連れていかれる前の話、小さい頃に兄と妹は、風呂場での裸の付き合いの時にとある告白をした。全てをさらけ出して、ノーマだとしても愛するという行為は紛れもなく純粋だった。
私、お兄ちゃんのお嫁さんになる!
その夢って叶えるのかな?
うん。叶えるよ。だから、その夢を持って生きててね。好きだよ?ヒルダ
私もレイゼルのこと大大大ぃ〜好き!これからもずっと一緒にいようね?
あぁ。ずっと一緒にいよう。
ずっと永遠に愛してる。
うん!だって私達…運命の赤い糸で結ばれているんだもん!
指切りしよ!
俺は約束を破らないよ。俺はいつもヒルダのことを大切に思ってる。
レイゼルはヒルダがノーマであっても拒絶しない。ヒルダもまた彼がノーマであっても愛しているという気持ちは変わらない
彼は幼い頃に彼女との約束を破り、彼女は彼を疑ってしまった。お互いが自分の心に嘘をつき、指切りを破いてお互いの関係を引き裂いてしまった。
「貴方なんか産まれて来なきゃ良かったのよ!」
お互いハッキリと本心を言わないで心の底から助けてって言わなかった。でも、レイゼルはヒルダにむかってどんな返答をされたとしても動じないことを決意した。彼の本心が、ヒルダの心の鎖が解かれた。ここまで来るのに遅すぎる。死んでほしくない。生きてて欲しいと心の底から思っていた。
殺されそうになっている俺にヒルダは涙を流しながら、
『私を世界で1人ぼっちは寂しいしないでよぉぉ‼︎』
親に生まれてこなければ良かったと言われ、兄を疑ったけれどそれでも
『お前が生まれてきてくれて本当に良かった』
ヒルダを受け入れてくれた。元々兄はヒルダのことばかり一生懸命考えてくれた。こんな酷い世界で、悲しくて、辛くて、周りから疎外されて…
二人の気持ちはやっと子供の頃と同じようにお互いを博愛することができた。レイゼルもヒルダも涙を流していた。
二人の相思相愛は…いつも気づくのが遅すぎる
*****
時間が止まって俺とヒルダ以外の人間も、海も、アルゼナルの人達も、偽ソレスタルビーングも…二人以外誰も動かなかった。
「何が…どうなってる?」
「なんでみんな動かないんだ?」
『うざってぇよ、お前ら。ホント…うざってぇ。こうなったら2人を巻き込んで…最終手段にとらせてもらうぜ?』
俺たちの仲を見て不快感に思ったもう一人の俺は。この瞬間、俺とヒルダは何処かに飛ばされた。
■■■■■
白黒の世界。
お花畑に俺とヒルダがいつの間にか立っていた。それだけじゃない。
俺とヒルダは機体から乗っていたはずなのに…今は機体に乗っておらず、周りは白黒なのに彩りがあるのは俺とヒルダだけ。
そして、俺たちと同じように彩りがある…もう一人の俺とヒルダ…四人がお花畑で立っていた。俺とヒルダの目の前に、もう一人の俺とヒルダの二人が姿を現した。
「レイゼルお兄ちゃんと私が…二人⁉︎」
『初めまして…アタシ?』
ヒルダが目の前に自分がいることに恐怖して…もう一人の俺は睨んでいた。俺のやったことにキレているんだろう。
『このままこいつの好き勝手を許したら俺がいつ死んでもおかしくない…こうなったら、実力行使で奪ってやるよ、お前の体を』
俺がこれ以上勝手な真似をさせないためにこいつらは時間を停止させて、一対一という実力行使をしてきた。最初、もう一人の俺に出会った時は脅されて、目的が不安定になってしまい、無意味なことをさせた。
でも今の俺には、躊躇いはない。
「もう俺は…迷わない…俺はお前に騙されない!」
『あーぁ。最後の最後で自分殺しのようなことしやがって。迷惑なんだよ…おまえ!』
俺に完全に乗り移ろうとするために強行手段をとってきた。俺に似ているこいつが俺のことを憎んでいるだなんて珍しいな。
目的も目標も、望みも願いも…俺とお前は全く違う…だからお前は
