西暦2308年――プトレマイオス・ブリーフィングルーム
上映会。
そう呼ぶには少し人数が多かった。
プトレマイオスのクルーに加え、チーム・トリニティ。そして《ソレスタルビーイング》号からはリボンズ、リジェネ、ヒリング、リヴァイヴ、ブリング、ディヴァイン。
当然のように天城ミライもいる。
「では」
ミライが妙に真剣な顔で言った。
「始めましょう」
レイナスが椅子へ腰を下ろす。
「なんでお前が仕切ってるんだ?」
「映画を見るからです」
「理由になってないな」
「文化作品の鑑賞環境は重要です」
隣でクリスティナが頷いている。
「そうそう」
「もう仲間がいるのが面倒だな……」
アーミアは二人を見ながら未来端末を操作した。
最初に映し出されたのは、以前プトレマイオスの面々にも見せた作品。
《劇場版ソレスタルビーイング》。
タイトルが出た瞬間、ロックオンが背もたれへ沈む。
「またこれか」
「今回は全部見ませんよ」
アーミアが答える。
「初めて見る人向けに、少しだけです」
「助かった」
ティエリアも小さく息を吐いた。
それに対して。
初見組の反応は違う。
「僕たちの組織が映画になったの?」
リジェネが面白そうに画面を見る。
「未来ではね」
リボンズも興味を示す。
ネーナは既に前のめりだった。
「早く見ようよ!」
◇
再生。
数十分後。
「…………」
リボンズはスクリーンを見たまま黙っていた。
やたらと派手なガンダム。
分かりやすく整理された世界情勢。
必要以上に英雄的なソレスタルビーイング。
そして。
黒いロングコートを翻しながら現れる男。
レイヴン。
『天よ! 地よ! そして、俺の魂よ!』
レイナスが目を閉じた。
「ここ飛ばしていいぞ」
「駄目です」
ミライが即答する。
『俺の生き様、その魂に刻め!』
「刻まなくていい」
『世界が俺を拒むなら――俺が世界の方を認めてやる!』
リジェネがゆっくりレイナスを見る。
「……君がモデル?」
「俺を見るな」
『超絶究極――レイヴン・バーストォォォォッ!!』
青白い光がスクリーンを埋め尽くす。
ネーナが立ち上がった。
「すっご!」
ヒリングも目を輝かせる。
「これ、本当にできるの?」
「できない」
レイナスが即答した。
アーミアが横から付け加える。
「《アニマブラスト》をものすごく脚色したものです」
「ものすごくで済むか?」
レイナスが振り返る。
ブリングが短く言った。
「強力だ」
「感心するな」
ディヴァインも続く。
「演出としては分かりやすい」
「お前まで乗るのか」
ミライはスクリーンとレイナスを何度も見比べていた。
「興味深いですね」
「何がだ?」
「実在人物を基礎にしているのに、娯楽作品として再構成した結果、ほぼ別の人格になっています」
「本人の前で分析するな」
「貴重な事例です」
「そういう問題じゃない」
以前見たプトレマイオス組は、ほとんど内容より初見組の反応を見ていた。
クリスティナだけは。
相変わらず楽しそうだった。
◇
ダイジェスト上映が終わる。
ミライは早速、何かを端末へ記録していた。
「政府主導のプロパガンダ的要素がある一方で、娯楽として成立させるため相当な脚色が入っていますね」
ティエリアが頷く。
「史実資料として見るべきものではない」
「ですが、制作された時代の人間がソレスタルビーイングをどう物語化したかという意味では非常に興味深いです」
「そこは否定しない」
リボンズが腕を組む。
「随分と都合よく整理されているものだね」
スメラギが苦笑する。
「映画だもの」
「僕が言うのも何だけど、現実はあんなに分かりやすくない」
「お前が言うと妙に説得力あるな」
ロックオンが笑った。
