迷宮編ifルート   作:宵ノ旅人

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届かなかった言葉 #10

数日後。

四人は街道を歩いていた。

エリス ニナ ギレーヌ ルイジェルド。

誰も多くは話さない。

旅は静かだった。

魔物が現れる。

エリスが斬る。

以前より速く鋭く容赦がない。

魔物は一瞬で絶命する。

それでもエリスは剣を止めない。

何度も何度も振るう。

 

「……エリス」

 

ルイジェルドが呼ぶ。

 

「終わった」

 

「……」

 

返事はない。

剣だけが振られ続ける。

ギレーヌが静かに近づく。

 

「エリス」

 

その一言でようやく。

エリスの腕が止まる。

荒い息。

握り締められた剣。

 

「……もっと」

 

小さく。

呟く。

 

「もっと強ければ」

 

誰にも聞かせるつもりはなかった。

だが三人には聞こえていた。

ルイジェルドは何も言わない。

ギレーヌもニナも慰める言葉は掛けなかった。

掛けても意味がないと知っていたから。

 

    ◇ ◇ ◇

 

夜 

焚き火

エリスは一人。

剣を振る。

千回 二千回。

止まらない。

ルイジェルドは槍を持つ。

隣へ立つ。

無言で槍を振る。

風を裂く音だけが夜へ響いた。

しばらくしてエリスが口を開く。

 

「ルイジェルド」

 

「ああ」

 

「私」

 

剣を止めない。

 

「強くなれば」

 

「全部終わると思ってた」

 

「……」

 

「でも違った」

 

振る振る振る。

 

「どれだけ強くなっても」

 

「ルーデウスなら」

 

「もっと上手くできたって」

 

「思っちゃうのよ」

 

ルイジェルドは目を閉じた。

自分も同じだった。

あの日あと一歩早ければ。

違う未来があったのではないか。

そんな考えが何度も頭を過る。

 

「……忘れられない」

 

エリスが言う。

 

「忘れる必要はない」

 

短い返事だった。

 

「戦士は」

 

「背負って進む」

 

「……」

 

「忘れて進むものではない」

 

エリスは黙った。

剣を振る。

その速度だけが少しだけ落ちた。

街道。

やがて分かれ道へ辿り着く。

右は剣の聖地。

左は北方。

ルイジェルドは足を止めた。

 

「ここから先は」

 

「別だ」

 

エリスが頷く。

 

「ああ」

 

ニナも右の道を見る。

 

「私は剣の聖地へ戻る」

 

ギレーヌも静かに頷いた。

 

「お嬢様のお供いたします」

 

エリスは何も言わず。

剣の柄へ手を置く。

 

「ルイジェルド」

 

「ああ」

 

「ありがと」

 

短い一言。

ルイジェルドは小さく頷く。

 

「こちらこそだ」

 

少しだけ沈黙が流れる。

ルイジェルドはエリスを見る。

 

「剣を振る理由を」

 

「見失うな」

 

エリスは少し笑う。

 

「そんな器用なこと」

 

「今はできないわ」

 

「……」

 

「でも」

 

エリスは前を見る。

 

「前には進む」

 

「ルーデウスが」

 

「そうしろって言いそうだから」

 

ルイジェルドは静かに目を閉じた。

 

「ああ」

 

「それでいい」

 

ニナが一歩前へ出る。

 

「また会いましょう」

 

「ああ」

 

ギレーヌも深く頭を下げる。

 

「どうかご武運を」

 

「お前たちもな」

 

ルイジェルドは槍を握り直す。

そして三人へ背を向けた。

エリス ギレーヌ ニナ

三人は剣の聖地へ

ルイジェルドは一人北へ。

誰も振り返らなかった。

振り返れば足が止まる。

そんな気がしたから。 

 

 

 

 

 

数か月後

 

剣の聖地。

夜明け前

まだ誰も起きていない。

エリスは静かに目を開ける。

部屋の隅 使い込まれた剣

腰に差す。

数か月。

朝から晩まで剣を振った。

誰よりも強く 速く。

それでも足りない。

 

「……違う」

 

小さく呟く。

ここではルーデウスには届かない。

あいつは世界を旅した。

笑って 泣いて 苦しんで

それでも前へ進んだ。

 

「私は」

 

「ここにいていいの……?」

 

答えは出ていた。

机の上。

一枚の紙。

 

⸻

 

ギレーヌへ。

ごめんなさい。

私はもう一度、世界を旅する。

ルーデウスみたいに強くなるためじゃない。

ルーデウスが見た景色を、私も見たい。

必ずまた会う。

 

エリス

 

⸻

 

静かに部屋を出る。

誰にも気付かれない。

朝日が昇る。

エリスは剣の聖地を後にした。

 

⸻

 

昼 ギレーヌが部屋を訪れる。

 