「お前は…俺なんかじゃない!」
『ずっと待ってたぜ…その言葉を。じゃぁ…俺の人格を上書きするために…お前の人格は死んで貰おうかなぁ?』
まるでその言葉を分かっていたかのようだった。あいつが指で音を鳴らすと…もう一人の俺の後ろから
「我は影…真なる我。さぁ乗れよ?お前の後ろにあるアルヴァアロンで」
「黒い…アルヴァアロン。」
この機体は見たことがない…けど、姿が俺の持っているアルヴァアロンと同じ。けど、黒い。俺たちの後ろにはアルヴァアロンとアルケーガンダムがあった。
『もうチマチマしてお前を陥れてのっとるのは飽きた。さぁ…甘ちゃんのお前の手で俺を殺せるもんなら殺してみろよォォォォオ!レイゼルゥゥゥゥ‼︎‼︎』
まるで俺を殺したいのを期待して待っていたかのようにもう一人の俺は黒いアルヴァアロンに乗り、それを起動させた。
『どっちが正しいか…そろそろハッキリとつけようぜ‼︎』
俺もアルヴァアロンに乗って互いにビームサーベルを使って…俺ともう一人俺との本気で戦闘を開始した。同じ機体でも性能、攻撃、行動パターンはほぼ俺の機体と似ていたが、俺の考えている思考と名前が違う。俺と比べて、あいつは残虐性が大きく、俺以上の独占と支配欲がある。俺とは姿とは似て考えることは違うからこいつのことだから絶対に相打ち狙いというわけがない。
『実力で奪い取る方が徐々にお前を苦しめるのも悪くないが、こういうのは俺らしいな』
「俺と同じ姿と声で…」
ビームライフルもGNフィールドも機能としては同じだが、戦い方が全く違う。
まさか、ビームサーベルだけの状態で突っ込んできて。ビームサーベルの攻撃をほとんどかわしてきた。
「ヒルダ…」
『よそ見してる場合かよ!』
こいつの場合は接近戦型で猛攻ばかりしてくる。遠距離が不向きだが、俺は元々遠距離で距離を保つ戦術だ。
一気に攻め込まれて、一度返り討ちにしてもまた体制を整えてとっさに突っ込んでくる。
『そらよ!』
「ちっ!」
まるで自分がビームライフルに絶対撃たれないっていう確信を持っているかのように俺がビームライフルを使ってきたらそれを斬り落とそうとしてくる。そして、ガラ空きの懐に
『終わりだ。あばよ』
ゼロ距離による高威力ビームライフル。…切り札は最後にとっておくタイプだってことはわかった。
「俺自身の迷いも…俺自身と向き合って戦う!これからもだ‼︎」
『なん…だと⁉︎』
ビームサーベルだけで突っ込んでいく不自然な戦い方だし、この機体は接近戦が好みってわけでもない100%確実に仕留めれるのならゼロ距離から砲撃。けど、ビームサーベルでも良かったはずだが、
もう一人の俺がビームサーベルで手こずっている俺の様子を見ながらもう片方の武器で仕留めるってことだ。ビームサーベル一点だけならビームライフルは邪魔なだけだろう。
「待ってろ…ヒルダ!」
だから、最後の最後でビームサーベルを使ってくるわけではなく、ビームライフルを使ってくることは予想できた。
戦闘の間に遠くまで行ってしまったためにヒルダの元に戻った。
*****
お兄ちゃんはもう一人のお兄ちゃんと戦っている…これで私はもう一人の私と二人きりになった。姿も似ていて、髪も一緒。でも、
『ねぇ?お兄ちゃんのこと思いっきり拒んだって?レイゼルお兄ちゃんかわいそ〜?嫌いなら私が貰おうか?私のお兄ちゃん』
「嫌いなんかじゃない…」
同じ声、同じ格好…本気で気味が悪い。まるで私自身。
『一度拒んだあなたが。本当に、お兄ちゃんのこと信じきれるの?』
耳から声が聞こえてくる。人間達の声、ママの声、ママの私の代わりをした娘。それぞれの声が私のことを非難してくる。
『貴方は兄貴のことを一度拒み、絶望させた。そんな貴方がお兄ちゃんに見下されてもおかしくないのに』
