書庫などに行っているとしても、身体は置いていくからだ。

 

「何かあったのかしら...?」

 

エリスは疑問の声を上げる。

そして、これが...新たな騒動の幕開けだという事を、彼女はまだ知らないのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

儚い系うすほそエルフになったので自由を謳歌する(作者:うすほそ~(挨拶))(オリジナル:ファンタジー/冒険・バトル)

人生に疲れていた社畜は、気がつけば異世界で儚い系うすほそエルフとなっていた。▼当然チートも持っている。▼ちょっと儚すぎること以外、何一つ不満のない状況を手に入れたのだ。▼これからは自由に生きていい、そんな幸福感に満ちながらうすほそエルフ”リリア”の新たな人生は始まった。▼しかし儚すぎる見た目のせいで、生き急いでいるようにしか見えないうすほそは、周囲に多大な心…


総合評価:1564/評価:8.5/連載:5話/更新日時:2026年08月30日(日) 12:35 小説情報

ラスボスに使い捨てられる悪役中ボスにTS転生したけど、原作キャラを観察しに行きます!(作者:恥谷きゆう)(オリジナル:ファンタジー/冒険・バトル)

普通の男子大学生だった主人公は、漫画「Souls light nobly」の悪役中ボス、ブルームに転生してしまった。▼ ブルームはラスボスに使い捨てにされて悲惨な死を迎える運命のキャラクターだ。▼ ▼ 「そんな運命を辿るくらいなら、推しの姿を観察していた方がいい!」 と奮起したブルームはラスボスの組織には入らず独自に行動する。▼ 計画通りに原作キャラを影から…


総合評価:2305/評価:7.84/連載:72話/更新日時:2026年10月16日(金) 22:43 小説情報

聖女様の『悪魔の経典 』~元おっさんが遺したクソ料理撲滅レシピ、数百年後に大バズりする~(作者:宙うし)(オリジナル:ファンタジー/コメディ)

気がつけば、元おっさんは金髪碧眼の可憐な美少女――「光の聖女」セシリアに転生していた。▼内面は枯れたおじさんのままだが、プロとして隙のない「聖女スマイル」を振りまき、今日も各地で魔物退治や浄化の仕事を鮮やかに完遂していく。▼……しかし、仕事の後に待っているのは、感謝感激した住民たちが用意する「最高級の伝統郷土料理」。▼緑色のゲロにしか見えない温かい雑草スープ…


総合評価:5892/評価:8.71/連載:14話/更新日時:2026年10月19日(月) 21:19 小説情報

ステッキを拾った。魔法少女になった(30代男性)。(作者:稲荷竜)(オリジナル:現代/冒険・バトル)

道端に落ちていた魔法のステッキを拾い上げたせいで、タイミング悪く魔法少女になってしまった30代男性。しかも闇属性。▼かわいい女の子のフリをするのは心苦しいが、戦う力があるのにまだ幼い少女たちにだけ戦わせるのはもっと心苦しい。▼そういうわけで魔法少女活動を続けることにした。……退職金でまだ暮らせるうちは。▼魔法少女活動はなんで昼が多いの? 社会人には不向きすぎ…


総合評価:5896/評価:8.83/完結:47話/更新日時:2026年09月25日(金) 11:01 小説情報

TS転生したし病弱系ヒロインになりてぇ!! なった!!!(作者:燕目)(オリジナル:ファンタジー/コメディ)

その男は病弱系ヒロインというものを愛していた。▼今際の際までそんな存在になりたいとさえ思っていた。▼そんな男がTS転生したら?なるしかないだろ病弱系ヒロイン(健康体)に……!▼※折角キリが良いところまで書けたので他の作品と同じくカクヨムにも投げてみました。▼ まあ、メインはハーメルンなため今後もこっちが先行しますし、あっちを見る意味は特にないです。


総合評価:6099/評価:8.66/完結:26話/更新日時:2026年10月19日(月) 22:43 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>