「エリス?」

 

返事はない。

部屋は空だった。

机の上一枚の紙。

ギレーヌは黙って読む。

読み終えると目を閉じた。

 

「……エリスらしい」

 

怒りはなかった。

止めても行くだろうと知っていたから。

ニナが駆け寄る。

 

「ギレーヌさん!」

 

「エリスは!?」

 

ギレーヌは静かに紙を渡す。

ニナは目を見開く。

 

「また一人で……」

 

「ええ」

 

「追いますか?」

 

ギレーヌは首を横に振る。

 

「いいえ」

 

「ですが!」

 

「今のエリスは誰にも止められない」

 

ギレーヌは窓の外を見る。

 

「ルーデウスを失ってからずっと心だけが置いている」

 

「……」

 

「旅をしなければ前へ進めないのだろう」

 

ニナは拳を握る。

 

「……帰ってきますよね」

 

「帰ってくるさ」

 

ギレーヌは静かに答える。

 

「必ず」

 

「数年経っても戻って来なかったら、私は剣の聖地を出て

家庭教師を再開するつもりだ」

 

「そう.......」

 

⸻

 

その頃街道。

一人の赤髪の女剣士が歩く。

腰には一本の剣。

目指す場所はない。

ただ歩く。

かつて一人の少年がそうしたように冒険者ギルド。

依頼 魔物討伐 護衛

泥だらけになり、傷だらけになり。

それでも歩き続ける。

どれだけ強くなっても。

戦いの度に思う。

 

「……ルーデウスなら」

 

「もっと上手くやれた」

 

その言葉だけは消えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

⸻

一方その頃

 

エリスたちがルーデウスの家を出てほんの数日後

家にはいつもの生活が戻っていた。

――ように見えた。

朝 リーリャが朝食を作る。

アイシャが手伝う。

ノルンはまだ二階で眠っている。

パウロはリビングの椅子に座り窓の外を眺めている。

ゼニスも静かに外を見ていた。

そしてシルフィは自分の腹に手を添えていた。

本来ならもう少し早く生まれているはずだった。

予定日はとうに過ぎている。

最初は誰もそれほど心配していなかった。

だが日が過ぎても生まれる気配はない。

エリナリーゼは何度もこの家を訪れていた。

シルフィの様子を見るために。

今日もそうだった。

 

「お邪魔しますわ」

 

玄関からエリナリーゼの声がする。

 

「エリナリーゼさん」

 

リーリャが振り返る。

 

「いらっしゃいませ」

 

「シルフィは?」

 

「リビングにおります」

 

「そう」

 

エリナリーゼは靴を脱ぎ家の中へ入る。

 

「今日も顔を見に来たの?」

 

シルフィが少し笑う。

 

「ええだって」

 

エリナリーゼはシルフィの腹を見る。

 

「予定日を随分と過ぎていますもの」

 

「……そうだね」

 

「身体の具合は?」

 

「大丈夫」

 

「本当ですの?」

 

「うん」

 

シルフィは笑った。

けれどその笑顔は一年前より少しだけ弱かった。

エリナリーゼはそれに気付いていた。

ルーデウスを失ってからシルフィはずっと気丈に振る舞っている。

泣いて 悲しんで

それでも皆の前では笑おうとしている。

けれど心の奥ではずっとルーデウスの死を受け止めきれていなかった。

そしてそれは身体にも影響しているのだろう。

 

「……お医者様にも」

 

エリナリーゼが静かに言う。

 

「精神的な負担が大きかったのでしょう、と言われましたわ」

 

「……」

 

シルフィが俯く。

 

「ルーデウスが亡くなってからあなたはずっと気を張っていましたもの」

 

「……うん」

 

「だから」

 

エリナリーゼはシルフィの肩にそっと手を置く。

 

「赤ちゃんも少しだけゆっくりしているのかもしれませんわね」

 

シルフィが腹を見る。

 

「……ルディに」

 

「うん?」

 

「会えなくなったから」

 

「……」

 

「この子も寂しいのかな」

 

エリナリーゼはすぐには答えなかった。

そして優しく笑う。

 

「だったら」

 

「……」

 

「私たちが待ってあげればいいのですわ」

 

シルフィも小さく笑った。

 

「……うん」

 

その時。

 

「……っ」

 

シルフィの表情が変わった。

エリナリーゼが気付く。

 

「シルフィ?」

 

シルフィは腹を押さえる。

 

「……」

 

「どうしましたの?」

 

「……多分」

 

シルフィが息を整える。

 

「来た……かも」

 

「……」

 

エリナリーゼが固まった。

 

エリその日は突然だった。

 

「……っ」

 

「リーリャ!」

 

「はい」

 

「シルフィが!」

 

その一言で家の中が一気に動いた。

 