違う。私のために命をかけても必死に守ろうとしてくれた。そんな兄貴が私のことを見捨てるわけがない。
『貴方は兄貴を怪我したから汚れてる。でも、私ならお兄ちゃんを代わりに愛してあげれる。その気になればケダモノのお兄ちゃんの破廉恥な命令に強引に従順されても私は幸せ』
「るさい…うるさい!」
『…拒むんだ。私を』
「あんたなんか…私じゃない!」
すると突然笑い出して、景色が変わっている。いつの間にか赤色の池に立たされていた。私ともう一人の私の背後に渦が現れて、渦の中からお互いアルケーガンダムが出てきた。
『我は影、真なる我。それじゃあ勝負しようか。私と貴方どっちがヒルデガルト・シュリーフォークトで…どっちがレイゼル・シュリーフォークトお兄ちゃんを抱いてくれるのか』
もう一人の私の後ろからアルケーガンダムが出てきた。もう一人の私はその機体に乗っている。私の後ろにもアルケーガンダムがあった。でも何か違うその赤色は『何カ』でできていた。
『この機体全体が赤色なのはね…マナを使っている人をイィ〜っパイ殺しちゃったからその血で塗られているの?』
「ぐっ…」
でも、血がびっしゃりついてる。
同じ赤でも血で塗られた機体。悪い夢じゃない。見ているものは全部現実だ。
『「いっけぇ…ファング‼︎」』
もう一人の私はいらない。私という存在は一人しかいない。あの機体が動いてくるたびに血が飛び散ってこっちにまで血塗れになってしまう。目の前にいる私が怖い。
『やられる…なわけないだろ!』
「ガッ⁉︎」
強い。ビームサーベルを全部防いでくるし、まだ残っているファングも想定内だった。アルケーガンダムを自由に使いこなしている。
『あのさ。そもそもこんなクソッタレな世界に生きる希望なんてあんのかよ?私とあんたの希望なら兄貴だけどさ…あんたその希望である兄貴を苦しませたじゃん。あんたに兄貴と顔を合わせたり甘える資格なんてあるのかねぇ?
私は兄貴がどんな姿でもいいよ!甘えてくる兄貴!絶望した兄貴!
私だけを見てすがりついて、私のことしか見ることができなくなった兄貴!一緒にいられるのなら…兄貴の好きなことを私も好きになって…それが永遠に続いて…アッハハ!そういうのたまらないぐらいに最高に幸せ‼︎』
何度も私のことを裏切られた。
なんでなんでなんで?って。
私は永遠に一人ぼっちだった。助けようとする兄を拒んで、クリスとロザリーの二人の友達を拒んで。この世界が余りにも私を責めてきて、心はズタズタだった。私は不安になりながらも信じようと思いながらもママは受け入れてくれると思っていた。でも、ダメだった。
誰も私のことを助けになんで来てくれない。世界の人が私のことを拒んでくる。誰も私のことを許してもらえるはずなんてない。
ノーマに生まれてから…ママから離れてしまって、生き残るために必死で戦って、変わらない兄貴と出会って、生きて実家に帰ってきたら今度はママに生まれて来なきゃ良かったって言われて、兄貴のことを拒否して…私は酷い妹。黒い底なし沼に呑まれて、死にかけの私のことを非難する声が大きくなって聞こえてくる。
『反社会的で暴力的な化け物…』
『ノーマは人間じゃない』
『同じノーマ同士よろしくなぁ?』
『イヤァァァ‼︎ノーマぁぁ‼︎』
『あなたなんか…あなたなんか産んで来なければ良かったのよ!』
『ねぇ、ヒルダ…死ねばよかったんだ』
マナを持っている周りの人に拒まれ
ドラゴンの殺しに駆り立てられ
ゾーラにおもちゃにされ
ママに私に生きて欲しくなかったって言われて…信じた二人を拒んだ私はその2人に貶され。結局、私を誰も救ってくれなかった。
何も見えないし、苦しい。
手を伸ばしても手を取ってくれない。寒い、冷たい、暗い、痛い。手を掴んでくれた。
目が滲んで顔が見えない。
あなたは…ダレ?なんで、私のタメに泣いてイルノ?