そこで。
クリスティナが待ってましたとばかりにアーミアを見る。
「次!」
ミライも同時に振り向く。
「《レイヴン》ですね」
二人の声が重なった。
レイナスだけが嫌そうな顔をした。
「まだやるのか」
「こっちが本命ですよ」
ミライが言う。
「誰の本命だ」
アーミアは笑いながら次のファイルを選択した。
「これは全部見ます」
レイナスがアーミアを見る。
「お前まで?」
「せっかくですから」
「嫌な予感しかしないな……」
画面が暗転する。
そして。
青白い光の中。
黒いロングコートを着た男が現れた。
タイトル。
《劇場版レイヴン》
◇
映画が始まる。
だが。
そこに最初からソレスタルビーイングはいなかった。
時代も違う。
国も違う。
一人の男だけが。
そこにいた。
レイヴン。
映画が描いていたのは、彼が歩んだとされる百年だった。
ある時代では。
独裁者の前に捕らえられた人々が並ばされていた。
兵士が銃を向ける。
その前へ。
黒いコートを着たレイヴンが一人で歩いてくる。
『跪け!』
独裁者の声。
レイヴンは止まった。
だが。
膝をつかない。
『俺を何だと思ってるんだ』
静かな声。
兵士たちが一斉に武器を構える。
レイヴンは目の前の独裁者を見る。
『悪いが――俺の膝は、未来へ歩くためにしか曲がらない』
銃声。
次の瞬間。
青白い光が走った。
ネーナが小さく声を上げる。
「かっこいい」
隣でレイナスが額を押さえる。
「俺、そんなこと言わないだろ」
アーミアはスクリーンを見たまま答えた。
「レイヴンですから」
「便利な言葉だな、それ」
アーミアの口元が少し緩んだ。
以前。
同じようなやり取りをしたことを思い出していた。
◇
時代が変わる。
レイヴンはまだ歩いている。
戦争。
革命。
崩壊した都市。
宇宙開発。
何十年という時間が、映画の中で次々に過ぎていった。
周囲の人間は変わる。
街も変わる。
兵器も変わる。
それでも。
レイヴンだけはほとんど姿を変えない。
リボンズの表情が僅かに変わる。
「なるほど」
レイナスが横を見る。
「何だ?」
「未来の人間から見れば、君の変わらなさはこういう物語になるわけだ」
「本人としては何も面白くないけどな」
映画の中では。
数十年後。
巨大なモビルスーツが街を見下ろしていた。
その前に。
生身のレイヴンが立つ。
ヒリングが目を丸くする。
「乗らないの?」
「俺もそう思う」
レイナスが答えた。
スクリーンの中で、巨大MSが腕を振り上げる。
レイヴンの拳へ青白い光が集まる。
『神に祈るためじゃない』
拳。
装甲へ叩き込まれる。
『人が空を見上げるのは――』
亀裂。
巨大な装甲が砕ける。
『いつか、そこへ辿り着くためだ!』
拳が装甲を貫いた。
爆発。
ネーナが勢いよくレイナスを見る。
「できる?」
「そこだけなら、まあ」
食堂ではないのに。
その場が静かになった。
レイナスが周囲を見る。
「何だよ」
ロックオンが笑う。
「映画の方が盛ってると思ったら、急に本当にできるのが混じるんだよな」
「俺に言われても困る」
ミライは真剣な顔で記録を追加している。
「虚構と事実の境界が非常に分かりにくいですね」
「だから俺で研究するなって」
◇
映画の中の時間はさらに進む。
長い放浪の末。
レイヴンは一人の少年と出会った。
マイケル・チャン。
後に劇場版《ソレスタルビーイング》でも中心人物として描かれる少年。
戦場で。
マイケルが叫ぶ。
『どうして俺たちを助ける!?』
レイヴンは振り返らない。
『理由が必要か?』
『何?』
黒いコートが風に揺れる。
『俺には、それで十分だ』
レイナスが少し黙った。
クリスティナが横を見る。
