「起きて下さいフリーレン様、もう朝ですよ、起きて下さい」
「う~ん、後一時間」
「もう!いい加減に起きて下さい」
「う~ん、後二時間」
「フリーレン様!時間、増えてますよ。いい加減起きて下さい」
今日も今日とて、フェルンはフリーレンを起こす。
もう、日課(?)になっている。
「う~ん、分かったよ、起きればいいんでしょう」
ようやく起きるフリーレン。
フリーレン、エルフ、1000年以上生きている、勇者ヒンメル一行の魔法使いだっただけに、魔法はすごい。
しかしそれ以外では・・・
「おはようフリーレン、やっと起きたか」
これは、戦士シュタルク。朝の修行を終えたみたいだ。
「おはようございます、シュタルク様」
「おはようフェルン。フェルンも毎日大変だな」
「慣れています」
「慣れるほど繰り返してるとは・・・」
とか言いながら、朝食のテーブルにつく。
しばし朝食を摂る三人。
するとシュタルクが聞いてきた。
「なあフリーレン、フリーレンはフェルンと会う前は一人で旅してたんだよな」
「そうだね」
「よく一人で旅してたよな~」
「どういう意味?」
ジト目で見るフリーレン。
「勇者様と出会う前は一人で暮らしていたのですよね?」
「そうだよ」
「・・・どんな暮らしぶりだったんです?」
「なに、それ、フェルン、酷い・・・」
とむくれるフリーレン。
「私だって、一人で生活出来るよ。というか、一人の方がずっと長かったから」
「いや、なんか想像できない。朝なんか、どうやって起きてたんだ?」
とシュタルクが遠慮なしに聞いてくる。
「うん?普通に自分で起きてたわよ」
と答えるフリーレン。
「本当に朝一人で起きられましたか?」
「いや、まあ、起きたときにはお日様が高かったとか、良くあったけど・・・」
とやはり少し自信無さげなフリーレン。
「でもね、今はフェルンがいるから安心して寝てるのかな」
「・・・それ、どういう意味です?」
とジト目で見るフェルン。
「というか、みんながいるから、安心して眠れるんだよ。それは、ヒンメル達と一緒の時も同じだったよ」
「え?それは」
「信頼できる仲間がいるから、つい安心してゆっくり眠れるんだよ」
「フリーレン様・・・」
「というわけで、明日も起こしてね」
「フリーレン様!!!!!!」
むくれるフェルン。
「俺が起こそうか?」
と言うシュタルク。
「ダメです!!!フリーレン様を起こすのは私の役目です!!!」
と断言するフェルン。
「お、おう、そうか」
フェルンの迫力に少し気圧されるシュタルク。
フリーレンとフェルン、なんだかんだ言って、仲の良い師弟である。
朝食を終えた一行は、村人から依頼されていた魔物退治に出発する。
その報酬は・・・
「フリーレン様、3日前の朝食の内容を思い出せる魔法って、何か役にたつのですか?」
とフェルン。
「人間って、年取ると食事の内容を忘れるというから、そういう時役に立つんじゃないかな?」
「年取るとって、フリーレン様が言うと、何か変な感じがしますが・・・」
「そう?」
などとたわいの無い会話をしながら道を行く一行。
村から半日歩いた所に、その魔物はいた。
「ふむ、あいつか」
とシュタルクが呟く。
ドラゴンのような魔物だ。
「フリーレン様、どうしましょうか?」
フェルンが指示を仰ぐ。
「そうだね、フェルンが牽制している隙にシュタルクが斬りかかり、トドメは私が刺すとしようよ」
「了解です」
と言うや否やフェルンは魔物に魔法を放つ。
その隙を逃さずシュタルクは斬りかかる。
だが、ただの一撃では倒れない。
しかし、フェルンの魔法とシュタルクの暫撃で弱った所に、フリーレンが魔法を放つと、魔物は倒れ、消滅した。
「よし、討伐完了」
「村に戻りましょう」
「そうだな」
一行は村に戻り、報酬を受け取る。
「なあ、本当にその魔法役に立つのか?」
とシュタルク。
「シュタルク、役に立つかどうかなんて関係ないよ」
とフリーレン。
「本当、フリーレン様は魔法が好きですね」
とフェルン。
「ほどほどだよ」
とフリーレン。
(わあ、なんかくだらねー)
と思うシュタルクだが
(村人の役に立ったからまあいいか)
と思う。
「師匠がフリーレンのせいでくだらない旅になった、と言ってたが、師匠達もこんな感じだったのかな?」
「どうでしょう?シュタルク様は、こんな感じ嫌ですか?」
「う~ん、嫌ではないな」
「私もです」
二人が話していると
「二人とも、早くしないとおいていくよ」
とフリーレン。
一行の旅は続くのであった。