フリーレンの旅   作:晴天人

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勇者の剣がありましたので、こういうアイテムがあってみ良いかなと思います。


フリーレンと聖杯

「フフフフ、良いもの手に入れた」

フリーレンが、何やら怪しげな魔道具を手に微笑んでいる。

「フリーレン様、それ何です?」

とフェルンが聞く。

「これはね、この魔道具に魔力を込めるとあら不思議、くるくる回るのよ。すごいでしょう」

「・・・フリーエレン様、すごい、とは思いますが、それ、何かの役に立ちます?」

「うーん、特には」

(ああ、またガラクタが増える・・・)

フェルンは頭を抱える。

しかし、フェルンのそんな思いと関係なく、フリーレンはその魔道具に魔力を込めている。

そして、

「ほらほら、見て見て、回ってる、すごいでしょう」

と喜んでいる。

それを見て

(ま、フリーレン様楽しそうだからいいか)

とフェルンは思った。

そうこうしている内に、

「ただいま」

とシュタルクが帰ってきた。

「おかえり、シュタルクって、どうしたの?」

「どうしたんですか、シュタルク様?」

シュタルクは傷だらけ。額から血が流れている。

「いやー、町外れで修行していたら、悲鳴が聞こえるので行ってみたら、魔物がいて、退治したんだ」

「とにかく傷の手当てをしなきゃ」

「いいっていいって、こんなもの戦士だったら当たり前だよ」

と、シュタルクは手を振っている。

「ダメですよ。手当てしますよ」

フェルンが怒ったように言う。

そして、フェルンは薬草をあちこち貼りまくる。

「イテテ」

「もう、じっとして下さい」

「はーい」

シュタルクはおとなしくしている。

(本当、この人は)

最近フェルンはシュタルクのこと、悪からず思いだしている。シュタルクも、フェルンのこと悪からず思いだしている

けど、二人共不器用なので関係はあまり進展しない。

とにもかくにも手当は一応終わったが

「これは教会で見てもらった方が良いね。私も治癒魔法使えるけど、教会で僧侶にやってもらった方がいいよ」

「そうですシュタルク様。応急処置はしましたが、跡になるといけないので、教会で見てもらいましょう」

「ええ、いいよ、戦士だったら傷跡の一つや二つ、あってもおかしくないよ」

「ダメです。いいから教会に行ってください」

「はい」

シュタルクはフェルンに怒られて、素直に言う事を聞く。

とりあえず、教会に行くことにした三人。

そして、教会に着くと

「どうしたのです?」

と神父が聞いてくる。

そして、事情を話すシュタルク。

すると神父は、治療を行いながら話しをする。

「そうですか、実は、しばらく前から町の周辺に魔物が出るようになりまして、何とかしようにも、いかんせん私たちでは力不足で」

「魔物が・・・それっていつ頃からですか?」

フェルンが聞く。

「確か、ひと月ほど前からでしょうか」

と神父が言い、そして、

「旅人のあなた方にこんなこと頼むのは申し訳ないですが、どうにかして魔物を退治して頂けませんでしょうか?」

と神父が、申し訳なさそうに言った。

「おう、なんとかしてやろうぜ」

とシュタルク。

「フリーレン様、助けてやりましょうよ」

とフェルン。

「何か報酬になるようなもの、ある?」

と言うフリーレン。

「大した物は無いですが、魔力を込めると宙に浮く魔道具ならあるので、それでよければ」

次の瞬間、フリーレンは神父とがっつり握手をしていた。

 

