負けない愛が無かったなら作ってしまえ~いれぎゅらぁC~   作:シロツメクサ

11 / 11
X4~X5までの空白期間の話


Story Assort Vol1

MiniTale1:悪夢を見る二人

 

カウンターハンター達に組み立てられた後から徐々に俺はメンテナンスを受ける事が嫌になっていった。

メンテナンスポッドに入って眠ることすら拒否感が強い。

決まってと言っていいほど高確率で俺は夢を見るようになった。

 

「ゼロ……ゼロ、ワシの最高傑作……!」

「何を寝ぼけておる、行けッ壊せッ!!ヤツを破壊しろッ!!!」

「お前こそが最強であることを証明するのじゃァッ!!」

 

内容に差はない、誰だかわからんジジイが呼びかける。

……変な夢のようなモノだ。

ドップラーの反乱の後からさらに酷くなっていった。

一方的に俺を知っている様な口ぶりで話して……目が覚める。

 

最悪なのはこれで俺が魘されているのをメンテナンス担当が良く耳にしている事だ。

いつアイリスにこの事が割れるか分からなかった。

エックスにもこの事は話していない……ケインのジジイにも相談したが解決には至っていない。

事更に俺の過去をシグマが語った……俺が元イレギュラーだという事を。

理性があるとは思えない破壊を楽しむあの姿が、本当の俺なのか?

 

分からない、俺がもしもあの破壊を楽しむ俺に……イレギュラーの俺に戻ってしまったら……

整備を受ける度に見る映像はどんどん存在感を増している。

次目が覚めた時に俺が俺であるのか……起きた時にイレギュラーになってしまって……

その結果、アイリスを傷つけてしまったら……?

考えれば考える程に俺は……俺自身が怖くなってメンテナンスを受けるのを拒むようになっていった。

だが、ハンターを続ける以上定期点検は欠かせなく……再三の通知に渋々受けに来た。

 

整備担当はあの暴力女だ。

 

「入るぞ……おい、寝ているのか?」

 

メンテナンスルームに入るとコンピュータデスクの前で突っ伏して眠る姿があった。

あの翼も格納した……アイリスに見間違えるような姿で。

各所のアーマーが違うからこそ見分けはつくが……

 

「起きろ、点検をするんだろう?」

「ッ、あっ……ごめんなさい、ごめんなさいっ……ぁ、ゼロ……さん、ですか……」

「……おい、大丈夫か?」

 

身体を揺すると跳ね起きたが……様子がおかしい。

まるで悪夢を見ていたかのように。

 

「あ、はは……研究に熱が入りすぎて活動限界までやっちゃったみたいで……面目ない、そちらのメンテナンスベッドに寝て待ってて下さい」

「……」

「大丈夫ですよぅ、ちょっとエネルギー補給にコーヒーリキッドを……ゼロさんも飲まれますか?」

「要らん、飲むにしても点検の後だ」

「あー……それも、そうですね……っちゃー」

 

どうにも上の空に見えるが、今のコイツにまかせていいのか……?

ケインのジジイにはお墨付きをもらったみたいだが……

 

「変なところを弄るなよ」

「……点検整備だけなのに……心配ならダグラスさん呼びましょうか?」

「……」

「まぁ、信頼が無いならそうはっきり言って下さい、怪しいのにイジられたくはないでしょう?」

「ジジイが認めてるんだ、頼む」

 

……整備が終わったら少し聞いてみるか?

 

 

 

 

 

私は元々人間だった事もあって夢を偶に見る……記憶のリフレインだ。

忘れないようにするっていう意味合いでもこれはちょうどいい……罰だ。

 

『恨めしい、お前なんて凍えてしまえクワ』

『なんで俺は見捨てたんだぁ~?』

『お前も踏み潰してスクラップにしてやるゾウ』

 

私が修理しては再び停止処分にさせたレプリロイド……イレギュラーとして処分された者達に責め立てられる夢だ。

 

『アレも私、あれは俺、これはコレコレコココ……オマエモワタシノ一部になれェェェ!!!』

『地獄の炎で焼き尽くしてやるぜェ……クソアマァ……!』

『ナウマンダー同様につぶしてスクラップにしてやるよォ……!』

 

私は動けない、それぞれの腕が私の四肢を掴んで離さない。

メキメキと嫌な音を立てる……救いたかったけれども、あまりにも危険すぎたから……

いや、これも私の価値観からのモノ……だから、忘れず、謝るしかできない。

 

