フリーレンの旅   作:晴天人

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オリジナルアイテムが出てきますが、こんなのあってもいいんじゃない?と思って書きました。フリーレンのミミック芸は様式美だと思います。それにしても、魔王城はどうなっているのでしょうか?それが分かる時が是非来てほしいです。


フリーレンと邪神の像

「フリーレン様、フリーレン様、起きて下さい!」

今日も今日とて、フリーレンを起こすフェルン。

「う~ん、あと10時間・・・」

「そんなに寝てちゃダメでしょう」

「う~ん、分かったよ、起きればいいんでしょう」

ようやく起きるフリーレン。

そして、食堂に行くが、

「あれ?シュタルクは?」

「まだ朝の修行中みたいです」

「毎日毎日こんな朝早くから、良くやるねえ」

「フリーレン様がいい加減すぎるんですよ」

そんな会話を交わしていたら、シュタルクが帰ってきた。

「お帰りなさい、シュタルク様って、どうしたんです?」

シュタルクは土埃にまみれ、何かあったに違いない。

「いやあ、帰ってくる途中で牛が暴れていると言うので、なんとか落ち着かせてきたんだ」

「またやっかいごとに巻き込まれたんですか?」

フェルンが聞く。

「ああ、でも村人が困ってたから」

シュタルクは、良くやっかいごとに巻き込まれる。それは、シュタルクが良い人でお人好しということも関係している。

「それで、怪我は無いですか?」

「いや~、ちょっと牛に蹴飛ばされたんだけどね」

シュタルクは、あははと笑う。

「笑い事じゃないですよ、見せて下さい」

「いいって、かすり傷だって」

「ダメです、ちゃんと見せて下さい」

フェルンがシュタルクを椅子に座らせると、シュタルクの服の裾をまくり上げる。すると、右脇腹に青あざが出来ていた。

「やっぱりこんな怪我して!」

「これくらい戦士なら当たり前だよ」

「またそんなこと言って!ほら、手当てしますよ」

フェルンは薬草を貼る。

「よし、これで良いでしょう」

「いつもありがとうフェルン」

「どういたしまして、さ、朝食が冷えてしまいますから早く食べてしまいましょう」

シュタルクが椅子に座ると皆で食事を始めた。

「そういえば、フリーレン様」

「なに?」

フリーレンはパンをちぎりながら答える。

「私に治癒の魔法は使えないのでしょうか?」

フェルンが聞いてきた。

「治癒の魔法?」

フリーレンは、ジャムの付いたパンをかじりながら聞く。

「はい、フリーレン様は治療魔法が使えるじゃないですか」

「う~ん、使えはするけど、得意じゃ無いのよね。それに、聖典を持ってなきゃならないし、私は一応持っているから治癒魔法使えるけど、それでも治癒の魔法は、基本的に僧侶の魔法だからね」

フリーレンは、パンを食べ終わると、紅茶を一口飲む。

「そうなんですか」

「うん、だからフェルンが治癒の魔法を覚えるのは今は無理かな」

「そうですか……」

そんな会話をしながら朝食を食べ終えると、

「じゃあ行ってくるよ」

と言ってフリーレンはいずこかに出かけた。

残るシュタルクは稽古に、フェルンは魔法の鍛錬を行いに出かける。

そうして今日も一日が始まる。

 

フェルンは魔法の鍛錬をしている。

すると、

「キャー!」

女性の悲鳴が聞こえる。

「何?今の声は」

フェルンは悲鳴のした方に向かうと、そこには女性が倒れていた。その側には、狼のような魔物が女性を威嚇している。

フェルンは急いで女性の元に駆け寄る。女性は怪我をして動けないようだ。

フェルンは女性を庇うように立つと、杖を構える。

「私が相手です!」

フェルンが叫ぶと、魔物が襲いかかってくる。

フェルンは呪文を唱える。

「ゾルトラーク」

フェルンが魔法を唱えると、杖の先が光りだし、魔法が魔物に直撃する。

そして魔物は消滅する。

ェルンは女性の元に駆け寄ると、怪我の状態を確認する。

「大丈夫ですか?」

「え、ええ」

女性は大丈夫のようだ。だが、怪我をしている。フェルンは自分の荷物から傷薬を取り出すと、女性に塗る。

「これで、大丈夫だと思います。ですがしばらくは安静にしていて下さい」

フェルンは女性を寝かせると立ち上がる。すると、そこにフリーレンがやって来る。

「フェルン、どうしたの?」

「フリーレン様!丁度良かったです。魔物が出たので退治したのですが……怪我人がいますので介抱してあげて下さい」

すると、フリーレンは治癒魔法を掛ける。

女性の状態は良くなったが

「完全に治った訳じゃ無いから、教会で治療してもらった方が良いよ」

とフリーレンは言う。

「はい、ありがとうございます」

女性はお礼を言って立ち去る。

フリーレンはフェルンに向き直る。

「それで魔物が出たって?」

「はい」

「そう、じゃあちょっと見てくるね」

そう言うと、フリーレンは森の奥に入っていった。

 

