Project SEKAI Meets Gen Hoshino 作:超気まぐれ星人
シブヤへ戻ってきた主人公、海斗。
そんな彼と出会った志歩は、どこか複雑な胸中だった……
志歩は一言「許さないから」と言ってその場を猛スピードで駆けていってしまった。
追いかけてこないでとも言えるようなスピードに、俺はただ立ち尽くすことしかできなかった。
「……志歩……」
志歩の遠ざかっていく背中を見て、そんな、掠れた声しか出なかった。
「あの……!大丈夫、ですか……?」
志歩の見えなくなった影をいつまでも追いかけ続けていた俺は、背後から誰かに声をかけられた。
声のした方を振り向くと、そこには茶髪に可愛らしい花形のヘアピンをつけた少女が立っていた。
服装を見る感じ志歩と同じ学校の生徒さんなんだろう。
「……あぁいや、ちょっと……昔の友達と揉めちゃって……」
「そうだったんですね……」
「えぇ……すみませんねご心配おかけして……」
「いえいえ!でも……その……涙が……」
「……え……?」
目の前の少女の言葉に思わず目を拭ってみれば、確かにそこに涙があった。
「あっ……な、なんで……?なんで、だろう……」
別に泣くような言葉を受け取った訳でも、そんな行為をされたわけでもない。
でもなぜか、なぜか涙は止まらなかった。
「あっ、あの……もしよかったら……」
そう言って、目の前の少女は俺にハンカチを差し出してくれる。
「……ありがとう……」
そのハンカチを受け取って、俺はひたすら涙を拭う。
俺が涙を拭う間少女はただ何も言わず、じっと俺を見ていた。
その目線は純粋な心配とは別に、何か言葉に表せないような感情が混じっているようにも見えた。
「……ごめん、ありがとう……ハンカチ、洗って返したらいいかな……?」
「あっ、だ、大丈夫ですよ!気にしないでください!」
「そ、そう……?」
「でも……もしよかったらお話、聞いてもいいですか?」
「……そうだね、せっかくなら……聞いてくれますか?」
俺はそう言って、ギターを置いていた場所に女の子を座らせてその隣に腰掛ける。
「……どこから、話そうかな……」
そして俺は、ゆっくりと話をし始めた。
昔、とっても仲の良かった幼馴染たちがいたこと。
その幼馴染たちに別れを言えないままシブヤを去ってしまった事。
さっき泣いていたのは、その幼馴染の1人に突き放されたことで空虚感に襲われたということ。
そんな俺の話を、目の前の少女はただ黙って聞いていた。
「……俺だって何も言えずにシブヤを去ってしまったことに対する負い目は感じているし、すぐにごめんって言えなかったのは俺の悪いところだと思ってる……だからこそ、その子に突き放されたのがすっごく心に突き刺さって……ごめんね、初対面なのにこんな重い話して……」
「いえいえ、大丈夫です!むしろ私の方こそ、こんなお話しさせてすみません……!」
「……ううん、大丈夫。むしろ俺こそ話せて気持ちがスッキリしたっていうかなんていうか……」
「……」
「……」
「「あははっ」」
「「あっ……」」
俺は目の前の少女とほぼほぼ同じような発言をしたことに対しての笑みが溢れたのだが、目の前の少女も同じことを思ったのか、俺とほとんど同じタイミングで笑ったのだ。
「ご、ごめんね!ほとんど同じこと言ってるよねって思っちゃったからさ……!」
「私も一緒です……!お兄さんと同じようなこと言っちゃったなぁって思って……!」
「……なんか、俺らって似た者同士なのかもね……」
「そ、そうかもしれませんね……!」
そう言って俺らは再びお互いを見つめて笑い合った。
俺がひたすら、溢れ続けていた涙を拭っていた時に感じた『言葉にできない何か』が、その時にはスッと消えていたような感じもした。
「……ところでお名前を聞いてなかったけど、聞いてもいいかな……?」
「……あっ、お名前を言う前にこんなお話ししちゃってましたね……!すみません……」
「いやいや俺もだよ……付き合ってくれてありがとうね……」
「こちらこそです……!」
「じゃあ、俺から……大宮海斗、高校2年生です。よろしく……」
「は、花里みのりです!高校1年生です!よろしくお願いします!」
「1個下、かぁ……幼馴染の子達と同い年だね……」
「そ、そうだったんですね!もしかしたら幼馴染さんって同じクラスの子だったのかな……」
「そうかもね……同じクラスの子だとしてもしなくても、仲良くしてほしいな……」
「同じクラスじゃなかったとしても、ですか……」
みのりちゃんはそう言うと胸に手を当て、静かに目を閉じた。
「……すっごく優しいんですね、海斗さんって……」
「そ、そうかな……?そうでもないと思うけど……」
「そんなことないです!すっごく優しくて、かっこよく感じました!!」
「そ、そう……?あ、ありがと……」
普段から心がけている気遣いを大きな声で褒められて、俺は少し恥ずかしくなってしまった。
「……あ、ごめんね?きっと他の予定とかあっただろうに……」
「いえいえ!海斗さんとお話しできたの、どこか嬉しかったです!」
「そっか、ありがとうね……」
それから俺はみのりちゃんと連絡先を交換しあってから別れた。
初めて会う子だったけど、すごく元気で前向きで……
……俺も、あんなポジティブさが欲しかったなぁ……
アンロック:みのりとの交流
いきなり分量多くなってしまった……
次回からこの文量が減るのか増えるのかはわかりませんが、次回もお楽しみに……