ポケットモンスター ―君と目指す頂― 作:あああああ
森の中を一本の道が伸びていた。
「次の町まで、あとどれくらい?」
カスミが地図を覗き込みながら尋ねる。
「このペースなら、今日中には着けると思うぞ」
タケシが答えると、カスミは大きく息を吐いた。
「よかったぁ。昨日から歩きっぱなしなんだもの」
「ピカピカ」
サトシの肩に乗ったピカチュウも同意するように頷く。
サトシは歩きながら、周囲の木々へ目を向けた。
風が吹くたびに葉が擦れ合い、時折、野生のポケモンの鳴き声が聞こえてくる。
「この辺り、ポケモンが多いな」
「水場も近いみたいだしな」
タケシが水筒を振る。
ほとんど残っていない。
「ちょうどいい。水を汲んでいこう」
「俺も行くよ」
サトシが言う。
「じゃあ私はここで休んでる」
カスミは近くの岩へ腰を下ろした。
「分かった。あんまり離れるなよ」
「子供じゃないんだから大丈夫よ」
「ピカ?」
「ピカチュウも行ってきていいわよ」
「ピカ!」
ピカチュウはサトシの肩から降りることなく、そのまま二人と一緒に歩き出した。
「すぐ戻るから」
「はいはい」
カスミは手を振る。
サトシたちの姿が木々の向こうへ消えてから、カスミは大きく伸びをした。
「ふぅ……」
静かな森。
涼しい風。
少し休むにはちょうどいい。
そう思ったときだった。
がさっ。
「ん?」
近くの茂みが動いた。
カスミが振り返る。
そこから姿を現したのは、一匹のポケモン。
茶色い身体。
翼に抱えている一本の太いネギ。
「カモ?」
「カモネギ!」
カスミが勢いよく立ち上がった。
「珍しい!」
「カモ?」
カモネギは首を傾げる。
「こんなところにいるなんて……」
カスミはモンスターボールへ手を伸ばした。
「これはチャンスかも!」
「カモ!」
その瞬間、カモネギが走り出した。
「あっ、待ちなさい!」
カスミも追う。
「カモカモ!」
「逃がさないわよ!」
茂みを抜け、木々の間を走る。
カモネギは絶妙な距離を保ちながら逃げていく。
追いつけそうで追いつけない。
「ちょっと……速い……!」
カモネギが木の陰へ飛び込んだ。
「待ちなさ――きゃっ!」
どんっ!
「うわっ!」
誰かとぶつかった。
カスミが尻もちをつく。
「痛たた……」
「す、すみません!」
目の前には少年がいた。
少年の横には二つのリュックが転がっている。
「急に飛び出してきちゃって」
「こっちこそごめん」
少年は素早くリュックを拾う。
「はい、これ」
「あ、ありがとう」
カスミは受け取った。
「それじゃ!」
少年はもう一つのリュックを背負い、森の奥へ走っていった。
「何だったの?」
カスミは首を傾げる。
「そうだ、カモネギ!」
周囲を見る。
だが。
「……いない」
完全に見失っていた。
「もう!」
カスミは肩を落とす。
◇
「ただいま」
「ピカ!」
サトシとタケシが戻ってくる。
「遅い!」
「え?」
開口一番怒られ、サトシが目を丸くした。
「何で怒られてるんだ?」
「カモネギがいたのよ!」
「カモネギ?」
「捕まえようとしたんだけど、途中で人とぶつかって逃げられちゃったの!」
「それ俺たち関係なくない?」
「うるさい!」
「理不尽だ……」
サトシが呟く。
「ピカ……」
ピカチュウも苦笑する。
タケシはカスミのリュックを見る。
「それより、そろそろ行くか?」
「そうね」
カスミがリュックを持ち上げる。
「……あれ?」
重い。