神父の話では、町をしばらく行くと、古い遺跡があるとのことだ。

あるいはそれに何らかの原因があるのでは、と思った一行は、とりあえずそこに行ってみることにした。

遺跡は、町からそう遠くなく、ほどなく着いた。

「ここか」

とシュタルクが言う。

「確かに何か出そうな雰囲気ね」

とフリーレンが言い、フェルンが頷く。

「早速中に入ってみましょう」

一行は中に入ることにした。

「これは古いですね」

とフェルンが言う。

「うん、確かに古いな」

シュタルクが同意する。

「そうね、ずいぶん人が入っていないみたいね」

フリーレンは、スタスタと奥の方に入っていく。

「あっ、フリーレン様、気をつけて下さいよ」

とフェルン。

「二人こそ気をつけて、あ、そこ、落とし穴になってるから、気をつけてね」

とフリーレン。

「え?」

シュタルクとフェルンが、落とし穴に落ちそうになる。

「あわわ」

「きゃあ」

なんとか落ちずに踏ん張った二人。

「ほら、言ったでしょう」

とフリーレン。

その後も

「そこ、踏んだら天井が落ちてくる」

「そこ、矢が飛んでくるから気をつけてね」

と言い、相変わらずスタスタ歩いて行く。

「フリーレン様、どうして罠が分かるんですか?」

「それはね、私が史上最も多くのダンジョンを攻略したパーティの一員だからだよ」

とフリーレン。

「そういや、師匠も言ってたな、多分俺達が史上最も多くのダンジョンを攻略したパーティだろうなって」

シュタルクがそう言う。シュタルクの師匠はドワーフの戦士アイゼン。

「確かに、私もハイター様からダンジョン攻略の話は良く聞きましたね」

とフェルン。ハイターは、フェルンの育ての親で、僧侶だった。

「ヒンメルがダンジョン好きだったからね」

「けど、ハイター様が言うには、フリーレン様も結構ダンジョン攻略を楽しんでいたとか」

「うん、ダンジョンには見たことの無い魔道具や魔法書があるからね」

そういう会話を交わしていると、宝箱が見えた。

さっそく駆け寄るフリーレン。

「ちょっと待って下さい、フリーレン様」

とフェルンが言うと、有無を言わさず鑑定魔法を掛ける。

「フリーレン様ミミックです」

「フェルン、鑑定魔法の確率は99パーセントだよ」

「だから、ミミックです」

「分かってないね、フェルン。1パーセントははずれるということだよ」

「ミミックです!!!」

「これは残りの1パーセントだよ。私の長年の勘がそう言ってるんだ」

「この前もそう言ってたじゃないですか、ミミックです!」

そして、やっぱり宝箱を開けるフリーレン。

「暗いよー、怖いよー、暗いよ、怖いよ、暗いよ、怖いよ、」

ミミックにかじられジタバタしているフリーレン。それを見てあきれ返るシュタルクと盛大にため息をつくフェルン。

「おい、フリーレンって、学習能力ないんじゃ」

「シュタルク様・・・それ以上言わないでください。」

 

・・・・・・

「いや~助かった」

「もう。フリーレン様、いい加減に懲りて下さい」

「分かったわよ」

とフリーレンは言うが

(またやるんでしょうね~)