「もう、苦しまなくていい。ヒルダは…俺のそばにいればいい
今まですまなかった。」
私、私は…この人を知っている。
そしてこの人に酷いこと…言ったな。
目に瞑っても姿はあまり見えない。
でも、声が聞こえてくる。
誰かが私のことを呼んでいる。
私は一人ぼっち。
仲間なんていやしない。
友達もいない。家族もないし、希望なんてない。それでも…
「助…ケて」
このまま目を瞑ってしまった。
真っ黒い中で…小さい光が見えて、手を差し伸べた。
そこには
「ヒルダァァァァァァ‼︎‼︎俺のこの手を掴めぇぇぇ‼︎」
アルヴァアロンから出てきた…私のお兄ちゃんだった。私には、仲間、家族も、友達も、何もないと思っていないって思ってる。
『あんたにはたった一つだけ、あるじゃない。あんたのことがこれ以上ないくらい変態でスケベだけど、それと同時に大好きなレイゼルってお兄さんが』
でも、私にはたった一つだけあった。
私が世界中の人達に拒まれて、この腐りきった世界に喧嘩を売った馬鹿兄貴で、私の身体が大きくなってエッチなことばかり見てくるスケベでもあって、
でも、
私のそばにいてくれて、辛くなっても一緒に泣いてくれて、そんなお兄ちゃんが私も大好き。もう、結婚したいくらいに。お兄ちゃんの手を掴むと、周りが真っ黒な場所も血まみれの場所も、白黒の世界も…全て幻のように崩れていく。
*****
見つけた。暗い中だったが、それでも手を伸ばそうとする手を掴み取った。
「最初に会った時にさ…お前は…俺が見ない間に…その、大きくなって動揺したよ…色々と」
「助けて早々にどこ見てんの…バカ、変態、ドスケベ兄貴。」
顔も目の周りも赤くしていた。泣いていたんだろう。身体が震えてる。相当怖かったんだろうな。でも俺から離そうとしない
「私ね、怖かったの。ママだけじゃなくてお兄ちゃんが私のことを裏切ろうとする光景が怖くてたまらなかった。今度は私が兄貴を裏切ってそれに恨む兄貴が」
「俺は…震えていたさ。俺が約束を破って、妹が傷ついて、そのうちお前と会う日が近くなったら再会するのが怖くなったんだ…妹が約束破りな俺に復讐するんじゃないかって…
自分の罪を背負ったままヒルダを連れて帰るまでは背負って生きることを覚悟していたさ」
二つの機体も消えて、生身の俺たちは長い間抱きしめていた。俺とヒルダは何にも言わないで、ただ心の安らいでる。
「ねぇお兄ちゃん。」
「…なんだ?」
ヒルダは泣きながらも俺に尋ねてきた。さっきからもう一人の俺とヒルダが見当たらないけど。
「ママに嫌われて、お兄ちゃんに言われても自分の気持ちに嘘つきすぎたよ…母親が私のこと嫌いなのも…
私がお兄ちゃんのこと大好きなのに本当は全てを投げ出して、二人で一緒に行きたいって…分かってたのに。お兄ちゃんに八つ当たりして…お互い好きだったのに…可笑しいな?私達…すれ違ってばかりいたんだね。」
「でも、求めていたものは同じだった。愛して欲しいっていう思いが。
俺だって…連れて行きたいなら強引にでも連れて行きたかった。お前を危険な場所に行かせて欲しくなかったさ…だから。
もう、俺が側にいるから。
どんな時でもずっと側にいる。」
ヒルダはみんなの前でアルケーガンダムを出して裏切ったかもしれない。でもヒルダがそうしてなかったら俺も死んでいた。
「お兄ちゃんは、今思えば…間違ってなかったよ?」
「お前も、間違えてはなかった」
マナがノーマを虐げても、母親に裏切られても…こんな偽りだらけな世界でも。
俺がヒルダを愛してるのもヒルダが俺に愛しているっていう…気持ちは本物だ。
「「俺(私)…はようやく大好きな人と本当の気持ちで…分かり合えて…本当の意味で一つになれたんだね」」
それでも、まだ戦闘中だった。あいつらが追ってくる。黒い渦から急に二人とも現れて、黒いアルヴァアロンのビームライフルによって俺たちを狙おうとしたけれど、攻撃が外れている。
『なんだ…何なんだよ⁉︎』
黒いアルヴァアロンの攻撃が外れてばかりで…あいつがおかしくなっていた。もう一人の俺は泣いていないけれど、手が震えている。
『なんで、当たらない!なんで当たらないんだよぉぉぉ‼︎‼︎』
黒いアルヴァアロンが消えてしまった。俺のことをのっとろうとしているのに、俺がヒルダを幸せにできるのに