「何これ?」
地面へ置き、開ける。
「え?」
中には。
石。
「…………」
三人が黙る。
「何だこれ」
サトシが一つ拾う。
どう見てもただの石だ。
「私の荷物は!?」
カスミが叫んだ。
「もしかして、さっきぶつかった相手……」
「すり替えられたんじゃないか?」
タケシが言う。
カスミの顔が青ざめる。
「じゃあ……」
リュックの中には、カスミが持っていたモンスターボールも入っていた。
「私のポケモンたち!」
「落ち着け、カスミ」
サトシの表情も変わる。
「どっちへ行った?」
「あっち!」
カスミが森の奥を指した。
「追おう!」
「ピカ!」
三人はすぐに走り出した。
◇
森の奥。
先ほどの少年が木の陰へ入る。
そこではカモネギが待っていた。
「カモ!」
「上手くいったよ、カモネギ」
少年――ケイタはリュックを下ろす。
中にはいくつものモンスターボール。
「また増えた」
「カモ……」
だが。
カモネギの表情は明るくない。
「どうした?」
「カモ」
ケイタは気づかない。
「これだけあれば、しばらく困らないよ」
カモネギは自分が抱えるネギを見る。
「お前は無理しなくていいんだ」
ケイタは笑った。
「戦わなくたって、こうすれば生きていける」
「カモ……」
カモネギは何も答えなかった。
◇
一方。
別の場所では。
「カモネギよ!」
ムサシが双眼鏡を握っていた。
「珍しいポケモンだな」
コジロウも覗く。
「ボスにプレゼントすれば出世間違いなしニャ!」
ニャースが拳を上げる。
三人の視線の先。
「カモ」
カモネギが一匹で歩いている。
「今度こそいただくわよ!」
ロケット団が動き出した。
だが。
「カモ?」
カモネギは三人を見ると、ゆっくり森の奥へ歩いていく。
「待ちなさい!」
ムサシたちは迷わず追った。
その先で。
「うわっ!」
「きゃっ!」
「ニャー!」
どんっ!
少年と衝突する。
荷物が散らばる。
「す、すみません!」
少年は慌てて荷物を拾った。
「気をつけなさいよ!」
「すみません!」
少年は頭を下げると、そのまま走り去る。
「まったく!」
ムサシは荷物を抱える。
「それよりカモネギは?」
「逃げたニャ!」
「追うぞ!」
二人と1匹も走り出す。
しばらくして。
「……ん?」
コジロウが足を止める。
自分たちの荷物を開く。
「何だ、これ?」
石。
「また石!?」
どこかで聞いたような叫び声が森へ響いた。
◇
「いない……」
カスミが周囲を見る。
「どこまで逃げたのよ!」
「むやみに走っても見つからない」
サトシが立ち止まる。
「少し探し方を変えよう」
「どうするの?」
「足跡とか、折れた枝とか……」
タケシが地面を見る。
そのとき。
「コダ?」
「ん?」
三人が振り返る。
茂みから。
黄色い身体が現れた。
「コダ?」
「コダック!?」
カスミが目を見開く。
「何であんたがここにいるの!?」
「コダ?」
コダックは首を傾げる。
「盗まれたんじゃなかったの!?」
「コダ」
「質問しても無駄だと思うぞ」
タケシが言う。
「分かってるわよ!」
カスミは頭を抱える。
サトシはコダックを見る。
「でも、こいつがここにいるってことは」
「ピカ」
ピカチュウも気づく。
「犯人のところから来た可能性がある」
「コダ?」
サトシがしゃがむ。
「コダック。どこから来た?」
「コダ」
コダックは。
ゆっくり。
一方向を指した。
「……分かってるのか?」