「アイシャ!」

 

「はい!」

 

「お湯を!」

 

「わかりました!」

 

「ノルン!」

 

返事がない。

 

「ノルン!」

 

「な、なんですか!?」

 

二階からノルンが顔を出す。

 

「始まりましたわ!」

 

「何が――」

 

ノルンがシルフィを見る。

 

「……え」

 

理解した。

 

「ええ!?」

 

「騒がない!」

 

「は、はい!」

 

パウロが立ち上がる。

 

「俺は?」

 

全員がパウロを見る。

 

「……」

 

「なんだよ」

 

エリナリーゼが扉を指差した。

 

「外へ」

 

「いや、俺も何か――」

 

「外へ」

 

「……はい」

 

パウロは家を追い出された。

 

時間が過ぎる。

パウロは玄関の前に座っていた。

 

「……」

 

何もできない。

また何もできない。

家の中から声が聞こえる。

シルフィの声 エリナリーゼ リーリャ アイシャ

時々ノルン。

 

「……ルディ」

 

俺は空を見る。

 

「お前」

 

「……」

 

「こういう時ぐらい」

 

拳を握る。

 

「いろよ……」

 

返事はない。

わかっている。

何度呼んでもルディは帰ってこない。

 

「……くそ」

 

扉を見る。

俺があそこにいるべきじゃない。

ルディだシルフィの隣にいるべきなのは俺じゃない。

 

「……」

 

俺は顔を伏せた。

 

「シルフィ」

 

エリナリーゼが手を握っている。

 

「大丈夫ですわ」

 

「……うん」

 

「もう少しです」

 

「うん……」

 

シルフィは目を閉じた。

怖い 苦しい。

でもそれ以上に頭の中に一人の男がいた。

ルディ。

 

『大丈夫だよ、シルフィ』

 

そんな声が聞こえる気がした。

 

「……ルディ」

 

「シルフィ?」

 

「ルディ……」

 

会いたい。

今一番会いたい。

 

「ルディ……!」

 

エリナリーゼがシルフィの手を強く握った。

 

「シルフィ」

 

「……」

 

「私がいますわ」

 

「……うん」

 

「リーリャも」

 

「はい」

 

「アイシャも」

 

「はい!」

 

「ノルンも」

 

「……はい」

 

みんないる。

でも一人いない。

 

「……ルディ」

 

シルフィはもう一度その名前を呼んだ。

 

そして声がした。

小さな赤ん坊の声。

 

「……」

 

誰もすぐには動かなかった。

 

「……生まれ」

 

アイシャが呟く。

 

「生まれました……?」

 

リーリャが赤ん坊を見る。

 

「……はい」

 

声が震えていた。

 

「元気な」

 

涙が落ちる。

 

「女の子です」

 

シルフィが目を開く。

 

「……女の子?」

 

「はい」

 

リーリャが赤ん坊をシルフィの近くへ。

 

「……」

 

シルフィはその子を見る。

小さい、本当に小さい。

 

「……ルディ」

 

最初に出た言葉だった。

エリナリーゼが顔を伏せる。

 

「見て……」

 

シルフィが笑う。

 

「女の子だよ……」

 

誰も答えない。

 

「ルディ……」

 

赤ん坊を見る。

 

「僕たちの……」

 

声が震える。

 

「赤ちゃん……」

 

涙が落ちた。

 

「……見てよ」

 

一滴。

 

「ねえ……」

 

また。

 

「ルディ……」

 

シルフィは赤ん坊を大切に抱いた。

 

「一番……」

 

「……」

 

「一番見せたかったのに……」

 

エリナリーゼがシルフィの肩に手を置く。

 

「……シルフィ」

 

「ルディに……」

 

泣く。

 

「抱いてほしかった……」

 

「……」

 

「名前も……」

 

「……」

 

「一緒に……」

 

声が出なくなる。

赤ん坊が泣いている。

シルフィも泣いている。

 

「ルディ……」

 

その部屋に父親だけがいなかった。

しばらくしてパウロが呼ばれた。

 

「……入ってください」

 

リーリャだった。

 

「ああ」

 

立ち上がる。

足が震えていた。

部屋に入る。

シルフィがいる。

その腕に赤ん坊。

 

「……」

 

俺は動けなかった。

 

「お義父様」

 

シルフィが俺を見る。

 

「……女の子です」

 

「……そうか」

 

「はい」

 

「……」

 

「元気です」

 

「……そうか」

 

それしか言えない。

赤ん坊を見る。

小さい。

 

「……ルディの」

 

「ああ」

 

シルフィが赤ん坊を見る。

 

「ルディの子です」

 

胸が痛い。

 

「……抱きますか?」

 

「俺が?」

 

「はい」

 

「……」

 

怖かった。

俺が触っていいのか。

ルディを死なせた。

俺がルディの子供を。

 