スリープモードや意図しないエネルギー低下時に来るスリープで見てしまいがちで……正直、寝不足は寝不足でした。

かなり遅めの整備に私が割り振られたんですが……ゼロがその整備相手でしたか。

動揺からなかなかちょっと……アレな応対して不審がられてしまいましたよ。

ともかく……念願かなっての頭脳回路等のフルスキャン図が合法的に見れる。

あとは損耗箇所があればそこをしっかりと見て交換、修繕したらいい。

今はとにかく仕事に集中……信用がないなら少しずつ積み上げていくだけですよ。

 

「う……うぅっ……ぐっ……」

 

あぁ、この時期にはもう……どうにかしたいですが……

私にワイリーの執念を振り払うだけの事が出来るんでしょうか……ロボットにはロボットの生き方が、定めた生き方以外を歩む権利くらい……

やっぱり、ワイリー博士もどこかに居るんだったら……一発くらい、殴らないと気がすまないですね。

とりあえず、メンテ完了後はアイリスを呼びましょう。

 

 

 

 

MiniTale2:アイリス見守り隊

 

ことの始まりはたしか……自然科学研究所が新たに開設した公園の話題が上がった事だった。

保護観察中のヘチマ君が管理お手伝いをしていたりでハンターベースにも情報が回ってきていた。

エックス隊長も映像データを見て良さそうだと話していた所……アイリスが一言つぶやいた……

 

「次のお休み、ゼロを誘って行ってみようかな……」

 

そう、何を隠そうアイリスからのデートの気運が漂ってきたんです。

ゼロ専属のオペレーターみたいな所があるアイリスだから非番は把握している。

なんなら非番のローテーションはお互いのモチベーションの為にと一緒にするように提言していまして!!

火急の任務は無いハズ、私、クロエの非番も合っている……

ならもう見守るしか無いですよねぇ?

あらあらあら待ち合わせ場所まで……可愛いですねぇ。

ポワポワと想像して幸せいっぱいな笑顔を見せてるのも……はぁー癒される。

よし、絶対護る……日時、待ち合わせ場所もインプットした。

 

 

 

じゃあ先回りして周辺警備しましょうって意気込んだ所だったんですが……

 

「なんで貴方まで居るんですか、カーネルさん?」

「……それはコチラのセリフだ」

「私はただアイリスさんとゼロ隊長のお二方の幸せそうな姿を見守りたいんです」

「余計な事はするなよ」

「もっちろんです、イエスゼロアイ、ノータッチっです」

 

なんとソコには同志カーネルの姿が。

お互い完全武装状態じゃないですか、何をしにいくおつもりで?

 

「……不届き者には?」

「鉄拳制裁」

「アイリスを泣かすものは」

「無事に帰すな、地獄を見せてやる」

「少し甘いが良かろう」

 

まぁ同じ目的だったようで。

カーネルとしては妹アイリスの幸せのため、複雑な思いを抱えながらもゼロとの仲を応援する立場……

不届き者が出ないか、ゼロがアイリスを泣かせる酷いことをした場合はぶち殺しに行く……そんな所でしょう。

私は勿論……不幸が降りかからないようにホットスタンバイしてるってワケです。

 

「アイリスさん、どんなおめかししてました?」

「ヒューマンボディにサマーワンピースだったな、可憐だったぞ」

「まぁ……!」

「ゼロのヤツは……普段通りだろうな」

「まぁ、はい……常に戦場に居るつもりの方ですからね、貴方と同じで」

 

ここ数週間の観察からしてゼロはそういう男なのはもう分かってますし。

びっくりするくらい一生涯を通して不器用な男なヒトですからね。

 

「あっ」

「む……」

 

やっぱりというか、待ち合わせ場所の忠犬像の前にゼロがやってきた。

予定時間の30分前……そこは外しませんね、流石です。

ただこれで迂闊な事は出来ませんね……ゼロはかなり勘が鋭い……

そしてやはりと言うべきか……武装もなにも全部持ったまま……!!

ある意味ゼロらしいといえばらしいので良いんですが……デートにそれで良いんですか……?

かと言って何かオシャレ着したゼロ……想像出来ないんですよねぇ。

ココから歩いて公園までは大凡5分程度……歩道も整えられていて……

 

「……むむっ」

「あらあらぁ……待ちきれなかったのはお互い様だったご様子……」

 

流石に会話内容までは聞き取れないですけど……むっほぉぉぉぉ!!爽やかなワンピースに麦わら帽子のアイリスッッ……!!

お互いに笑顔が溢れて、ひょっほっほほぉーぅ!!

あっあっ!!手を繋いだ!!アイリスから勇気を出して、控えめに!!