こいつも俺と同じようにヒルダを殺したくなくて。こいつは俺の一部でもあるんだなって。
「俺は涙を流して、お前は涙を流さないそれは、俺が悲しいって感情を必死に堪えている俺自身。俺とお前は同じように心が泣いている…だから、全部ひっくるめて…俺はお前で、お前は俺だ。」
『遅ぇんだよ…あぁでも。分からずに死ぬより、死ぬ前に分かってくれたんだな。』
下を向き、笑顔になっている。そこには、鬼の目にも涙があった。
片目から一筋の涙が流れていて、同じ顔をしているもう一人のレイゼルが、消え去られた。それを見ていたもう一人のヒルダは見境なく暴れていた。ヒルダは暴れているもう一人のヒルダに歩きながら近ずいてる。
「ねぇ、私は」
『るさい、うるさい‼︎私は…私は‼︎‼︎』
憎みながらもヒルダにナイフで殺そうとしてくる。でも殺せなかった。
もう一人のヒルダのナイフは心臓に当たることなくその寸前で止まってしまい落としてしまった。もう一人のヒルダは今にも消えそうで、泣きじゃくって苦しんでいる。ヒルダはもう一人のヒルダを優しく抱きしめていた。
「大好きなママに嫌われて、自暴自棄になって…心が苦しくなって、一人ぼっちで、全てを無茶苦茶にしたい乱暴な…もう一人の私。ごめんね。気づいてあげられなくて…本当にごめんね」
『…うん。気付いてくれて…本当にありがとぅ』
もう一人のヒルダもまた涙を流していたけれども、もう一人も喜んでいた。そして、もう悔いがないかのように消え去られた。血まみれのアルケーガンダムも消えていく。
もう一人のヒルダが消えた後、空中に黄金と紅による楽譜と歌詞本がその場所に出てきて、それを手に取った。手に入れたときは開けなかった本が開かれて俺は驚いてる。
読んでみると…自分に敗北し、もう一人の自分の闇に飲まれて乗り移られる…呪いの本でもあることが分かった。でも、この本のおかげで…バラバラの心はようやく紡がれた。これは呪いなんかじゃない。自分自身の闇に向き合ってこの本から真の力を授かれる。迷いがあった俺とヒルダに大事なことを思い出させてくれた本だ。俺とヒルダは意識が遠のいて、この幸せな花園で眠っていってしまった。
*****
bgm イノセント・ブルー(TVアプリポアゼバージョン)
ヒルダ&レイゼルvs偽ソレスタルビーング…
bgm(I'll face myself Battle another battle)
どこからか、歌が聞こえる。レイゼルとヒルダの乗っている二つの機体からでもない、偽物のソレスタルビーングの機体からでもなく、アルゼナルの基地や他のパラメイルにアンジュのヴィルキスからも歌が流れてはいない。どこかから別のところで歌が聞こえていた。
「この歌…どこから⁉︎っち!とにかくあの二つの機体を葬るぞ!」
偽CBのリーダーであるユミテの命令により、エクシアを含む四機が二人に総攻撃してくるが
「「絶唱…進化‼︎‼︎‼︎」」
円球型の赤い障壁に包まれ、アルケーガンダムとアルヴァアロンの機体とそれに乗っているヒルダとレイゼルの機体を包みこむ。
「なにぃ⁉︎」
四機の攻撃を通じない。二人の機体から進化されていく様子が見られた。そこから、数分後に真の姿を見せた。
(変な気分なんだ。歌を聞いたら言葉が浮かび上がる。絶唱進化って)
アルケーガンダムからヤークトアルケーガンダムに、アルヴァアロンからアルヴァトーレに進化された。
本来通常進化となれば戦闘中は不可能だが。しかし、激唱進化は戦闘中でも可能であり、ただの進化ではない。自分の闇に溺れるか、それとも自分の心の闇を受けれるか。この激唱進化によって進化された機体は…ただの進化ではない。
「ヤークトアルケーガンダムにアルヴァトーレ…だと⁉︎」
二つの機体…それはレイゼル・フライトとしてガンダムUCに転生される時に特典として所用されていたものであり、紅と黄金の色のした粒子をばら撒いていた。
歌を聴きながら戦っているアンジュリーゼも
「あったかい…」
歌のおかげでアンジュのヴィルキスの火力が上がり、ジンクスが落ちやすくなった。二人の機体にユミテは動揺しているが、それでも突っ込んでいる。レイゼルとヒルダは戦っているが、喋らなくても心を繋いで喋ることができるようになった。