「今のは?」
「……何だ」
「ちょっと本人っぽかった」
「知らん」
フェルトも小さく頷く。
「さっきまでよりは」
「比較対象がおかしいだろ」
だが。
アーミアは何も言わなかった。
映画のレイヴンと。
自分が知るレイナス。
まったく同じではない。
むしろ大部分は違う。
それでも。
時折。
こうして妙に重なる。
だから。
好きだった。
十七歳の自分は。
このスクリーンの中の男を。
◇
やがて映画は終盤へ入る。
世界を狙う巨大兵器。
マイケルたちは別の戦場へ向かい。
止められる者は。
一人しか残っていない。
宇宙。
巨大兵器の前。
レイヴンが一人で浮かんでいる。
敵の大軍が展開した。
敵司令官の声が響く。
『貴様一人で何ができる!』
レイヴンは黙って。
黒いコートを脱いだ。
青白い光が。
全身を包む。
『一人?』
口元が笑う。
『たった一人分だと思うな』
光が広がった。
『俺が背負ってきた百年を――』
アーミアの目が。
僅かに輝いた。
知っている。
何度も見た。
台詞まで覚えていた場面。
巨大兵器の主砲が放たれる。
光がレイヴンを飲み込む。
だが。
押し返す。
真正面から。
『重いな……』
レイナスがスクリーンを見ながら呟いた。
「そこで受ける必要ないだろ」
アーミアが即座に言う。
「そこがいいんです」
「避けた方が早い」
「映画なんです!」
「分かってるって」
スクリーンでは、レイヴンが笑った。
『だが――百年分の後悔よりは軽い!』
青白い光が。
巨大な翼のように広がる。
レイナスの眉が動いた。
「……そんな使い方はできんぞ」
ミライがすぐに聞く。
「不可能?」
「少なくとも俺は知らない」
「記録しておきます」
「映画に技術検証を入れるな」
レイヴンが主砲を押し返す。
そのまま。
巨大兵器へ突っ込んでいく。
『運命だろうが!』
一撃。
『宿命だろうが!』
二撃。
装甲が吹き飛ぶ。
そして。
中枢。
『俺の前に立つなら――』
拳に。
青白い光が集まる。
『まとめて道を開けろォォォッ!!』
直撃。
巨大兵器が。
内側から崩壊した。
ネーナが立ち上がる。
「すっごーい!」
ヒリングも思わず身を乗り出している。
「これ映画館で見たらすごそう!」
その言葉に。
アーミアが反応した。
「すごかったですよ」
全員が見る。
「……何ですか?」
クリスティナが笑う。
「経験者」
「何回見たの?」
「数えてません」
「それ絶対かなり見てる人の答えよ」
「覚えてません」
レイナスが横から言う。
「前にも同じ逃げ方してなかったか?」
アーミアは聞こえなかったことにした。
◇
スクリーンの中。
巨大兵器が爆発する。
青白い光の中から。
レイヴンが一人で飛び出した。
地球を背に。
その姿が映る。
『終わったな』
マイケルが通信越しに叫ぶ。
『レイヴン! お前が世界を救ったんだ!』
レイヴンは少しだけ笑った。
『俺が世界を救ったんじゃない』
一拍。
『世界が――まだ終わりたくないと言っただけだ』
レイナスが黙る。
リボンズも。
今度は何も茶化さなかった。
映画の中の英雄論。
事実ではない。
誇張も多い。
それでも。
その言葉だけは。
この場にいる者たちに少し違って聞こえた。
地球へ帰還したレイヴンは。
再び一人で歩き始める。
『どこへ行くんだ、レイヴン!』
マイケルが背中へ叫ぶ。
『また戦うのか!?』
レイヴンは立ち止まらない。
『さあな』
夕陽。
長く伸びる影。
『だが――誰かが助けを求めるなら、俺の休暇はまた延期だ』
レイナスの眉が上がった。
「そこは正しい」
スメラギが吹き出した。
「そこ?」
「休める時に休みたいのは普通だろ」
