声楽学園日記~女体化魔法少女の僕が劣等生男子の才能を開花させ、成り上がらせたら素敵な旦那様に!~   作:卯月らいな

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男の決闘

<エリーゼになったエリック視点>

 

決闘は当然と言うべきか、実力差がありすぎるというべきか、ショパン有利のワンサイドゲームで進んでいた。

 

ショパンは衝撃波の魔法を唱える。

 

アキラは魔法で吹き飛ばされ、樹木にたたきつけられる。

 

「いてっ!」

 

「アキラ!もうやめて!私が我慢すればいいことだから!」

 

まるで、ヒロインみたいなことを僕は言っているな。

 

本当は男なのに変な気分だ。

 

くそっ。こんなとき、こんなとき男声魔法を使えれば……!

 

エリックとしての身体を自在に操ればアキラを助けることができるのに。

 

女の身になったばかりに歯がゆい思いをするばかりだ。

 

アキラは立ち上がる。

 

「まだ、戦う気か。勝負はもうついているだろう」

 

ショパンはあきれた口調で言った。

 

「まだだ、エリーゼに謝るまで許さない」

 

「また、かまいたちか!そんな初級魔法が通じるとでも思ったか」

 

アキラは再び吹き飛ばされる。

 

彼はぶつぶつ独り言をいうので耳を傾ける。

 

「くそっ。普通の歌い方じゃ結果は同じだ。ビブラートを利かせるくらいじゃだめらしい。なにか他にいい歌い方があれば……」

 

「アキラとやら。義理人情というものが好きらしいが、精神論じゃ実力の差を埋められないぞ。貴様と俺との実力差は天と地ほどある」

 

「義理人情、義理人情か。なるほど、浪花節ね、そうだ!」

 

何かを思いついたようで、前に出て魔法の詠唱をはじめる。

 

「何をする気かは知らんが、かまいたちくらい衝撃波で迎え撃ってくれる!」

 

アキラは微妙に声のトーンを絶妙に変化させる。

 

なんだこれは。

 

聞いたことのない歌い方、ビブラートと似ているがちょっと違う。

 

アキラは魔法を詠唱を終え、ショパンに風の刃は立ち向かう。

 

「こんなもの、かき消してやる!」

 

だが、そのとき、風の向きに変化が訪れる。

 

「な、なに!?風の向きが……曲がるっ!」

 

風は別方向からショパンにおそいかかり、その制服を切り刻む。

 

「こぶしをきかせたんだ。演歌は俺の専門ではないが、空真似くらいはできる」

 

ショパンの制服、特にズボンが切り刻まれ、お尻からはトランクスが見えている。

 

観衆は、その情けない姿に指さし、笑いを差し向ける。

 

「くっ……!この俺を侮辱したな!こうなれば火炎魔法で焼き尽くしてやる」

 

アドバンスドファイアーの呪文をショパンは唱える。

 

アキラは、いや、アキラじゃなくても魔法防具を身に着けていない生身の人間が食らったらただではすまない強力な魔法だ。

 

シールド魔法も効いてないし場合によっては死んでしまうかもしれない。

 

「そこまでだっ!」

 

教頭先生が仲裁に入る。

 

「お互い、一矢報いたところで決闘は終わりだ。これ以上やると、お互いボロボロになってしまい学業に影響が出ることだろう」

 

「ちいっ」とショパンは顔を背ける。

 

「二人とも1日学食抜きとする!それでいいな!」

 

反抗すればさらなる罰が待っている。

 

ショパンも受け入れざるを得ない様子だった。

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