その夜。

「やっぱり思っていた通りね」

フリーレンは調査を終えて家に戻った。

「どうしました?」

フェルンが聞く。

「うん、この森の奥に、魔物を呼び寄せる何かがあるわね」

「魔物を呼び寄せる何かですか?」

フェルンが聞く。

「うん、それが何なのかまだ断言できないけどね」

フリーレンはそう言うと、三人は明日森の奥に行ってみることになった。

 

翌日、三人は森の奥に入る。すると、そこには洞窟があった。

その洞窟からは、禍々しい気配が漂って来る。

「これは……」

フェルンは息を飲む。

「ああ、この奥に何かがあるな」

シュタルクも何かを感じているようだ。

「じゃあ行きましょう」

フリーレンがそう言うと、三人は洞窟に入っていった。

 

「ジュドラジルム!」

「ゾルトラーク!」

フリーレンとフェルンは魔法を唱えながら洞窟を進む。

「そりゃああああ」

シュタルクが斧で斬りかかる。

「魔物が多いですね」

「それに、なんか禍々しい感じがあちこちでするぜ」

フェルンとシュタルクが言う。

「フリーレン様!来ます!」

フェルンが叫ぶと、前方から大きな蜘蛛のような魔物が現れる。

「うお!?なんだこれは」

シュタルクはすかさず斧を打ち込む。

だが魔物の甲殻が固くて攻撃が通らない。

「ひゃあ、固えぇ」

そこでフリーレンは魔法を唱える。

「ゾルトラーク!」

フリーレンの魔法が直撃する。

「ギャイーン!」

魔物が悲鳴を上げる。続けてフェルンが魔法を唱える。

「ゾルトラーク!」

魔法が直撃すると、魔物の甲殻を砕く。

フリーレンとフェルンが魔法を唱え続ける。

「ゾルトラーク!」

「ゾルトラーク!」

2つの魔法が残りの魔物に直撃する。

そこにシュタルクが斧で斬りかかる。

「どりゃああああああああ!」

シュタルクの斧が魔物の甲殻を貫く。そして、そのまま振り抜くと魔物は真っ二つになる。

「やったぜ」

そこにフェルンが言う。

「フリーレン様!魔物の群れです!」

洞窟の奥から大量の蜘蛛の魔物が出てくる。

「下がってて」

フリーレンが魔法を唱える。

「ヴォルザンベル!」

杖から爆炎が発射される。

爆炎は蜘蛛の魔物の群れを焼き払う。

そこにフェルンが魔法を放つ。

「ゾルトラーク!」

フェルンは魔法を連射する。

魔法の連射速度に関しては、フェルンはフリーレンをも上回る。

「どりゃあ!」

そして、シュタルクが斧を振り回す。魔物は次々消滅していく。

そこへフリーレンが再び魔法を放つ。

「ヴォルザンベル!」

炎が炸裂する。

さすがの魔物の群れもこれには耐えられない。

「シュタルク、今よ、突撃して!」

フリーレンが叫ぶと、シュタルクは雄叫びを上げながら突撃する。

フェルンがそれを援護するように魔法を連射する、

こうして、三人は魔物の群れを殲滅した。

 

しばらく行くと、宝箱が見えて来た。

さっそく駆け寄るフリーレン。

「ちょっと待って下さい、フリーレン様」

とフェルンが言うと、有無を言わさず鑑定魔法を掛ける。

「・・・ミミックですね」

「フェルン、鑑定魔法の確率は99パーセントだよ」

「だから、ミミックです」

「分かってないね、フェルン。1パーセントははずれるということだよ」

「けれど99パーセントミミックです」

「これは残りの1パーセントだよ。私の長年の勘がそう言ってるんだ」

そして、宝箱を開けると・・・

「暗いよー、怖いよー、暗いよ、怖いよ、暗いよ、怖いよ、」

「はあああ~」

「‥‥‥」

ミミックにかじられジタバタしているフリーレン。それを見て目を丸くするシュタルク、盛大にため息をつくフェルン。

「おい、フェルン、これって」

「ええ、いつものことです」

 

「ふう、ひどい目にあった」

「自業自得です、フリーレン様」

何とかミミックから抜け出したフリーレン。

3人はそのまま洞窟を進んでいく。

そして洞窟の最奥までたどり着いた。そこには大きな扉がある。その扉を開けると中に入る。するとそこは、広い空間になっており、奥には祭壇のようなものがあった。そして、その祭壇の上には何かが置かれていて、そこから禍々しい雰囲気が広がっていた。

