ハイキュー世界でハイキューの漫画を描いちゃった話   作:テン吉

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1話完結

 

 

「終わった〜!!!」

 

夜の23時。担当に『最後の原稿』を提出して、長年の連載に耐えた私を褒め称える。

ハイキュー。それは男子バレーボールを中心に熱く燃える青春の漫画________が、この世には無かった。

 

私は転生者である。最後に死んだのは覚えてない。ただ、ハイキューの熱狂的ファンであった。

熱狂的ファンは常に原作に飢えている。映画もSNSもコラボも勿論『原作漫画』も。

 

なのにこの世界はバレーボールが盛んだと言うのになにもバレーボールに関する漫画が無かった。

 

当時、小学4年生。

飢えた私はブログを作ってハイキューの二次創作みたいなものを描いて投稿しまくった。閲覧数は少なかったけど、テツさんとかご飯さんとかチベスナさんとか毎回見に来てくれる人はいて、すごく嬉しかった。まぁ……「同姓同名のキャラクターが出て嬉しいです」っていうのが圧倒的に多かったコメントだけど。

そしてSNSが発達して、誰かに拡散されたら一気に私の知名度は上がった。元々バレーボールが盛んな世界。バレーボールの漫画がウケないはずがなかった。

 

ある日、DMが来た。それが今もお世話になっている大手週刊少年漫画出版会社である。当時の私は前世の社会人経験フル発動の契約承諾をしたせいで、年齢を30代だと思われていたらしい。そして出版会社に赴いたら小学生だとは思わなかったそうな。年齢にしては高い画力と漫画構成能力を評価されて、年齢は非公開で、まずは担当がいきなりついて読み切り漫画を作ることになった。その読み切り漫画を漫画賞に出して賞を目指すらしい。やはり一筋縄ではいかないのが連載である。そこで評価を出せば、連載に繋がるらしい。

 

読み切り漫画の題材は____アタックNo.1にすることにした。だって読み切りだもの。ハイキューを描くなら連載がいいに決まってる。

 

そして話は飛ばすが、当然のごとく入選した。1番上の100万だったか200万だったかのやつ。だって前世で凄い漫画だったもの。最初は出版会社(アタックNo.1は少女漫画で有名なマーガレット)が違うし、読者層が違うからウケないかもな……と期待薄だったがここはバレーボール世界。バレーボール漫画に飢えていた読者にウケた。担当が少年漫画風にアレンジしましょうって言って支えてくれたのもあるけど。

とにかく獲得賞金で機材を揃えて私の執筆部屋はパワーアップした。当時物珍しい液タブも揃えて。

 

てことで入選の特典である連載権を獲得。私はすぐに担当に『ハイキュー』のネームを提出した。小学生の時に漫画キットを買って貯めていたもの。担当は驚いた顔で私のネームをじっくり読んだかと思えば、すごい速さでページをめくっていった。「すごい。すごいです、先生。このまま線画に入りましょう」

当たり前である。だって前世で大好きな漫画で売れていた漫画だもの。

 

しかし、1点おかしなことを言われた。

 

「名前は変えましょう」

 

何故か、烏野だったり青葉城西だったり稲荷崎だったり、学校名を強制的に変えられた。監督の名前もNGが入った。担当さんは嫌な感じで言っていなかったので、嫌々ではあるが仕方なく変更。なんか嫌な予感がしたのでキャラクターの名前もハイキューの原作とは違う名前に変更することになった。

 

そして私の知名度はこれをキッカケに大きく跳ね上がることになる。

 

顔出し無し、年齢・性別非公開、だけど描く漫画は面白い。当たり前だ。だってハイキューだもの。

 

そして冒頭に戻る。

 

 

今世の、私の今の年齢は22歳。

そう、主人公が影山と戦う日の年齢とそっくり。

 

冒頭に戻るが、私が提出した漫画は来週には出る。私の人生のバイブルであるハイキューだからこそ、締切は絶対に守る。やっと一息ついたところで、そういえば漫画に夢中になってテレビを見ていなかったな……と思った。SNSは会社が管理やってくれてるし、何より推しのことを何か言われるのが怖い。だけどテレビは関係ないから付けることにした。

 

「……えッ」

 

テレビを付けたら、推しの1人である影山飛雄が映っていた件について。

 

 

 

 

 

気づいたら私は最近新しく変わった担当に夜中にも関わらず連絡していた。

 

だって、私の担当は______。

 

「はい、赤葦です。何かありましたか?」

 

終わった……。何故、気づかなかったのだろう。

掛けたのに無言になった私を不思議がっている推しが電話越しに居る。

なんか声似てるな……名前もそっくりだ……とは思ったけれど。木兎さん(名前違う)を描いた時はキラキラした目で見られていたなぁとは思ったけれど。

 

「ああ、そういえば先生。連載終わりということでサイン会決まりましたよ。今度こそ絶対ですからね」

「……」

「先生は年齢も性別も連載が終わるまではーーと言っていたので進めておきました。ぜひ会って欲しい人がいるので」

「……ウン」

「先生?」

 

訳わかんなくて、通話切った。

だって2次元と3次元は絵が違うじゃん!!!!!!!!!分かるわけないだろ!!!!!

 

 

 

翌週、私の漫画は完結した。単行本は来月に出るらしいが、それでも大々的にテレビにまで放送された。ネットニュースにもなったらしい。そして多くのバレーボール選手が海をも飛び越えて完結したことに賞賛の嵐。トレンド1位にもなった。

 

曰く、私の漫画は『未来の漫画』と呼ばれているらしい。

 

変人速攻、双子速攻、木兎ビーム(名前違う)……などなど名前は違えど特徴は超そっくり。多分、前の担当は学校名が実在するものだったから当時若すぎた私を傷つけまいと遠回しに変更させたのだと思う。

 

通りで、ムスビィとシュヴァイデンも名前出した時に大慌てしてたはずだ。その後変わった赤葦京治も私を神様みたいに見てたし。はい、未来が見える女です。

 

話は戻すが、完結したのでその2年後に天照ジャパンが戦い終わったあとで_____ということでその時期にサイン会を開くことになった。

しょーーーーーじき言って帰りたい。

 

だってサイン会の列にめっちゃ目がキラキラしてる日向翔陽が見えるんだけど。あと後ろに牛島若利とか木兎光太郎、角名倫太郎、影山飛雄、まさかの及川やロメロなど何故かいる。3次元(今世)と2次元(前世)の区別つかなくても何故かユニフォーム着てるから分かった。

 

私は隣に立っている赤葦にヘルプを求めた。

 

「帰りたい」

「無理です」

 

即答だった。お願い、許して。

 

 

 

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