それじゃもう一度ね。
私の名前は御剣(ミツルギ)ステイシー、ここキヴォトスで3年間たった1人のスパイダーガール
後はもう知ってるでしょ?
スケバンを倒し、顔にドローンが当たる、ヘルメット団を倒し、スイング中に鳩とぶつかるって、え?違う?いやいや!この台本通りに………変更?コレにするって?
いや映像があるならそれにすればこんなの取らなくてもって待って私知らないんだけど?
待って待って!知らない内に作られた映像とか嫌なんですけど!?
「ねぇねぇ、大人しく財布渡してくれればこんな目には合わないんだよ」
また、か……此処ってこんな治安悪かったかなぁ
「そうそういや〜ここは先輩からの洗礼代って事でヨロ〜」
「い、いや、その……」
「良いから早く寄越せ!」
あぅ、痛い…撃たれた場所がジンジンと痛む。もうここは諦めるしかないのか、な
?、なんか足音が?
「君達!ヴァルキューレを呼ぶぞ!!」
「なっ!?チッ!おい早く行くぞ!!」
そんな声一つで目の前のスケバン達は蜘蛛の子を散らす様に逃げていった。
そう、いえばこの機械音声は……
「全く、キリがないな…ほら立てるか?」
「ベ、ベンさん……ありがとう」
ロボットの1228-Ben、つまりベンさんだ。
そしてこの人に助けてもらったのは初めてじゃない。
まあ、多いって程じゃない
週に3〜4回程…うん、それぐらい。
「しかしよく狙われるな…そろそろガツンと何かしないとヤバいぞ?」
「それは、そうだけど……ウガー!ってやってみるとか?」
「子犬が吠えてる程度だな」
「うぬぬ………早く強くなりたい」
「あのミレニアムにいい成績で合格通知を貰える頭脳があっても戦闘は中等部相応だな」
強くなりたい、私が強ければこんな事にならずにベンさんにも迷惑を掛けなくて済む。
いくらロボットだからって私達ほど強い訳でもない。
ベンさんは至って普通のロボット市民なのに……
「喧嘩が強くなるのもいいが、心も強くならないとな」
「と、いうと?」
「そうだなー、軽口を叩くとかどうだ?お前なんかお茶の子さいさいだぜ!って感じ」
うん、分からない…その後も『軽口を叩くならそれ相応のボキャブラリーが必須だからな!』って事でなんか漫画やDVDなどをオススメされた。
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さて、さっきの痛みも引いてきたし趣味の時間と行きましょうか!
って事で色々と良さそうな場所をウロウロとしている。
私の2つある趣味の一つ、それは都市の風景を撮る事である。
自然や空を撮る人もいるだろうが私はビル群だったり路地などの人工物に囲まれた風景の一部を撮るのが好きなのだ。
自然や動物や人を撮るのも嫌ではないのだが……なんというか何気ない風景をこうやって記録に残すってのがエモいと感じる。
……まあこんな事言っときながらカメラが買えてなくてスマホなのは許して欲しい。
はぁ………カメラ欲しいな。
最近もう一つの趣味の方で出費しちゃったからな。
あ、此処良いかも…ビルとビルの間、あまり人の往来がないのかビルの隙間を縫って太陽に照らされる場所には花が咲いていた。
あんまり木とか花と一緒には撮らないけど…なんかエモいと感じた私は丁度いい場所を探しながらスマホを構えた。
この時、私は気づかなかった。
私の運命を大きく変える小さな存在が私の靴から登っていってることを…
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「………やはり上手くいなかい、か」
「そういうこった!」
そんな2つの声を出す異形の存在。
コートを纏い近くにはステッキが置いてあり、その手には後ろ向きのシルクハットを被った男性の写真を持っていた。
そして彼の前には机に並べられた様々な器具や装置が置かれてある。
「他の生物ではテクスチャを付与出来ない……それはそうなのだが、では何故蜘蛛に反応したのか……」
そして彼らが悩ませているもの、それは沢山の蜘蛛達だった。
しかも、ただ蜘蛛では意味がなかった。
色々な蜘蛛達からテクスチャに反応する特殊な蜘蛛達を作り出していた。
素早い動きと鋭敏なセンサーのような感覚を持つ蜘蛛