(こうして通信なしでも心で話せるんだよね。テレパシーってやつ)
エクシアのGNソードでアルヴァトーレを切り刻もうとしているが、
「アルヴァトーレのモビルアーマーが再生されているだと⁉︎」
(あったかいね。レイゼル兄貴…)
(あぁ。綺麗な歌だ)
アルヴァトーレによる主砲を連発で撃って来るために迂闊に近づけない。
「トランザム…!」
ヒルダのアルケーガンダムはヴァーチェ、キュリオス、デュナメスを圧倒した。擬似太陽炉なのにリボンズ・アルマークのような芸当をしてくるなんて思わなかった。GNランチャーで遠距離からのデュナメスを中破させ、GNバスターソードと複数のビームサーベルを使ってキュリオスとヴァーチェのトランザムによる攻撃を凌駕した。
更には
「いけ!ファング」
「迎撃しろ。ファング」
二人のファングが一斉に襲いかかってくる。アルヴァトーレはヒルダを守るための盾となり、ヤークトアルケーガンダムはアルヴァトーレという盾の役割を利用し、敵を潰す槍となる。
「「凄く…落ち着いて、心が安らいで…気持ちいい」」
レイゼルとヒルダと同様に歌声に含まれた暖かさを感じた。それでも二人に襲いかかってくる偽ソレスタルビーングは攻撃の勢いを止まることなく突っ込んでくるが、その猛攻をGNフィールドを使えるアルヴァトーレによって全てを防がれる。ヤークトアルケーガンダムはアルヴァトーレを狙っている隙を利用して一機ことに叩きのめす。
「なんだ…これは?」
ユミテから見た光景は自分達の側が優勢だったはずだったのに、機体が戦闘中なのにあんな進化をしたのも見たことがなく…目標であるレイゼルとヒルダを倒そうと思っていても今の彼らの機体に勝てる気がしなかった。
「ねぇ、レイゼルお兄ちゃん…私、兄貴のこと大好き。これからもずっとだよ」
「あぁ、俺も大好きだよ。愛してる」
アルヴァトーレによる主砲発射によりジンクスが一掃され、残りはエクシアを含む三機だけとなってしまった。GNソードによってGNアーマーを切り刻んでもアーマー自体が再生し、主砲による連発砲撃が可能となってしまったアルヴァトーレ。
ヤークトアルケーガンダムは四機でどうにかする偽ソレスタルビーングの三機を相手にしても無傷なまま。リーダーのユミテはこればかりは動揺を隠しきれなかった。こんな事態をどう収拾しても対処できない。
「なんなんだこれは⁉︎⁉︎なんなんだよおぉぉぉ‼︎‼︎」
恐怖していたユミテは撤退命令を下した。
ヴィルキスだけでもトランザムを使って落とそうと思っていても、アンジュを倒せたとしてここまでの戦闘で燃料切れになりかけている。倒すために向かったらそれこそこの場から逃げれる訳がない。ヒルダのヤークトアルケーガンダムとレイゼルのアルヴァトーレの攻撃により、全滅させられる。
「て、撤退するんですか⁉︎」
「言い訳は…聞かない。帰るぞ。我々には全く知らない絶唱進化とやらのせいで…こんなっ‼︎」
彼らはアルゼナルを襲撃できずにそのまま帰っていった。レイゼルとヒルダの二人は機内で寝てしまい、アンジュが戦闘を繰り広げていたジンクスの集団もアルヴァトーレにより一掃され跡形もなく消え去られた。
「ヒルダとレイゼルのバカップル兄妹め。疲れ切って寝てしまったのか…」
アンジュとサリアよりも上空から戦艦が空中を舞っていた。大型のモビルアーマーであるガデラーザが飛んでいた。それに乗っていたのは
「ミランダとココだけじゃなくヒルダも…3人の女子を泣かせたりして。全く、困ったマスターだ。
だが、俺にとって命をかけて守る人間にふさわしいマスターだよお前は」
デカルト・シャーマンの姿をしたレイゼルのデバイス…レヴェンだった。
「悪いが、二人を連れて帰らせて貰うぞアンジュリーゼ」
ーーーーーーーー
もう一人のレイゼル(レイゼルの影)
black sun (黒き太陽)
原型アルヴァアロン
もう一人のヒルダ(ヒルダの影)
blood arche (血染めと鮮血の始まり)
原型アルケーガンダム
ペルソナ4のシャドウバトルのような感じ。
歌の名前イノセント・ブルー
歌手…紅と黄金の女神(日高里菜)
スタードライバーのキャラ
日死の巫女・ミズノ