「映画一本見て、そこに一番共感するのね」
「むしろ重要だろ」
暗転。
《劇場版レイヴン》
――完。
エンドロールが流れ始めた。
◇
「……」
ミライはしばらく何も言わなかった。
珍しい。
クリスティナが顔を覗き込む。
「どうだった?」
「非常に良かったです」
即答だった。
レイナスが嫌そうに見る。
「また一人増えたか」
「作品としてですよ」
「その前置き、アーミアも昔してた気がするな」
アーミアが視線を逸らす。
ミライは興奮を隠しきれない様子で続けた。
「一人の実在人物を百年という時間軸で神話化しながら、最終的には劇場版ソレスタルビーイングへ接続する構造が綺麗です。特に――」
「待て」
「何でしょう?」
「感想文は短めに頼む」
「まだ導入です」
「嫌な予感しかしないな」
リジェネが笑った。
リボンズも少しだけ口元を上げる。
「君は未来で随分と大げさな英雄になっているんだね」
「俺の意思じゃない」
「でも、一部は実際にやっている」
「そこを拾うな」
◇
エンドロールが終わる。
画面が暗くなった。
何人かが席を立とうとする。
アーミアだけは。
動かなかった。
「まだあります」
その一言で。
レイナスが嫌そうに振り返る。
「……何だ?」
暗闇。
巨大な木星が映った。
レイナスの顔から表情が消える。
「おい」
木星の影。
一つ。
二つ。
銀色の物体が現れる。
それは。
ゆっくりと動いていた。
ティエリアが目を細める。
刹那の視線も変わった。
今の彼らには。
その銀色が何を意味するのか分かる。
アーミアの右手にいる存在。
ELS。
だが。
この映画が作られた時。
観客はまだ。
それを知らなかった。
スクリーンに。
宇宙船の窓から木星を見つめるレイヴン。
『フッ――』
不敵な笑み。
『次の戦場は木星か』
レイナスが額を押さえた。
「未来の俺、嫌な予感しかしなかっただろうな」
アーミアが小さく笑う。
「当時の先生も似たようなことを言ってましたよ」
そして。
タイトル。
【レイヴン2】
To be continued.
ネーナが声を上げる。
「続くの!?」
「続く予定でした」
アーミアが答えた。
「予定?」
アレルヤが聞く。
アーミアはスクリーンを見る。
「この映画が公開されてから三か月後」
少しだけ間を置く。
「本当に、木星からELSが来ました」
室内が静かになった。
映画の中では。
ただの次回作への布石だった。
銀色の未知の敵。
だが。
現実が。
映画へ追いついた。
アーミアは自分の右手を見る。
「私は、この映画を見た日の数時間後にELSと遭遇しました」
ネーナが隣からアーミアを見る。
いつもの勢いはなかった。
その手が。
少しだけアーミアの袖を掴む。
アーミアは何も言わず。
そのままにした。
レイナスも。
今度は映画のレイヴンへ何も文句を言わなかった。
◇
少し時間を置いて。
クリスティナが空気を変えるように声を出した。
「じゃあ」
アーミアを見る。
「《レイヴン2》は?」
「ありません」
「え?」
「少なくとも、そのタイトルでは作られていません」
ミライが反応する。
「中止?」
「企画が変わりました」
レイナスが顔を上げる。
「何に?」
アーミアは答えず。
未来端末を操作した。
映像フォルダ。
作品一覧。
スクロール。
その指が。
一つのファイルで止まる。
アーミアだけが。
そのタイトルを知っていた。
レイナスはまだ知らない。
スメラギも。
刹那も。
ティエリアも。
リボンズも。
ミライさえ。
誰も知らない。
アーミアが再生画面へ送る。
黒いスクリーン。
数秒。
銀色の木星。
低い重音。
そして。
文字が現れた。
――劇場版――