「コダ」
「本当に?」
「コダ」
カスミが疑わしそうに見る。
コダックは歩き始める。
「とにかく行ってみよう」
サトシたちは後を追った。
途中、サトシも周囲へ意識を広げる。
波導を使えば、生き物がいる方向はある程度分かる。
だが。
森には野生のポケモンが多い。
誰が犯人なのかまでは分からない。
それに。
今はコダックが道を知っている。
「頼むぞ」
「コダ!」
胸を張った直後。
木の根に躓いた。
「コダァ!」
べしゃっ。
「……大丈夫?」
「コダ」
何事もなかったように起き上がる。
「本当に着くのかしら……」
カスミの不安は増していた。
◇
しばらく進むと。
「カモ」
声が聞こえた。
サトシが手を上げる。
「いた」
木々の向こう。
ケイタとカモネギ。
そして。
大量の荷物。
「見つけた!」
カスミが飛び出した。
「あなた!」
「!」
ケイタが振り返る。
「私のポケモン返しなさい!」
「カモ!」
カモネギがケイタの前へ立つ。
「やっぱり、あのカモネギも仲間だったのね!」
「……」
ケイタは逃げようとする。
だが。
「待て」
サトシが前へ出た。
「逃げても同じだ」
「ピカ!」
ピカチュウも構える。
ケイタが足を止める。
「返して」
カスミが手を差し出した。
「そのモンスターボールは、あなたのものじゃない」
「……分かってる」
「だったら!」
「仕方なかったんだ!」
ケイタが叫ぶ。
カモネギが振り返る。
「カモ……」
「こいつじゃ戦えないんだ!」
「……何?」
サトシの眉が動く。
「カモネギは強いポケモンじゃない。普通に戦って稼ぐなんて無理だ。だから俺たちは――」
「勝手に決めるなよ」
サトシが遮った。
「え?」
「カモネギが弱いって、誰が決めた?」
「だって……」
「ちゃんと戦わせたことあるのか?」
ケイタが黙る。
カモネギがサトシを見る。
「お前が最初から無理だって決めたら、こいつはどうすればいいんだよ」
「カモ……」
サトシはカモネギを見る。
その目には怯えではなく悔しさがあった。
「やってみよう」
サトシは腰のボールを取る。
「本当に弱いのか、確かめればいい」
「……バトル?」
「ああ」
ボールを投げる。
「頼む、フシギソウ!」
赤い光。
「ソウ!」
フシギソウが地面へ降り立つ。
「カモネギ」
ケイタが見る。
カモネギは。
一歩。
前へ出た。
「カモ!」
「やる気みたいだな」
サトシが笑う。
「フシギソウ、いくぞ!」
「ソウ!」
「カモネギ……」
ケイタは戸惑いながらも。
「行け!」
「カモ!」
カモネギが走る。
速い。
ネギを構え、一気に距離を詰めた。
「フシギソウ、つるのムチ!」
「ソウ!」
二本の蔓が伸びる。
カモネギが横へ跳ぶ。
一本。
二本。
かわす。
「カモ!」
ネギを振り抜く。
ばしっ!
「ソウ!」
フシギソウが一歩下がった。
「やるじゃないか!」
サトシの目が輝く。
「カモネギ!」
ケイタも驚いている。
「次だ! フシギソウ、はっぱカッター!」
「ソウ!」
葉が飛ぶ。
「避けろ!」
「カモ!」
カモネギが走る。
左右へ。
葉の間を抜ける。
一枚がネギへ当たりそうになるが弾く。
「カモ!」
「すごい……」
ケイタが呟く。
サトシは聞き逃さなかった。
「フシギソウ、もう一度つるのムチ!」
「ソウ!」
左右から蔓。
「カモネギ!」
「カモ!」
カモネギは跳び上がった。
空中で身体を回す。
ネギが蔓を叩く。
ばしっ!