とフェルンは内心思っている。

そんなこんなことをしていると、

「フェルン」

「ええ、フリーレン様」

二人は魔物の気配を感じる。

フリーレンとフェルンは杖を構え、シュタルクは斧を構える。

「来るよ」

フリーレンのその声とともに、魔物が襲いかかってくる。

しかし、三人はあっさりと魔物を退治する。

だが、

「まだいるね」

「ええ」

三人は警戒を解かない。

すると、魔物がワラワラと出てきた。

「ちょっと数が多くありません?」

とフェルン。

「うん、確かに」

シュタルクも同意する。

「やるしかないね。幸い、一体一体はそれほど強くなさそうだね」

とフリーレン。

「けど建物が古いので、あまり派手な魔法は使えないのでは無いでしょうか?」

ろフェルン。

「そうね、地道にやるしかないね」

フリーレンはそう言うと、魔法を打ち出す。

「ゾルトラーク」

光の奔流が魔物を消滅させる。

「ゾルトラーク」

「ゾルトラーク」

フリーレンとフェルンが魔法を連射する。

「うおおおおおおお」

シュタルクが突っ込んで行く。

そして・・・

「はぁ、はぁ、はぁ、さすがにしんどかったぞ」

いささか息を切らしているシュタルク。

「さすがに、数が多すぎましたね」

と、いささかお疲れ気味のフェルン。

「確かに、ちょっと多過ぎね」

とフリーレン。けろっとしている。そこは、さすが普段はどうであろうと、伝説的な魔法使いだけのことはある。

さらに奥に進んでいく一行。

「この先に魔物の気配がする」

とフリーレン。

「え?どこです」

「?どこだ?」

フェルンとシュタルクがキョロキョロしている。

すると、フリーレンは、

「あれよ」

「あれって?」

見ると、何か鳥形の彫像が何体かある。しかし

「あれ、ガーゴイルだね」

「あれが?」

「そう、動き出す前に始末するよ」

と言うと、

「ゾルトラーク」

フリーレンの魔法が彫像に直撃。

フェルンも魔法を放つ。

「ゾルトラーク」

何体かの彫像が砕け散るが、残った彫像が動き出し、一行を襲う。

「うおおおおお」

シュタルクが斧を構えて突っ込んでいく。

「シュタルク様、気をつけて」

フェルンが魔法を放つ。

ガーゴイルの一体が消滅する。

だが、もう一体がシュタルクを襲う。

しかし、シュタルクは斧を振いガーゴイルを撃破。

一行は無事ガーゴイルを退治する。

「上手くいったね」

「はい、でもフリーレン様が気づいていなかったら危なかったかもしれません」

「そうだな、一見したら魔物だなんて思えないよな」

と、フェルンとシュタルク。

「よし、先を急ごう」

一行は先に進む。すると・・・

「行き止まりですね」

とフェルン。

「そうだな」

シュタルクも言う。だが、

「いや、これは扉だね」

フリーレンが壁にある仕掛けを見つけたようだ。

「よし、開けてみよう」

とフリーレンが扉を押す。すると、壁が動き隠し通路が現れた。

「よし、行こう」

一行は先へ進む。

「これ、遺跡と言うよりは迷宮ですね」

フェルンがつぶやく。

「確かにな」

とシュタルク。

そして、一行はさらに先へと進む。すると・・・

「・・・何かいますね」

「ああ」

「うん」

3人は警戒する。

見ると、巨大なゴーレムが立っている。

「これは・・・」

とフェルンが言い、

「何かを守っているわね」

とフリーレン。

「だな」

シュタルクが同意する。

「よし、やるか」

3人は戦闘体制をとる。

そして、ゴーレムとの戦闘が始まった。

ゴーレムは巨大だが動きはそれほど早くなく、攻撃も大振りだ。3人にとってはさほどの敵では無い。

しかし・・・

「硬いですね」

とフェルンが言う。

「ああ」

とシュタルク。

威力の大きい魔法を使いたいところだが、遺跡が古いので、崩壊の恐れもある。

なので、3人は慎重に攻撃している。

しかし

「ここだね」

フリーレンがゴーレムに魔法を打ち込む。

すると、ゴーレムは崩れ落ちる。

「すごい」とシュタルク。

「さすがフリーレン様ですね」とフェルン。

「ゴーレムはね、ある箇所に魔法を打ち込むと崩れるの。覚えておくと良いよ」

とフリーレン。

そして、一行はさらに奥へと進む。

すると・・・

「行き止まりですね」

とフェルン。

「そうだな」

とシュタルク。

「いや、また隠し扉だね:

よく見ると壁の一部だけ色が違う所がある。

3人はその扉を開ける。扉はギシギシと音を立てて開く。

3人は中へと入る。すると、そこは・・・

「どうやら祭壇のようですね」

とフェルン。

「ああ」

とシュタルク。

「あれは・・・」

3人は近づく。

しかし、なにか障害物のような物にぶつかる。

「結界ね」

フリーレンが言う。

「これ以上は近づけませんか」

とフェルン。

「結界を破れば近づけるけど、やめておいた方がいいね」

「どうしてです?」

「あそこにあるのは、多分聖杯だよ?」

「聖杯?」

「そう、女神様の血を受けたとされるものだよ。私も実物を見るのは初めてだ」

「そうなのか」

とシュタルク。

「聖杯の中にある血を飲んだら驚異的な魔力を得られる、と言われている」

「そんなものがどうして?」

「それは分からない。恐らく、遙か昔からあるのだろう。」

フリーレンは続けて言う。

「恐らく、聖杯の中にあるものを飲んだら驚異的な魔力を得られる可能性はあると思うけど、それはとても優秀な僧侶、そう、ハイターみたいな僧侶でないと、無理でしょうね」

「確かにハイター様だったら」

フェルンが言う。

「でも、そんな事が出来るのはごく少数、普通の人では何の効果が無いばかりか、下手すれば効果に耐えられなくて死ぬかもしれない、と思うわ」

「じゃ、ここにある聖杯は、何の役にも立たないということか」

「私たちにはね。ハイター並みの僧侶がいれば話は違うけど、ここはそっとしておく方が良いね」

「なるほど、ところで、聖杯と魔物が出たのとは、どういう関係があるのです?」

「恐らく、結界が弱くなって聖杯の存在が表に出たからじゃないかな」

「結界が弱くなってか?いまでも俺達これ以上入れないぞ」

「それでも、私かフェルンだったら、今のこの結界は破壊できるよ。本当はもっと強かったんだろうね」

「それで魔物達が聖杯を破壊しようとして現われたと」

「うん、前にあった勇者の剣の時と一緒、本能的に危険性を感じて破壊しようとしてるんだろう。普通の魔物には無理だけど、力のある魔族なら分からないわね」

「ではどのようになさいます?」

「結界を強化し、再び聖杯の存在を隠すようにしよう」

「そんなことが出来るのか?」

「もちろん、フェルン、手伝って」

「はい」

フリーレンとフェルンは魔力を注ぎ、結界を強化しなおした。

「これでいいでしょう」

そして、一行は引き返す。

「あのゴーレム、かわいそうなことしたわね」

「どういうことだ?」

「恐らく、あのゴーレムは、聖杯を守るために作られたのよ」

「え?ではあのゴーレム、遙か昔からあそこにいたのですか?」

「でしょうね」

「たった一体で?」

「そう考えると、眠らせてあげて良かったのかも、とも思います」

「そうかもね」

そして、一行は遺跡から戻った。

 

「・・・フリーレン様、これ・・・」

「う~ん、思ってたのとはちょっと違ったかも」

村に戻ったフリーレン一行は、神父から報酬の「魔力を込めると宙に浮く魔道具」を手に入れた。

実は、それを使ってシュタルクを空中で移動させることは出来ないかと思っていたのだ。

フリーレンとフェルンは、飛行魔法が使える。

しかし、シュタルクは当然使えない。

従って、どうしても空を飛ばなければならないときは、シュタルクはフェルンが運んでいたが、シュタルクは完全に荷物状態で運ばれるのだ。

それを何とかしようと思ったのだが・・・

「このサイズじゃ」

「無理ですね」

その魔道具は、手のひらに乗るようなサイズだった。

「やっぱ俺、お荷物かよ・・・」

「う~ん、こればかりは仕方無いよね・・・」

「いかんとしがたいですよね」

「そんな~」

シュタルクがうなだれる。

しかし、

「けど、魔物がいなくなることだし、この町の人が安心できるのなら、やった甲斐はあったのかな」

「そうですよね」

とシュタルクとフェルンは話す。

「そうだね。それに、この魔道具、面白いことは面白いしね」

「フリーレン様・・・」

(あ~、やっぱりガラクタが増えるという展開ですか・・・)

フェルンは内心思う。

けど、フリーレン様が楽しそうだからいいか、とも思うフェルンである。

「じゃ、そろそろ行きましょう」

「そうですね」

「ああ」

3人は町を後にする。そして、新たな旅が始まるのだった。

 

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