「あれは?」

フェルンが聞く。

「あれは……邪神の像ね」

フリーレンが答える。

「邪神の像ですか?」

「これ、恐らく魔王城から持ち出した物ね」

「魔王城の?」

フェルンが聞く。

「うん、この像は魔王城にあったものと同じよ」

フリーレンが答える。

「でも、なんでこんな所にあるのですか?」

フェルンが聞く。

「それは、分からないわ。魔族の誰かが持ち込んだのだろうけど、なんでこんな所に置いてあるのかは分からない。あるいは、ここは一時の隠し場所で、本当は他の所に持って行くつもりだったのかもしれないわね」

「フリーレン様の調べ物って、これのことだったのですか?」

「うん、私も半信半疑だったのよ。まさか本当にあるとはね」

「で、これどうするんだよ?」

とシュタルクが聞く。

「持ち出すわけにもいかないし、ここで破壊しましょう」

「破壊って……どうやって?」

フェルンが聞く。

「私とフェルンの魔法でできるでしょう。いいわね、フェルン」

「はい、わかりました」

フェルンは頷く。

「よし、じゃあ早速始めましょう」

そして、フリーレンとフェルンが魔法を唱える。

「「ゾルトラーク!」」

パリン!邪神の像は真っ二つに割れる。

それと同時に、禍々しい雰囲気も晴れてくる。

「これで、この洞窟の魔物はいなくなるはずよ」

3人は洞窟から外に出る。

「じゃあ、村に戻ろうか?」

フリーレンはそう言うと、3人で村に戻るのだった。

 

その日の夕食時。

「フリーレン様、邪神なんているのでしょうか?」

フェルンが尋ねる。

「それは分からない、でも魔王城に置いてあったという事は何か意味があったのかもしれない、と私は思ってる」

フリーレンは答える。

「でもあの禍々しい感じからすると、邪神はいるんじゃないか?」

シュタルクが言う。

「そうね、でもあの像が邪神の力を得て禍々しい雰囲気を放っていたかは、なんとも言えないわ。あの禍々しい雰囲気は、魔王か力の強い魔族があの像に魔力を込めたからかもしれない。実際邪神がいてその魔力があの像から出ていたのかもしれない。それが分かるような魔法は、まだ無いわね」

そしてフリーレンは続ける。

「ま、女神様も神話時代を除いて現われたことが無いし、良く分からない存在なのよね。聖典により女神様の魔法が使えるけど、聖典も解読がまだまだなのよ。邪神もそれと同じで、いるかどうか、現われるかどうか、何も分からないのよ。だから、考えても仕方無いことよね」

フリーレンはそう言うと、スープを飲む。

「そうだな、昔から生きているフリーレンがそう言うんだから、そうなんだろうな」

シュタルクが納得する。

「どころで、フリーレンって、いつから生きてるんだ?それこそ神話時代も知ってるとか」

「そこまで年取ってないわよ」

フリーレンがすねて言う。

「でも、俺達には分からないくらい生きてるんだろう」

「どうせ私はババアですよ」

「もう、シュタルク様、フリーレン様拗ねちゃったじゃ無いですか」

「いや、そんなつもりじゃ」

「フリーレン様も。拗ねないで下さいよ」

フェルンがなだめる。

「ふん、分かったわよ」

フリーレンは機嫌を直す。

そして食事が終わると、フェルンが片付けを始める。シュタルクは自分の部屋に戻り、フリーレンは魔道書を読み始める。

そして、片付けが終わるとフェルンはフリーレンの元に行く。

「フリーレン様、確かエンデって魔王城がある場所ですよね」

「そうだね」

「今どうなってるのでしょうか」

「行ってみないと何とも言えないわね」

「中には、あんな像がまだあるのでしょうか?」

「行ってからのお楽しみ、とまでは言わないけど、どうなのだろうかねえ」

フリーレンはフェルンを見る。

「邪神の話と同じだよ。今は考えても仕方ないことだよ」

「そうですね」

とフェルンは笑った。

 

次の日。

三人は次の目的地に向かうため、村を発つ。

「兄ちゃん、この前はありがとうな」

「いいってことよ」

「シュタルク兄ちゃん、今日も遊んでよ」

「ご免な、兄ちゃん、もう遊んであげられないんだ」

「シュタルク兄ちゃん、また剣の稽古してよ」

「そうだな、いつかまた来た時にな」

「約束だよ」

村人達が、次々とシュタルクに声をかける。

「シュタルク様は人気者ですね」

フェルンが言う。

「ははは、まあね」

そんな会話をしながら三人は村を出る。そして旅は続くのだった。

 

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