「ソウ!」
着地。
「カモ!」
カモネギはまだ立っている。
息は上がっている。
それでも逃げない。
ケイタを見る。
「カモ!」
「……カモネギ」
「分かっただろ?」
サトシが言う。
「こいつ、弱くないよ」
「……」
「フシギソウだって、まだ本気で押し切ってない」
「ソウ」
フシギソウが静かにカモネギを見る。
カモネギも理解している。
相手の方が強い。
それでも戦えた。
「お前が信じてやれば、もっと強くなれる」
ケイタが拳を握る。
「俺……」
そのとき。
「待ちなさーい!」
「げっ」
サトシたちが振り返る。
「なんだかんだと聞かれたら!」
「今は聞いてない!」
カスミが即座に返した。
「最後まで言わせなさいよ!」
ムサシが怒鳴る。
ロケット団が現れる。
「その小僧!」
コジロウがケイタを指す。
「よくも俺たちを騙したな!」
「荷物を返すニャ!」
「自分たちだって盗もうとしてたんでしょ!」
カスミが言う。
「それとこれとは話が別よ!」
「別じゃない!」
騒ぎの中。
ケイタが後退する。
「カモ?」
カモネギが振り返る。
「今のうちに……」
「逃がさないわよ!」
カスミが立ち塞がった。
「私のポケモン、まだ返してもらってないんだから!」
「……」
「勝負よ!」
カスミの横には。
「コダ?」
コダック。
「……」
カスミが固まる。
「コダ!」
コダックが一歩前へ。
「いや、あんたじゃなくて――」
「コダ!」
「やる気なの?」
「コダ!」
カスミは額を押さえる。
「もう……分かったわよ!」
ケイタを見る。
「カモネギ!」
「カモ!」
再びカモネギが構える。
「コダック、行くわよ!」
「コダ!」
「カモネギ、ネギで攻撃!」
「カモ!」
走る。
「コダック、避けて!」
「コダ?」
ばしっ!
「コダァ!」
「避けなさいって言ったでしょ!」
「コダ……」
もう一撃。
ぽかっ!
「コダァ……」
コダックが頭を押さえる。
「まずい」
タケシが呟いた。
「何が?」
ケイタが聞く。
サトシはコダックを見る。
「あれ以上、頭に衝撃を受けると……」
「コダ……コダ……」
コダックの目が変わった。
「カモネギ、もう一回!」
「カモ!」
カモネギが踏み込む。
その瞬間。
「コダァァァ!」
空気が震えた。
「カモ!?」
カモネギの身体が止まる。
見えない力。
「何!?」
ケイタが目を見開く。
次の瞬間。
「カモォォォ!」
カモネギが吹き飛ばされた。
「カモネギ!」
地面へ転がる。
「コダ……」
コダックも頭を抱えながら座り込んだ。
「コダック!」
カスミが駆け寄る。
「大丈夫!?」
「コダ?」
いつもの顔。
「……ほんと、あんたって」
カスミは息を吐く。
それから。
少し笑った。
「でも、よくやったわ」
「コダ?」
「褒めてるのよ」
「コダ!」
コダックが嬉しそうに両手を上げた。
「ピカピカ!」
ピカチュウも笑う。
ケイタは倒れたカモネギのところへ駆け寄った。
「カモネギ!」
「カモ……」
「ごめん」
「カモ?」
「俺、お前が弱いって勝手に決めてた」
カモネギがケイタを見る。
「本当は戦えたんだな」
「カモ」
「もっと強くなれたんだな」
「カモ!」
ケイタはカモネギを抱き締めた。
「ごめん……」
◇
その後。
盗まれていたモンスターボールは全て持ち主へ返されることになった。
「ヒトデマンもスターミーもトサキントもいる……」
カスミが一つずつ確認する。
「よかったぁ……」
「コダ!」
「今回だけはあんたに感謝ね」
「コダ?」
「今回だけ」
「コダ……」
少し離れた場所。
ケイタは俯いていた。
「ちゃんと謝ってくる」
「カモ」
「盗んだ人たち全員に」
「カモ!」
サトシはその様子を見る。
「それがいいよ」
「……サトシ」
