レイゼルお兄ちゃんと一緒に戦い、リィアン内に戻った夜。今レヴェンが私達全員の機体の回復をさせている。レイゼルお兄ちゃんが6人全員集めて、襲ってきた奴らとあの神殿について話した。
「あいつら何者なの?」
「そうだな…ひとまとめで言えば…人ではなく、データが現実化された物みたいなもんだ」
「データが現実化?」
「さっきの戦いで、人が乗っているのに撃破しただろ?でも機体がすぐに復活してたのをこの目で見てたはずだ。それが俺の言うデータの現実化みたいなもんだ」
データの現実化なら確かに私らの機体には傷があるし、多少は納得するけど。レヴェンの方から話が来た。
(レイゼル。それにしても介入者がお前だけじゃないということは大変なことになるぞ)
「何が目的かは俺も分からないが、ひとまず俺達を狙っているということは軍事基地の組織の仲間でも、俺の仲間でもない第三者の介入ってのが妥当だな」
レイゼルの仲間は元々私らの味方だった二人のココとミランダだけ…軍事基地の仲間が襲撃なんてありえないし、マナの主要者が機体を開発して襲ってきたというのもおかしな話になる。
「奴らが現実化されたデータであるってことはひとまずそれで理解しておくわ。仕向けた黒幕の方は?」
(すまない…襲撃した黒幕はまだ分からん。だが、これだけはわかる。我々は誰かに監視されている…ということがな)
「「「「「「⁉︎」」」」」」
(そもそも、あんな絶好のタイミングで狙ってくるということと我々の機体の戦闘力を見られている確率が高い。我々がそれを恐れて、下手に不審な行動をすることになれば、我々のどちらかの属する組織が襲われることになるぞ。これは脅しではない…私の予測だ。
と言っても。この島を離れてようが離れまいが、そのまま過ごせとしか何も言えないし、手のうちようもない)
さっきの奴らが何者なのかはよく分からない。レイゼルお兄ちゃんでさえ分からなかった。結局、最後に襲ってきた連中が何者なのか、なぜ洞窟に神殿が建てられてそこにアヴァランチエクシアがあるのか…不明なままだった。
*****
奴らのことについての情報が余りにも無さすぎる。洞窟の出入り口からいきなりの謎の集団の強襲だったからな。はっきり言ってその場の対処でしかなかった、と言ってもこいつらを巻き込むことになるなんてな。
「なんか…凄いことになっちゃったね」
「…ホントね」
そもそもタスクはエクシアに乗って戦闘を開始する羽目になっていたわけだし、アンジュの方はヒルダのせいで、この島にたどり着いてしまったけど、
レヴェンの協力によって高速でヴィルキスの方は直してくれたおかげで通信は繋げれれるが、深夜だからな。多分今日はこれないだろう。
「ともかく、あの戦闘や洞窟の神殿についてのことはそっちの軍事基地に話さないほうがいい。余計にややこしくなる。」
確かに、これを伝えることになるにしても余りにも情報が足らなすぎる。それを無闇に言うだけ無駄だし、混乱させるだけだ。3人は理解して寝ることにした。話し終えて、ヒルダが
「あのさ…気になることがあるんだけどいい?」
「なんだ?」
「私らの隊長の事についてなんだけど…相談いていいかな」
ゾーラという隊長に関して…と言われても俺はその人のことはあまり知らないぞ?前にアンジュリーゼがゾーラにぶつかり、どうなっているのかは知らないが怪我はしただろう。ヒルダがゾーラが意識不明でどんな状態かを言ってたら…俺じゃなくレヴェンが
(あぁ…それ絶対生きているぞ?)