己よりも大きなものを運べる蜘蛛
そして生体電気を放つ蜘蛛
それらを全て兼ね備えたまさにスーパースパイダーと言うべき種を作り出した。
が…作ったはいいもの…特にコレといった進展は無い。
「テクスチャの研究が進んだことには変わりありませんしそれはそれでよしとしましょう」
「そういうこった!……?」
「どうしました?………1匹逃げ出してますね」
まあ、なんて事はないでしょう
歪めているとはいえ品種改良した蜘蛛、自然界では生きていけないでしょう。
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うん、ここもなんか良い。
もうすぐ夕暮れの明かりすらも通さない路地を少し汚れた自販機だけが照らす場所
よく見れば所々に空薬莢が落ちているこの場所は想像力を掻き立てる。
そこに誰がいて、何が起きて、コレがあるのか…ストーリー性を感じる此処はすぐにスマホを構え写真を撮ろうとした。
しかし、構えた手に何かがいるのを感じスマホの画面から右手に目を向けると
「ひっ!?クモ!?」
そして、そのクモは私がびっくりして思わずスマホのシャッターボタンを押したのと同時に手を噛んだ。
「いっったぁ!?」
想像以上の痛みに思わず噛まれた手を振り払いクモはどっかに飛んで行った。
いや想定外のことが起きてると一周回って冷静になるよね…………
「最悪、いった……え、血出てる」
え?いや、幾ら弱い私でもクモ程度で血?
………え、あのクモそこら辺のライフルより強い?
…………………やめやめ、うん、深く考えない。
「帰ろ」
なんだか疲れてきた。
微妙に眠いし………バスで帰ろうかな、少し寝れるし….うん一石二鳥。
確かすぐ近くにバス停が、あったあった
えっと、30分後ね
それじゃベンチに座って、少しだけ目を瞑る。
うん寝るわけじゃないただ………少し、めを…………………
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「アイツ寝てるのか?」
うん?なんか聞こえる?
「みたいだな……今ならワンチャンいけるんじゃね?」
ヘルメットの不良に盗まれる夢?……にしてはリアルな気がs
「そーっと、へへっ財布頂き〜」
さいふ……財布っ!?それは駄目!!!
見えてないのに、まるでそこに手があると認識して私は盗もうとした腕をつかんだ。
「なっ!?コイツ起きてやがった!」
え、なんで私腕を掴めたの?……あ、あれ?なんか心の声大きくない?
「テメー!は、離せ!」
「え、あ、ちょ手がなんかくっ付いて」
何これ!?え、接着剤でも付いてるの!?
ってくっつくな、離れ、離れて!!!
「ギャン!?」
よし!離れた!あ、勢いよく後ろに倒れてる………え?そんな後ろに倒れるくらい引っ張ってたら私ズルズルと引き摺られてるはずなんだけど………
「コイツ!よくもあたしの仲間を!」
や、やばい!?撃たれる!?
右頬、左肩、お腹、左腕、左足!!!
「ハァ!?避けた!?」
え、避けた?私が!?この至近距離のアサルトライフルを!?
なんで……ん?…っ!!今このタイミング!
すかさすベイビー ハンマーレスを眉間に3発狙い撃つ。
「イデッ!イッ、かっ………」
よ、良かった気絶してくれた…え?当てれた?私が?反動もほぼ無くて1番銃も銃弾も安いこの銃ですらゴミエイムなのに?
あ、引っ張って倒れたあの人立ち上がって次右足から頭にかけてフルオートで撃とうとしてくる。
今なら、このタイミングでここを狙えば……
質問する時に手を挙げる様に、箸で食べ物を掴む様に
直感のままただ軽く構えて、トリガーを引く
目の前にいるヘルメットを被った不良の銃口に小さな弾丸が入っていく
「うわっ!?えっ、嘘でしょ!?………くっこんのっ!覚えてろよ!!!」
いやいや、狙えちゃったよ。
なんでこんな事できる様になってるの!?
いやもう私が逃げたいくらいなんだけど!?
……っ!?めっちゃ視線感じる。
見渡すといつのまにか他の生徒や市民達が見ていた。
「あ、あははは…………その、えっと……それじゃ!」
とてもじゃないけどその視線に耐えられなくなり私はバス停から走り去っていく。