「ん?」
「ありがとう」
「俺は何もしてない」
サトシはカモネギを見る。
「頑張ったのはこいつだ」
「カモ!」
フシギソウも近づく。
「ソウ!」
「カモ?」
フシギソウが蔓を一本伸ばす。
カモネギの前へ。
「カモ!」
カモネギはネギを伸ばし、蔓へ軽く触れた。
「ソウ!」
「また戦おうってさ」
サトシが笑う。
「カモ!」
カモネギも力強く頷いた。
◇
「待ちなさーい!」
遠くから声。
「ん?」
サトシたちが振り返る。
大量のモンスターボールを抱えたロケット団が走ってくる。
「今度こそ返してもらうわよ!」
ムサシが叫ぶ。
「それ、どこから持ってきたの?」
サトシが聞く。
「この小僧が返したのよ!」
「中身を確認した方がいいんじゃないか?」
「は?」
ぽん。
一つのボールが開く。
赤い光。
「ビリリ!」
「……」
ロケット団の三人が固まった。
ぽん。
ぽん。
ぽん。
「ビリリ!」
「ビリリ!」
「ビリリ!」
周囲を埋め尽くす。
ビリリダマ。
「ちょっと待って」
ムサシの顔が青ざめる。
「何で全部ビリリダマなのよ!?」
「ニャ……」
「逃げた方がいいんじゃないか?」
サトシが言った。
「ビリリリリ……!」
光。
「やっぱりぃぃぃ!」
ドォォォォン!!
「やな感じー!」
空の彼方へ。
きらん。
「……」
カスミがケイタを見る。
「あなた、ロケット団にも同じことしたの?」
「……うん」
「反省するのよ?」
「はい」
「ピカピカ」
◇
夕方。
サトシたちは再び旅を始めていた。
「今日は大変だった……」
カスミがリュックを背負い直す。
「でも全部戻ってきてよかったな」
タケシが言う。
「本当にね」
その横ではコダックが歩いている。
「コダ」
「……何であんた普通に外にいるの?」
「コダ?」
「戻りなさい!」
カスミがモンスターボールを向ける。
赤い光。
「まったく……」
サトシが笑う。
「でも今日のコダック、格好よかったよ」
「まあね」
カスミは少しだけ得意そうに笑った。
「私のポケモンなんだから当然よ」
「さっきまで文句言ってたのに」
「何か言った?」
「何も」
「ピカピカ」
少し先。
サトシは足を止めた。
「ここならできそうだな」
「何が?」
「少しだけ練習してから行く」
腰のボールを取る。
「出てこい、リザードン!」
赤い光。
「リザァ!」
大きな翼が広がる。
「またエアスラッシュ?」
カスミが尋ねる。
「ああ。でも今日は昨日の感覚をもう一回出せるか確認するだけ」
サトシは木から落ちていた葉を拾い、少し離れた枝へ引っ掛ける。
「昨日は一回だけ風を細くできた」
「リザ」
「一回できただけじゃ、バトルじゃ使えない」
リザードンが翼を広げる。
「同じことを何回でもできるようになろう」
「リザァ!」
「まず一回!」
翼を振る。
ぶわっ!
強風。
葉が飛んでいく。
「あ」
「リザ……」
サトシは笑った。
「やっぱり簡単にはいかないな」
「リザ!」
もう一枚今度は。
ヒュッ!
風が細くなる。
しかし、葉の横を通り抜けた。
「惜しい!」
「リザァ!」
三回目。
ぶんっ!
また広がる。
四回目。
ヒュッ――!
葉が揺れるだが切れない。
リザードンが悔しそうに翼を見る。
「昨日できたんだから、感覚は身体のどこかに残ってる」
「リザ……」
「急がなくていい。探そう」
「リザ!」
ピカチュウがサトシの肩から飛び降りる。
「ピカピカ!」
「応援してくれるって」
「リザァ!」
リザードンが再び構えた。
夕暮れの中何度も翼が風を切る。
成功したり。
失敗したり。
まだ安定しない、だからこそ練習する意味がある。
「もう一回いこう、リザードン!」
「リザァァァ!」
旅は続く。
そして、強くなるための時間も少しずつ積み重なっていった。