Jemitent   作:2.71

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生命

テントの杭を石で打ち込む。

手に石が当たりそうで、少し力を緩める。

あたりに、カン、カンと音が響く。

 

固定し終わると、テントの中に入る。

4人は少なくとも入れそうな少し広々としたテント。

川の音が心地よく流れる。

まだ、日は完全に落ちてはいない。

でも、これ以上暗い所で歩くとどんな危険があるのか分からない。

昨日だって、そのせいで足が痛くなった訳だし。

 

そう考えている内に、休んでいた男が、テントの外に出る。

何かあるのだろうか?そう思って外に一緒に出る。

 

彼は岩にしては小さいが、岩に乗っている。

よく見ると、釣り竿を持っていた。

なるほど、夕食の確保か。と、納得する。

夕食の確保もあるから、まだ日が落ちてない時にテントを組み立てたのか。

 

近くで様子を見ていると、何かが引っかかったようで、彼は力強く竿を引き始めた。

「Pase genmeat!」

と、彼は自分に向かって言う。

多分、手伝ってほしいのだろう。

彼の握っている釣り竿に手を重ね、引っ張る。

ようやく取れたかに思えたが、釣り竿の先には何も付いていなかった。

「Jili weas fes kerean…」

と、悔しそうに彼は呟いた。

 

さらに、釣りを続ける。

太陽はまだ空に浮かんでいる。

日の光が自分たちを照らし、魚たちは影に隠れている。

虫は太陽に照らされ、はっきりと見えた。と、思ったら思ったよりも速くて見失ってしまった。

そんなこともあるよな…そう思っていると、ザバッと何かが水面から出るような音が聞こえた。

「まさか…!」

と、横を見ると、彼が誇らしそうに釣った魚を持っていた。

さっきの巨大魚と比べたらまだ小さいが、1人分には十分な大きさだ。

と、考えていると、彼は釣り竿を渡してきた。

「Ja un gfeet…」

と、疲れた様子を見せて、テントに戻った。

交代されたので、釣りを続ける。

 

退屈な時間が続くが、釣りは辛抱が大事だと言う。

大変だが、頑張ろう。

 

ずっとボーッとしていると、釣り竿が引かれるような感覚。

離すまいと釣り竿を強く握りしめる。

かなり抵抗が強い。これが生命の強さなのだろうか?

でも、負けていられない。今日の飢えを凌げるのはこれにかかっている!そう暗示して、力を込め続ける。

釣り竿がかなりしなる。ギシギシ言ってる。

かなり不安になる。でも、魚の抵抗が一瞬弱まった。

 

「おりゃあ!」

ザバーン!と、水面から大きな音と共に釣り針にかかった魚が飛び出してきた。

思ったよりも大きくて、ビチビチ跳ねる。

「あ、」

と、魚が地面に落ちて、強く跳ねる。

「Ja fos fajiwer jilion.」

と、さっきの大きい声で不安にさせてしまったのか、彼がいつの間にかすぐそばにいた。

彼はナイフを持って、跳ねる魚のエラあたりに刺す。

少し、魚はビクンと動いたあと、ついには動かなくなった。

 

あたりの地面に赤色が広がる。

この魚も1つの命だったということが伝わってくる。

特に意味はないが、合掌することにした。

せめて、意味のある死でありますように、と。

 

彼は最初に釣った魚の処理を終わらせたらしく、内臓が抜かれていた。

そして、彼はさっき釣った魚も持って、テントの中に入る。

その様子を一目見ようと、テントを覗く。

腹にナイフで1切りして、内臓を手で抜く。

早い。プロ並みなのではないかと思うほどだった。

 

太陽をふと見ると、もう、木々に接するほど低くなっていた。 もうそろそろ火をつけないといけないと、思ったが、まだ火どころか燃料すらない。

マズイのでは?と、思いながら、急いで枝や葉っぱを集める。

枝や葉っぱとはいえ、運ぶのは大変だ。

ずっと同じことをしていると屈むときに腰が痛くなってくる。

それでも拾い続ける。

日はもうかなり低い。

水平線よりは低くはなっていないが、こちら側にも影が伸びていた。

 

「Ou,Jimsom.」

と、彼がようやくテントから出る。

火をつけるのは大変なんだから、なんで手伝ってくれなかったのか?と、文句を言いたかったが、彼はその枝と葉の集合体に近づく。

 

火をつけるのは任せたぞ?と、目線で意思を伝えようとしたとき、彼は、その集合体に手をかざす。

「Deasox」

と、彼がいうと、その集合体に火が付いた。

 

 

「………え?」

魔法、あるの?

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