【ソレスタルビーイング2
-Visitor from Jupiter-】
誰も。
声を出さなかった。
最初に反応したのは。
レイナスだった。
ゆっくり。
アーミアを見る。
「……お前」
「何ですか?」
「前に俺が聞いたよな」
アーミアは目を逸らす。
「何をでしょう」
「『未来で、この映画の続編って作られてないよな』って」
クリスティナが思い出した。
「あ」
フェルトも。
「あった」
レイナスはアーミアを指す。
「お前、あの時『知りません』って言ったよな」
「言いましたね」
「知ってたじゃないか」
「映画の続編は重要な未来ではありませんから」
「そういう問題じゃないだろ」
「それに」
アーミアは少し笑った。
「あの時これを見せたら、先生、絶対うるさかったでしょう?」
「今でも十分うるさくなりそうなんだが」
リボンズがタイトルを見る。
「Visitor from Jupiter」
ティエリアの表情が硬くなる。
「木星からの来訪者」
刹那は。
銀色の木星を見つめていた。
「ELS」
アーミアが頷く。
「はい」
ミライが。
先ほどまでとは違う声で尋ねる。
「これは……フィクションですか?」
アーミアは少し考えた。
「フィクションです」
そして。
続ける。
「ただし、実際に起きたELS来訪を題材にして作られた映画です」
室内の空気が。
完全に変わった。
スクリーンには。
銀色の光。
地球連邦軍艦隊。
無数のモビルスーツ。
そして。
人類の前へ現れる。
巨大な銀色の影。
ナレーションが流れる。
『宇宙から訪れた――未知なる生命体』
画面が切り替わる。
一人の男。
黒いコート。
レイヴン。
『またこいつか』
レイナスが目を閉じた。
「……まだ俺いるのか」
アーミアが楽しそうに答えた。
「いますよ」
「やっぱり知ってたじゃないか」
その直後。
スクリーンのレイヴンが言った。
『宇宙人だろうが何だろうが、俺の仕事を増やす奴は敵だ』
沈黙。
ロックオンが。
ゆっくりレイナスを見る。
「……」
「見るな」
スメラギも。
「……」
「お前も見るな」
クリスティナが堪えきれず笑い出す。
アーミアも肩を震わせている。
「笑うな」
その先。
銀色の巨大なレイヴンと。
劇中のレイヴンが。
拳をぶつけ合った。
『俺を真似るだと?』
レイナスの目元が引きつる。
『百年早いんだよぉぉぉぉ!!』
「俺、こんなに叫ばないだろ」
ネーナが笑う。
「でもかっこいいよ!」
「そっちに寄るな」
劇中のレイヴンが両腕を広げる。
アーミアの表情が。
ぱっと明るくなった。
レイナスが気づく。
「待て」
「何ですか?」
「その顔は知ってる技だろ」
「さあ?」
「おい」
スクリーン。
青白い光が。
一点へ集まっていく。
『超絶究極――』
レイナスが立ち上がった。
「やめろ」
『レイヴン・バーストォォォォッ!!』
極太の光が宇宙を貫いた。
銀色のELSが。
まとめて光の中へ消えていく。
ネーナが両手を上げる。
「出たー!」
ヒリングも笑う。
「すごい!」
ミライの目も完全に輝いていた。
「続投しているんですね!」
「そこじゃない!」
レイナスの声が。
ブリーフィングルームへ響いた。
アーミアは。
笑っていた。
五十年前。
映画館で。
何度も見たように。
ただ。
今度は。
スクリーンの中の英雄ではなく。
そのモデルになった本人が。
すぐ隣にいる。
そして。
そのさらに隣には。
まだELSと出会っていない。
六年前のソレスタルビーイングがいる。
未来の映画は。
まだ起きていない出来事を。
娯楽として映していた。
けれど。
その未来が。
この世界でも同じになる保証は。
もうどこにもなかった。