超かぐや姫×デジモン   作:ビクトリーグレイモンはカッコいいよね

1 / 3
小4の春、高1の夏

 戦いは終わった。

 選ばれし子供たちとそのパートナーの力と絆の前に世界を滅ぼさんとする巨悪は脆くも崩れ去った。

 

 出会ったばかりは良い関係とは言い難かった。

 喧嘩ばっかりだった。

 でも不思議と馬があって。

 力を合わせて。

 障害を乗り越えて。

 その内に友達になっていた。

 一緒なら何だって出来た。

 どんな困難にも立ち向かえた。

 どれほど強大な敵でも打ち破れた。

 隣にいるだけで勇気が湧いてきた。

 最後には世界の危機だって救ってみせた。

 

 辛いことは半分に。

 嬉しいことは倍に。

 いつしか、かけがえのない相棒(パートナー)になっていた。

 

「今までありがとう。みんなのおかげで現実世界を守れた」

「こちらこそ! みんなのおかげでデジタルワールドを救えた」

 

「わたしたちのこと忘れないでね?」

「忘れないよ、忘れられないよ…!」

 

「離ればなれになっても、心はずっと一緒だよ!」

「そんなの、当たり前でしょ!」

 

「それじゃ、またな!」

「うん……うん、いつかまた!」

 

 別れの言葉を交わしあい、いつかの再会を約束する。

 そのときパートナーに胸を張って会える自分であろうと誓って。

 名残惜しくとも、別々の方向へと歩き出す。

 子供たちは現実現実世界(リアルワールド)に。

 デジモンたちは電脳世界(デジタルワールド)に。

 

 そうして各々の家に帰り、一人ぼっちになった部屋の中。

 右手に握った玩具にも似た小さな機械に、

 もう何も宿っていないことを理解して。

 

「う、ぁ」

「ぅぁ……っ、ぁああ……!」

「う、あ、ぁあっ、……っうぁぁぁあ…!」

 

 今だけはと言い聞かせながら子供たちは離別に涙した。

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、時は流れて二十年後……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 キーンコーンカーンコーン。

 放課後を告げるチャイムが学舎に響く。

 一年生のある教室には切実な声が響く。

 

「お願いします……!」

「へ……?」

 

 

では、ありません。

 

 

「お願い、します……!!」

「いやあのそのぉ……?」

 

 その中心は一組の少年少女。

 懇願が少年から、困惑が少女から出た。

 周囲のクラスメイトからは好奇の目八割、呆れが二割の視線が集中する。

 

 

なら十年後? いえいえ、そこまででは。

 

 

「お願いします…!!」

「い、いったい…何を…?」

 

 少女は自分の席でテキパキ帰り支度の真っ最中。

 少年は足元で頭を擦り付ける土下座の真っ最中。

 

 

ほんの数年後、かつての選ばれし子供たちの一人だった少年が高校生になり。

中間テストと衣替えが終わった6月半ばからこのお話は、はじまります。

 

 

「俺に…俺に、勉強を教えてください!!!」

 

 

 アルバイトと僅かな仕送りで学費や生活費を賄う苦学生にして文武両道・品行方正・才色兼備。

 少女は押しも押されぬ超優等生!

 名をば酒寄彩葉(さかよりいろは)となむいいける。

 

 授業態度真面目・学習意欲高め、されどすこぶる成績不振にして出席日数不足ギリ一歩手前。

 少年は押しも押されぬ超劣等生!

 名をば白雪六花(しらゆきりつか)となむいいける。

 

 

それでは、はじまりはじまり~☆

 

 

 

 

 

 

Q.そのザマでホントに相棒に胸を張れんの???

A.うるせぇこっちは必死なんだ黙ってろ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。