「えっ⁉︎」
レヴェンからするとゾーラの意識不明の正体は
眠っているのに、意識がないのに手が動いているということと
右目を失っているというのに奇跡的に右目が生きているということは…ゾーラは何者かによって生かされてあるという症状とされる。何者かが症状を解除しない限り復活しないとのこと。
「良かった…!」
(生きているっていう保証はできるがいつ目覚めるかは分からない。)
一応ゾーラは生きてはいる。けれど、いつ目覚めるかはまだ分からない。タスクはトランザムを使ったとはいえ取扱説明書を見ただけで即興で使い、倒せたのだ。しかし、戦闘に慣らさないとまた後からの戦闘は厳しい。ガンダムアヴァランチエクシアを使えるようにするために
「俺に…この機体の扱い方と戦い方を教えてくれ!」
「…分かった」
俺はタスクに夜の就寝時間までの間にエクシアの操作や戦闘を徹底的に叩き込んだ。そもそも最初は機体に慣れていなかったために、機体に余計な動きをさせているのだ。長時間戦闘が可能になり、実戦でも本領を発揮出来るだろう。タスクの方にはエクシアの倉庫はないが、移動しながらの自動ステルス性を持っているのでそれを使えればいい。
そして、次の日の4:00ごろ
「じゃあな。お前ら。ここでお別れだな。できれば、こちらからヒルダを完全に仲間にして欲しいんだけど。そういうわけにもいかないんだろ?」
「うん。待っていてほしい」
ミランダとココには連れて行かなくてもいいの?と言われてはいるが、ヒルダがまだ一緒にはいられないのなら妹の意思を尊重してやらないといけない。一応、フェスタの時に脱走し、実家に行くためにまた俺と会う。そして、ヒルダが実家に帰る為のフェスタの開始日…その日はヒルダの母親の誕生日の1日前だった。
まさかヒルダとの約束によって11年ぶりに俺も家に帰ることになるとはな…
「本当なら…ミランダとココを連れて帰りたいのもあるけど…妹を懸命に思う貴方なら責任持ってこの二人を守れるからね…」
アンジュの方は俺がミランダとココを責任持って保護してくれるというのを信用してくれている。だから、強引に二人を連れて帰ったりとかはしないし、アンジュは連れて行かない。
「もし軍事基地の方が危なくなったら…妹のヒルダだけでも助けてあげなさい。」
「ヒルダ姉様!アンジュリーゼ様!お元気で‼︎」
俺はリィアンを操作し、この無人島から去っていった。ヒルダとは実家に帰って話をつけたいって言うのなら俺は妹のことを信じてあげるしかない。一度、約束を裏切った身だ。
だからその時まで待つよ。
*****
「姉様…ね」
私はレイゼルお兄ちゃんが去っていった方向を眺めていた。私が脱走した時にまた、お兄ちゃんともう一度会うだろう。
「君はどうする?一緒に来ない?」
私の方は軍事基地に帰るつもりだ。
アンジュがこの男を連れて帰るって言う可能性もあるし、てゆうかこいつ。アンジュの事について惚れているわけだし。
「あんたはどうしたいの?アンジュ…」
その時にヴィルキスから通信が来た。アンジュの方はタスクの誘いを断った。
「私達、帰るわ。今はあそこが…あそこしか私の帰る場所はないみたいだから」
「…そっか」
これで、アンジュと私は軍事基地に帰ることが決まった。色々あったけど、タスクと兄貴がいなかったら私とアンジュは喧嘩していただろうし。
「ありがと…私一人じゃ死んでた。ヒルダもありがと。」
「別に…兄貴がいなかったら絶対にあんたに嫌がらせしてただろうし…」
「でも、洞窟の時にまだ入っている私を守ってくれたことには変わりないわ」
それからタスクの方にアンジュが寄って
「ごめんね。一緒に行けなくて」
どうするのかと思ってたら、アンジュがタスクの胸ぐらを掴んで顔を赤くしながら指摘していた。
「いいこと!私は貴方とは何もなかった!何も見られてないし、何もされてないし、どこも吸われてない‼︎全て忘れなさい…いいわね‼︎」
「は、はい!」
私がお兄ちゃんのことベタ惚れしてるって言ってる割には、あんたはタスクの事…人のこと言えないじゃない
タスクがあんなすけべなことされて…嫌ってないのだからホントは好きなくせに。
「またね、アンジュ。ヒルダ」
「変な人…」
アヴァランチエクシアはタスクがステルス状態になって、一緒についていっているのはわかるけど…見えなくなり消えてしまった。
「アンジュー!ヒルダー!」
私達もまた、エルシャ、ヴィヴィアン、ロザリー、クリス、サリア5人のいるヘリに乗って軍事基地に帰ることになった。
「大丈夫⁉︎変なことされてない?」
「私の方はなんともない。あいつすぐに立ち去ったから」
黄金の機体と出会った時、どこかで聞いたような声がしていたら兄貴なのかと疑問に思っていた。でも、捕まえられて裸を見られて振り返ってみればすごい恥ずかしい。
寝言の方もロザリーやクリスに聞こえないようにしとかないといけないし…
結局アルケーガンダムは渡してもらえなかったけど、今はまだそれでいい。私が軍事基地を脱走して…実家に帰って、ママと出会って。その後にお兄ちゃんと一緒に行くかは考えればいいんだ。お兄ちゃんとまた会えて、疑問の方もちゃんと答えてくれた。ノーマだったことには驚いたけどさ…やっぱ、お兄ちゃんは相変わらずお兄ちゃんだった。
私の裸見てスケベになってるけど、嫌いにはなって欲しくないかな。
もしママにも見捨てられて兄以外私の居場所がなくなったら…その時は、レイゼルお兄ちゃんのこと…溺愛してもいいよね?