「……いや」

 

「お義父様」

 

「俺は」

 

「抱いてください」

 

シルフィが俺を見る。

 

「……」

 

「この子の」

 

声が少し震える。

 

「お爺ちゃんなんですから」

 

「……」

 

俺は何も言えなかった。

ゆっくり腕を伸ばす。

赤ん坊を受け取る。

 

「……」

 

軽い。

温かい。

生きている。

 

「……ルディ」

 

顔を見る。

 

「お前の子だぞ」

 

赤ん坊は目を閉じている。

 

「……見ろよ」

 

声が震えた。

 

「お前……」

 

「……」

 

「父親になったんだぞ……」

 

涙が赤ん坊に落ちそうになる。

顔を背ける。

 

「なのに……」

 

拳は握れない。

腕の中に孫がいる。

 

「なんで……」

 

「……」

 

「なんでいねえんだよ……」

 

シルフィが泣いていた。

リーリャもエリナリーゼもアイシャもノルンも。

 

「……ルディ」

 

俺は赤ん坊を抱いた。

 

「俺じゃねえだろ……」

 

「……」

 

「最初に抱くのは……」

 

父親だこの子の父親。

 

「……お前だろ」

 

返事はなかった。

 

⸻

 

夕方。

リビング。

テーブルの上。

アクアハーティア。

そしてシルフィの腕の中に赤ん坊。

全員が集まっていた。

ゼニスも赤ん坊を見ている。

 

「……名前」

 

ノルンが小さく聞いた。

 

「決めてるんですか?」

 

「うん」

 

シルフィが答える。

 

「……」

 

一瞬言葉が止まる。

 

「私が考えてた名前」

 

赤ん坊を見る。

 

「ルーシー」

 

「……ルーシー」

 

アイシャが名前を呼ぶ。

 

「ルーシー・グレイラット」

 

シルフィが笑った。

 

「うん」

 

「……いい名前です」

 

「ありがとう」

 

ノルンがルーシーを見る。

 

「……お兄さん」

 

小さく呟いた。

 

「お兄さんの……子供」

 

「うん」

 

ノルンの目から涙が落ちた。

 

「……私」

 

シルフィを見る。

 

「この子を守ります」

 

「ノルン?」

 

「絶対に」

 

拳を握る。

 

「お兄さんが……」

 

箱を見る。

 

「守れない分まで」

 

「……」

 

「私が」

 

「ノルン」

 

シルフィが静かに呼ぶ。

 

「無理しなくていいよ」

 

「でも!」

 

「ルディは」

 

シルフィがルーシーを見る。

 

「ノルンにも」

 

「……」

 

「幸せになってほしいと思うから」

 

ノルンが黙った。

 

「だから」

 

「……」

 

「一緒に」

 

シルフィが少しだけ笑う。

 

「この子を見てて」

 

「……はい」

 

ノルンは泣きながら頷いた。

 

⸻

 

夜。

全員が眠った後。

シルフィは一人リビングにいた。

ルーシーを抱いて。

 

「……ルディ」

 

小さな声。

 

「生まれたよ」

 

返事はない。

 

「女の子」

 

ルーシーを見る。

 

「かわいいでしょ?」

 

「……」

 

「僕に似てるかな」

 

少し笑う。

 

「それとも」

 

箱を見る。

 

「ルディかな」

 

静かだった。

 

「……抱きたかったよね」

 

涙が落ちる。

 

「ごめんね」

 

「……」

 

「見せてあげられなくて」

 

ルーシーが小さく動いた。

 

「……ルーシー」

 

シルフィがその名前を呼ぶ。

 

「あなたのお父さんはね」

 

「……」

 

「すごい人なんだよ」

 

「ちょっと変で」

 

「……」

 

「すぐ変なこと考えて」

 

少し笑う。

 

「でも」

 

声が震える。

 

「すごく優しくて」

 

「……」

 

「僕を助けてくれた」

 

涙が止まらない。

 

「僕の」

 

「……」

 

「大好きな人」

 

ルーシーは眠っている。

 

「……いつか」

 

シルフィがルーシーの頭を優しく撫でる。

 

「いっぱい話してあげるね」

 

「……」

 

「ルディのこと」

 

箱を見る。

 

「あなたのお父さんのこと」

 

「……」

 

「だから」

 

シルフィは涙を拭いた。

 

「安心してね」

 

誰に言ったのか。

ルーシーかルーデウスか自分でもわからなかった。

ただその日。

ルーデウス・グレイラットの娘。

ルーシー・グレイラットが生まれた。

父親はいなかった。

けれどその家には父親を覚えている人がたくさんいた。

ルーデウスの物語は終わった。

それでも彼が残したものは確かに生きていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      だが、ここからまた地獄が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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