 

「……その、今更だが礼をいう」

「はい?」

「お前が止めてくれなければこの光景は見れなかっただろうな……とな」

「あぁ……全くですよ、力は正しく使ってこそ……ですよ、カーネルにーさん」

「冗談でもやめろ……追うぞ、バレないように隠密にな」

 

ちょっと爆発しかけたところを急激に現実に引き戻してくれたのは礼をいいますけど……余韻……

まぁ、カーネルさんも居てこそ曇り無くって所でしたから……

移動し始めたゼロアイカップルを見守るべく私たちも移動し始めた……

 

 

その後20分くらい泳がされてゼロに見つかり、しこたま怒られました……アイリスに。

カーネルは見事に”見損なったぞカーネル!”からのマウントポジションとられてボッコボコ……私の殴り方を完全再現されてました、哀れ。

心配なのは分からなくもないけれどゼロが隣に居て万が一は無いですって……

照れて俯くゼロを拝めたのでとりあえず……ヨシ!!

 

「ただいま戻りまし……あのぉ、エックス隊長、なんでそんな笑顔で拳を握って……あ、やだ、ふりかぶ……ぎゃぶふっ……ぐぉぉぉぉ」

「心配するのはわかるけどストーキングは犯罪だ!!」

「ちゃ、ちゃうんです……げぶらっ、二発目ぇぇ……」

「とにかく!!今後こういうのは駄目だ!!いいね!!!」

「はひぃ……」

 

怒ったエックス、こわひ……え、帰った後はゼロからも一発あるって?

うっそぉん……




追記 日付10/06

評価バーに色付きました
マジかよ、あったけぇ……ぬくもりてぃ感じる……
これも偏にアイリスという天使のおかげ……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

傍観竜ガレヲンは今日も空を満喫する(作者:あかちゅきぼちゃん)(原作:グランブルーファンタジー)

前世は社畜。▼今世は六竜。▼つまり、出勤も納期も上司もない。▼「歓喜。(自由)」▼過労の果てに目覚めた男は、なぜか空の世界の理を支える六竜の“金”――ガレヲンになっていた。▼原作知識は完備。▼未来の悲劇も、救われない命も、面倒な事件も大体知っている。▼だが本人は思った。▼全部に介入する?▼面倒。▼何より、それは空の命の歩みを奪うことになる。▼というわけで、ガ…


総合評価:1211/評価:8/連載:9話/更新日時:2026年06月21日(日) 19:49 小説情報

【どうしたら】魔法少女に変身させられたけど放置された【いいと思う?】(作者:名無しの魔法少女)(オリジナル:ファンタジー/コメディ)

転生者たちが脳内掲示板でわちゃわちゃするn番煎じのよくあるやつ。▼日夜、悪の組織と魔法少女たちが戦うある意味平和なニチアサ的世界に転生したイッチ。▼マスコット的サムシングの押し売りに負けて変身するも、いろいろな要素が悪い方向に作用して、マスコットは絶叫して逃走。▼おいてけぼりを喰らったイッチはしゃあなしに、転生者たちが集う脳内掲示板に助けを求めるのだった。▼…


総合評価:3209/評価:8.52/連載:5話/更新日時:2026年09月13日(日) 12:00 小説情報

『刹那! トランザムは使うなよ!』『了解! トランザム!!』(作者:とんこつラーメン)(原作:僕のヒーローアカデミア)

ガンダム好きの人間がいきなり転生!▼転生先の世界の事はよく分からないけど、ガンダム愛さえあれば何でも出来る!!▼ガンダムは最強! ガンダムは無敵! ガンダムに不可能はない!!▼そう! 俺が! 私が!!▼私たちが…ガンダムだ!!!▼


総合評価:3439/評価:8/連載:27話/更新日時:2026年09月28日(月) 22:03 小説情報

技術試験隊斯ク戦ヘリ(作者:ザクスキー2世)(原作:ガンダム)

欠陥機、鹵獲艦、飛べるが帰れない試作機。▼まともなものが一つも回ってこない第603技術試験隊で、名家のお嬢様が愚痴を言いながら戦うお話。▼主人公は転生者ではないです。▼原作で死亡するキャラは、そのまま死んだり生き残ったりする予定です。▼基本的にMSIGLOO準拠ですが、一部ジオリジンの設定を持って来ます。▼箸休め程度に気楽に読んでもらえると幸いです。▼第1章…


総合評価:2550/評価:8.9/連載:34話/更新日時:2026年09月26日(土) 18:00 小説情報

転生したら聖園ミカだったけど、どう考えてもここはキヴォトスではない。(作者:Othuyeg)(原作:強殖装甲ガイバー)

どこをどう見てもキヴォトスではない場所に聖園ミカの姿で転生した元(・)一般人の話。▼※なんかしら反応があったら続く。▼※予想外に反応が多かったので連載に切り替えました。君らガイバー二次に飢えすぎだろ。▼※pixivにもマルチ投稿を始めました。(2026/07/26)


総合評価:3185/評価:8.5/連載:13話/更新日時:2026年09月20日(日) 17:15 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>